他愛もないの意味とは?
「他愛もない」という言葉が使われることがありますが、「他愛もない」の意味を問われると正しい意味を答えられないという人も結構多いです。
「他愛もない」の読み方は「たあいもない」「たわいもない」ですが、平仮名にすると余計に意味が分からなくなるという人も多いでしょう。
「他愛もない」という言葉は結構良く使われる割に正しい意味をちゃんと知っている人は少ないというちょっと複雑な言葉です。
「他愛もない」という言葉にはいったいどのような意味があるのか、まずは「他愛もない」の意味についてご紹介しましょう。
取るに足らないという意味
「他愛もない」の意味のひとつめは、「取るに足らない」という意味です。「取るに足らない」の意味は「わざわざ取り上げるには値しない」という意味で、「他愛もない」は主にこちらの意味で使われることが多いです。
「取るに足らない」というとあまり良くない意味のようですが、実はそうでもありません。日常生活の中の何でもないような出来事を「取るに足らない」などと言いますが、他人にとって価値はなくても本人には価値がある場合もあります。
なので会話の中などで「取るに足らない」という意味で「他愛もない」という言葉を使うことがあっても、本当に価値がないという意味で使っているわけではないとも言えます。
手ごたえがないという意味
「他愛もない」の意味の二つ目は、「手ごたえがない」という意味です。「手ごたえがない」の意味は「成果が出ない」「実りがない」という意味で、「他愛もない」はこちらの意味でも良く使われます。
「他愛もない」を「手ごたえがない」という意味で使うのは主にスポーツ関連の会話の中で、試合などで成果が出ないといった時に「他愛もない」という言葉が使われることがあります。
スポーツなどで「他愛もない」という言葉が使われるのはどういう時なのかについては、後でご紹介する「他愛もない」の使い方の所で詳しくご紹介します。
張り合いがないという意味
「他愛もない」の意味の三つ目は、「張り合いがない」という意味です。「張り合いがない」の意味は「やりがいがない」「こちらからの働き掛けに対して期待した反応がなく不満なさま」という意味です。
「他愛もない」は先にご紹介した「取るに足らない」という意味と「手ごたえがない」という意味で良く使われますが、「張り合いがない」という意味で会話の中などで使われることもあります。
「張り合いがない」という言葉の意味はちょっと複雑ですが、文章の流れなどによっては「張り合いがない」という意味で「他愛もない」という言葉が使われることも時々あります。
思慮分別がないという意味
「他愛もない」の意味の四つ目は、「思慮分別がない」という意味です。「思慮分別がない」の意味は「注意深く物事に考えをめぐらさない」という意味です。
「思慮分別がない」の意味を簡単に言い換えると「しっかりとした考えがない」ということになり、「他愛もない」を「しっかりとした考えがない」という意味で会話などで使うこともあります。
このように「他愛もない」には「取るに足らない」「手ごたえがない」「張り合いがない」「思慮分別がない」など、色々な意味があるということを覚えておきましょう。
他愛もないの由来
「他愛もない」の意味についてご紹介しましたので、次は「他愛もない」の由来についてご紹介します。日本語には難解な言葉がたくさんあり、それぞれ由来がありますが、「他愛もない」という言葉にも由来があります。
「他愛もない」という言葉には「他」「愛」という文字が使われているため、「愛の他のものもない」などと勝手に思い込んでしまう人もいますが、「他愛もない」の由来は実はとてもシンプルです。
「他愛もない」という言葉にはいったいどういう由来があるのか、「他愛もない」の由来についてもご紹介しましょう。
江戸時代の言葉が他愛もないの由来
「他愛もない」の由来は江戸時代に会話の中で使われていた言葉「たわいない」「たあいない」です。「たわい」という言葉には「思慮分別」「正気」「理性」といった意味があり、それがない状態に対して「たわいない」と言われていました。
「たわい」には他に「手ごたえ」「張り合い」などという意味もあり、江戸時代に使われていた「たわいない」「たあいない」には色々な意味があったと言えます。
