「私事都合」の意味とは?
ビジネスシーンやメールで使うことの多い、「私事都合」といった言葉の意味をご存じでしょうか?公的ではない自分に関連する事柄のことを指す「私事」といった単語が含まれているため、ビジネスシーンでどういった使い方をしたらいいのか分からない人もいるかもしれません。
「私事都合」は、意味合いの異なる「私事」と「都合」が組み合わさった言葉となっていて、分かりにくい人は分割して意味を考えることをおすすめします。簡潔に言えば、「私事都合」には、「個人の事情」といった意味合いがあるのです。
「自分や家族に関わる用事」や、「私的な用事」といった意味も持っているので、状況によって使い分けていきましょう。次の項目からは、「私事都合」の類義語を紹介していくので、しっかりと意味を抑えながら参考にしてみてください。
「私事都合」の類義語
この項目からは、「私事都合」の類義語を紹介していきますが、それぞれ違ったシーンで使うことが大切です。基本的にビジネスシーンやメールで使うことは可能となっていて、自分の置かれている状況によって、使い分けてみるといいかもしれません。
簡潔に言えば、「私用」や、「家事都合」、「一身上の都合」、「家庭の事情」、「所要」といった類義語をご紹介します。もしかしたらすでに意味や使い方を知っている言葉もあるかもしれませんが、しっかりと「自己都合」との違いを把握しておきましょう。
「私用」
まず紹介していきたい「私事都合」の類義語は、「私用」となっていて、勤務先への届出文書に使うことができる表現です。仕事に関係ないことであれば、大まかに「私事」とまとめてしまって差し支えないので、いざ仕事を休むときに使ってみましょう。
例を挙げるならば、病院での検査や、結婚式、法事は「私用」に当たるので、わざわざ会社に報告する必要はありません。基本的に「私事都合」は自分自身の都合のことを指す言葉ではあるものの、「私用」は用事だけのことを指しています。
一般的に有給休暇の申請をするときなどは、シンプルに「私用のため」と書くだけで、しっかりと休む意思を伝えることができます。会社や状況によっては、上司に申請理由を聞かれることもあります。
「家事都合」
比較的「私事都合」に字面が似ている「家事都合」は、どういった意味合いを持っているかご存じでしょうか?「家事」といった単語が入っているものの、もちろんビジネスシーンやメールが使われることが多いので、合わせて覚えておくことをおすすめします。
「家事都合」は文字通り、「家族の事情」や「家族の都合」のことを指していて、「私事都合」をより詳しく説明していると言ってもいいかもしれません。基本的に家族の介護や、付き添いなどをするときに、「家事都合」を使う人が多いのです。
もちろん「私事都合」や「私用」だけでなく、「家事都合」でも有給申請をすることは可能となります。子供や家族の都合で休むことが多い人は、様々な言いかえ表現を覚えておきましょう。
「一身上の都合」
次に紹介していきたい「私事都合」の類義語は、「一身上の都合」といった言葉となります。「一身上の都合でやめさせていただきます。」といった使い方をされることが多く、具体的に理由を伝えたくない時に使う表現です。
他の「私事都合」の類義語と同様に、転職や、結婚、出産、引越しなどの幅広い意味が対象とされています。基本的に自分の都合で会社を退職する際に、「一身上の都合」を使うことが多いことで知られています。
もしかしたら「会社都合」で会社を退職する人もいるかもしれませんが、そういった時は「一身上の都合」を使うことはできません。「会社都合」と「自己都合」の境目は曖昧なので、いざ会社を退職するときは事前にチェックしておきましょう。
「家庭の事情」
こちらの「家庭の事情」は、比較的使いやすい表現となっていて、普段から使っている人も多いかもしれません。もちろんビジネスシーンやメールだけでなく、学校を休みたい学生なども使う表現なので、覚えておくことをおすすめします。
一般的に「家庭の事情」は、家庭という単語が入っているように、冠婚葬祭や家族の病気などの理由に使うことができます。「家庭の事情」を使って、会社を退職できるものの、「一身上の都合」の方がふさわしいことを覚えておくことをおすすめします。
同僚や上司から、どういった理由で休むのか聞いたときは、しっかりと理由を伝えておきましょう。何度も「家庭の事情」で休んでいると、さぼっているのではないか疑われてしまうことがあります。
