「那」が持つ意味や由来は?使い方や名前につけるときのポイントを紹介!

「那」が持つ意味や由来は?使い方や名前につけるときのポイントを紹介!

「那」という漢字は最近よく名前に使われます。「那」には、どんな意味や由来があるのでしょう。漢字の意味や由来を知ることは、名付けの際の大きなヒントになります。「那」という漢字の意味と由来を分かりやすく解説します。また使い方のポイントも合わせて紹介します。

記事の目次

  1. 1.「那」の持つ意味
  2. 2. 「那」の由来
  3. 3.「那」は中国語の指示代詞
  4. 4.「那」の日本語での使われ方
  5. 5.「那」は女の子の名前で人気
  6. 6.「那」がつく女の子の人気の名前TOP5
  7. 7.「那」を男の子の名前に使うよい点
  8. 8.日本語のひらがな・カタカナは漢字がベース
  9. 9.「那」の漢字の意味と使い方を知ろう!

「那」の持つ意味

意味
Photo bygeralt

「那」という漢字は名前にもよく使われています。「那」という漢字の持つ意味や由来を知ることは、これから子供の名前を考える人にとって、大きなヒントや助けになります。

漢字は4世紀ごろ、仏教と共に中国から伝来したと言われています。現在の日本語では、漢字の他に「ひらがな」や「カタカナ」が併用されています。それらは、漢字だけでは難しすぎるので考案された文字です。つまり日本語の文字は、中国語に由来してると言えます。では「那」という漢字の持つ意味を紹介します。

「那」の意味

漢字
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「那」は平成22年に常用漢字に追加された漢字です。常用漢字とは一般の社会生活で漢字を使用する際の目安として、内閣が告示した「常用漢字表」にあげられた2136字の漢字です。

1923年に文部省の国語審議会が発表した「常用漢字表」が基で、何度も改訂を繰り返し現在のものになっています。

以前「那」はは地名などで使われるだけでしたが、最近では一般的によく使われるようになったため常用漢字に追加されました。「那」という漢字には主に3つの意味があります。その3つの意味をこれから解説します。

①美しい

美しい
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「那」が持つ1つ目の意味は「美しい」です。これは説明するまでもなく言葉そのままの意味です。「那智」や「那須」など景色の美しい地域の地名に多く使われているのも理解できます。また最近女の子の名前によく使われるのも、「ナ」という音の響きの良さだけでなく「美しい」という意味を持っているからでしょう。

②ゆったりとした

リラックス
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「那」が持つ2つ目の意味は「ゆったりとした」です。沖縄の風景と地域性を想像して見てください。美しい海に囲まれた景色と、都会にはないゆったりとした地域性、その沖縄の中心地の地名が「那覇」です。

「那覇」という漢字を直訳すると「ゆったりとした国を治める王者」という意味になります。また美しい景色は、人の心をゆったりとなごませます。「那智」や「那須」などの風光明媚な地名に「那」が付いている由来が想像出来ます。

③豊かさ

広大
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「那」が持つ3つ目の意味は「豊かさ」です。「多い」とか「広い」という意味もあり、心理的な感情を加味すると「懐が深い」という意味にもなります。

一家の大黒柱の主人を「旦那」と呼ぶのはこの意味に由来しています。商店の主人達に「旦那集」という使い方をするのは「豊かさ」「有福」などの意味に由来しています。

お寺にお布施をする施主や檀家に「旦那」が使われるのは「懐が深い」の意味に由来しています。使い方の他の例として人の名前に「那」の文字を入れるのは「懐が深い、心の広い人になって欲しい」という願いが込められているのです。

④反対語や疑問

意味
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「那」が持つ意味には上記の3つの他に「なんぞ」「なに」があります。これは疑問や反対語の当て字に、たまたま「那」が使われたことに由来しています。

「那んぞ」という言い回しは現在ではあまり使われなくなっていますが、古い文献ではよく見かけます。また「おいて(於)」という意味もあります。仏語の「刹那」や「那落」はこれらの意味を含んだ言葉です。

