期待に添えるの意味とは
皆さんは『期待に添える』という言葉を使ったことがありますか?聞いたことはあるけれど自分では使ったことがないかも…という方や、そういえばなんとなく使ってたけど、あの使い方って正しかったのかな?という方もいらっしゃるのではないでしょうか。期待に添えるは覚えておくといろんな場面で使うことができる、とても便利な言葉です。今回はその意味や敬語や英語での伝え方など、例文も交えてご紹介していきます。
期待に応える様に頑張る意思を伝える
期待に添えるとは、相手が自分に対して期待していることに対して、応えられるように頑張る意思表示をするときに使われる言葉です。また、「添える」は同様の意味で「沿える」とも書くことができます。
期待に「添える」ですと相手の期待することに対して「寄り添って」行動するような、より感情に寄り添うような意味を持ちますし、期待に「沿える」ですと相手の期待することを方針として考え、それに従って行動するような、もう少し直接的な意味合いになります。
口頭ですと「添える」も「沿える」もどちらも同じ「そえる」という読み方ですが、メールなど書面に表す場面では迷ってしまうこともあるかもしれません。
その場合どちらの漢字を使っても間違いではありません。ですが、相手に伝わる意味合いに気をつけて、慎重にその場に合った方を選ぶといいでしょう。
相手の希望通りにする
皆さんの中には、例えば美容院や、または何かオーダーメイドした物をお店から受け取る場面などで「ご期待に添えるお仕上がりでしたか?」と尋ねられた経験がある方ももしかするといらっしゃるのではないでしょうか。
こういった場合は「あなたの希望した通りに仕上がっていましたか?」という意味になります。期待に添うとは「相手の希望通りにする」という意味を持っています。
「期待に添える」はまた、相手の希望に応えるように頑張る・行動するといった意味合いを持ちます。似たような言葉でよく、親の期待に応える、周囲の期待に応えるという言葉を耳にします。「期待に添える」と「期待に応える」では何が違うのでしょうか。
相手に対して「期待に応える」は「期待に添える」よりも、よりはっきりとした積極的な、能動的な印象を与え、期待通りの結果や実績を出すという意味合いを持っています。相手の期待していることが自分にとって自信を持って頑張ることができそうなことなら、こちらを使ってみてもいいでしょう。
期待に添えるの敬語
「期待に添える」の基本的な使い方がこれでわかってきました。「期待に添える」はどうやら目上の方や立場が上の方など、丁寧に接しなければいけない相手に対して使う場面が多そうです。ここからはそうした場面にスムーズにお使いいただけるよう、期待に添えるの敬語での使い方をご紹介していきます。
ビジネスシーンで活躍
「期待に添える」は特にビジネスシーンにおいてはとても便利な役割を果たし、主に敬語で使われます。ですので敬語での失礼のない伝え方を覚えておくと、日々のコミュニケーションが一歩円滑になるかもしれません。上司やお取引先の方、お客様に対してなど、使うことのできる場面はたくさんあります。
ご期待に添えるよう~
「期待に添える」をビジネスシーンで用いる場合には、「ご期待に添えるよう〜」という敬語の形になります。また、先ほどご紹介した「期待に応える」も、敬語にしたい場合には「期待に添える」の敬語と同じ「ご期待に添えるよう〜」の形に変わります。とてもよく用いられる言葉ですので、ぜひ正しく覚えて大事なビジネスの場に役立ててみましょう。
自分の頑張りや謙虚さも伝わる
「ご期待に添えるよう〜」より後には、「努力いたします」や「尽力いたします」「一生懸命頑張ります」「精進いたします」「善処いたします」などの、あなたの意気込みを表す言葉を続けることができます。
また「ご期待に添えるよう〜」という言葉は、期待通りになるよう相手のために一生懸命に頑張るのだというあなたの前向きな気持ちだけでなく、あなたの丁寧さや、相手を立てるよう一歩引いた謙虚さをも伝えることができるのです。
期待に添えるの使い方例文
ここからは「期待に添える」の使い方を例文を挙げてご紹介していきます。基本の言い方に慣れてきたら、自分でその場に合った失礼のない言い方にアレンジしてみてもいいでしょう。お客様、上司、取引先の方など失礼のないように接したい相手に。大勢の前であなたの頑張る決意を発言する機会に。ぜひ使ってみてください。