「所用」
最後に紹介していきたい「所用」は、一般的に「用事」のことを意味していて、「所用のため」のように欠席するときに使うことができます。「私用」と違って、私的な用事や仕事に関わる用事の両方の意味を含んでいるので、しっかりと使い分けていきましょう。
有休をとる際に、「所用」を使うことは可能なので、わざわざ詳しい事情を書きたくない時に使うことが多いのです。上記でも軽く触れましたが、「私事都合」と違って、幅広い意味合いを持っているので、ビジネスシーンで通用しないこともあるかもしれません。
簡潔に済まさなければならないシーン以外は、ビジネスシーンや、メールにふさわしい「私事都合」や「私用」を使いましょう。ここまで様々な「私事都合」の類義語を紹介してきましたが、ぜひ状況別に使い分けてみてください。
「私事都合」の使い方・例文
この項目からは、実際に「私事都合」の使い方を、例文を使ってご紹介します。あまりビジネスシーンやメールで、かしこまった表現を使うのが得意ではない人は、こういった例文を参考にしてみるといいかもしれません。
例文①
一般的に退職するときに、「私事都合」を使うことは可能なので、理由を詳しく述べたくない時に使ってみてください。こういった退職の理由としての使い方として、「私事都合により、6月末をもちまして退職いたします。」といった例文をご紹介します。
もちろん「一身上の都合」も使うことができるものの、より個人的な都合の場合は、「私事都合」を使うことが大切です。どうしても都合がつかないけれど、礼儀として同僚などに退職する旨を伝えておきたいときに、こういった例文を使ってみてください。
例文②
もしかしたら仕事を、子供の都合で休むこともあるかもしれませんが、そんな時に「私事都合のため7月20日に休みをいただきます。」といった使い方をしてみてください。これまで紹介してきた「私事都合」や、「私用」、「家事都合」など、どういった表現にも置き換え可能です。
頻繁にお子さんが理由で、会社を休むことが多い人は、毎度同じような「私用」を使うことはおすすめできません。当日にどうしても休みや遅刻をしてしまうことがあるときは、細かい理由を付け加えることによって、より丁寧な印象を与えることができます。
例文③
寝坊をしてしまい、会社に理由を伝えることができない場合も、「私事都合」を使うことができます。例文を挙げるならば、「私事都合のため、午後から出勤いたします。」といった使い方が可能なので、状況に応じて使い分けてみてください。
一般的に寝坊をしてしまうような人は、常識に欠けている人間と見なされてしまうので、正直に寝坊したと伝えることはおすすめできません。普段からまじめに働いている方であれば、シンプルにメールなどで「私事都合のため」と説明するだけで事足ります。
例文④
次に紹介していきたい「私事都合」の使い方は、会社の何かしらのイベントを休む際の例文となります。様々な理由があるかもしれませんが、イベントを休むときは、メールで「私事都合のため、来月の会社説明会を欠席いたします。申し訳ございません」と伝えてみてください。
基本的に当日にそういったイベントを休むのであれば、「急用のため」と伝えるか、休む理由を詳細に伝える必要があります。仕事は信頼のもとに成り立っているので、何度も「私事都合」を使っていると、次第に信頼されなくなると言ってもいいかもしれません。
例文⑤
ここまでメールにおける「私事都合」の使い方を紹介してきましたが、次に有給申請を取りたいときの「私事都合」の例文をご紹介します。一般的にビジネスシーンで有給休暇届けを書くことは多いかもしれませんが、シンプルに「私事都合のため」と書いてください。
もちろん会社によっては、「私用」や、「家事都合」を推奨していることもあるので、しっかりと使い分けができるようにしておきましょう。基本的に休暇理由を聞かれることは稀なので、いざ上司に聞かれた際は、しっかりと理由を伝えることが大切です。
例文⑥
ビジネスシーンやメールで使うことの多い、「私事都合」ということではあるものの、個人店を経営している方でも事情によっては使うことができます。例文を挙げるならば、「急遽私事都合により、開店時間が遅れます。」といった使い方が一般的です。