「那」の読み方

読む
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現在では「那」の読み方は「ナ」がほぼ100%です。他の読み方もいくつかあるのですが、特殊な場合や古語や、ほとんど死語に近い使い方の中で見られる程度です。

漢字の読み方には、音読みと訓読みの2種類があります。音読みは、中国語の発音をもとに読む方法です。訓読みは、日本語の意味を漢字にあてはめた読み方です。「那」の読み方を、音読み訓読みに分けて紹介します。

音読み:「ナ」「ダ」

音読み
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常用漢字表に掲載されている「那」の音読みは「ナ」です。その他表外読みとして「ダ」があります。「ダ」と読まれる漢字に「阿那(アダ)」という言葉があります。意味は花が美しく茂って盛んな様子を表しています。

これは非常に稀な場合なので「ダ」は表外訓読みになっているのです。ですから普通は「那」の字が入った熟語や漢字は「ナ」と読んでまず間違いはありません。

訓読み:「いかん(ぞ)」「なに」「なん(ぞ)」

古語
Photo by TANAKA Juuyoh (田中十洋)

「那」の訓読みとして「いかん(ぞ)」「なに」「なん(ぞ)」がありますが、現在ではほとんど使われることがないため常用漢字表の表外訓読みになっています。ただし人名に使う場合に限り「那」を「とも」「ふゆ」「やす」などの読み方が出来るので、人の名前を読む時には注意が必要です。

「那」の由来

郷
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「那」はもともとは古い中国の地名を表す漢字です。漢字には、左側のヘンと右側のツクリとで構成される文字が多くあります。

「那」もその一つで、左側のツクリは中国語で「冄(ゼン)」という漢字で、糸や毛が多くしなやかに垂れていることを表しています。昔話に出てくる村の長や長老が、白く長い髭をふさふさとたくわえた穏やかな表情が浮かんできます。

また右側のヘンの「阝(おおざと)」は「特定の土地」を表しています。この2つを組み合わせた「那」は「しなやかで美しい郷」を表しています。このように漢字の由来を調べると、思いもよらぬ発見があるのです。

「那」は指示文字と象形文字の組合せ

組合せ
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「那」は指示文字と象形文字を組合せた会意文字です。会意文字とは言葉どおり、意味の違う性質を組合わせた文字のことです。つまり「那」は物を指示する「指示文字」と、物の形をかたどって作られた「象形文字」の両方の性質や意味を合わせ持っている漢字です。

また会意文字は2つの意味の組合せですから、漢字をヘンとツクリなどに分解出来ます。逆をいえば「日」や「上」など分解出来ない漢字は、会意文字ではなく指示文字か象形文字です。では指示文字と象形文字とはどのような文字なのでしょう。

指示文字

指示
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指示文字とは、数字とか位置など形で表しにくい物を、点や線を使って表したり、象形文字に印をつけることで表現した文字です。一、二、三、上、中、下、本、末、未、などがあり、ヘンやツクリに分解出来ない漢字です。

たとえば「上」という漢字は、横棒の「一」の上に「点」の部首「ト」を付けることで、下とは反対の位置の状態を表しています。

「本」という漢字は読む本のことではなく、もとの意味は木の根本を表す漢字です。ですから「木」という象形文字の下の場所に、横棒「一」をつけ加えて「本」と書いて根本を表現しています。このように指示文字とは、絵として描きにくい事象を、部首の一部を使った印と点や線でその意味を表そうとした文字です。

象形文字

象形文字
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象形文字とは、物の形を点や線で書くことで物の意味を表した文字で、絵文字とも言われます。古代エジプトのヒエログリフや、マヤ・アステカ文字、メソポタミアのシュメール文字、などの古代文字は全て象形文字です。

古代中国文明の、漢字の起原発祥も象形文字に由来しています。「日」や「月」という漢字は、太陽や月の形をかたどったものです。この他「鳥」「馬」なども同様に鳥や馬の形を模して作られた漢字です。このように物の形にかたどって作られた文字を、中国では先秦時代から象形と呼び、象形文字は中国語の最も原始的な姿です。

