カオスの意味とは
「この状況、カオスだ」なんてこと言うことありませんか。日常でもときおり使われるカオス。特に若い人がよく使ってますね。なんとなく意味がわかっているつもりではいるのだけれど、実際にその意味を聞かれるとうまく答えられない方が多いのではないでしょうか。
ここではカオスという言葉がなにを意味するのか、その使い方に応じてご説明していきたいと思います。カオスとは一体どういう意味なんでしょう。
意味①混沌とした様子
カオスの意味として最も使われやすいのが混沌とした状態のことをさすときではないでしょうか。混沌とは「区別が立たず物事が入り混じっている状態」を意味する言葉です。
仕事の場面で様々な案件が入り混じり、まさにカオスとしか言いようない状態のときがありませんか。あるいは、家庭で子供が騒いでる側で電話がなり、夫は脱いだ服をそこらへんに放り投げている。そういった混沌した状態のときをカオスと言います。
意味②無秩序な様子
続いてカオスと言う意味でよく表されるのが無秩序な状態のことではないでしょうか。ニュースなどで政情不安な国の状態をカオスと表現したりしますが、それは今まであった秩序が壊れて無秩序状態になった状況を意味します。また、ライブ会場などでお客さんが盛り上がり過ぎて無秩序になった状態もカオスです。
意味③理解不能な様子
若者がよくカオスという言葉を使いますが、相手の言っていることが理解不能という意味で使ってる場合も多々あります。「お前の言ってること、まじカオスだな」のように使われますが、これは「あなたの言っている意味がわかりません」と言う意味です。あまりビジネスでは使われませんが、これもカオスと表現します。
意味④色々なものが混じった・ぐちゃぐちゃな様子
色々なものが混じった・ぐちゃぐちゃな様子もカオスの意味するところです。一つのものが整理され綺麗に並べられているとは反対に、様々なものが入り混じっている状態がカオスです。整理整頓できていない人の机がよくこんな状態になっていますが、その人の机の上はカオスだということになります。
意味⑤ハッキリと定まらない様子
物事がはっきり定まらない場合もカオスで意味することがあります。仕事の場面でもある目的をもって業務を進めればスムーズにことが運びますが、目的を決めず、やることが定まっていないとカオス状態になります。また旅行でも行先でどこを回るかという計画を決めていないとカオスな旅になってしまいます。
カオスの使い方・具体例
ここまでカオスの意味についてご説明してきましたが、ここではカオスの具体的な使い方についてまとめました。
一言でカオスと言っても様々な場面で使いますので、どういった場面でどのように使うかを解説していきたいと思います。類似する言葉もありますので、間違って使っている場合も多いものです。みなさんはカオスを意味を理解して上手に使えていますか。
使い方①無秩序・ぐちゃぐちゃなことに対して
無秩序でぐちゃぐちゃな意味として使用するカオス。こういった場面はありませんか。子供がクレヨンでお絵かきをしています。その画用紙に書かれた絵を見はまさに「カオスな絵」です。夫婦で子供のかわいらしい絵をみながら「カオスな絵だね」と言って、笑いあってみてはいかがでしょうか。
使い方②支離滅裂なことに対して
仕事をしていて部下が支離滅裂な報告をしているときがありませんか。そんなときもカオスを使いましょう。ミスをして焦っている状態だと自分の頭も整理できないので、つい支離滅裂なことを言ってしまいます。部下がミスをして焦っているときは「お前の報告、カオスだな」と言ってあげましょう。そうすると部下も冷静に戻るかもしれません。
使い方③近寄りがたい雰囲気に対して
なんだかよくわからなくて不気味なものに対してカオスと使う場合があります。例えばハロウィンなどで不思議な仮装をしている人たちなどカオスで近づけないと思います。「あの人たちカオスだな」そう言いながら遠くでその情景を眺めている人たちを見たことがありますので、そのような使い方もあるようです。
使い方④ありえないこと・非常事態に対して
戦争など非常事態が起こっている場合もカオスの意味に含まれます。日常では起こりえないことが起こると、なかなかその状態を受け入れることができずカオスと感じます。たまたま事故現場を見てしまった人の感想も「こんなカオスな状況、今まで遭遇したことがないです」という風になります。
