「過分な」の意味と使い方を解説!例文や類義語の言い回しなどまとめて紹介!

「過分な」の意味と使い方を解説!例文や類義語の言い回しなどまとめて紹介!

「過分」と「なる」で「過分なる」という言葉ですが、一般的には「過分な」が使われています。分が過ぎると書いて過分。そんな「過分な」という言い回しにはどんなものがあるでしょう。「過分な」の意味について使い方や例文、類義語を上げながら紹介します。

記事の目次

  1. 1.「過分な」の意味
  2. 2.「過分な」という一言での言い回し
  3. 3.「過分な」能力を超えた意味の類義語
  4. 4.「過分な」謙譲の意味を含む類義語
  5. 5.「過分な」の使い方と例文
  6. 6.「過分な」が出てくる文学作品
  7. 7.「過分な」は自分に対する評価に謙遜すること

「過分な」の意味

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「過分な」とはもともとは「過分なる」という言葉です。「過分」とはその字が表す通り「分」が過ぎるという意味で、この「分」というのは「自分側が有利になってしまう割合」のことを意味します。ここでは意味や類義語などを上げながら「過分な」の言い回しについてや使い方の説明をしています。それでは具体的に例文もあげながらご紹介します。

とても・すごく・過剰・過大

「過分な」は「とても」の意味の言い回しとして使用する場合があります。「とても」の使い方をする例文としては「過分な賞与をもらい感謝します」があります。これは「とても自分の能力以上に値する賞与をもらい大変うれしい」という意味です。

「過分な」を「すごく」の意味の言い回しとして使用する場合があります。「すごく」の使い方をする例文としては「彼は過分な家を建てた」があります。これは「彼は自分の地位や給料以上の家を建てた」という意味です。

「過分な」を「過剰・過大」の意味の言い回しとして使う場合があります。「過剰・過大」とは「必要とする量より超えてしまっている」ことです。「過剰・過大」の使い方をする例文としては「彼は過分な評価をもらって戸惑っている」があります。これは「彼は自分が考えているよりも過剰な評価を受けて戸惑っている」という意味です。

自分の評価に対し謙遜する

自分の評価に対し謙遜するときに「過分な」を使います。相手から感謝をされた時、そこまで言わなくても、とか、それほどまでに喜んでもらわなくても、といった相手に対してへりくだる場合の言い回しです。

謙遜なので相手は目の上の人ということになりますが、使う場面や「過分な」の後に続く言葉を間違えてしまうと相手に不快感をもたらしてしまうこともあります。使い方をよく考えることが大切です。

「過分なる」は文章として使う

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「過分な」は「過分なる」が短くなった言葉ですが、この「過分なる」は口語では使わず、文語として使用します。例文としてお礼状を書く場合の使い方で「先日は過分なるご配慮を賜り大変ありがたく思います。」といったような言い回しがあります。

「過分なる」はそもそも歴史をさかのぼれ漢文や古文でも使われていた言葉です。なのでどうしても古めかしい言い回しになってしまうので、これを会話で使うのはあまりにも堅苦しくなります。

「過分な」の英語表現

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「過分な」は英語ではどう表現するのでしょうか。「過分な」という単語の英語では見つかりませんが、「過分な」の類義語である「過度の」という意味の"excessive"や「不相応な」という意味の"undeserved"、「惜しみない」という意味の"generous"などが「過分な」に近いようです。

また、「こんなに過分なお礼を頂戴して恐縮です」は"I am afraid I hardly deserve this sort of remuneration."となります。ここでは「過分な」を「ほとんど~でない」という否定の"hardly"で表しています。

「過分な」という一言での言い回し

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「過分な」という一言での言い回しは自分より目上で気を使う相手に対して使います。自分をへりくだって相手に思いを伝えるということです。いわゆる謙譲語の使い方なのですが、これはつまり「私のようなものにはもったいない物・事」を指してします。それではその「私のようなものにはもったいない物・事」をもう少し詳しくみていきます。

私のようなものにはもったいない物・事

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「過分な」は「私のようなものにはもったいない物・事」、つまり謙遜の意味の使い方をします。そのような場面での「過分な」の使い方として、大きく昇進が決まった時などに「過分な評価を頂き、誠にありがとうございます。」という言い回しをします。

これは、「私のようなまだ努力が足りない者にもったいないほどの大きな役職を頂き、誠にありがとうございます。」という意味になります。

謙譲語について

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謙譲語とは今ほどの説明のように自分をへりくだって表現することです。目上の人や上司など、失礼があってはいけない相手に対して使います。ひとつひとつの漢字に送り仮名「る」を付けると「謙(へりくだ)る」、「譲(ゆず)る」と読みます。へりくだってゆずる、すなわちに相手に対して自己主張をせずにへりくだるという意味になります。