「那」の漢字の左の意味

長老
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「那」の左側のツクリは、ひげが伸びて垂れた様子を表す象形です。前述の長老の白くふさふさした髭は豊かさの象徴です。「那」の左側には長く伸びた髭に由来して「豊かな」「多い」という意味があります。

長老の長く白い髭は、多くの年月を経て多くの人生経験を積んできた証です。沢山の知恵や見識を持っていることから、「思慮深い」「豊かな心」という意味も含んでいます。

「那」の漢字の右の意味

豊作
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「那」の右側のヘンは「おおざとへん」といい、ヘンの名前に有るように郷(さと)や村、国など特定の場所や領地を意味します。「那」という漢字のヘンとツクリ左右を合わせると「しなやかな村」「美しく豊かな村」といった意味になります。白い髭をたずさえた思慮深い長老のいる郷は、穏やかな村、実り豊かな郷になるのです。

「那」は中国語の指示代詞

代替
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日本語で「これ」「あれ」と表現する言葉を、中国語では指示代詞といいます。数字とか位置をあらわす指示文字とは違います。指示代詞とは、直接ものの名称を呼ぶ代わりに使う言葉です。

たとえば目の前に赤いリンゴがあったとします。リンゴと言わずに「これはずいぶん赤いですね」などのように使われる「これ」です。りんごの代わりに「これ」というような使い方をする言葉のことです。では何故「那」は中国語の指示代詞なのでしょう。

遠称として使う

遠称
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日本語では「これ」「あれ」のほかに「それ」がありますが、中国語では「それ」に相当するものがありません。「これ」は対象物が近いものを代称するもので、「あれ」は遠くにあるものを指す遠称です。

日本語の「それ」は抽象的な表現で直接目に見える対象物がありません。中国語では物理的に目に映らないものを代わりに表現する言葉がないので、「それ」という表現がないのです。では「那」は中国語では指示代詞としてどのように使われるのでしょう。

あれ・あの

あれ
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中国語では自分から近いものは「这」、離れて遠くにあるものは「那」を使います。すなわち「那」は「あれ」「あの」などの遠称として使われる指示代詞なのです。ただここで気をつけなければいけないのが、日本語と中国語の本質的な表現方法の違いです。

日本語で「あれ」といえば、遠くにあるその物を指しますが、中国語で「那(あれ)」といった場合は、物をささずに遠いという距離感だけを指します。そこで誤解を生まないよう注意することが必要です。

あれら

数える
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「あれら」は複数を表す指示代詞です。日本語では数を表現する時に、数える物により後に付く文字が変ります。たとえば人数を数える時には○人、物を数える時には○個、動物を数える時には○頭○匹、などに変化します。

中国語でも同じで対象物や数によりにより変化し、それを「量詞」といいます。中国語では文字の後に量詞を付けることによって具体的な意味を表現するのです。ですから量詞の付いていない表現は明確な意味を伝えられないのです。「那(あれら)」「那(あれ)」でも、あとに量詞が付いていない場合は、中国語では距離感を表すだけで意味をなさないのです。

「那」の日本語での使われ方

桜
Photo byPexels

「那」という漢字は、最近はよく名前に使われるようになりましたが、日本語では以前からどのような物に使われていたのでしょう。日本語で「那」の使い方を見てみると、大きく2つに分けられます。

1つは音読みの「ナ」の意味「豊かな」「美しい」などに由来する使い方、もう一つは訓読みの「なんぞ」「なに」「おいて(於)」などの意味に由来する使い方です。前者は地名に、後者は仏教語に多く見られる使い方です。

日本の地名

地名
Photo byHans

「那」が地名に付く場所は、日本全国各地に点在しています。その地名には「那」という漢字が持つ意味の「美しい」「豊かな」と地域の特徴や立地状況を組み合わせた物が多く見られます。

