さながらの意味とは?
「さながら」とは二つの事物、状態が似ているさまにいう、まったく、そのままという意味を持っています。使い方によっては、相手にとって、それぞれの違った意味合いとして捉えられる場合があるので注意が必要です。
日常で、ビジネスシーンでも「さながら」という言葉を使う方はいます。しかしながら正しい使い方や意味、語源を理解している方は多くはありません。本記事では「さながら」の意味と使い方や例文、語源から英語での表記方法をお伝えします。
意味を知れば使い方も正しくなり日常やビジネスシーンなどで、「さながら」を活用できるできます。また語源を知っていればコミュニケーションの輪が広がること、間違いありません。
さながらの語源
さながらの語源、由来は、副詞の「さ」に助詞の「ながら」が付いた言葉と言われています。つまりさながらは、「さ」と「ながら」の二つが語源で、その言葉を合わせて一つになった言葉になります。さながらの語源「さ」は、漢字で「然」と書き、意味は「そう」とか「そのように」という意味です。
副詞であるさながらの語源「ながら」は、漢字で「乍ら」と書き、副詞につけた場合は、「…として」「…のまま」という意味になります。
さながらの本来は「そのまま、元通り」の意味で使われていました。中世(鎌倉時代~戦国時代)以降、現在の「まるで、あたかも」の意味で用いられることになったと言われています。
さながらの特徴
さながらはビジネスシーンやスピーチなどで使うことに適しています。なぜならば、さながらは、ある程度かしこまった場面での言い方だからです。つまり固い言葉ということです。
さながらは口頭での使う言葉というより文章などで使う言葉になります。日常の会話でさながらを使うことは、間違ってはいませんが、正しいとは言えません。
意味がまるで通じないことはないかと思われますが、言葉は正しく使った方が、相手に良い印象を与えます。具体的にどのような特徴があるか次項目よりまとめてみました。
現代的な使い方での意味
さながらは、現代的な使い方での意味では、そっくりで、まるでそれのようだになります。意味を知っていただければ、どの様にさがならを使用するかイメージつくのではないでしょうか。
前項目で述べた通り同じ意味とはいえ、さがならを口頭で使う言葉としては固いイメージになります。口頭で使う場合は、同じ意味のそっくりで、まるでそれのようだを使うことをおすすめします。
ビジネスシーンやスピーチ、文章で使用する時などは、さながらでも問題ありません。使いどころが難しいかもしれませんが、意味を理解して正しく使い分けましょう。無理であるならば、同じ意味を持つ言葉で十分です。
古典的な使い方での意味
続いてさながらの古典的な使い方での意味をお伝えします。さながらの古典的な使い方での意味として、ひたすら、そのまま、全部、そうは言ってもの以上4つです。
現代的な使い方と比べるとやや意味が違います。知識として覚えておいて不利益はありませんが、意味がやや違うので、古典的な使い方でさがならを使用するときは注意しましょう。
さながらの英語表記
さながらは、英語で表記した場合、「Just like」と表記します。Just正しい、公平な、適正な正当なという意味を持ちます。likeは同様な、類似の、似ていてという意味です。
二つの英語が合わさりさながらと言う言葉が完成します。さながらの語源である「さ」に助詞の「ながら」が付いたとどこか類似しています。
余談ですが、前項目で述べた通り、「さ」は「然」です。「然」を英語で表記すると「Naturally」です。また「ながら」は「乍ら」ですので英語にしますと「While」になります。
この二つの英語を合わせて直訳すると「当然ながら」という意味になります。現代的なさながらとやや意味が違ってきますが、古典的な意味では不思議と近い意味ではないでしょうか。
さながらの類語
次にさながらの類語について調査いたしました。意味によっていくつもの類語がありますが、本記事では、あたかも、ちょうど、まるでの3つをピックアップしました。