「過分な」能力を超えた意味の類義語

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「過分な」の使い方として謙遜ではなく、自分の能力を超えた意味の類義語があります。言い回しとしてはやや否定的なとらえ方となり、へりくだりすぎないように相手やその時の場面をよく考えて使いましょう。それでは「分不相応な」「身に余る」「身の丈に合わない」「相応しくない」を例にあげ、「過分な」の例文を使い方とともにみていきます。

分不相応な

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「過分な」能力を超えた意味の類義語として「分不相応な」があります。「分不相応」とは対象者の能力や地位にふさわいくないことを意味し、逆の言葉は「分相応」になります。

例文として「彼は分相応な車に乗っている」という使い方をします。これは「まだ年収の低い彼がそれ以上の価格の外車に乗っているのはとても贅沢なことだ」という言い回しになり、「彼は過分な車に乗っている」と同じ意味です。

身に余る

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「過分な」能力を超えた意味の類義語として「身に余る」があります。この時の「身に余る」とは自分への処遇が自分の地位や功績、財産などと比べて良すぎるという意味です。

例文として「身に余るお話、大変うれしく思います」という使い方をします。これは「わが身を考える以上のお話、嬉しく思います」という言い回しになり、「過分なお話、大変うれしく思います」と同じ意味です。

身の丈に合わない

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「過分な」能力を超えた意味の類義語として「身の丈に合わない」があります。「身の丈に合わない」とは「その人の能力が立場や与えられた役割に合っていない」という意味です。

例文として「彼は身の丈に合わないプロジェクトを任されている」という使い方をします。これは「立場も能力も合っていない彼はそのような重要なプロジェクトを担当するには適さない」という言い回しになり、「過分なプロジェクトを任されている」と同じ意味です。

相応しくない

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「過分な」能力を超えた意味の類義語として「相応しくない」があります。「相応しくない」とは「不釣り合い、似合わない」という意味です。例文として「自分には彼女は相応しくない相手だ。」という使い方をします。これは「彼女は立派過ぎて自分には合わない。」という言い回しになり、「自分には彼女は過分な相手だ」という意味です。

「過分な」謙譲の意味を含む類義語

「過分な」が謙譲を意味する場合、類義語にはどんなものがあるでしょうか。謙譲とは先の項目で説明したように、目上の人に対して自分をへりくだって表現をすることです。ここでは「もったいない」「身に余る」「結構な」「心のこもった」に4つの言い回しについて、使い方や例文をあげながらひとつずつみていきます。

もったいない

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「過分な」謙譲の意味を含む類義語に「もったいない」があります。「もったいない」とはまだ利用できるものを無駄にしてしまうことを意味しますが、「過分な」の類義語として考えられます。

例文として「もったいないお言葉を頂戴しました。」という使い方をします。「自分には度が過ぎるほどの素晴らしい言葉もらった」という言い回しになり、「過分なお言葉を頂戴しました」と同じ意味です。

身に余る

「過分な」謙譲の意味を含む類義語に「身に余る」があります。「身に余る」とは「負担が大きすぎて自分の力では処理できない」ことを意味しますが、「過分な」の類義語として考えられます。

例文として「このたびの役員のご指名、身に余る大役ですが任期期間中精いっぱい働きます」という使い方をします。これは「今の自分の立場ではつけないようなポジションですが、一生懸命働きます」という言い回しになり、「過分な大役ですが任期期間中、精いっぱい働います。」と同じ意味です。

結構な

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「過分な」謙譲の意味を含む類義語に「結構な」があります。「結構な」とは「よくまとまっている」という意味ですが、「過分な」の類義語として考えられます。

例文として「結構なお品物を頂戴して恐縮です」という使い方をします。これは「自分にとって過剰なほど素晴らしいものを頂いて大変感謝をしております」という言い回しになり、「過分な品物を頂戴して恐縮です」と同じ意味です。

心のこもった

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「過分な」の謙譲の意味を含む類義語に「心のこもった」があります。例文として「心のこもった贈り物に大変感謝しております」という使い方をします。これは「自分にとって過剰なほど素晴らしいものを頂いて大変感謝をしております」という言い回しになり、「過分な贈り物に大変感謝します」と同じ意味です。

「過分な」の使い方と例文

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それでは実際に「過分な」を例文をあげながら使い方をみていきましょう。「過分なおもてしをいただき恐縮いたします」「過分なご配慮賜り感謝申し上げます」「過分な評価をいただき光栄です」「過分なお言葉痛み入ります」「過分な野望をいだく」の5つの言い回しを取り上げています。

