「慈しみ」の意味とは?慈しみ深い心を持つ性格の人の特徴も紹介!

「慈しみ」の意味とは?慈しみ深い心を持つ性格の人の特徴も紹介!

慈しみという、深い心を表す言葉があります。では、慈しみとはどういう意味があり、どのような使い方がされているのでしょうか。今回は慈しみがある人の性格や特徴をはじめ、慈しみの意味や使い方について英語ではどう表現するかなどもご紹介します。

記事の目次

  1. 1.慈しみの意味とは
  2. 2.慈しみの使い方と例文
  3. 3.慈しみと思いやりの違い
  4. 4.慈しみと似た意味の言葉
  5. 5.慈しみの心が強い人の性格・特徴
  6. 6.慈しみの心が強い偉人のエピソード
  7. 7.慈しみの心が強い名言
  8. 8.慈しみの心を持つ人になるためには
  9. 9.慈しみの心を持つ人には人が集まる
  10. 10.慈しみは親子・恋人の他にも大切な人への慈愛を意味する言葉

慈しみの意味とは

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慈しみとは「いつくしみ」という読み方をします。あまり馴染みのない読み方と感じる方も多いことでしょう。その慈しみの意味は「慈愛」や「恵み」となり、母親の深い愛情などに表現されることが多い言葉です。

また、恋愛や夫婦での関係性においても慈しみの心で接することは大切で、その相手への深い愛情にもよく用いられます。

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そして、お互いに慈しみのある心で結ばれているカップルや夫婦は、本当の家族のようにその絆も深いといえます。

ではその慈愛の意味として用いられる慈愛や恵みとは具体的にどのようなことなのでしょうか。慈愛や恵みについて詳しくご紹介しましょう。

意味①慈愛

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慈愛とは、大切な対象に常に深い愛情を注いで可愛がる心を意味します。英語ではAffectionと表現し、世界共通の認識として存在する愛情を意味する言葉です。

また、英語でいうLoveやLikeと表現する意味での好きや愛とは違い、根底からある意味での愛であり、変わることのない心を示すものです。

そのため、母親が子に対する愛情に例えられることが多く、それも人間だけではなく動物の母親の愛情にも慈愛が用いられることがあります。

意味②恵み

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恵みとはよく神のご加護のように、天の恵みという表現で用いられることがあります。見返りのない愛情を与えるという意味となります。

自然の恵みとも表現され、大なり小なりの恩恵を授かる場合にも使用される言葉です。これが昔の人々には神による恵みであると信じられていたこともあり、豊作や日照り続きで雨が降ると天の恵みと表現されていたのです。

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情をかけ、施しをすることを恵みとし、子供にとっての神のような存在である親からの恵みを与えられることにより、子は育っていきます。

また、人や動物を救済することも恵みを与えるという意味となります。これも慈しみの心を持つ人の行為だといえます。

慈しみの使い方と例文

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では、慈しみとはどのようなケースで用いられるのでしょうか。相手を大切に思う深い愛情を表現する慈愛や恵みという意味がある慈しみですが、普段はあまり使用することはないという方が多いことでしょう。

しかし、大切な相手を想う愛情を意味する表現ですので、本来はいろいろなシーンで慈しみは用いることができる言葉でもあります。

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ましてや、子供や恋人、結婚相手など、本当に大切な人がいる場合には必ず慈しみの表現が当てはまるケースがあるはずです。

そこで、慈しみとはどのようなときに使うのか、さまざまなケースでの例文によってご紹介します。慈しみを使用する際の参考にしてみてください。

深い愛情を表現するとき

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母親が我が子に向けた深い愛情を表現するときに慈しみはよく用いられますが、とくに母親が子を見つめる目を慈しみで表現することがあります。

例文にすると「母は慈しみのある目で子を見守る」・「慈しみに満ちた目を子に向ける」などと母の優しい心は慈しみの目として例えられます。子を想う母親の絶対的な心は、慈しみを表現する言葉として最適なケースといえます。

相手をいたわるとき

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慈しみとは、対象の相手への愛情といった心を表すものです。しかしそれは、誰かをいたわる心の表現でもあります。

もちろん、母親が我が子をいたわる心もありますが、夫婦であったり恋人であったりすることもあるでしょう。

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本当に大切だと思う人へのいたわりの心もまた慈しみです。そんないたわりの気持ちで表す慈しみを用いた例文をご紹介します。