立地状況から付けられた地名の典型が「川上」「下川」「山中」などで人名にも応用されています。「東京」は京都の東にある都、「九州」は9つの州(国)から成り立っているからです。現在の九州は7つの県ですが、江戸時代までは9つの藩があったのです。それでは「那」が付く地名とその地域特性を紹介します。

那覇(なは)

沖縄
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「那覇(なは)」は沖縄県の県庁所在地です。那覇という漢字を分解すると、左側「那」の意味は「美しい」「ゆったりとした」で右側の「覇」の意味は「天下を取る者」「支配すること」です。左右を合せた那覇の意味は「美しい国を支配するもの」となり、まさに美しくゆったりとした沖縄県の中心にふさわしい地名です。

那須(なす)

那須
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「那須(なす)」は栃木県北東部にあたる那須郡をあらわす地名です。天皇陛下の御用邸があることでも知られていて、風光明媚で穏やかな地域です。古くには放牧が盛んで、中心地である芦野に奥州街道の宿場町がありました。

「那須」の語源は「那珂川の中州」という語が短縮されたという説があるけれど、定かではありません。「須」には、待つ、待ち受ける、という意味があるので「那須」は「ゆったりと待つ」という意味にもなります。暑い夏を、ゆったりとしたところで過ごして秋を待つ、避暑地にはもってこいの地名。御用邸があるのも納得がいきます。

仏教に関するもの

仏教
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仏教は釈迦(ブッタ)の教えが、発祥の地インドから中国に伝わり、4世紀頃に日本にもたらされたものです。仏教に関する言葉を仏語と言います。仏語はもともとサンスクリット語で書かれた言葉を、中国で漢字に翻訳したものです。

翻訳といってもサンスクリット語の、発音に近い意味を持つ漢字を当て字にしたものです。したがって日本語での読みの方の発音は、基の発音とは多少違いますが意味は同じです。では「那」を使った仏語の代表的なものを紹介します。

刹那(せつな)

刹那
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刹那(せつな)は仏語で時間の最小単位、極めて短い時間や瞬間を意味します。仏教では時間の最小単位である刹那(瞬間)に悟りがおとずれる、だからその瞬間の時間を大切にしなさいという教えです。

仏教の一派の「禅宗」では、その時間の観念をもっと深く押し進め、この世には過去も未来も存在しない、今のこの刹那しか存在しないと説いています。

つまり今という瞬間はすぐに過去になって消え去ってしまう、だからこそ今という刹那を大切にしなさいというのです。しかもこの刹那は宇宙と永遠に繋がっているというのです。「刹那」にはなんと深遠な意味があるのです。
 

那落(ならく)

清水の舞台
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那落(ならく)は、奈落とも書き、地獄のことや、物事の最後やどん底、これ以上はない最悪な状況を意味します。那落に落ちるとは、地獄に堕ちる、最悪の状態に陥るという意味になります。また演劇などの舞台用語では、通路として使う花道の床下や、セリ出し装置のある舞台の地下室のことを那落(奈落)と呼びます。

「那」は女の子の名前で人気

女の子
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「那」と同じ音を持つ漢字で、名前によく使われる漢字として「菜」や「奈」があります。特に女の子の名前では、ある企業のランキングで「菜」と「奈」は2015年から3年連続トップ3に入っています。しかし最近このトップ3に追いつく勢いを見せているのが「那」です。では何故「菜」「奈」「那」の漢字が、名付けとして人気があるのでしょう。

「ナ」の響きが使われる

響き
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「菜」「奈」「那」の3つの漢字に共通することは、どれも読む時に「ナ」と発音することです。「ナ」という発音の響きは、女の子にとって可愛らしいイメージを与えます。響きだけでなく漢字そのものの意味も名付けには重要な要素です。3つの漢字のそれぞれの意味と「那」が何故ランキング急上昇なのかを探ってみましょう。

「那」は「菜」「奈」との差別化

仕分け
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名付け漢字として「那」の人気が高まったのには、「菜」や「奈」との差別化をはかりたいという親の心理が働いているからです。もちろん「那」が持つ意味も大きく作用しています。