その当時には会話の中で「たわいない」「たあいない」と言っていたため、漢字はありませんでした。ですが時代の流れの中で「他愛ない」というように当て字がされ、現代の「他愛もない」に変わってきました。
他愛もないの類語
「他愛もない」の由来についてご紹介しましたので、次は「他愛もない」の類語についてご紹介します。「他愛もない」には「取るに足らない」「手ごたえがない」「張り合いがない」「思慮分別がない」などの意味があります。
なのでこれらの「他愛もない」の意味に近い意味を持つ言葉が「他愛もない」の類語ということになります。
「他愛もない」の類語に当たる言葉にはいったいどういう言葉があるのか、「他愛もない」の類語についてご紹介しましょう。
簡便
「他愛もない」の類語の一つ目は、「簡便」です。「簡便」の意味は「簡単で便利なこと」という意味ですので、一見すると「他愛もない」とは全く違う意味を持っているようですが「簡便」は「他愛もない」の類語です。
「他愛もない」には「取るに足らない」などの意味がありますが、それらはシンプルに言えば「簡単」「たやすい」といった意味になります。
「他愛もない」には「便利」という意味は含まれていませんが、「簡単」というニュアンスがありますので、「簡便」は「他愛もない」の類語に分類されます。
手軽い
「他愛もない」の類語の二つ目は、「手軽い」です。「手軽い」の意味は「面倒な手間がかからず簡単なさま」という意味で、こちらも「簡便」と同じく「簡単」という言葉が意味の中に入っています。
「手軽い」には他に「仕事や動作などがてきぱきとしている」という意味もありますが、「他愛もない」の類語としての「手軽い」はこちらの意味ではなく「面倒な手間がかからず簡単なさま」という意味の方です。
ですが「他愛もない」はあまり良い意味では使われないことも多いですので、そういった意味では良い意味を表す「手軽い」とは少し違うとも言えます。
造作ない
「他愛もない」の類語の三つ目は、「造作ない」です。「造作ない」の意味は「たいした手間や面倒もなくたやすい」という意味です。
「造作ない」は先にご紹介した「手軽い」に極めて近い意味を持つ言葉ですので、「造作ない」も「他愛もない」に近い意味を持つ類語だと言えます。
また「他愛もない」という言葉を「造作もない」と言い換えることもできますので、使い方という点でも「造作ない」は「他愛もない」の類語だと言うことができます。
子供じみた
「他愛もない」の類語の四つ目は、「子供じみた」です。「子供じみた」の意味は「充分な成長がみられず子供っぽい」という意味ですので、「他愛もない」とは全く違う意味を持っているようですがそうではありません。
「他愛もない」には「思慮分別がない」という意味もありますので、「子供じみた」という言葉は「思慮分別がない」という意味で「他愛もない」の類語になります。
ただ「子供じみた」という言葉は「他愛もない」ほど複雑な意味を持っていませんので、「子供じみた」を「他愛もない」の言い換えに使うことは難しいです。
大人げない
「他愛もない」の類語の五つ目は、「大人げない」です。「大人げない」の意味は「大人であるのに大人らしい思慮分別がない」という意味です。
「他愛もない」には「思慮分別がない」という意味もありますので、「大人げない」は「思慮分別がない」という意味が共通していることから「他愛ない」の類語だと言えます。
ですが「大人げない」は大人限定でしか使えない言葉ですので、子供に対しても使える「他愛もない」とは使い方という点では少し違います。
他愛もないの英語表現
「他愛もない」の類語についてご紹介しましたので、次は「他愛もない」の英語表現についてご紹介します。日本語には複雑な意味を持つ言葉が沢山あり、英語に翻訳するのが難しい場合も結構あります。
「他愛もない」もたくさんの意味を持つ日本語ですので、本当の意味では「他愛もない」に完璧に対応する英語はないと言えます。
ですが「他愛もない」にはたくさんの意味がありますので、それぞれの意味に対応する英語なら探すことは可能です。
「他愛もない」の英語表現にはいったいどのような英語を使うのか、「他愛もない」の英語表現についてご紹介しましょう。