相手をいたわるときの慈しみの例文は「慈しみをもって妻を支える」・「夫の苦労を慈しみの心で労う」など、大切な相手への優しい心を表現しています。

お互いを大事に思うとき

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お互いに深い愛情で結ばれた夫婦やカップルでも慈しみをもった関係として表現されます。心から相手を愛し、思いやる心で接する関係の場合、単なる仲の良い雰囲気ではなく落ち着いたお互いを深く理解し合っているケースで用いられることが多いでしょう。

そんな慈しみのある関係性を例文にすると「あの人とはお互いに深い愛情で結ばれた慈しみ合った関係」といった表現になります。心と心で深い愛情で結ばれている関係という意味です。

慈しみと思いやりの違い

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慈しみとは、相手を深い心で思いやることですが、ただの思いやりとは意味が違います。もちろん相手を思いやる心も慈しみの意味に含まれていますが、単なる思いやりよりさらに深い意味での心を表現するのが慈しみです。

つまり、家族や恋人など本当に大切な人に慈しみは多く用いられますが、思いやりはそうではない人に対しても用いることができるという意味です。

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顔見知り程度の知人や、通りすがりの人など、心から愛する対象ではない人へも思いやりを見せるシーンはあります。

それは、その人の優しさや好意という意味となり、慈しみということではありません。しかし、慈しみの心を持つ人が無関係の人にも思いやりがあるのも事実です。

親子以外にも使う

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慈しみを意味する表現は親子以外にも使用します。深い愛情や心を意味する慈しみですので、子に対する母親の愛で例えられることがよくあります。

恋人や結婚相手など、親子の愛に匹敵するほどの深い心を向ける大切な相手にも慈しみで表すことができます。

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これまでもご紹介したように、夫婦間や恋人同士でも慈しみをもった関係が成立しますし、その対象は人間だけでなく動物であるケースもあるでしょう。

家族同然に生活するペットへ、慈しみの心をもって接している方も多いのではないでしょうか。親子や家族にも劣らないくらいの深い愛情を注ぐ対象に慈しみは用いられるということです。

慈しみと似た意味の言葉

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慈しみとは、深い心を表現する言葉ではありますが、慈しみそのものを使用することは一般的にはあまりなく、似た意味の言葉で表すことが多いでしょう。

では、慈しみの意味に似た意味を持つ言葉にはどのようなものがあるのでしょうか。普段比較的よく使っている言葉が多いため、慈しみに似た言葉を知れば、慈しみの意味もよく理解できるはずです。

慈しみを説明する際によく用いられるのが「愛」や「情」がつく表現で、根本的には愛や情といった心がなければ慈しみとはいえません。そこで、普段使うことが多い、深い愛や情に基づく慈しみに似た意味の言葉をご紹介します。

似た意味の言葉①慈愛

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慈しみの意味に似た言葉として代表的なのは先述でもご紹介した慈愛があります。そもそも慈しみの意味として慈愛が用いられることが多いため、意味的にもかなり近い表現ということになります。

逆に慈愛の意味を説明する場合には慈しみを相手に注ぐということになりますので、どちらも深い心で相手を想うという意味として共通しています。

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動物が子供に対しての行動を見ていると、慈愛を感じさせるため、その様子はテレビや本などでのよく紹介されることがあります。自分の命さえも危険に晒すこともいとわない、動物の母親の姿はまさに慈愛を感じさせる光景です。

そのような、絶対的な深い愛に裏付けされた心を表現するのが慈愛であり、何にでも簡単に用いられるものではありません。

似た意味の言葉②愛情

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愛情は慈しみの意味において絶対的に必要なことです。つまり、慈しみは母が子を想うほどに深い愛情を向けるということですから、根本的に愛情があるということです。

ただし、愛情にもいろいろな意味があり、慈しみを意味しないケースでの愛情もありますので注意が必要です。慈しみという意味での愛情とは、同じ愛情でも決して揺るがない深い愛情ということです。

もちろん、愛情を注ぐ対象は恋人や結婚相手の場合もあるでしょう。つまり、母が子に向けるような深い愛情を注ぐ心が慈しみだということになります。

似た意味の言葉③恩恵

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恩恵も恵みを与えるという意味で、慈しみに似た言葉だといえます。ただ単に物をもらうということではなく、深い愛情に裏付けされた深い意味での心の恩恵を授かるということです。