「那」には、美しい、穏やかな、豊かな、などの意味があります。また最近では男の子の名前にも「那」が増えてきました。それは「那」には「懐が深い」という意味もあることから、心豊かな大らかな人間になって欲しいと願う気持ちが名付けに影響しています。では女の子の名前として人気がある「菜」と「奈」の意味を解説します。

「菜」と意味

菜の花
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「菜」は「サイ」と発音する場合は、食用になる草や野菜の総称ですが、ご飯のおかず、酒の肴、料理という意味合いが強くなります。

「ナ」と発音される場合も「サイ」と同様に食用になる草の総称ですが、食べ物というよりは、草木や葉っぱそのものを指す意味の方が強くなります。

名付けに使われる場合は、ほとんど「ナ」と発音します。草花や菜の花などの華やかで優しいイメージを連想させるので、女の子の名前として人気が高いのです。

「奈」の意味

カリン
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「奈」は、昔中国から日本に伝わった唐梨(カラナシ)=カリンを意味する漢字です。使い方としては、名前以外には「奈良」や「神奈川」などの地名の他はあまり見られません。

ネガティブな使い方として「那」と同じ意味の「奈落」があるので、名付けに躊躇する方もいます。しかしなんと言っても「ナ」という響きの美しさが、ネガティブさを打ち消してしまうので、「奈」は女の子の名付けとして不動の人気を持っています。

「那」がつく女の子の人気の名前TOP5

女の子
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「那」は女の子の名付け人気ランキングでは、同じ響きを持つ「菜」や「奈」に比べて下位ですが、他の名前と差別化を図りたい場合にはチャンスです。

また「那」には「美しい」「優雅」「豊かで広い」「懐が深い」など「菜」や「奈」が持っていない意味を沢山含んでいます。「那」が付く女の子の名前ランキングトップ5を紹介します。これから産まれてくる赤ちゃんの名付けに、画数も合わせて参考にして下さい。

第5位:咲那(サキナ・サキ)

花
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ランキング第5位は「咲那」でサキナまたはサキと読みます。字画数は16画で、種からスクスクと育って、やがては蕾(つぼみ)を膨らませ奇麗な花を咲かせるという意味を持っています。健康で元気に成長して美しい人生の花を咲かせて欲しいという願いがこもった名前です。また字画数の16画は、おみくじに例えるなら大吉クラスの良い字画です。

第4位:杏那(アンナ・アナ)

杏
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ランキング第4位は「杏那」でアンナまたはアナと読みます。杏(あんず)はピンク色の花を咲かせ、6月ごろには甘酸っぱい実をつけます。また実の中の種は杏仁(きょうにん)と呼ばれ生薬として使われます。

「杏」と「那」それぞれを合せて考えると、「杏那」には「甘酸っぱい杏の実を、人生という木がたわむように豊かに実らせる」のような意味になります。字画数は14画で、大吉でも凶でもありませんが、姓名判断は姓の画数とのバランスや鑑定士によっても変るので、色々調べてみるのも良いでしょう。

第3位:結那(ユイナ・ユナ)

ハート
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ランキング第3位は「結那」でユイナまたはユナと読みます。「結」は字のとおり物と物を結ぶことで、人に置き換えると心をつなぐ、コミュニケーションなどの意味になります。

「結」のあとに「那」が付けば、「穏やかに心と心をつなぐ優しい人」のような意味になり、女の子に適した名前です。字画数は19画で、画数の是非はあまりはっきりしません。これも気になる方は、杏那と同じように調べると良いかもしれません。

第2位:優那(ユナ・ユウナ)

優
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ランキング第2位は「優那」でユナまたはユウナと読みます。字画数は19画で結那などと同じなのですが、字画の優劣よりも、意味の良さ、意味の素敵さがランキング上位の理由になっていると考えられます。

「優」は優れている、優しい、優勝する、などのようにポジティブな意味を持っています。「人より優れた」尚かつ「優しい人」に育って欲しいと願うのは、子を持つ親なら誰でも思うことです。「優那」が人気ランキング第2位に入るのは納得できます。

