故障したテレビのリモコンは自分で修理できる?
テレビを見ていてチャンネルを変えようとリモコンを手に取ったものの、押したボタンがなぜか反応しないという経験は誰にでもあるのではないでしょうか。テレビやブルーレイレコーダーなどのリモコンは、ある日突然、故障してしまうものです。
そのように、急にテレビ等のリモコンが故障した時に皆さんはどうしているでしょうか?多くの方は、メーカーに連絡して新しいリモコンを購入するか、家電量販店等で汎用タイプのリモコンを購入しているのではないでしょうか。
でも、新しいリモコンを購入する前に一度、自分で修理することにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。基盤が壊れている場合は修理できませんが、ちょっとした不具合であれば、直し方さえわかれば意外に簡単に修理することが出来ます。
そこで今回は、テレビ等のリモコンの直し方を紹介し、いざご自宅のテレビ等のリモコンが故障した時、自分で修理できるようなテクニックを身に着けていただきます。
ただし、自分で修理したリモコンはメーカーの修理対象外になる場合がありますので、ご自身でリモコンの修理を行う場合は、あくまで自己責任で行っていただくようご留意ください。
では、リモコンの修理が必要なケース、具体的な修理の方法などを紹介していきます。難しい直し方ではありませんが、けが等に気をつけて作業するようにしてください。
リモコンの修理が必要なのはどんな時?
さてそうは言っても、テレビのリモコンの修理が必要なときはどんな時なのでしょうか。全ての不調に対応できるわけではないかもしれませんが、簡単に修理することが出来るのであればすぐに直してしまいたいものです。
簡単に紹介すると、リモコンのボタンを押してもテレビ等が反応しないときは修理が必要と考えられます。リモコンが反応しないと、非常にストレスを感じてしまうものですが、リモコンが反応しない理由は様々なことが考えられます。
その中で個人で修理できるものに関しては、今回紹介する直し方を参考に、自分でリモコンの修理を行ってみてはいかがでしょうか。それでも反応しない場合は買い替えが必要になるかもしれません。
リモコンボタンを強く押さないと反応しない
それでは具体的な故障の症状について紹介しましょう。まずはテレビのリモコンの効きが悪くなってしまうケースです。リモコンのボタンを強く押さないとテレビの電源がつかない、チャンネルが変わらないなどの症状です。逆に、強く押せば反応するという状態です。
この状態を修理せずに強くボタンを押すことを継続してしまうと、更にリモコンの調子が悪くなってり、最終的にはまったく反応しないという状態にまで悪化してしまいます。
テレビのリモコンのボタンを押して効きが悪くなったと感じたら、ひとまず自分で修理してみるのも良いかもしれません。そのまま何もしなくても、結果的に買い替えることになるのであれば、チャレンジしてみるのが得策かもしれません。
リモコンが全く反応しない
リモコンの修理が必要なケースとしてもう1つ考えられるのが、テレビのリモコンが全く反応しない場合です。リモコンのボタンを強く押しても反応しない場合などは、故障している可能性があります。
このような時、何をしても反応しないようであれば、自分で修理にトライするのも良いでしょう。まずは、リモコンの故障箇所を把握するためにリモコンを分解する必要があります。そして、分解したリモコンの中を確認して故障個所を調べるという事になります。
リモコンの修理が必要ではない場合
さて、先ほどからテレビのリモコンを自分で修理することについておすすめしていますが、リモコンが壊れていると考えて、早々に分解してしまう前に、本当にリモコンが故障していて修理が必要な状態なのかを確認しておかなければなりません。
仮にリモコンが故障していないのであれば修理の必要はありませんし、分解して逆に壊してしまってたり直し方が分からなくなってしまうというリスクもありません。
そこでまずは、テレビのリモコンが本当に故障していて、修理が必要なのかを調べる方法を紹介しておきましょう。使うのは携帯電話についているカメラです。携帯のカメラを起動し、テレビのリモコンの先端を画面に映します。
その状態でリモコンのボタンを押しながら撮影してみてください。画面を通してリモコンの先端を見た時に、ボタンを押すと赤く光が見えていればリモコンは作動しています。
しかし赤く光っていないようであれば、そのリモコンは故障して使えなくなっている状態であること判断できます。これは、リモコンのボタンを押すとテレビに対して発信されている信号(赤外線)をカメラを通すことで可視化しているのです。