つまり、母親の愛のように深い愛情を与えられることが慈しみという意味での恩恵となります。決して見返りを求めない心の恩恵が慈しみと似た表現の言葉だということです。

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恩恵には情けを受けるという意味もあり、情けは「情」によるものですが、そこには必ずしも愛があるわけではないケースもあります。可哀想に思う対象を哀れに思い情けをかけるということです。

すなわち、恩恵を与える対象に情けの「情」と「愛」があり深い愛情を持って与えるのが慈しみという意味での恩恵といえます。

似た意味の言葉④温情

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温情も慈しみを表現する意味に似た言葉で、相手を思いやり、優しい心を持って接するという意味です。そして、慈しみという意味での温情とは、家族への愛情のように深い心をもって相手を思いやるということになります。

温情は慈しみを傾ける相手ではない人などにも用いられるケースもありますので、あくまでも何よりも大切な相手への温情という意味です。

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何かミスを犯してしまった人などに温かい情を持って処置する場合に温情を用いることがありますが、深い愛を備えた、慈しみのある心の持ち主だからこそできることでもあります。

温情を持って人に接することができる人というのは、慈しみの心を持つ人でもあり、本当に大切な相手にも深い愛情を注ぐことができるでしょう。

英語で慈しみを意味する言葉

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慈しみを英語では慈愛でも用いられるAffectionで表現することができます。英語では慈しみの決まった表現がないため、ケースに応じて深い愛として用いられることが多く、他の英語表現では親切や人情という意味のkindnessでも当てはまります。

また、英語ではLoveでも深い愛を伝えることができ、日本での認識のように恋だけではなく、英語の場合は家族などの愛する対象に英語のLoveで気持ちを伝えます。

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慈しみの英語を調べるとさまざまな性格の英語が出てきますが、シーンによって使い分ける必要があります。

そのため、英語の場合は慈しみとはこういう意味とはっきりしていないこともあり、いろいろな表現が用いられています。

慈しみの心が強い人の性格・特徴

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慈しみがある人というのは深い愛情を持っている人ということになります。では、慈しみの心が強い人の性格や特徴にはどのようなものがあるのでしょうか。

どんな人にも表と裏の顔があり、少し付き合っただけではその人の本当の性格や人間性を知ることは難しく、特徴を捉えることが大切です。

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慈しみの心が強い人であれば、何気ない言葉や行動にもその特徴が表れていることもありますので見極めることもできるでしょう。

そんな慈しみが強い性格の人は、慈しみの対象となる人だけでなく周囲にも愛情を持って接する人であることが多く、安心して付き合うことができます。そんな慈しみの心が強い人の性格や特徴をご紹介します。

相手を大切にする

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慈しみの心が強い人の性格で、絶対的な条件として相手を大切にするという特徴があります。友人・恋人・仲間として相手を大切にする性格の人は慈しみの心が強い可能性があります。

そういう性格の人が恋人である場合、英語のLoveが単なる恋ではなく、深い愛情という意味での英語のLoveやAffectionにもなっていくことでしょう。

友人や仲間としても相手を大切にする性格の場合、英語のkindnessで表現するように親切心や人情に厚い人である可能性があります。

相手を責めない

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何かトラブルがあったり、失敗したりしたとしても相手を責めない性格の人も慈しみの心が強い人だといえるでしょう。心が広い、器量が大きな人であり、人格的にも素晴らしい人でなければなかなかできないことです。

どのような関係であれ、相手の失敗をガミガミト責める人と一緒ではなかなか本来の力を発揮することも難しく、縮こまってしまうこともよくあります。誰にでも失敗やできないことはあるものです。

大きな心と深い愛情で、相手に接することができる性格の人と関わることができれば、失敗を恐れず思い切ったことにも挑戦できそうです。

相手のあるがままを受け入れる

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相手のあるがままを受け入れる心を持つ人も、慈しみの心が強い性格の人といえるでしょう。たとえ、その人がどのような人物であっても自分の都合で変えようとしたり、受け入れなかったりする人は慈しみの心を持つ性格とはいえません。

中には自分の思うことと異なるものを否定してしまい、自分の考えが全てだと勘違いしている人もいます。そんな人は他人の考えまでも否定し、自分の考えが正しいことを押し付けることもあります。つまり、自分以外の人の性格や人間性を受け入れないのです。