①相手の為に精一杯尽くす
「ご期待に添えるよう尽力いたします」は相手の期待に応えるため全力で頑張るつもりなのだという思いを相手の方に届けることができます。この言葉によって、期待を裏切らないよう精一杯に取り組みます!と丁寧かつしっかりと意思表示をした形になります。
お客様やクライアントの方に対して「この度は当店をお選びいただきありがとうございます。お客様のご期待に添えるよう尽力させていただきます」「ご期待に添えるよう尽力させていただきます。この度はどうぞよろしくお願いいたします。」などといった使い方ができそうです。
②自分の為に頑張る
「努力」とは、自分で決めた目標を達成するため、すなわち自分自身のために頑張るといった意味合いを持ちます。ひとつ前に登場した「尽力」も似ているように感じますが、こちらは他人のため、相手のためといった意味合いを持っています。
会社で上司から『君には期待しているからね』などと言われた場合に、『ありがとうございます。ご期待に添えるよう努力いたします。』などと答えて、その方の期待に応えるよう頑張るあなたの姿勢を伝えることができるでしょう。
③更に丁寧に伝える使い方
努力よりも尽力の方が相手に対しては丁寧な表現になりますが、「ご期待に添えるよう尽力いたします。」をさらに丁寧な言葉にしたい場合は「ご期待に添えるよう尽力する所存でございます。」と言うことができます。
政治家の方が会見の中で「市民の皆様のご期待に添えるよう、尽力させていただく所存でございます」などと使うこともあります。絶対に失礼のないように、最上級の敬語で相手に自分が頑張る意思表示をしたい、やる気を示したい場面などで使うとよいでしょう。
ビジネスの場では、普段の生活ではあまり使わない言葉を意識して使わなければいけない場面も出てくることでしょう。こちらの記事では、面接などで使えそうな「知識を深める」という言葉の意味についてご紹介しています。興味を惹かれた方はぜひご覧になってみてください。
期待に添えるの英語での言い方
会社内や取引先とのやり取り、海外出張などの中で、「期待に添える」を英語で伝えたい場面も出てくるかもしれません。そのような時にはどのような言葉で言ったら伝えられるのでしょうか。
ここからは「期待に添える」の英語での言い方をご紹介します。使い慣れないうちは緊張することもあるかもしれませんが、ぜひ自分のやる気をこの英語に乗せて、明るくはっきりと伝えてみましょう。
英語を使うビジネスで!
「期待に添える」を英語で言いたい場合には、to meet expectetionsという熟語になります。expectationで予期や予想、見通し、期待などという意味ですが、「期待されていること」の意味合いの場合は複数形のsが付いてexpectationsになります。
また、文脈によってはtoがなく、meet 〇〇's expectationsと、meetとexpectationsの間にyourやhisなど誰々のという言葉が入ることもあります。「(あなたの)ご期待に添えるように尽力いたします」の1番シンプルな言い方は、「I will meet your expectations」です。
もう少し丁寧な英語にしたいようであれば、would like toを使うことで丁寧な印象を与えることができます。この場合は「I would like to meet your expectations」になります。口頭ですと特に、I willはI'llに、I wouldはI'dにそれぞれ縮めてしまってもよいでしょう。
また「I will do my best to meet your expectations」と言うこともできます。あなたの期待に添える・応えるようにベストを尽くしますよということです。英語でのビジネスの場では日本以上にはっきりとした意思表示が必要な場面が多くありますから、あなたの前向きな姿勢の意思表示にこの言葉を使うことで、相手にも安心してもらえることでしょう。ぜひ役立ててみてください。