silly
「他愛もない」の英語表現としてまず挙げられるのは「silly」という英語です。「silly」の意味は「くだらない」「ばかげた」という意味で、「他愛もない話をする」といった文章を英語に翻訳する際に良く使われます。
他に「trifling」という英語は「取るに足らない」という意味がありますので、「他愛もない」を「取るに足らない」という意味で英語に訳する時にはこちらの英語が使われます。
また「他愛もない」を「思慮分別がない」という意味で英語に訳したい場合には「childish」という英語が使われます。
「手ごたえがない」という意味で「他愛もない」を英語に訳する場合にはシンプルに「easy」という英語を使うこともできます。
他愛もないの使い方
「他愛もない」の英語表現についてご紹介しましたので、次は「他愛もない」の使い方についてご紹介します。「他愛もない」は意外にも日常的な会話の中で簡単に使われている言葉ですので、使い方は簡単です。
「他愛もない」の意味さえ理解していれば、一般的な日常会話の中でさり気なく「他愛もない」という言葉を使うことができます。
「他愛もない」には先にご紹介したように色々な意味がありますが、それらの意味さえ分かっていれば「他愛もない」は簡単に使えるということです。
「他愛もない」という言葉はいったいどのように会話などの中で使えば良いのか、「他愛もない」の使い方の例文についてご紹介しましょう。
例文①
「他愛もない」の使い方の例文の一つ目は、「久しぶりに会った友人と他愛もない会話でとても盛り上がった」という例文です。この例文では「取るに足らない」という意味で「他愛もない」という言葉が使われています。
「他愛もない」という言葉を日常生活の中の一般的な会話で使う場合には「取るに足らない」という意味で使うことが多いです。
この例文を日常会話風に言えば「久々に会った友達と他愛もない話でめっちゃ盛り上がったよ」などというようになります。
例文②
「他愛もない」の使い方の例文の二つ目は、「この程度の腕で私に挑むなど他愛もないものだ」という例文です。「他愛もない」という言葉は時代劇の中などでも結構使われていて、この例文は時代劇的な例文です。
この例文の中の「他愛もない」は「手ごたえがない」という意味で使われていて「この程度の腕で私に挑むなんて手ごたえがない」という意味になります。
「手ごたえがない」という意味で「他愛がない」を日常会話の中で使うとちょっと気取ったような言い方になりますので、「他愛もない」を「手ごたえがない」という意味で使う場合には注意が必要です。
例文③
「他愛もない」の使い方の例文の三つ目は、「今日の会議は他愛もない内容だった」という例文です。この例文での「他愛もない」は「張り合いがない」という意味で使われています。
「張り合いがない」という意味で「他愛もない」を会話の中で使う場合にはちょっとした注意点があります。この例文のような「他愛もない」の使い方をすると、ばかにしているような印象があります。
「今日の会議は他愛もない内容だった」などと言ってしまうと、いかにも仕事ができてそれを鼻にかけている人のように思われてしまうため、こういった「他愛もない」の使い方には注意が必要です。
例文④
「他愛もない」の使い方の例文の四つ目は、「時間がないため焦ってしまって他愛もないことをやってしまった」という例文です。この例文では「思慮分別がない」という意味で「他愛もない」を使っています。
「他愛もない」の「思慮分別がない」という意味には「意識がない」「正体がない」などのニュアンスもありますので、「疲れていたので他愛もなく眠ってしまった」などという言い方もできます。
このように「他愛もない」という言葉には色々な意味があるため色々な使い方ができますが、使い方次第では誤解を招くこともありますので注意が必要です。
他愛もないは取るに足らないという意味
「他愛もない」の意味や類語や英語表現、「他愛もない」の使い方などについて色々とご紹介してきましたが、如何だったでしょうか。
「他愛もない」は主に「取るに足らない」という意味で使われることが多いですので、「他愛もない」の正しい意味を理解して正しく使いましょう。