人には誰でも良い面も悪い面もあり、慈しみの心とは全てをその人の個性と捉えることができる性格の人です。そういう人と良い関係を築けば、お互いに相手を大切にできるはずです。

相手とキチンと向き合う

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相手とキチンと向き合うことができる人も慈しみの心が強い性格の人です。これは恋人や夫婦での関係性として大切なことでもあり、相手とキチンと向き合うことができなければ良い関係も築くことは難しくなります。

そういう意味でいえば、自分の相手となる人がキチンと向き合うことができる性格なのかどうかを見極めることが恋愛や結婚生活が上手くいく秘訣といっても過言ではありません。

相手と向き合うというのは、その人との話や考えを理解してコミュニケーションとることです。どのような些細なしっかりと伝えあい共有していくことが大切です。コミュニケーションがとれなければ、ズレが生じることにも繋がります。

見返りを求めない

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そもそも慈しみの心とは見返りを求めないことです。深い愛情で相手を想い、恵みを与えることができる性格の人が、真の慈しみの心を持つということです。

何らかの見返りのために、相手に親切にしたり物を与えたりするような行為は下心によるものだということがいえるでしょう。本当に慈しみの心がある性格の人であれば、見返りなどなくても相手を大切にすることができます。

そして、本当に深い愛情を与えられた人は、見返りなど期待しなくても自然に愛を返してくれるはずです。それが、心と心が通い合った慈しみ合う関係ということです。

相手に安心感を与える

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何よりも慈しみの心が強い性格の人は、相手に安心感を与えることができます。慈しみを意味するいろいろな要素が備わっている人は、一緒にいると心が落ち着き安心感のある時間が過ごせるはずです。

大きな心で包み込んでくれるため、少々の困難があっても動じることもなく乗り越える勇気を与えてくれることでしょう。

Photo by1556045

そのため、相手からの信頼感も得ることになり、恋人や夫婦、または友人の関係であっても強い絆で結ばれることになります。

母の深い愛情に包まれた子供は安らぎに満ちた表情をしています。本能的に何があっても大丈夫だという安心感があるからです。それは恋人や夫婦でも同じことです。恋人や結婚相手から絶対的な深い愛情を注がれていれば安心感を感じ、さらに愛が深まっていきます。

慈しみの心が強い偉人のエピソード

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慈しみの心が強い性格の人は、その大きな心で人々に愛や恵みを与えることが多く、歴史にも残る偉人にも慈しみによる数々のエピソードが残っています。むしろそういう慈愛に満ちた心の持ち主だったからこそ、偉大な功績を残したり、大切な人が成功することになったともいえます。

では、慈しみの心が強い性格であった、偉人が残したエピソードにはどのようなものがあるのでしょうか。心温まる偉人のエピソードをご紹介しましょう。

徳川家康の母「於大の方」

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日本の歴史において誰もが知る、江戸幕府の初代将軍・徳川家康の母である「於大の方」が生き別れた後にも我が子を想い続けたエピソードがあります。

まだ竹千代という幼名だった、後の徳川家康が3歳のときに於大の方は当時の政略的な事情で離縁します。そして竹千代と於大の方は生き別れることになりますが、於大の方はその後数十年に渡り離れ離れの我が子のことを想い、手紙やお菓子などを贈り続けていたといいます。

桶狭間の戦いで織田信長が今川義元を討った後に、家康は信長と同盟を結び母である於大の方を無事に迎えることができました。天下人にまで昇り詰める徳川家康の心を支えたのは母の大いなる愛だったのかもしれません。

自動車王ヘンリー・フォードを支えた妻「クララ」

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アメリカ合衆国が生んだ自動車王と称される企業家・ヘンリー・フォードを支え続けた妻クララのエピソードも有名です。

ヘンリー・フォードといえど産まれたときから偉人だったわけではなく、自動車王と称されるようになるまでは想像を絶する苦労と努力をしていたのです。周囲からは変人扱いされることも、こういった後に名を残す偉人にはつきものです。

そういう大変な時期にも、夫人であるクララは慈愛に満ちた心で夫を支え続けます。まさに無償の愛が生んだヘンリー・フォードの成功と功績といえるでしょう。

政略結婚で生まれた愛情「将軍家茂と和宮」

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江戸幕府第14代将軍・徳川家茂のもとへ降嫁した和宮とのエピソードも愛深き逸話として知られています。降嫁とは皇族の女性が皇族男性以外に嫁ぐという意味で、二人の結婚は幕府と朝廷の関係を強固にするための政略結婚でした。