第1位:陽那(ヒナ・ハルナ)

太陽
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堂々のランキング第1位は陽那(ヒナ・ハルナ)です。「陽」は太陽のことです。太陽はすべてのものに光や希望を与え、エネルギーを与える全生命の源です。少し男性的で強いイメージがありますが、最近では女性の美徳の価値観が昔とは変わってきています。

ひとむかし前は「おしとやかで控えめな人」が女性の美徳でした。現代では「力強く光り輝きながら優しい女性」が多くの人を惹き付ける美徳になっています。

産まれてくる女の子に「光り輝く太陽のように明るく、分け隔てなく優しさや希望を与える太陽のような人に育って欲しい」と願う気持ちは親の当然な心理です。これが「陽那」がランキングのトップに輝く理由です。

「那」を男の子の名前に使うよい点

男の子
Photo byamyelizabethquinn

「那」は女の子の名前として人気がありますが、最近では男の子の名前にも使われるようになってきました。日本語の名前の種類は、なんと世界でもトップクラスの多さです。

アルファベットは26文字の組合せです。それに比べ日本語の場合は、常用漢字だけでも2136文字、それに人名漢字や平仮名カタカナを含めると組合せは天文学的数字になります。

日本語の漢字の組合せは「那」の字を入れた場合でも数千に登ります。名前の組合せを考える上でも選択肢はかなり広いはずです。では男の子の名前に「那」を使う利点はどこにあるのでしょう。

「ナ」の響きが使いやすい

那の響き

那の読み方「ナ」の響きが良いのは、男の子でも女の子でも同じです。女の子の場合は可愛らしいイメージが出ますが、男の子の場合は少し粋な感じになります。

また「ナ」の響きは、他の言葉と馴染みやすく使いやすいという利点があります。そんな「粋でカッコいい」イメージと使い勝手の良さから「那」の漢字が男の子の名前に使われるようになったのです。

主張しない漢字なので組合せやすい

組合せ
Photo bygeralt

「那」は沢山の深い意味を持っていますが、その意味をあまり前面に出して主張する漢字ではないので、他と組み合わせやすいのです。

意味を主張する漢字の例に「剛(つよし)」や「勉(つとむ)」「豪(ごう)」などがあります。もちろん男らしくて良い名前なのですが、使い方を誤ると名前負けするリスクがあります。「那」は穏やかな漢字で、他の漢字と柔軟に組合せができるのが利点です。

中性的な名前として使える

中性的
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昔は男性といえば、豪快で力強いのが男らしいとされていました。しかし最近では中性的で繊細なイメージの方が人気です。名前の中に「那」の字が入ると「粋でカッコいい」のと同時に中性的なイメージが生まれます。これが男の子の名前に「那」が使われ出した理由です。中性的な名前は、男性女性どちらからも魅力的に見えます。

「那」を使った男の子の名前の例

素敵
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名前には、字の持つ意味の他、名前に込められた願いや希望があります。「那」を使った男の子の名前は中性的なので、名前だけ見ると女の子に間違えられる場合もあります。男の子の名前を付けようとしている方は、これから紹介する「那」を使った名前の例を参考にして、良い願いや希望を込めた素敵な名前を考えて下さい。

星那(セナ)

F1
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セナという響きは、音速の貴公子として一世を風靡したブラジルのF1ドライバー、アイルトン・セナを彷彿とさせます。漢字の名前「星那」には「星のように輝く美しい心の持ち主」という願いが込められています。響きの「セナ」も漢字の「星那」も、どちらも憧れのスターをイメージさせる男の子には良い名前です。

那央(ナオ)

樹木
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「ナオ」という響きは、男の子の名前に良くある「尚」や「直」と同じ発音で、真っすぐでストレートなイメージがあります。

漢字の「那央」は「中央にしっかりと穏やかな優しい心が備わっている」というような意味です。両方のイメージを合せた「那央」という名前には、真っすぐで正直な人、それでいて周りには優しい気配りが出来る人になって欲しいという願いが込められています。
 

真那斗(マナト)