つまり、赤い光が見えていれば、リモコンから信号が発信されているという事になるので、そのリモコンは故障していないと判断でき、修理の必要も無いという事になります。
テレビが故障している場合もある
リモコンを修理する必要がないケースを考えてみると、仮にテレビのリモコンを押してもテレビが反応しない場合、その原因はテレビにあるのかもしれません。
これは、例えばリモコンのボタンを強く押さないとテレビが反応しない場合であっても、必ずしもテレビのリモコンに原因があるとは限らないのです。
しかしながら、テレビに原因があるか否かを判断するのは難しく、まずはリモコンの故障を疑ってみるしかないかもしれません。
テレビの画面等にあきらかな不調があるような場合はテレビの不調を疑うことも考えられますが、それですらリモコンの信号を受信する機能に故障があるかを特定することには至りません。
テレビの故障を修理するとなると、比較的高額な修理費用が発生してしまいますので、まずは自分でリモコンを修理することで原因がテレビかリモコンのどちらにあるのかを確認してみるのが良いでしょう。
後ほど症状別にテレビのリモコンの直し方を紹介しますが、リモコンに故障が見られず、それでもテレビがリモコンのボタンに反応しない場合は、テレビが故障している可能性が高いと考えられます。
リモコンの電池切れ
非常に単純な理由でテレビのリモコンボタンが反応しなくなっているケースがあります。リモコンの故障を疑う場合、大抵がテレビを購入してからある程度の時間が経過していることが多く、必然、何らかの故障を疑ってしまうものです。
リモコンも同様で、リモコンボタンの効きが悪い場合、すぐに故障を疑ってしまいますが、実は電池が切れていることが原因だったというケースが多々あります。
あえてここで解説するほどのことではないかもしれませんが、テレビのリモコンボタンの効きが悪いと感じた場合は、故障を疑う前に電池交換を試してみましょう。なお、電池に関しては新しい電池を試すようにしましょう。変えた電池も電池切れしている可能性がなくはないので。
故障したリモコンの修理に必要なもの
それではここから、いざリモコンの修理を行う際に必要なツールを紹介していきましょう。通常、自宅で使っているようなツールもありますが、一部のツールはあまり一般家庭に常備されていることが少ないツールも含まれています。
ほとんどのツールはホームセンターに行けば揃えることが出来る物ばかりです。また、最近では100均でもホームセンターに売られているような特殊な物まで扱っていることが増えてきていますので、リモコンの修理にお金をかけないよう100均を覗いてみるのも良いでしょう。
ドライバー
まずはドライバーです。何らかの物を組み立てたり、修理を行う際には必須のツールになります。ほとんどのご家庭にドライバーは常備されているのではないでしょうか。
ただし、気をつけていただきたいのはねじの形とドライバーのサイズです。プラスとマイナスのねじの形とドライバーの形、更にはねじのサイズとドライバーの頭の部分のサイズが合致しているかどうか。
サイズが合わないドライバーでねじを回してしまうと、ねじ山を潰してしまうことにも成りかねませんのでしっかり確認するようにしましょう。
もし新しくドライバーを購入する際は、ドライバーが磁力を帯びていて、外したねじがくっついてくれるタイプのドライバーがおすすめです。
リモコンに使われているねじは、大抵が小さいねじなので、外した拍子にどこかに行ってしまうという事故を防ぐことができます。
樹脂製のヘラ
リモコンのタイプによっては、外面のパーツ(前と後ろ)がねじではなくツメで止められているタイプのリモコンも多数存在しています。
そのようなタイプのリモコンを分解する際、ツメを押さえて前後のパーツをこじって外す作業を行います。その作業を行うにあたり、マイナスドライバー等でも外すことは可能ですが、金属によりリモコンのプラスチックが傷ついてしまう可能性があります。
リモコンの修理が終わったときに、リモコン本体に傷を残さないように修理する為には、樹脂製でプラスチックを傷つけないように分解することをおすすめします。
OA機器洗浄スプレー
続いて準備しておきたいツールがOA機器洗浄スプレーです。名前のとおり、OA機器用を洗浄するための専用スプレー(液状タイプのOA機器クリーナーもあります)で、電子機器を拭いても壊しにくいクリーナーです。
