洗練の意味とは?
「洗練」という言葉の意味をご存知でしょうか。今回は洗練の意味について「なんとなくわかる」「聞いたことある言葉だけど意味はわからない」と感じている方のために、洗練の意味について詳しくご紹介してまいります。
洗練の意味とあわせて、洗練の類語や対義語や英語について、洗練の使い方についてもご覧ください。洗練という言葉をしっかりと理解して、日常会話でもスマートに使いこなせるよう目指してみましょう。
洗練の意味
「洗練」とは、”文章や人格などの物事に磨きをかけて垢ぬけたものにする”という意味で、”優雅で品位の高いものにする”という意味を指します。
洗練という言葉は、生半可な状態のものに対して使われることはありません。もともとはそうでなかったものが、努力によって品位の高いものに磨きあげられたということをしっかり押さえておきましょう。
洗練の漢字では「洗煉」と使われることもありますが、意味合いはどちらの漢字も同じです。「洗煉」という漢字は昔よく使用されていましたが、現代では「洗練」が一般的です。「洗錬」と書かれることもあります。
洗練の語源
洗練の意味が”優雅なものに磨き上げるということ”であり、”品位の高いものにすること”であることがわかりました。
次に「洗練」の語源についてご紹介してまいります。洗練の「洗」や「練」という漢字にはどのような意味があるのでしょうか。洗練の起源的な意味をチェックして、より理解を深めていきましょう。
洗練は「洗う」と「練る」を合わせて作られた熟語です。それぞれの漢字にはどのような意味があるのか見ていきましょう。
「洗」という漢字には、一般的な意味で使われる水などで汚れを洗い流すという意味のほかに、水で洗ったようにきれいになるという意味があります。
洗練の「練」には物理的にモノを柔らかく練るという意味のほかに、体を鍛える・技を鍛えてうまくさせるといった意味合いもあります。
この2つの意味を合わさって、”きれいな状態ではないものを人の手によって品位のあるものに変える”という意味を持つ「洗練」という言葉となっています。
洗練と同様な意味で使用される「洗煉」の「煉」という言葉の意味は、金属を火に溶かして質の良いものにする、きたえるという意味があります。またもう一つの意味としては、粉状のものを練るという意味も持ちます。
「練」と「煉」では同じ練るでも起源的な意味合いは変わってきます。しかし、「洗練」と「洗煉」の場合は”優雅で品位の高いものに磨き上げること”という同じ意味として活用して問題ないでしょう。
洗練の類語や対義語
次に、洗練という言葉の類語と対義語についてご紹介してまいります。洗練と似た意味を持つ言葉3語と、対照的な意味を持つ言葉2語をご覧ください。類語と対義語を理解し、洗練に関する知識をより一層深めていきましょう。
洗練の類語とその意味
洗練の類語は、「垢ぬける」「粋」「磨き上げる」などがあります。洗練と似た意味を持つ語の意味と使い方についてご覧ください。
「垢ぬける」とは、垢が抜けてさっぱりしているということから”気が利いている”や”素人臭くない”などの意味を持ちます。「身なりが垢ぬける」など外見のことで使用されることもあります。
「粋」とは、”気持ちや身なりのさっぱりとあかぬけしていて、色気もただよっていること”という意味を持ちます。「粋な計らいをする」というように行動に対して使用されることもあります。
「磨き上げる」とは、”十分に磨き上げる”や”技術や精神などを立派にする”という意味があり、「技を磨きあげる」などスキルに対して使用されることもあります。
洗練の対義語とその意味
洗練と対照的な意味を持つ語は、「野暮」や「粗野」といった語などがあります。これらの対義語の意味や使い方についても見ていきましょう。
「野暮」とは、”風雅な心のないこと”や”無風流”という意味を持ちます。「野暮なことをいう」という使い方で聴いたことがあるという方も多いのではないでしょうか。融通が利かない人や、周りの空気が読めない人に対して言われます。
「粗野」とは、”言葉遣いや挙動などがあらくて下品である”や”露骨で礼儀を欠いていること”という意味を持ちます。「粗野な態度をとる」といった使い方をします。
洗練の英語
「洗練」を英語にすると「refinement」となり、「洗練された」という日本語を英語に訳すと「refined」または「polished」となります。
「polishe」という英語は”(物などを)磨く、つやを出す"といった意味があり、”(文章や演技などに)磨きをかける”と言った意味でも使用される単語で、refinedと同じような意味を持ちます。
「refined」と反対の意味を持つ英語は「unrefined」という語で”(言葉や態度などが)粗削りな、野暮ったい”という意味として使われています。
洗練の使い方
「洗練」の意味や語源、類語や対義語や英語について理解できましたので、次に「洗練」という言葉を実際に使ってみましょう。
どのようなシチュエーションのときに「洗練」という語を用いると適切であるのか、使い方について4パターンご紹介してまいりますので参考にしてみてください。
例文①
洗練の例文の一つ目は「文章」に対して洗練を使用する場合です。「本屋で買ったこの本は、内容がとても素晴らしく書かれている文章も『洗練』されている。」というように使用します。
文章の内容がとても素晴らしいものであったり、言葉遣いが丁寧であったり、言い回し方が優れていたり、伝え方にセンスがあるなど、書き手の努力により上質な文章である場合に用いると良いでしょう。
もし読んでいる本に無駄がなく、一文一文が推敲を重ねてできた言葉である場合、「洗練されている文章である」といえるでしょう。
例文②
洗練の例文の2つ目は「ファッション」に対して使用する場合です。優雅な服装の人がいたら、「あの子のファッションはとても『洗練』されている。」というように使用します。
トップモデルの方がランウェイで歩いているときのファッションは、とても美しくて周りの人の目を引くものが多いです。このような優雅で品位の高いファッションに対して「洗練されたファッション」と使うことがあります。
雑誌にのっているモデルのファッションを見て、そのような服装を目指すのであれば「このモデルのような『洗練』されたファッションを目指したい。」というように使います。
例文③
洗練の例文の3つ目は、趣味や特技などに使用する場合です。サッカーを特技とする人が一生懸命練習してサッカースキルを上げた場合、「あの子のサッカースキルは日々の熱心な練習によって『洗練』されたものだ。」というように使用できます。
ピアノが上手な人の場合ですと、「このピアノの音色はとても『洗練』されている」というように使われることもあります。
ゲームが趣味の場合は、「あのプロゲーマーのように、技の繰り出し方を『洗練』されたものにしたい」というように使うこともできるでしょう。
例文④
洗練の例文の4つ目は、「洗練されたデザイン」というように絵やデザインなどに対して使用する場合です。
「この会社のロゴマークは、よく考えられた『洗練』されたデザインである。」というように使われます。洗練されたデザインとは、無駄な部分を取り除いたシンプルなデザインについて言われることがよくあります。
無駄がなく美しい”センスのある”デザインに出会ったときに、ぜひ「洗練」という言葉を使用してみてください。
洗練は「上品なものに磨き上げる」という意味
「洗練」は”優雅なものに磨き上げて上品なものにする”という意味を持ち、努力により品位の高いものにつくりあげられたものです。
そして洗練の類語には「垢ぬける」「粋」「磨き上げる」などがあり、対義語には「野暮」や「粗野」があることがわかりました。また、英語についてもご紹介してきました。
日常会話で「洗練されている」という言葉を使うことは少ないかもしれませんが、言葉の意味を知っておくと使うべきときに「洗練」という語がパッと浮かんでくるようになるでしょう。
もし今後”洗練されたもの”に出会ったときには、洗練の言葉の使い方を参考にしてぜひ活用してみてください。