「明朗」の意味とは?
「明朗」の意味を辞書で調べてみると、2つの意味が載っています。最初の意味は、「明るく朗らかなさま」となっています。この意味はご存じの人も多いでしょう。もう一つの意味は「不正や隠し事がないこと」ということで、ビジネスシーンで時々使われます。
「明朗」の意味を知るために、2つに分解してみましょう。まず、「明」は「明るい」ということで、「はっきりしている」「表情が明るい」などの意味があります。「朗」という字にも「はっきりしている」という意味がありますが、そのほかに「ほがらか」という意味が加わります。
この2つの文字を組み合わせて、「明朗」という言葉の意味が出来上がるというわけです。少し硬い表現ではありますが、「明朗」を日常会話で使うこともあれば、職場で用いる人もいます。
「明朗」の対義語・類語
「明朗」の意味はお分かりになったでしょうが、もう少しイメージをつかみやすくするために、対義語や類語をいくつか紹介しましょう。対義語や類語をチェックすると、より「明朗」の意味が明確に理解しやすくなるでしょう。
意味上の対義語①陰鬱
最初に紹介する「明朗」の対義語は「陰鬱」です。「陰鬱」と書いて、「いんうつ」と読みます。その意味は、「陰気で、心が晴れ晴れしないさま」ということです。「明るく朗らかなさま」という意味の「明朗」とは正反対な状態ですから、対義語になります。
意味上の対義語②憂鬱
「憂鬱」と書いて、「ゆううつ」と読みますが、この言葉は結構よく使われます。「憂鬱な気分」「憂鬱な表情」など、自分で使ったことがある人もいれば、人が使うのを聞いたことがある人もいるでしょう。
「憂鬱」の意味も、「気持ちが晴れ晴れしないこと」「心がふさぐこと」ということですから、「明朗」とは対照的な状態です。ということは、対義語になります。
意味上の対義語③暗鬱
同じように「鬱」という漢字を使った「明朗」の対義語があります。「暗鬱」という言葉です。これは「気持ちが暗くふさいでいる」という意味ですから、やはり「明るく朗らかな」という意味の「明朗」とは反対の意味になります。
意味上の対義語④不明瞭な
「不正や嘘や隠し事がない」「明るい」という意味の「明朗」の対義語は、「不明瞭な」です。「不正や隠し事がない」状態とは、物事がはっきりしている状態ということですが、その反対の状態が「不明瞭」で、これが対義語となります。
意味上の類語①快活
「快活」の意味は「元気できびきびしている」ということですが、これは「明るく朗らか」という意味の「明朗」に似ている状態です。まったく同じ意味ではありませんが、内容には通じる部分があるので、類語にしてもかまわないでしょう。
意味上の類語②陽気
「陽気な人」「陽気な気分」などの使い方でおなじみの「陽気」という言葉ですが、その意味は「明るく快活」ということです。つまり、「明朗」とほぼ同じような意味なので、正真正銘の類語です。ただ、「明朗」よりも使いやすい言葉です。
意味上の類語③元気
「元気」の意味は解説するまでもないでしょうが、「生き生きとしている」様子を表します。これも「明朗」の類語にしてみることができます。「明るく朗らか」ということは「生き生きとしている」という意味にも取れるので、「明朗」と「元気」を同じような言葉として扱えます。
意味上の類語④晴れやか
「晴れやか」とは、「空が晴れ渡っている状態」のことですが、そこから心配事もなく、心がすっきりしている状態も意味するようになっています。この状態も「明朗」に似ているので、類語にしても全く問題はないでしょう。
「明朗」の使い方・例文
ここからは、「明朗」という言葉の使い方を知るために、いくつかの例文を示します。「明朗」の意味が分かっても、実際の使い方が分からなければ意味を学んだことが活きてきませんから、例文でしっかり使い方をマスターしましょう。
例文①
明るく朗らかな青年に出会ったら、ずばり「明朗な青年」と表現してみましょう。例文は、「明朗な青年に出会って話をしていると、こちらも気分が明るくなる」です。「明朗な青年」のさわやかさが伝わってくるような例文です。
例文②
「明朗快活」という四字熟語があります。意味は、「明るく朗らかで元気がある」ということですが、この「明朗快活」を使った例文もあります。「明朗快活な彼女を見ていると、周囲の人も元気づけられる」です。
