アイボリーの意味とは
アイボリーとは象の門歯、つまり象牙を意味する言葉で、象牙のような色合いをアイボリーホワイト(ivorywhite)として呼ぶようになったことが今のivoryとしての呼び名が定着するゆえんとなりました。白というよりはやや黄色がかった色合いで、素材の希少性から多くの人に愛され続けている色で知られています。
像牙・像牙色など
象牙の色を基準とした柔らかな風合いがアイボリーホワイト(ivorywhite)の特徴で、同系色にベージュやオフホワイトなどが挙げられます。元となった象牙は、乱獲が原因で象が激減し、絶滅の危機に瀕してしまったことを受けて、1989年に締結したワシントン条約により輸入出が禁止されました。
しかし、皮肉にも禁止されてしまったことによりその素材価値がさらに急騰し、密漁や闇取引の対象として今も多くの象が危険に晒されています。
そうした象牙の意味を持つ希少性の高さや、色合いとしてのイメージが高級感に繋がり、今なお親しまれる品の良いカラーリングとして多くの人々を魅了してやまないのです。
アイボリーは何色?
アイボリーホワイトは字のごとく白色系統のカラーリングです。そのため分類としては白としてカウントされています。ですが純粋な白と比べるとやや暗く、高級感のあるカラーリングですので黄色に見える方もいらっしゃるかもしれません。ですが、カラーパレットなどから選択する場合は白の分類から探せばすぐに見つけることが出来るでしょう。
なお、日本の伝統色で知られる「象牙色」は本来のアイボリーとは別の色として考えられています。象牙色は色区分が「黄色」に分類され、文字表記としては「灰黄色」と呼ばれています。
象牙のような黄みを帯びた白
より詳細に象牙の意味を持つアイボリーホワイト(ivorywhite)を表現するのであれば、黄色みがかった白に、すこしだけ灰色を混ぜて暗くした色合いといえばよいでしょうか。
ただの白色にくらべて柔らかでなめらかなイメージを見る者にあたえるため、ラグジュアリーな色合いとして親しまれています。
また、象牙の意味を持つ「アイボリーホワイト(ivorywhite)」とあるように、象牙や動物の骨を焼き、炭化させて塗料にもちいられるものを「アイボリーブラック(ivoryblack)」と呼んでいます。アイボリーブラックもまた歴史の古い染料で、昔から塗料として使われてきました。
アイボリーの使い方
象牙の意味を持つアイボリーホワイト(ivorywhite)の上手な使い方を知るには、アイボリーの特徴から考えていくと良いでしょう。高級感のあるカラーリングなので、使い方もそうした場面を想定しながらシーンを選んでいくべきです。
そんなアイボリーホワイト(ivorywhite)の効果的な使い方について、実際の例を交えつつご紹介しましょう。アイボリーホワイトを使いこなせるようになれば、より質の高いカラーコーディネイト力が得られます。
高級感あるイメージを持たせる時に使用
象牙の意味を持つアイボリーホワイト(ivorywhite)は、その柔らかな風合いから高級感を演出できるカラーリングとして人気です。高級車やカーテン、壁紙などの建築素材に使われたりと、ワンランク上の商品イメージを出したいものに使用されています。
また象牙そのものを用いた工芸品の高級さにあやかって、小物をアイボリーカラーで作成する場合もあります。アクセサリーなどのワンポイントアイテムも人気商品の一つです。
アイボリーとベージュの違い
アイボリーホワイト(ivorywhite)の同系色として挙げられるカラーの中でも、間違えやすいものに「ベージュ」が挙げられます。ベージュもアイボリーホワイトもどちらも同じ白系統ですので、分からない方には違いがまったく判別できなくてもおかしくはありません。
では、ベージュとアイボリーホワイト(ivorywhite)の違いはいったいどのようにして見分ければよいのでしょうか。その違いを詳しくご紹介します。
ベージュはごく薄い黄色~茶色がかった色
違いを見分けるポイントとして、まずアイボリーホワイト(ivorywhite)が「黄色みがかったやや暗い白色」なのに比べて、ベージュは「茶色みがかった白」として表現されています。つまり、より白に近しいのがアイボリーホワイトで、やもすれば茶色と言われかねないのがベージュなのです。
