「図る」の意味と他の「はかる」との違いは?使い方の例文や類語も詳しく紹介!

「図る」の意味と他の「はかる」との違いは?使い方の例文や類語も詳しく紹介!

「図る」はよく見る馴染みのある言葉ですが、同じ「はかる」という読み方をする漢字がいくつもあり意味もそれぞれ違うようで使う際に迷う方が多いのではないでしょうか。「図る」の意味や他の「はかる」との違い、「図る」の使い方や例文を合せて紹介します。

記事の目次

  1. 1.「図る」の意味
  2. 2.「図る」の語源
  3. 3.「図る」の類語
  4. 4.「図る」の使い方
  5. 5.「図る」の使い方と例文
  6. 6.「図る」と他のはかるの違い
  7. 7.「図る」は物事を考えて工夫することを意味する

「図る」の意味

図る
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キーボードで「はかる」と打ち込んで変換すると「図る」の他にいくつも候補の漢字が出てきて、どれを選んでよいのか迷うことがよくあります。

日本語には「図る」のほかにも「つとめる=努める/勤める/務める」のように同じ読み方をするのに違う漢字を使う言葉が沢山あります。訓(くん)読みが同じで字が違うことから同訓異字といいます。

また、それぞれで意味が違うようなので、正しい使い方をするには意味や違いを知らないと正しい漢字に変換できません。それでは沢山ある「はかる」の同訓異字の中から、ここでは「図る」の意味を調べてみましょう。

意味①物事の実現を企てる

目的
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「図る」には、物事の実現を企てるという意味があります。たとえば「新入社員歓迎会で親睦を図る」のように、新入社員歓迎会の中で親睦を深めることを実現しようと企てるという意味です。

「図る」はまた「新システムの導入を図る」「プロジェクトの成功を図るため、適任者の選定をする」「夢の実現を図る」のように使います。

つまり「図る」とは、目的や希望を具体的に実現するために、何らかの行動や計画を企てるという意味をもつ言葉です。

意味②考えて工夫する

考える
フリー写真素材ぱくたそ

「図る」には、考えて工夫するという意味があります。たとえば「販路の拡大を図る」の場合は、販路を拡大するための方策を色々と考えて工夫するという意味になります。

「考えて工夫する」とは、ベストな方法や手段を見つけようと考えをめぐらせるという意味なので、「仕事の合理化を図る」「予算や計画の見直しを図る」のように「図る」という言葉を使います。

意味③努力する

努力
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前述の「夢の実現を図る」ことや「販路の拡大を図る」ためには、色々な計画や方策を考える努力が必要です。つまり「図る」という言葉には「努力する」という意味が含まれています。

努力しなければ、夢や計画は実現できないからです。「彼は外資系企業への入社を図るため英語の習得に努力している」「仕事の効率化を図るため、時間の使い方を工夫して努力している」のように「図る」を使うことで「努力」を表現しています。

意味④実現を目指す

実現
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ここまで紹介した「図る」の意味「実現を企てる」「考えて工夫する」「努力する」という言葉は、すべて「実現を目指す」意志を含んだ言い回しです。

言い替えれば、計画や企画を立案し、そのための方策を考えて工夫をする努力は、すべて目的の実現を目指す前向きな行動です。つまり「図る」は「実現を目指す」ような前向きな意志を表現する言葉で、非常にポジティブな意味を持っています。

「図る」の語源

田んぼ
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「図る(はかる)」の語源にはいくつかの説があります。日本語の語源には使われ始めた歴史が古く長いほど説が多くあるようです。

「はかる」という言葉の語源も歴史が古く様々な説がありますが、歴史が経つとともに使い方が分かれてきて「図る」「測る」「計る」「量る」「謀る」「諮る」のように漢字と意味が確定してきたようです。

「図」という漢字は「囗(くにがまえ)」の内側に「斗(と)」という字を組み合わせていて、「斗」は米(穀物)の量を計る単位のことで「1斗=10升=100合」になります。

つまり「図」という漢字の語源は、斗(穀物)を国(くにがまえ)が囲っていることから、国家が穀物を管理しているという意味になります。

城
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江戸時代までは「100万石の大名」のように大名や領主が治める領地の広さ(格付け)を「1石=10斗」という単位で表していました。そのような歴史が「図る」という言葉の語源になっているのではないでしょうか。

その大名の「格」を図る単位の意味(語源)が転じて、穀物の耕作地や穀物を保管する場所を記録する「測量図」や「地図」「図形」という図面を意味する言葉にも変化したと思われます。

現在では、その語源がさらに変化して、物理的なものを図るという意味から「意図」「企図」のように精神的なものを図る場合にも使われ意味が広くなったように語源も進化しています。