この英語の動画内ではmeet 〇〇's expectationsの形の2つの使用例が紹介されています。「新しいレストランについてよい評判をたくさん聞いていたが、出てきた食事は全く私たちの期待に応えるものではなかった」「シリーズ最新作の映画めちゃくちゃ楽しみ。期待通りのものだといいな(それが期待に添うものであることを願う)!」
どちらもビジネスだけでなく、SNSに呟きたいくらいの日常の1コマでもmeet 〇〇's expectationsが使われていることがわかります。英語での「期待に添える」もどんどん使って慣れてみると良いでしょう。
期待に添えない場合の使い方
時には相手の期待にどう頑張っても応えられそうもない、または応えられなかったという場合も出てくるでしょう。期待に添えるをそうした場面で使うときはどのように伝えたらよいのでしょうか。ここからは期待に添えない、または添えそうもない場合の使い方をご紹介していきます。
必ず丁寧な表現で返事
相手の気持ちに応えられなかったと言う場合、「この度はご期待に添えず大変申し訳ありませんでした。」「この度はお客様のご期待に添いかねる結果となってしまい、深くお詫び申し上げます。」など、「ご期待に添えず」の後には必ず丁寧な謝罪の言葉を続けましょう。「ご期待」を、より明確に相手の望むことという意味合いの「ご希望」に変えてもよいでしょう。
また、相手の期待に応えることが難しそうだとわかった時点で、正直かつ丁寧に「この度は誠に残念ながらお客様のご期待に添うことが難しい状況です」「応募者多数の場合はご希望に添いかねる場合もございますので予めご了承くださいますようお願い申し上げます。」などといった使い方をすることもできます。
英語での期待に添えないの言い方は?
英語での場合は「I am sorry that I could not meet your expectations」と、「あなたの期待に添えず」部分は「that I could not meet your expectations」になり、文頭に謝罪の言葉が来ます。
「I'm(terribly)sorry」で「(大変)申し訳ございません」、「I apologize」で「お詫び申し上げます」など、まずははっきりと、相手の気持ちに応えることができずに申し訳ないという気持ちを伝えましょう。
期待に応えられそうもない場合にはmeet your expectationsより前の部分を変えて、「I don't think I'll be able to meet your expectations」(あなたのご期待に添うことは難しそうです)などとすることができます。
日本語でも英語でも、特にビジネスの場では、期待に応えてもらえず残念な思いをするであろう相手の立場に立って敬語を使うことを意識し、極力丁寧な表現で伝えられるよう心がけましょう。
言い回しのヒントは身近にも!
「ご期待に添えるよう、最善を尽くします」「ご期待に添えますよう、精進いたします」「ありがとうございます。ご期待に沿えるよう、全力を尽くします」「ご期待に添えましたでしょうか?」これらは映画やアニメ、ゲームの中で実際に登場している、しっかりとした「期待に添える」の敬語での使用例です。
そうした作品の中でも、よく聞いてみると「期待に添える」はたくさん使われていることに気づくことができるでしょう。主人公が次の試合に絶対勝つと宣言する場面や、キャラクターがミッションに赴く前後など、意外とビジネスでもそのまま使うことができそうな台詞が見つかることもあり面白いものです。
ストーリーやプレイに没頭する中でもそうした台詞をなんとなく覚えておくと、いざあなたが「期待に添える」を使いたい時に、言い方の幅を広げてくれることがあるかもしれません。あなたの好きな作品の中にも、言い回しのヒントが隠されていることがあるかもしれません。ぜひ見つけてみてください。
期待に添えるの意味や例文を参考に正しく使おう!
「期待に添える」は、あなたの意欲や、真摯に物事に取り組もうとする姿勢、相手を立てる姿勢とを一度に示すことのできる、とても便利で美しい言葉です。期待に添えるよう努力をすることで自分を高めていくこともできるでしょうし、その間には知らず周囲からの信頼も厚くなっていくことでしょう。皆さんもぜひ「期待に添える」を正しく使って、頑張るあなたの印象をさらに向上させていってみてください。