過分なおもてしをいただき恐縮いたします

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「過分なおもてしをいただき恐縮いたします」とは「私には分が過ぎるほどの盛大なおもてなしを受けたことをとてもありがたく思います。」という時の「過分な」の使い方になります。

上司など目上の相手の家へ訪問した際などに、自分の予想以上の歓迎を受け、とても素晴らしいおもてなしを受けたことに感銘を受けた際の言い回しです。ただ、その場の状況によっては過剰すぎる感謝の言葉にもなりかねませんので、気を付けて使います。

過分なご配慮賜り感謝申し上げます

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「過分なご配慮賜り感謝申し上げます」とは「分が過ぎるほどのお心遣いを下さり、大変感謝しております。」という時の「過分な」の使い方になります。

目上の人から自分のようなものが受けるには過剰なまでに手厚い気遣いを受けた際の言い回しです。例えば個人の理由で仕事を休んでいた場合でも、上司の判断で滞りなくものごとが進んでいた場合などに使います。

過分な評価をいただき光栄です

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「過分な評価をいただき光栄です」とは「分が過ぎるほどの評価を下さり、とても誇らしい気持ちです。」という時の「過分な」の使い方になります。目上の相手から自分の能力以上、想像していた以上の過大な評価を受けた際の言い回しです。もちろん自分でもそれなりの努力をした結果であっても、何かの結果が出た時には謙遜の意味で使います。

過分なお言葉痛み入ります

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「過分なお言葉痛み入ります」とは「自分には分が過ぎるほどの心温まる言葉を下さり、心のに染み入りました」という時の「過分な」の使い方になります。

自分としてはそこまで慰労してもらえると思っていなかったにも関わらず、相手からとても丁寧で心優しい言葉を受けた際の言い回しです。少々堅い言葉ですが、目上の方から思いがけないいたわりの言葉を受け取った時に使います。

自分には過分な野望をいだく

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「自分には過分な野望をいだく」とは「自分にはふさわしくない、身の丈に合わない野望をもっている」という時の「過分な」の使い方になります。まだ自分の能力や器がそこに到達するラインまで届いていないにも関わらず、早くもそのとてつもない大きな先を目指している時に使います。

「過分な」が出てくる文学作品

ここまでは「過分な」をあらたまった会話においてどのような使い方をしているかみてきました。それでは小説の中では「過分な」はどのように使用され、どのような意味を持っているのでしょう。4人の作家たちの作品の中から「過分な」が使われている箇所を実際に引用して、ひとつずつ見ていきます。

夏目漱石「こころ」

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夏目漱石は「こころ」で「こういってくれる裏に、私は二人が私に対してもっている過分な希望を読んだ」と書いています。この「過分な」は「「能力を超えた以上」を表すもので、「二人(ここでは両親)が私に対して持っている私自身が分かっている以上の能力を信じており、それに伴う希望」という意味です。

泉鏡花「悪獣篇」

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泉鏡花は「悪獣篇」の中で「釣を試みたいと云うと、奥様が過分な道具を調えて下すった。」と書いています。文脈の流れを全く読んでない場合、この「過分な」は「能力を超えた以上」とも「謙譲」ともどちらでもとれる一文です。

以下、「この七本竹の継棹つぎざおなんぞ、私には勿体もったいないと思うたが、こういう時は役に立つ。」と続くところからこの「過分な」は「能力を超えた以上」のもの、つまり「身の丈に合わない道具」という意味です。

林芙美子「新版 放浪記」

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林芙美子は「新版 放浪記」の中で「明日から来てごらんと云われて、急に私は元気になった。日給で八十銭だそうだけれども、私には過分な金だ。」と書いています。広告受付係に応募した主人公が採用された場面ですが、この「過分な」は「謙譲」を表す「今の自分にはもったいない金額」という意味です。

室生犀星「性に目覚める頃」

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室生犀星は「性に目覚める頃」の中で「ことに、少年として過分な小遣を貰っているのに、いつも小言一つ云わないでくれる父を、私は私の盗みをするときにのみ「済まないな」と切にかんじた。」と書いています。この「過分な」は「謙譲」を表す「少年としてはもったいないほど小遣をもらっているのに」という意味です。

「過分な」は自分に対する評価に謙遜すること

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「過分な」は自分に対する評価に謙遜することの表現に多く使われています。「過分な」を使う時は目上の方と接しているのでどちらかというとカジュアルな場面ではありません。

大勢の方がいるあらたまった場所であることも多いと思います。場にそぐわないとかあまりにも「過分な」な謙遜は良くはありませんが、やはり公式な場ではそういったことを少し意識しておくことも大切です。

とりほ
ライター

とりほ

2019年6月よりキュレーション記事や署名記事を書いております。趣味は手仕事と読書と映画・演劇鑑賞です。個人でもTwitterやBlogをして発信中です。

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