加えてベージュはほんの少し薄い黄色が混じることで柔らかみを出しているカラーリングと言えますので、違いとして挙げる点はまさに茶色の色合いの有無と言えます。
アイボリーと合う色
そんな高級感溢れるアイボリーホワイト(ivorywhite)と、どのようなカラーコーディネイトが「優れている」としてみられるのでしょうか。アイボリーホワイトは白色の系統色ですので、基本的にはどのような色とも合う万能カラーではあります。
しかし、そんな中でもよりコーディネイトとしておしゃれであったり優れた組み合わせとなるカラーリングがありますので、ご紹介します。もしもあなたが美しいアイボリーホワイトのジャケットやスカート、シャツを手に入れたとしたら、どのカラーリングが合うのか知っておくためにも、ぜひご覧ください。
パステルイエロー
色の温度差の少ないパステルイエローは、アイボリーの柔らかな風合いを壊さずに引き立て合うことができるので、カラーリングとしてとても合う組み合わせです。
淡い色合い同士が寄り添うように統一感を生むので、同じ膨張色の系統ながらシルエットへの影響がすくなく、服の組み合わせとしても非常に優れたカラーコーディネートとしての使い方といえます。
テラコッタ
同じ色相に分類されるテラコッタ(terra-cotta)もまた、非常にアイボリーホワイト(ivorywhite)と合う色と言えます。類似性の中にテラコッタの際立った温度差が丁度良いアクセントを生むので、メリハリの利いたコーディネートとしての使い方が可能です。
壁紙などのラインに活用したり、塗装のアクセントに用いればしっかりと印象的なカラーリングはまさに合う組み合わせなのです。
ダークグリーンのフラワー柄
アイボリーホワイト(ivorywhite)の落ち着いた灰色がかったカラーリングは、ダークグリーンの素敵な落ち着きと合うコーディネートと言えます。ピンクのフラワー柄のプリントがあしらわれていれば、より引き立てられて効果的なカラーイメージを見る者に与えます。モダンでシックなイメージでの組み合わせと言えるでしょう。
アイボリーを選ぶメリット
アイボリーホワイト(ivorywhite)を配色に選ぶメリットは、その控えめな色合いにあります。白でありながら決して主張しない、ややくすんだ色合いが、他のあらゆるカラーと合うのです。なので使い方次第では、組み合わせのカラーをより美しく、そして印象的に仕上げる効果を期待できます。
真っ白ばかりのコーディネートではついついその白さが浮きだってしまい、帰って下品な印象をあたえてしまいがちですが、そこにアイボリーホワイト(ivorywhite)を合わせることでマイルドな印象へと和らげることができるのです。
アイボリーホワイト(ivorywhite)を効果的に使うポイントは、カラーリングのアクセントや緩衝材としてだけでなく、メインとしても十分な高級感を持っている事でしょう。
様々な色に合わせやすい
あらゆるシーンでささやかに、そしてしっかりとカラーのベースを支えてくれるアイボリーホワイト(ivorywhite)は、様々なカラーに合うので単純に白色を選ぶよりも的確な選択と言えます。もっと幅広い着合わせや色の組み合わせを楽しみたいのであれば、アイボリーカラーは十分にその希望を叶えてくれることでしょう。
また、自己主張の控えめなアイボリーホワイト(ivorywhite)をメインとした服装は、出会った人に品の良い印象を抱かせる効果もあります。
上品な深窓の令嬢のようなお淑やかなイメージを自然に作り出せるカラーなので、好印象をさりげなく与えたい相手に合わせて用意しておきたいものです。
アイボリーとは像の牙のような色
象牙白色として高い人気と品位を兼ね備えたアイボリーホワイト(ivorywhite)が、どうしてこれほどまでに印象深い色合いとして相手に残るのか、ご理解いただけましたでしょうか。アイボリーカラーはさながら象たちがもつ、深い心を表すかのような色合いとしてこれからも私たちの心を癒してくれることでしょう。