しかし、家茂と和宮は深い愛で結ばれていて、たとえ公武合体という意味あいのある政略結婚であっても慈しみのある関係を築くことで幕府と朝廷の関係を良くしていこうと務めたとされています。

そして家茂は第2次長州征伐の指揮を執るために大阪へ向かい、和宮は夫の無事の帰還を願っていましたが、その願いむなしく大阪城にて病死します。和宮のもとには家茂が土産に贈ろうとしていた西陣織が届きますが和宮は「夫が還らなければ意味がない」と嘆いたとされています。

第二次世界大戦中に人を救った「杉原千畝」

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第二次世界大戦のナチス・ドイツによるユダヤ人迫害は、多くの人々が知る悲惨な歴史のひとつです。当時、杉原千畝はリトアニア・カウスの日本領事館に努めていました。戦争は激戦の一途を辿り、ヒトラー総統の命によるユダヤ人の迫害もますます激しくなっていきます。

そんな中、ナチスから逃れるため杉原のいた領事館に助けを求めてきた多くのユダヤ人の難民たちがいたのです。杉原は日本外務省にビザ発行の許可を求めますが、外務省からの返答は正規の手続きでなければ発行できないというものでした。

しかし、杉原は外務省の命令を退け、外交官としての地位と引き換えにユダヤ人難民を救う決断をしました。そして杉原は自らの責任でビザを発行し、6000人もの命を救いました。

アフリカ紛争地域に足を運んだ「オードリー・ヘップバーン」

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ローマの休日など多くの名作映画に出演した女優として知られるオードリー・ヘップバーンもアフリカの紛争などで傷ついた少年少女たちに深い愛情を注いだ人物です。

ユニセフのボランティア活動を通じ、女優業と並行し彼女は慈しみの心で世界中の苦しんでいる子供たちに数十年にもおよび手を差し伸べ、1989年にはユニセフの国際親善大使に就任しています。

慈愛の心を広げた「マザー・テレサ」

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カトリック教会の修道女として、世界中の苦しんでいる人々に慈愛の心で安息を与え続けたマザー・テレサの献身的な活動は修道女たちにより現在においてもその心が広げられています。

1950年には神の愛の宣教者会を創立し「餓えた人」・「裸の人」・「家のない人」・「体の不自由な人」・「病気の人」・「必要とされない人」・「愛されない人」・「誰からも世話されない人」のために活動を行っています。

慈しみの心が強い名言

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慈しみの性格を持つ偉人たちは、自分が行ったことや考え方についてのさまざまな名言も残しています。聞くだけでも勇気を与えられる、偉人たちが残した慈愛に溢れた名言を、日本人と外国人の英語とそれぞれに分けてご紹介しましょう。

日本語の名言にはその意味がスッと心に入ってくる慈しみが伝わり、英語の名言には慈しみが示す意味の真のカッコ良さが伝わってきます。

慈しみの名言①日本人の名言

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昭和を代表する映画スター、高倉健さんの名言に「人に裏切られたことなどない。自分が誤解していただけだ」というものがあります。人を責めることをしない、慈しみの心に満ちた言葉ではないでしょうか。

また、多くの愛ある言葉を説いてきた瀬戸内寂聴さんの名言の中に「あなたは苦しんだ分だけ愛の深い人に育っているのです」というものがあります。

人の心を救ってくれるような深い愛に満ちた言葉に、今までの苦労が報われる気持ちが湧いてきます。そして、これからの人生に向き合う気にもなれます。

慈しみの名言②外国人の名言

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外国人の英語による慈しみの名言と、その日本語での意味をご紹介します。アメリカの作家エリック・シーガルの英語での名言に「Love means not ever having to say that you are sorry.」というものがあり、日本語での意味は「愛とは決して後悔しないこと」となります。

「Love is like a flower-you've got to let it grow」という英語の言葉は、ジョン・レノンが残した名言で、この英語の日本語での意味は「愛とは育てなくてはいけない花のようなもの」となります。

そして、慈愛の象徴であるマザー・テレサの英語での名言の中には「You,good it you」という言葉があります。この英語の日本語での意味は「あなたは、あなたであればいい」となります。

