「偲ぶ」の意味まとめ!使い方・例文や忍ぶ・悼むとの違いも解説!

「偲ぶ」の意味まとめ!使い方・例文や忍ぶ・悼むとの違いも解説!

偲ぶ(しのぶ)という言葉はどういう意味で、どんな時に使うのかを例文を使いながらご紹介していきます。偲ぶという漢字はあまり見慣れない様に思いますが、意味や使い方がわかり引用してみると、とても表現力があがります。忙しい日々の中で、偲ぶ思いは心豊かになれます。

記事の目次

  1. 1.偲ぶの意味とは?
  2. 2.偲ぶの由来
  3. 3.偲ぶの特徴
  4. 4.偲ぶと間違いやすい言葉と意味
  5. 5.偲ぶの使い方
  6. 6.偲ぶは懐かしく慕い思うという意味

偲ぶの意味とは?

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「偲ぶ」はしのぶと読みます。過ぎ去った物事や遠く離れている人や場所などを懐かしむ気持ちや、賞賛や同情の気持ちで思い出すことを言います。他にも人や物に心惹かれて思いをめぐらす、慕わしく(したわしく)思うという意味もあります。

さらに、物や景色の美しさに感心し賞美する意味もあります。この「偲ぶ」は愛でる(めでる)と同じ意味になり、百人一首の歌にも読まれています。思いおこして心を惹かれる思いを「偲ぶ」で表せるのはロマン広がる世界観です。

偲ぶの由来

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「偲ぶ」の由来については、漢字の成り立ちにあります。「亻」にんべんと思うの「思」が合わさってできています。にんべんは人を表し思は、こまやか、懐かしみ思い描く、慕う(したう)などの意味をもっています。

「偲ぶ」の「偲」の文字は、賢い、強い、才能がある、懐かしく思うなどの意味があり、「偲ぶ」はめでる、賞美するの意味をもつ古語にあたり、万葉集にも使われています。さらに思い慕うという意味もあり、徒然草にも読まれています。昔から使われている「偲ぶ」です。

偲ぶの特徴

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「偲ぶ」の特徴として、過ぎ去った物事や、遠く離れている場所や人を懐かしむ意味で使われているので、最近では「偲ぶ会」と故人を偲ぶセレモニーなどに頻繁に使われるようになりました。偲ぶ思いの表現がまさに一致している名前です。

自分が「偲ぶ」思いを表すだけではなく、共感し一緒に「偲ぶ」同調の気持ちを表せます。対象が物や景色などから「偲ぶ」気持ちを表現できる特徴もあります。時折「偲ぶ」意味や気持ちを意識して感じてみましょう。

偲ぶは気持ちを表現する言葉

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「偲ぶ」の特徴として、ストレートな言い方として使われず奥深い意味を表せる点があげられます。万葉集や源氏物語でも「偲ぶ」想いをつづられていて、遠く離れていても思い慕う、恋慕う気持ちをはせて表しています。そういう意味をもつ「偲ぶ」です。

「偲ぶ」言葉は古くからそういった思いを含んで使われていて、人や物事、事柄など広い範囲で使うことができます。さらに人柄が偲ばれるという言葉になると尊敬の気持ちも表せる特徴を持っています。「偲ぶ」気持ちは今も昔も同じなのかもしれません。

偲ぶはいろんな対象に使える言葉

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「偲ぶ」を使った「偲ぶ会」があります。お葬式、追悼会、お別れ会とは違うニュアンスで行われることが多く、故人の思い出を慕い(したい)懐かしみ、故人やご家族の想いを大事に開かれています。「偲ぶ」気持ちはより故人への懐かしさや賞賛を表すことができ、宗教色が少ないものです。

それに合わせ、今まではお供えの花や共花、献花などと呼ばれていましたが故人にむけて「偲ぶ花」と呼ばれるスタイルもできてきました。そのほかに、「偲ぶ池・長野県」「ふるさとを偲ぶ散歩道・福井県」などもあります。

古来からある「偲ぶ」思いを表しながら今の時代にもあう新しい「偲ぶ」の呼び方が特徴的となっています。きっとこれからも「偲ぶ」変わらぬ思いの中で伝わり続けていくことでしょう。

偲ぶと間違いやすい言葉と意味

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「偲ぶ」と同じ「忍ぶ」しのぶは間違いやすく実際にひらがなで書かれていると、同じ意味に受けてとれます。万葉集ではひらがなが用いられていたので「しのぶ」意味はどう違うのかは歌の中の情景の違いにより読みとられていました。

「悼う」いたむと読むこちらの文字は故人を敬う意味で「偲ぶ」と同じようによく使われています。この「悼む」についても詳しくご紹介します。「偲ぶ」「忍ぶ」「悼む」のそれぞれの意味と使い方をそれぞれ覚えてみましょう。

偲ぶと忍ぶの意味の違いは?

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「忍ぶ」しのぶは「偲ぶ」と同じ読み方で良く間違われるのですが、「忍ぶ」には辛いことをがまんする、耐える、じっとこらえるといった気持ちや状態を抑え込むという行為が含まれ、精神的に苦痛も伴います。「偲ぶ」思いより耐えるという強い意味になります。

また、隠れるや自分の存在や行動を、人に知られることなくひっそりするという意味もあります。そして、自分の気持ちを表すことをこらえ、抑えるといった意味もあります。「忍ぶ」思いは厳しい表現も伴っています。

「人目を忍んで行動する」は「忍者」がこれに当てはまる言葉です。また「思い出の作品を捨てるに忍びない」「捨てるに忍びないので捨てる前にしみじみ偲んでみよう」など「忍ぶ」と「偲ぶ」を合わせた文も作れます。

偲ぶと悼むの意味の違いは?