もしかしたらそこまで事情を伝えたくない時もあるかもしれませんが、わざわざお客さんなどに伝えるべきでないと判断したら、ぜひ「私事都合」を使ってみてください。基本的にどういった事情の際でも、「私事都合」は通用するものの、多用することは避けましょう。
「私事都合」と「自己都合」の違い
様々な「私事都合」の類義語などを紹介してきましたが、ビジネスシーンやメールの表現を探している人は、似ている言葉に「自己都合」があることに気が付くかもしれません。ビジネスシーンにおいて、間違った言葉をの使い方はあまり良くないので、「自己都合」の意味を把握しておきましょう。
「自己都合」は自分自身の事情という意味
「自己都合」は自分自身の事情という意味を持っていて、私用な事情や都合のことを指す「私事都合」とは明確な違いがあります。一般的にビジネスや、私用に関係なく、「自己都合」を使うことは可能です。
「自己都合」は、よく「自己都合退職」といった単語で使われることが多く、「会社都合退職」との違いを把握しておくことが大切となります。「自己都合退職」を使う際は、自分自身が退職を申し出るときがほとんどです。
一方で、「会社都合退職」は会社が労働者を退職させるような表現となっていて、できるだけ穏便に「自己都合退職」で済ませたいと思っている会社が多いとされています。退職願を出すと、「自己都合退職」として処理されることが多いので、不当な扱いを受けていないか把握しておきましょう。
「私事都合」を使う際の注意点
この項目からは、「私事都合」を使う際の注意点をご紹介します。有給休暇などの理由を述べたくない時に使われることの多い「私事都合」ではあるものの、いくらか注意していないと、常識のない人間と見なされてしまいます。
簡潔に言えば、仕事の都合で使えないことや、頻繁に使ってはいけないこと、退職する際は別の表現を使うのが一般的といった注意点があります。次の項目からは、「私事都合」を使う際の注意点について詳しく説明していくので、気になる人はぜひ参考にしてみてください。
仕事の都合では使えない
「私事都合」の意味や使い方を紹介してきたように、「個人の事情」を指す言葉なので、仕事の都合で使うことはできません。仕事の都合で「私事都合」を使ってしまうと、どこか常識外れと思われてしまうので、十分に注意しましょう。
仕事の都合で休むときは、「所用」や「一身上の都合」などを使うことによって、明確な理由を述べたくない時に事情を説明することができます。基本的に家庭の事情や、自分自身の都合の際は、しっかりと「私事都合」を使ってみてください。
頻繁に使ってはいけない
この記事では、「私事都合」の使い方を例文を使って紹介してきましたが、何度も使っていると、信頼のおけない人物として見なされてしまいます。本当にお子さんや家族の世話をしていたとしても、ある程度理由を述べないと、さぼっているのではないかと思われることがほとんどです。
一般的に上司に理由を聞かれたとしても、明確に答えなければならない法律はないものの、職場の関係性を保つうえで大切なことかもしれません。何度も休むことが続くようなときは、軽くでもいいので理由を説明することをおすすめします。
退職する際は別の表現が一般的
ビジネスシーンやメールで、「私事都合」を使うことは可能なので、退職するときにも使いたい人がいるかもしれません。もちろん「個人の事情」を意味することから、どういったシーンでも使うことができるものの、退職する際は別の表現の方が礼儀正しいのです。
簡潔に言えば、「一身上の都合により、退職させていただきます。」と伝えることによって、丁寧に退職する旨を伝えることができます。上司などにメールで退職することを伝えるときは、ぜひ「一身上の都合」を使ってみてください。
「私事都合」の由来・歴史
この項目からは、「私事都合」の由来や歴史をご紹介します。「私事都合」だけでなく、どのような言葉も由来や歴史を知ることによって、より一層の理解を促すことができるので、気になる人はぜひ参考にしてみてください。
由来
「私事都合」を分解することによって、「私事」と「都合」に分かれるので、それぞれの由来をご紹介します。「私事」は江戸時代から自分のことを指していた「わたくしごと」から由来しているとされ、1人称の丁寧語として使われていました。
「都合」に関しては、「都」の字には「すべて」といった意味が含まれていて、「都合」は「すべてを合わせる」といった意味が生じたのです。次第に「都合」には、「具合」や、「調子」といった意味が含まれるようになっていきました。