類語であるため、さながらとほぼ同じ意味を持ちますが、やや異なるのでそれぞれ詳しく意味をお伝えします。ピックアップし3つの言葉の簡単な例文も記載いたしました。
それぞれの意味を理解して用途に応じて使用してください。使用することがなくても、表現として覚えておくとよいでしょう。
さながらの類語①あたかもの意味
最初にお伝えするさながらの類語は、「あたかも」です。意味としてはさながらと同じで、まるで、ちょうどになります。
使い方は、「あたかも~のようだ」や「あたかも~のようだ」です。例文としては「あなたは、あたかも知っているかのようだ」などです。
さながらと同様ややかしこまった言い方になります。文章などのセリフに使用されることが多く、普段使いよして、さながら同様使いづらい言葉になります。
さながらの類語②ちょうどの意味
続いて紹介するさながらの類語は「ちょうど」です。それより多く(大きく、遅く)も少なく(小さく、早く)もないこと、きっちり、ぴったりなどの意味を持っています。
類語ですが、さながらとはやや意味は違ってきます。例文は「この服はちょうどよい」、「ちょうどよい大きさだ」などです。さながらより柔らかい表現ですので、普段から使用している方も多い言葉ではないでしょうか。気兼ねなく使用できる言葉です。
さながらの類語③まるでの意味
最期にお伝えするさながらの類語は「まるで」です。意味としては「○○みたい」、「同様」などの意味があります。また「全然」という意味もあります。
例文は「まるで子供のよう様だ」。全然として使う場合は、「まるで違う」などがあります。さながらと比べるとやや柔らかい言い方になりますが、さながらとは、意味が違って使用する場合もあるので、使用する時は注意が必要です。
さながらの使い方
さながらの意味や、類語をお伝えしてきましたが、さながら自体の例文をご紹介します。具体的な例文が分かれば、どの様に使用するか理解できるかと思います。
言葉ですので使い方はいくつもありますが、4つの例文に絞りました。ご参考にしていただければ幸いです。よりさながらの意味を深めてください。
例文①
例文1、「昨夜の雨はさながら滝のようであった」。滝そのものではなく、滝のような激しい雨という意味で使用しています。この場合のさながらは、類語でいうならまるでと同じ使い方です。
他の文章で言うなら「昨夜はすごい雨でした」になります。これではどれくらいすごいのかは、イメージが付きにくい状態です。
ですが、さながらを用いて「さながら滝のようであった」と使用することによって、滝というイメージが出てきます。よりすごい雨であったことが、相手へ伝わるでしょう。
例文②
続いて例文2です。「あなたはモデルさながらの美しさだ」。この文章はさながらを「そのもの」という意味で使用しています。美しさがモデルそのものだと伝えている文章です。
「そのもの」という意味で使用しているので、「モデルみたいだ」という文章より、よりモデルに近いことを指しています。この場合も例文1と同様にイメージが湧きやすくなっています。
例文③
例文3は、「この練習は、本番さながらに行っている」です。この文章の場合は、「そのまま」という意味で使用しています。
練習にもかかわらず、練習を本番そのままの気合で行っているということです。この場合も「練習で気合をいれている」というより、さながらを使用することにより、本番という実際のイメージが付いてきます。この練習は本番と同様にやっているんだと伝わる内容になります。
例文④
最期の例文は、「あの人はさながら気持ちがこもっていない」です。この例文の場合は、「まったく」という意味で使っています。
本当に全く気持ちがこもっていないという意味です。ただ「気持ちがこもっていない」より、気持ちがこもっていない強さのレベルが高くなります。相手に伝えたい度合いの大きさが、イメージしやすくなります。
さながらはそっくりそのままという意味
いかがでしたか、「さながら」の意味や使い方、類語から英語表記までお伝えしてきました。ビジネスシーンなどで活躍できる言葉ですが、「さながら」は普段、日常で生活している場合は使用することは、ほとんどない言葉です。表現として、知識として覚えていただければ幸いです。