使い方⑤片付いていないことに対して
これは一般的によく使われる意味だと思いますが、片付けられていない状態のことをカオスと表現します。汚部屋なんて呼ばれたりする部屋はまさにカオスな部屋になります。ときどきテレビなどでゴミ屋敷などが報道されたりしていますが、あれなどカオスと呼ぶに相応しい状態でしょう。
カオスの語源とは
様々な使い方をされるカオス。それは一体どういう語源をもっているのでしょうか。支離滅裂な様子、混沌とした様子、無秩序な様子。だいたいの意味はわかるけど、そもそもどこからやってきた言葉なのか。ここではカオスがどのようなところから発生した言葉なのかを説明いたします。意外と歴史のある言葉なので、びっくりしないでください。
カオスの語源はギリシア神話の「混沌」
カオスの語源はギリシア神話まで遡ります。ギリシア神話には様々な神が登場しますが、その神々が現れる前に様々な神の原点となる神をカオスと呼びます。ギリシア神話では神々がまだ生まれていないときには混沌であったと記されています。なにもない虚無を意味しています。
自然も大地も光もない状態、これが神々が生まれる前の状態です。このなにもない不安な状態をカオスと呼んだため、今の混沌を表すようなカオスという言葉生まれたとの説があります。カオスが意味することも深いのです。
近年は日常会話で使われている
ギリシア神話に語源を持つカオスという言葉。現在では日常会話の中でも多く使われます。上記のカオスを使う具体例でも説明したように、多くの場面でカオスという言葉が使われているようです。
「お前の部屋、カオスだな」「仕事が多すぎて頭の中がカオスだ」このようなことを誰でも一回は言ったことがあるのではないでしょうか。ギリシア神話に語源をもつカオスですが、今ではとても身近な言葉になっているようです。
カオスの対義語・反対語
ここまでカオスの意味や語源、使い方についてご説明してきましたが、ここではカオスの対義語・反対語について解説いたします。混沌を意味するカオスの反対はなんなのでしょうか。混沌の反対だから整理されている?、そう思う方も多いと思います。一体なんでしょうか。その意味も含めてご説明いたします。
コスモス
カオスの反対語はコスモスと言います。コスモスとは「秩序があり整っている状態」を意味します。カオスが秩序のないぐちゃぐちゃな状態ですので、その反対語としてコスモスという言葉が昔は使われていました。ただ、カオスと違い日常で秩序がある状態のことをコスモスと呼ぶことはあまりないようです。
古代ギリシアで使われていた
カオスの反対語であるコスモスの語源はなんでしょうか。これもカオスと同じく古代ギリシアで考えられた言葉です。古代ギリシアは天文学が盛んで、そこで宇宙のことをコスモスという意味で呼んでいました。古代ギリシア人にとって宇宙とは統一のとれた秩序あるものだったのです。まさにカオスの反対の意味です。
カオスと間違われやすい言葉とは
混沌という意味を表すカオス。日常でもよく使われていますが、正確に使えているでしょうか。カオスと似た意味の言葉にシュールという言葉があります。これも日常でよく使われる言葉です。この二つの言葉の意味、似ているようで微妙にニュアンスが違いますので、ここではその言葉の意味についてご説明いたします。
シュール
「あなたの発想はシュールだね」そんなことを言われたことありませんか。そう言われるとなんとなく嬉しいような気持になるから不思議です。それではシュールの意味はなんでしょうか。
シュールとは「非現実的なこと、奇抜なこと」を意味する言葉です。フランス語でシュルレアリスムという言葉があり、超現実主義うぃ意味しています。要するに普通の人では考えつかないような突飛な考えのことです。確かに「あなたの発想はシュールね」と言われると天才みたいで嬉しくなります。
ケイネス
そのほかにケイネスという言葉もあります。これは英語で発音した場合にカオスになり、意味は同じです。カオスの綴りは「chaos」と書き、それを英語で発音するとケイオスになります。そのため外国でカオスと言っても伝わらず、ケイオスと発音する必要があります。間違えないようにしましょう。
カオス理論