リモコンを分解した際、中の電子回路部分を清掃する際に使用するもので、普通のウェットティッシュや水で拭いてしまうと電子回路に損傷を与えてしまう恐れがありますので、OA機器洗浄スプレーを用意しておいた方が安心です。
リモコンの修理だけでなく、PCモニタなどの清掃にも使用することができますので、余ったら日常使いするのも悪くありません。なお、OA機器洗浄スプレーも100均で購入できる場合があります。
アルミテープ
準備しておきたいアイテムとしては、アルミテープも重要です。アルミテープを自宅に常備している方はほとんどいらっしゃらないと推察しますが、故障の状態によってはアルミテープがないと修理できない場合があります。
その為、アルミテープは是非とも準備してからリモコンの修理を始めることをおすすめします。アルミテープもホームセンターで売られています。100均でも売られていることがありますので、他のツールと共に探しに行かれてはいかがでしょうか。
ボタンの反応が少し悪いリモコンの修理方法
それではここからは、リモコンの故障の度合い別に、具体的なリモコンの直し方について解説していきます。大よその部分での直し方の手順は変わりませんし、修理を始める前に想像しているよりも簡単な作業ですので、気負うことなくチャレンジしてみてください。
それでは具体的な直し方の解説に移ります。まず紹介するのは『ボタンの反応が少し悪くなってきたリモコンの直し方』ですが、先ほども伝えたように、自分で修理したリモコンについては、後日メーカーの保証対象外になる可能性がありますので、ご留意ください。
リモコンを分解
それでは具体的なリモコンの直し方の手順を紹介していきましょう。最初の手順は、リモコンを分解するところから始まります。分解と言ってもカバーを外すという工程なので、難しい作業ではありませんのでご安心ください。
大抵のリモコンはねじで留められていることが多く、更にツメで固定されているというケースがほとんどです。そのため、先ほど準備物として紹介した『ドライバー』でねじを外すことが最初の工程になります。
リモコンのねじは、上部と下部に2箇所ずつ計4つで留められていることが多いのですが、リモコンによっては中央部にもねじ留めがある場合があります。
これらすべてのねじをドライバーを使って外していくのですが、リモコンのねじは小さいねじが使用されていることが多いので、はずした後のねじを失くさないように注意する必要があります。
その点では、ドライバーそのものに磁力がついているタイプであれば、ねじが外れた時にドライバーを持ち上げればねじが一緒にくっついてくるので紛失の可能性を減少させられるという利点があります。
なお、分解作業を行う前に電池カバーと電池を取り出しておくと作業がしやすくなりますので、先に取り出しておくようにしましょう。
ねじを外し終えたら、次の工程に移ります。次の工程はリモコン外面(普段使っているときの表面と裏面)を分離させることです。ここで使用するツールが『樹脂製のヘラ』で、この樹脂製ヘラを接続部の隙間に差し込み、表面と裏面のパーツを分離させます。
分離させる作業自体はマイナスドライバーでも可能ですが、リモコンに傷をつけてしまう可能性があるので、樹脂製のヘラをおすすめします。
リモコンを分解すると、ボタンのゴム部分とそれに反応する基盤の部分に分かれます。リモコンのボタンが反応しにくくなる原因として「ボタン部分の汚れ」が考えられますので、この部分の汚れを拭き取ることで改善できるケースが多くあるのです。
ボタン・基盤部分の汚れを拭き取る
そこで次の工程は、この「ボタン部分の汚れ」を取り除く工程になります。用意しておいた「OA機器洗浄スプレー(液)」を利用して汚れを拭き取るのですが、まずは基盤部分の汚れを拭き取りましょう。脱脂綿等を洗浄液で軽く湿らせて拭くだけの作業です。
基盤部分はなるべくきれいな状態の脱脂綿で拭いた方が良いので、拭く工程の最初に行います。次に拭くのがボタン部分です。大抵のリモコンのボタンは黒い色をしていますが、そのボタンの裏側を拭く工程です。
特に、効きが悪いと感じるボタンの汚れを拭き取りますが、基盤との接点部分はカーボンでできていることが多いので、あまりゴシゴシ擦らず、汚れを軽く拭き取る程度に拭きあげましょう。
さて、めったに分解することの無いリモコンですから、ついでにボタンの表面(普段押す部分)の汚れも落としておきましょう。日常的に使用しているリモコンは、拭いてみると汚れていることが多く、特に普段隠れている隙間部分の汚れが気になります。
併せて、表面のプラスチック部分、裏側などもこの機会に綺麗にしておきましょう。その他、気になる部分を綺麗にしたら、組み立ての工程に移ります。