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「悼む」は「いたむ」と読み、つつしむと読み間違いをよくされます。「偲ぶ」とは「故人を偲ぶ・故人を悼む」時に間違えやすく伝わります。「悼む」とは人の死を悲しく嘆く(なげく)、悔やみ嘆く、自分の心が痛み悲しむなどの意味があります。

また、亡くなった人の安らかな眠りを祈り思う気持ちは「悼む」と表現します。追悼の「悼・とう」では亡くなった方を偲んで悼み悲しむ意味となっています。亡くなった方へ使われる「偲ぶ」は少し時間がたってから懐かしむ時間の経過が含まれています。

どちらも故人を思う気持ちなのですが、悼む気持ちには痛く嘆き悲しむというまだ癒えていない思いも伝わります。「偲ぶ会」と「追悼式」もことばの中の意味を知ると何を目的にしているかがわかります。

偲ぶの使い方

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「偲ぶ」の使い方を実際にどう使うのか、その意味も含めて例文でご紹介します。同じ「偲ぶ」でもたくさんの使い方があります。その使い方は意味がわかった上で使うようにすると、より自分の言葉として伝えられます。

一つの言葉を深く知ることで、その文字の持つ意味や背景まで浮き彫りにされてきます。「偲ぶ」こともその状況によってより広い時間と世界があるので、ぜひ使い方の参考にしてください。

例文①

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はじめの例文は思い出を懐かしむ「偲ぶ」です。「彼に会うと幼かった子供の頃が偲ばれます」「昔過ごした思い出の場所が偲ばれます」この昔を「偲ぶ」意味は、遠い思い出を懐かしんでいるさまや場所や人に気持ちを寄せています。

「春になると何故かふるさとの情景が偲ばれます」記憶にある故郷の様子が、春の訪れとともに懐かしく思うという例文です。懐かしく、賞賛して愛おしく気持ちがそちらに向いているといった心を表した表現です。

例文②

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2つ目の偲ぶは苦労を偲ぶ例文です。「何もない時代に暮らした先人たちを偲ぶ思いがこみあげてきます」「あまりにも雄大な眺めに、つくられた方々の苦労が偲ばれます」こちらの「偲ぶ」は過去に苦労をしてきた方達への敬う気持ちが込められています。

苦労に対しては忍ぶとは書かず「偲ぶ」と表すことで、時が経ち苦労してこられたことへの賛美の意味もうかがえます。違いがはっきりわかる使い方となりますので「偲ぶ」思いをあらためて伝えられる表現です。

例文➂

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3つ目の例文は景色を「偲ぶ」使い方です。「この街並みは長きに渡り樹木の美しさを偲んで作られました」「湖岸に揺れる草花を偲んでいます」美しき物への賛美や感心して味わう「偲ぶ」となります。

また、自然の美しい景色そのものから何かを偲んでいる様にも見てとれる例文として「梅雨の時期は色とりどりに咲く紫陽花から偲ぶ思いがわきあがります」こちらは紫陽花の花を見ると、何かを「偲ぶ」思いがわいて出てくるという使い方です。

例文④

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4つ目の例文は故人を「偲ぶ」使い方です。「春の桜は故人を偲ぶ思い出深い花です」故人を「偲ぶ」という言葉はよく耳にすると思いますが、この「偲ぶ」は懐かしく思い出す意味があります。亡くなってしまった2度と会えない方との大切な思い出を回想するという事です。

「毎年故人を偲んで歌います」「在りし日の姿を偲びます」など一番多く使われている「偲ぶ」は時間が経っても色あせることなく気持ちを表す表現として故人に対する想いの丈が感じとれる美しい表し方です。

故人を「偲ぶ」時に使われる「偲ぶ」はニュースなどにも伝えられることが多く、「故人を偲んで黙とうをささげられました」「生前ゆかりの深い方が故人を偲んで話しました」など、聞いた覚えのあるフレーズです。

偲ぶは懐かしく慕い思うという意味

フリー写真素材ぱくたそ

「偲ぶ」について意味、使い方などをご紹介してきました。同時にしのぶと読む「忍ぶ」や、亡くなった方への思いを表す「悼む」など、同じように使われ、意味がはっきりわからないまま、なんとなく使われてきています。言葉には意味がありそれぞれちがうニュアンスを持っています。

「偲ぶ」は昔の情景や人を懐かしく慕い思う、そうした思いに賞賛や同情も含まれた意味も持っています。敬いや愛でる(めでる)という意味もあり、故人を「偲ぶ」伝え方もあり、「偲ぶ」言葉を使って幅を広げてみましょう。

そして、必ず皆「偲ぶ」思いがあるはずです。経験やまだ「偲ぶ」ことがない方も、時が経つにつれ「偲ぶ」気持ちがやってきます。最近では愛犬や愛猫の「偲ぶ会」を行う方もあります。故人を「偲ぶ」のはもちろんですが、景色や場所などを「偲ぶ」思いを持って心豊かになりましょう。

Mari Sasaki
ライター

Mari Sasaki

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