カオス理論とは物理学に関する考え方のことです。とても難しい理論なのでなかなか意味を理解するのは難しいですが、簡単に説明すると「予測ができない複雑な状況を扱う理論」のことです。物事があまりに複雑だと、それは混沌に似た状況になってしまいます。この理論を考えた人はそう考えてこの名前を付けたのかもしれません。
バタフライ・エフェクト
カオス理論を研究するある科学者がこのようなことを考えました。「ブラジルの1匹の蝶の羽ばたきはテキサスで竜巻を引き起こすか?」これはあくまで例えですが、このようにある状態にわずかな変化を与えると、それがなかった場合と比べて、その後の状況が大きく変わると考えるのがカオス理論です。
世の中に溢れるカオス
世の中にはカオスなことが溢れています。普通ではありえないような混沌とした状況に出くわす人もたくさんいます。しかし、カオスな状況だからこそ新しい発見があるのかもしれません。
ここでは世の中に溢れるカオスな場所や人についてご紹介したいと思います。ここで紹介するのはほんの一部だけですので、皆さんも自分でカオスな場所や人を見つけてみてください。カオスを楽しめれば人生が変わってくるはずです。それでは紹介していきます。
スイティエン公園
まずはカオスな公園から。ベトナムのホーチミンにあるスイティエン公園はまさにカオスです。ハリーポッターのお城があったり、閻魔大王がいたり、仏像やお釈迦様がいたりします。さらにプールやワニ釣りができる釣り堀などもあります。まさになんでもありのカオスな公園です。
まぼろし博覧会
続いてカオスな博物館。静岡県伊東市にある「まぼろし博覧会」もカオスです。コンセプトは「キモ可愛い」だそうで、マネキンや不気味な人形があちこちに散見できます。大仏や古代文明のゾーンがあったり、昭和の時代ゾーンがあったりで、こちらもやはりなんでもありです。興味のある方はぜひ行ってみてください。
夜は短し歩けよ乙女
今度はカオスな描写がでてくる小説をご紹介いたします。森見登美彦さんの「夜は短し歩けよ乙女」です。読んだ方も多いかもしれませんが、京都の町を舞台にカオスな人たちがカオスな状況でドタバタ劇を繰り広げます。とてもおもしろい小説なので、まだ読んでいない方はぜひ読んでください。
キル・ビル
カオスな映画と言えば「キル・ビル」ではないでしょうか。ブルース・リーの衣装を着て刀を振り回したり、女子高生が鎖のついた不思議な武器を振り回したり、アメリカ人がヤクザの親分だったり。その発想はまさにカオス。何度見ても笑ってしまいますので、お時間のある方はぜひ見てください。
内田裕也
カオスな人と言ったらこの人しかいないのではないでしょうか。ロックンローラーの内田裕也さん。惜しくも亡くなってしまわれましたが、この人の人生は伝説となっています。年をとっても長髪にサングラス姿はカオスと呼ぶにふさわしいと思います。樹木希林さんとの逸話にほほえましいものが多いのもギャップがあっていいです。
インド
世界にいろいろな国はありますが、カオスな国と言えばインドではないでしょうか。世界で二番目に人口の多い国で、個性に溢れています。一度行った人はハマってしまうという話を多く聞きますので、そのカオスさにやられてしまう人が多いのではないでしょうか。死ぬまでに一度は行ってみたい国です。
みなさんの見つけたカオスはなんですか?
ここでは世の中に溢れるカオスの一部についてご紹介してきました。世の中には様々なカオスがあります。そんな状況や人に遭遇したらラッキーだと思って、その状況を楽しんでみてはいかがでしょうか。普段味わえない状況に身を置くことによって、なにげない日常が楽しくなるかもしれません。
毎日同じ場所に行って同じ人にあっているだけだと、人生が単調になってしまいがちです。怖がらずにカオスな場所に行ったり、カオスなものを見たり、カオスな人にあったりして自分に刺激を与えてみてはいかがでしょうか。
カオスは「ぐちゃぐちゃ」「支離滅裂」などを示す若者言葉
ここまでカオスについてい意味、語源、反対語、使い方について説明してきました。語源は古代ギリシアまで遡る歴史のある言葉ですが、現在では若者でも気軽に使っています。「お前の話、まじカオス」「この前ライブ行ってきたんだけど、まじカオスだった」若い人たちがそんな言葉を使っているのを聞いたことありませんか。
聞きなれないとなにを言ってるのだろうと不思議な気持ちになりますが、意味がわかるとなるほどと思うはずです。使ってるみると意外と便利な言葉ですので、もし機会があればぜひ使ってみてください。