慈しみの心を持つ人になるためには

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深い心で見返りのない愛情を注ぐことができる慈しみの心を持つ人になるためにはどうすればいいのでしょうか。愛する対象となる人がいて、その相手にとって自分が慈しみの心で接することができれば、きっとその愛は伝わり大切にすることができるはずです。

結果として相手からも信頼され、良い関係を築くことができるでしょう。そのためにはまず、自分がそうなりたいと考えるだけではなく、相手のことを第一に想ってあげることが大切です。自分勝手な思いだけでは慈しみとはいえません。

そこで、どいすれば慈しみある人になれるのかをご紹介していきます。大切な相手に慈しみの心をもって接することができるように、ぜひ参考にしてみてください。

相手の立場に立つ

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慈しみの心を持つ人になるためには、その相手の立場になって何をすべきかを考える必要があります。自分の勝手な思い込みで、こうするのが良いと勘違いし相手が求めてないことをしても迷惑なだけです。常に相手のことを考えて発言をしたり、何かをしてあげたりしましょう。

ただ、何か相手のためになることをしたいと思っても単なる押しつけになってしまうこともあります。今その相手がどういう気持ちでいるのか、そして何を求めているこかということを考えることが大切です。

よく人の嫌がることをする人がいますが、こういう人は相手の立場になって考えられない人です。慈しみの心を持つ人とは、相手が求めていることが何かを考えられる人です。

前向きな気持ちを持つ

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相手に深い愛情を注げる慈しみの心を持つ人になるためには、前向きな気持ち持つことも大切です。後ろ向きな気持ちでは相手を良い方向へ導いてあげることはできません。慈しみの心とは、見返りを求めず無償の愛情で相手を良き道に導く心を持つことです。

そのためには、相手のために自分が先導してあげなくてはいけません。ポジティブに相手を励ましてあげることもときには必要です。

ネガティブな気持ちでは決して人の心を動かすことはできず、相手にとっても良い結果とはならないでしょう。慈しみの心を持つ人になるためには、前向きな気持ちで相手が進む道を良い方向へ導いてあげましょう。

自分の気持ちを把握する

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慈しみの心を持って相手と接するには、自分の気持ちを把握することも重要なことです。自分の気持ちもキチンと把握していなければ、相手に深い愛情を注ぐこともできません。また、迷いのある気持ちでも同じで、はっきりとした心でなければ本当に相手を大切にすることはできないでしょう。

要するに、覚悟のない愛では愛とは呼べず、揺るぎない覚悟を決めた絶対的な気持ちを持ち、その気持ちを持っていることを把握して相手を想うことが慈しみの心ということです。

大切だと思う相手に対し、覚悟を持った絶対的な愛で包み込み守ってあげるには、まず自分の気持ちをキチンと把握しましょう。

慈しみの心を持つ人には人が集まる

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慈しみの心を持つ人は周囲からも愛され、結果的に人が集まってきます。信頼や人望も厚く、カリスマ性がある人にそういう傾向があり、人の上に立つ人の条件ともいえます。

ただし、そういう人間になりたいと思って慈しみの心を表現したところで、それは見返りを求める行為であり真の慈しみではありません。

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そもそも、表面的な偽りの慈しみの心など、すぐに人には見破られます。本当に慈しみの心を持つ人というのは、信頼や人望などを求めているのではなく、心から愛情を注げる人なのです。

だからこそ周囲の人々は、そんな慈しみの心を持つ人の人間性に魅力を感じ、心惹きつけられて自然に集まってくるということです。

慈しみは親子・恋人の他にも大切な人への慈愛を意味する言葉

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今回は慈しみという言葉について、その意味や使い方などを例文や英語、エピソード・名言も交えてご紹介してきました。慈しみとは、母が子に注ぐような深い愛情や心を表現する言葉です。

そして、それは親子だけではなく、恋人や夫婦、他にも大切な人への慈愛を意味する言葉でもあります。慈しみの心を持って、大切な人との時間を過ごして素敵な関係を築いていきましょう。相手に深い愛情を注ぐことで、大切な人も本当の愛情を注ぎ返してくれるはずです。

慈しみの心を持つ人は、相手が幸福なことを喜び、結果的にお互いに慈しみ合う真の幸福な人生を大切な人と歩んでいくことができるでしょう。

Detective-N
ライター

Detective-N

記事を読んでいただきありがとうございます。皆さまに有意義な情報を提供できるように努めますので、どうぞよろしくお願いいたします。

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