明るく朗らかで元気な彼女の様子が、周囲に伝染していく様子を表しています。このような女性がいれば、自然と雰囲気が明るくなるでしょう。
例文③
明朗な人は周囲も明るくさせますが、それがうまく行かない場合もあります。そのような場合の例文と使い方も示しておきましょう。「T君の明朗さをもってしても、Sさんを元気づけることができなかった」。
明朗である人が周囲にいても、その力が十分に及ばず、まだ暗い状態にある人を指した例文です。明朗であることはいいことですが、すべての人の気持ちを変えることはできないようです。
例文④
「明朗」というと、人の表情を表した言葉のようにも思えるでしょうが、口調を形容する場合にも使えます。たとえば、「明日のスピーチでは、聴衆に明朗な口調で話しかけるといいだろう」とアドバイスすることができます。
「明朗な口調」、つまり「明るく朗らかな口調」ということですが、このように聴衆に語りかければ、心もつかみやすくなるでしょう。
例文⑤
「不正や偽りのない」という意味の「明朗」の使い方も見ておきましょう。この場合によく用いられる表現は「明朗会計」で、ビジネスシーンで聞くことも多いです。
「くれぐれも明朗な会計にしておいてくれと会計の担当者に言っておいた」という例文では、不正や偽りのある会計にしないように念を押しています。これは会社の信頼性を高めるうえでも非常に重要なことです。
例文⑥
「明朗な人事」という表現もよく使われます。「今回の人事異動は明朗に行ったので、みな納得しているようだ」という例文がありますが、この場合は「人事に偽りや不正はなく、明確な形で行った」ということを意味しています。
「明朗」の英語表記
いろいろな「明朗」の使い方がありますが、今度は英語で表記したらどうなるのかを考えてみましょう。英語にも日本語の「明朗」にぴったり合う表現があるので、紹介します。日常の英会話でも、ぜひこれから紹介する英語表現を使ってみてください。
①cheerful
「cheerful」は、「陽気な」「快活な」「朗らかな」という意味の英語表現ですから、そのまま「明朗な」の訳語として使えます。例文を載せておきましょう。「I like his cheerful character.」。簡単な例文ですが、これで「彼の明朗な性格が好きだ」という意味になります。
別な例文も取り上げてみましょう。「You're in a cheerful mood this morning.」。この英語表現を日本語にすると、「今朝は明朗な気分でいらっしゃいますね」ということです。このように「cheerful」という言葉を使えば、いろいろな例文を考えらます。
②sunny
「sunny」のもともとの意味は、「日が照る」「晴れ渡った」ということですが、そこから「明るい」「陽気な」という意味が生まれました。したがって、これも日本語の「明朗」の訳語にちょうどいい言葉です。やはり例文を見てみましょう。
「Tom’s sunny smile is very attractive.」。この例文は、「トムの明朗な笑みはとても魅力的だ」ということです。「sunny」はお天気を意味する言葉としての使い方が多いですが、その人の表情や性格の「明朗さ」も表現できます。
③upbeat
「upbeat」も、「明るい」「陽気な」という意味の英語表現ですから、これも「明朗」と同じ意味になります。「beat」とは「拍子」のことですが、これが「up」になっているので、拍子が軽やかで、テンポが良く、明るく陽気になるというわけです。
「upbeat」の例文は、「To be upbeat is a first step to be successful.」です。日本語にすると、「明朗であることは、成功するための第一歩である」ということで、「明朗さ」の重要性を説いています。
「明朗」は明るく朗らかなという意味
ここまで、「明朗」の意味・対義語・類語・使い方の例文・英語表記などを紹介しました。「明朗」は「明るく朗らかな」、または「不正や偽りがない」という意味ですが、プラスの意味がある言葉ですから、上手に使えば、雰囲気も明るくなって、場が和らぐでしょう。