歴史
江戸時代から使われていた「わたくしごと」ではあるものの、1人称としてだけでなく、次第に「家のこと」を指すようになりました。「都合」に関しても、「事情」や「状況」のことを意味し始めたのは、近世以降とされています。
基本的にビジネスシーンやメールで使うことの多い、「私事都合」は、歴史のある漢字が組み合わさった言葉と言ってもいいかもしれません。ぜひビジネスシーンやメールで使う際は、しっかりと由来や歴史も把握しておきましょう。
「私事都合」の英語表記
ここまで「私事都合」の意味や、注意点などについて説明してきましたが、最後に「私事都合」の英語表記をご紹介します。もしかしたら英会話をする場合もあるかもしれませんが、こういった英語表記を覚えておくと、スムーズに自分の都合を伝えることができます。
簡潔に言えば、「personal reasons」や、「personal leave」、「private reasons」といった英語表記が一般的です。どれもビジネスシーンやメールで使える英語表記ばかりなので、いざ使うときに参考にしてみてください。
「personal reasons」
まず紹介していきたい「私事都合」の英語表記は、「personal reasons」となります。「個人の事情」を意味する「私事都合」をシンプルに英語にしているので、どのようなシーンでも使うことができます。
この英語表記を使いたいときは、ぜひ「I would like to take a leave for personal reasons」と使ってみてください。簡潔に何かしらの事情で休むことを伝えることができるので、詳細に理由を述べたくない時に使うことをおすすめします。
「personal leave」
次に紹介していきたい「personal leave」は、「私事都合」で休む際に使う英語表記と言ってもいいかもしれません。「leave」に「欠席する」といった意味が含まれているので、使う際は十分に気を付けましょう。
体調不良などで休むことを英語で伝える際は、「I like to take personal leave」といった例文を参考にしてみてください。シンプルに理由を述べたくない時に使えるので、どういったシーンでも使うことができます。
「private reasons」
上記で紹介した「personal」は、「個人の」といった意味を持つ英語表記となっていて、一般的に使われる表現として親しまれています。もしかしたらどうしても触れられたくないこともあるかもしれませんが、そんな時に「private reasons」を使うのがおすすめです。
もちろん「private」は「私的な」を意味するものの、晒したくない事柄に使うことの多い表現と言ってもいいかもしれません。
「family reasons」
どのような理由を持っていたとしても、「私事都合」で言い表すことが可能なので、「family reasons」といった英語表記も使うことができます。家族に関する事柄で休むようなことがあれば、積極的に「family reasons」を使ってみてください。
家庭の事情でやめることを伝えるときは、「resign for family reasons」といった表現が一般的です。退職する会社に英語圏の方がいるのであれば、礼儀として退職することを伝えておきましょう。
「personal circumstances」
ここまで様々な「私事都合」の英語表記を紹介してきましたが、最後に「personal circumstances」をご紹介します。一般的に「reasons」と同じように「cirsumstances」の事情を意味する英語なので、合わせて覚えておくといいかもしれません。
「absent for personal circumstances」といった使い方をすることができ、「私事都合で休む」を意味しています。「私事都合」の英語表記は多岐にわたっているので、都合のいい表記を使ってみてください。
「私事都合」は個人の事情という意味
この記事では、「私事都合」の意味や注意点を紹介してきました。「私事都合」は個人の事情という意味を持っています。
合わせて、「私事都合」の使い方を、例文を使って取り上げてきました。「私事都合」は、ビジネスシーンやメールで使うことができます。会社を休むときなどに、ぜひ「私事都合」を使ってみてください。