ヤマト
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「マナト」という読みには男らしい響きが感じられます。真那斗は3文字からなる漢字ですが、前の2つ「真那」には穏やかな中世的なイメージがありますが、最後の「斗」には色々な意味やイメージがあります。

斗はもともと量の単位ですが、そこから転じて量をはかる柄杓の意味にもなり、北斗七星のように柄杓の形をしたもの、さらに険しい、たちまち、などの意味にもなります。「ト」にはアニメの影響で主人公の名前にヤマトやハヤトなど「ト」が付くことから、「斗」は男の子の名前に最も多く使われる漢字になっています。「真那斗」はその中の一例です。

玲於那(レオナ)

ライオン
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玲於那(レオナ)は、アニメの「百獣の王レオ」にちなんだ当て字です。レオのように強くたくましく、勇敢でありながら優しい男の子に育って欲しいという願いから生まれた名前です。

玲於那3文字の漢字の「玲」は「玉や金属が触れ合って鳴る美しい音」の意味で、「於」は場所や会場を表す意味なので、この3文字を組み合わせた意図はあまりないようです。「レオナ」という音の響きを優先させた名前です。

那月(ナツキ)

月
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那月(ナツキ)と同じ発音の名前に「夏樹」があります。夏樹は男性的イメージなのに対し、那月は女の子の名前と間違えれれても仕方がないほど中性的な名前です。

その理由は「月」にあります。月は太陽の光をあびて初めて夜に光ります。太陽は常に自分で輝いているのに対して、月は自分では光を発しない陰の存在です。そのイメージから月は控えめな穏やかな感じがするのです。

だからと言って「那月」が男の子にふさわしくない名前という訳ではありません。名前に願いを込めて付けるのは親です。しかしその名前を使って人生を生きるのは子供自身です。

願いや希望が強すぎると名前負けすることもあります。逆におとなしい名前だと反発で強くなることもあります。漢字の使い方は様々自由です。これからお子さんに名前を付けようと考えている方は、名前に込めた希望や願いを強制しないで、温かく見守ることが大切です。

日本語のひらがな・カタカナは漢字がベース

知識
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日本語には「ひらがな」「カタカナ」「漢字」の3種類の文字があります。普段なにげなく使い分けていますが、文字が3種類もある言語は世界でも稀なのです。ではどのようにして日本語は出来たのでしょう。

4世紀頃に中国から仏教とともに日本に入ってきたのが漢字です。中国伝来の漢字に、もともとの日本語の発音と意味の似た字を当てはめたのが日本の漢字の始まりです。

知恵
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しかし漢字だけでは書くにも読むにもあまりに数も多く難しすぎるので、西暦800年頃に考案されたのがカタカナで、西暦900年頃の平安時代に画数の多い万葉仮名に代わるものとして考案されたのが平仮名(ひらがな)です。

カタカナは新しい言葉のように感じますが、意外にこの時代からあったのです。カタカナは片仮名と書くように、漢字の片側を使った言葉で、「伊」の左側をとって「イ」とすることで同じ音を表現したのです。

カタカナははすべて同じ発音をする漢字の、上下左右の片側からとった言葉です。また平仮名は漢字の草書体(くずし字)の中の漢字を50音の発音をもとにして簡略化した文字です。つまり日本語の文字のベースは全て漢字にあるのです。

「那」の漢字の意味と使い方を知ろう!

花園

「那」という漢字の意味や由来、使い方などを解説してきました。名付け親になるとは、生まれてくる子供の将来を左右するかも知れないというプレッシャーもあり、期待と裏腹に悩むことが多いはずです。この記事を参考にして、お子様の将来のために良い名前を付ける手助けが、少しでも出来れば幸いです。

Eiji0601
ライター

Eiji0601

元ミュージッシャン&調理師。現在はフリーのコンサート企画やチラシ等のデザイナーをやっています。音楽のジャンルはクラシックからジャズ&ポップス、特に’60年代〜’80年代ポップスが大好きです。料理は和食が得意な年齢不詳の独身男性です。

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