組立ての工程は、もちろん分解の工程の逆を行っていくだけです。最初に、外したボタン部分をプラスチックのカバーにはめ、基盤部分が付いたパーツと合体させます。
この時、ボタンのゴムが落ちてしまわないように注意しましょう。また、接合部のツメがしっかり引っかかるように合わせますが、力任せに合体させようとしてツメを折ってしまわないように注意してください。
ここまで出来たら、最後にドライバーでねじを締め直します。力を入れ過ぎてねじ山をなめてしまわないように注意してください。最後に電池を入れて完成です。
テレビに向かったリモコンの反応を確認していただき、問題なければ終了です。道具さえ揃えておけば難しくはない直し方の工程です。
一部のボタンが反応しないリモコンの修理方法
先ほどは一部のボタンの効きが悪くなってしまったリモコンの直し方を紹介しましたが、ここではもう少し症状が重くなってしまったリモコンの直し方を紹介します。
効きが悪くなってきたボタンを放置していても起きる現象ですが、今回は『一部のボタンがまったく反応しないリモコン』の直し方を紹介します。
分解までの手順は、先ほどの効きが悪くなったリモコンの直し方と同じですが、反応しないボタンにアルミテープを使うことで反応を取り戻させるという作業が加わります。
リモコンを分解
リモコンを分解する工程は先ほど紹介しましたので、再度詳しく紹介することはしませんが、リモコンのタイプによっては、電池を入れる部分の中にねじを使っているケースがあります。
また、ねじを使わずにツメだけで固定されているタイプもあります。ツメだけで固定されているタイプは、隙間に樹脂製ヘラを差し込んで分解するようにしてください。
ボタン・基盤部分の汚れを拭き取る
続いての工程も、先ほど紹介した工程と同様です。OA機器洗浄スプレー(液)を脱脂綿等に軽く含ませて拭き取ります。強くこすり過ぎないのがコツです。汚れている部分を強くこすり過ぎるとゴムが避けてしまったりといった二次被害が発生してしまう可能性があります。
アルミテープを反応しないボタンに貼る
さて、ここからが新しい作業工程になります。100均などで購入したアルミテープを、反応しないボタンに貼るという作業工程です。
新しい作業工程とは言え、作業内容自体は非常に簡単な作業です。まず、買ってきたアルミテープを反応しないボタンの黒い部分(基盤を押す部分)と同じ大きさにカットします。
そして、カットしたアルミテープを反応しなくなったボタンの位置に貼り付けます。この状態にすることで一時的に反応しない状態は解消されることがほとんどです。接触部分の摩耗により反応しない状態になっているので、それをアルミテープで補っているのです。
アルミテープが剥がれないように接着剤を使う方法もありますが、接着剤が他のところについてしまう可能性がある点には注意してください。アルミテープを貼ったら、後は先ほどと同様の手順で元に戻せば作業完了となります。
リモコンの修理をせず買い替えたほうが良い場合
今回はリモコンの簡単な直し方について紹介していますが、リモコンを修理せずに買い替えた方が良いケースも存在します。その様な事象をこれから紹介しますが、それらの事象が発生している場合/疑われる場合は、自分で修理することはせず、すぐに買い替えることをおすすめします。
リモコンの電池の液漏れ
買い替えをおすすめする最初のケースは、リモコンに入れている乾電池が液漏れしてしまっている場合です。有害物質を含んだ液漏れした乾電池は危険なので、その様なリモコンを自分で修理することはやめましょう。その様な場合はすぐに新しいリモコンに買い替えましょう。
リモコンの寿命
液漏れした電池が入っている場合は、リモコンそのものは使える可能性がありますが、寿命が来てしまったリモコンに関しては、修理しても使えない可能性がありますので、こちらも新しいリモコンに買い替えるしかありません。
リモコンも電化製品の1つではありますので、部品の経年劣化は避けられません。長期間使い続けたリモコンは、内部で劣化した部品も多くなっているので、メーカーに修理に出してもお金が掛かりがちです。下手をすると、買い替えた方が安い場合すらあります。
簡単な直し方でリモコンを自分で修理してみよう!
いかがでしたか。リモコンを自分で修理する方法を紹介してきましたが、思っていたよりも直し方そのものは簡単なことだったのではないでしょうか。お店やメーカーに修理を頼むと比較的お金が掛かることも多いので、一度、自分で試してみるのも良いかもしません。