仕事の進み具合や目当てを意味する動詞

源泉
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また「図る」の語源のひとつに、「はかる」の「はか」に「る」をつけて動詞になったという説があります。「はか」とは「仕事がはかどる」と言うように、仕事などの進み具合や、やり終えた量という意味があり、その動詞形が「図る」の語源という説です。

また「はりかぎる(張り限る)」という言葉を語源とする説もあります。「はりかぎる」とは、親指と人差し指をピント張り広げて物の長さを限っていくという意味です。

その「はりかぎる」を短くして「はかる」と略し、物をはかる場合の語源になったという説です。使われ方により意味や語源は少しずつ変化するようです。

「はかる」という言葉が、計る対象が物だけでなく、仕事の量や仕事の進み具合に目当てをつけることに使われるようになったことから「図る」の語源になったようです。このように「図る」の語源には色々な説があることを理解することができたのではないでしょうか。

「図る」の類語

類語
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類語とは似たような意味や、同じような使い方をする言葉のことです。「図る」という言葉には、同訓異字(同じ読み方で違う字を使う)が多いのと同様に類語もまた沢山あります。

しかし「図る」の類語は同じような意味を持っていますが。意味や使い方に微妙な違いがあります。その類語の微妙な違いを調べ比べることは「図る」という言葉の本来の正しい意味を理解する助けになります。

ワイン
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人は微妙な違いを見分ける時には、同じような物を並べて比較することをよくします。たとえばワインの飲み比べなどの試飲会がよい例です。飲み比べることでワインの違いや特徴を調べます。

「図る」の類語の意味や使い方を比較することは、ワインの微妙な味の違いを見つける試飲会と同じ効果があります。それでは沢山ある「図る」の類語の中から主なものをチョイスして紹介します。

努める

頑張る
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類語の「努める」は、図ると同じように同訓異字をたくさん持つ言葉です。「勤める」「務める」「勉める」などのように使い方に迷う同訓異字があります。そんな中で「努める」が図るの類語になるのは何故でしょう。

「努める」とは、励むまたは頑張る、努力するという意味です。「図る」とは「物事の実現を企て工夫をして実現を目指す」という意味で、実現を目指すためには「努力」が必要不可欠な要素なので「努める」が類語になります。

アスリート
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しかし「努める」の場合は「頑張って仕事が早く終わるように努める」のように「努力する」という行動に主眼が置かれています。「図る」の場合は、早く終るように工夫や考えを巡らせるという意志が含まれているところに違いがあります。

「アスリートは、練習を重ねることで記録や結果が出るように努める」とは言いますが「記録や結果が出るように図る」とは言いません。つまり類語の「努める」と「図る」には意味でも使い方でも微妙な違いがあるようです。

企む

作戦
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「企む(たくらむ)」という言葉は、「戦略を企む」「謀略を企む」のようにあまり良い意味に使われない場合が多いのですが、「企てる、計画する」という意味があることから「図る」の類語になります。

一方「図る」という言葉は「目的や希望の実現を図る」のようにポジティブな場合に使われることが多いので前向きな良いイメージが強い言葉です。

類語の「企む」はネガティブな悪いイメージが強い言葉、「図る」はポジティブな良いイメージが強いところに違いがあります。

仕組む

サプライズ
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「仕組む」という言葉は、物事を工夫して組み立てる、計画をする、企てるという意味があり、良い意味でも悪い意味でも使われる言葉です。「図る」の物事を実現するために考え工夫する、という意味と似ていることから類語になっています。

良い意味では「仲間の誕生会でサプライズを仕組む」「システムは誰でも使えるように仕組むのが基本だ」のように使います。悪い意味では「彼を失脚させるために罠を仕組む」「テロでは爆弾が仕組まれることが多い」のように使います。

つまり類語の「仕組む」は、良い意味と悪い意味の使い方がほぼ半々なのに対し、「図る」の場合は良い意味の使い方がほとんどという点が違います。

目論む

計画
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「目論む(もくろむ)」は「物事をしようとして考えをめぐらす・計画する」という意味で「図る」と非常によく似ている類語です。

例文を見ても「新事業を目論む」「一攫千金(いっかくせんきん)を目論む」「海外進出を目論む」のような使い方をして、「目論む」のところを「図る」に置換えても意味に違和感がないほどよく似ています。

強いて違いをあげるとすると、「目論む」は、考えをめぐら計画するという「行為」そのものイメージが強いのに対して、「図る」は考えをめぐらし計画するという「意志」を表しているところに微妙な違いがあるようです。

画策

画策
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「画策(かくさく)」という類語は「企む(たくらむ)」と同じように悪い場面で使われることが多い言葉で「はかりごとをめぐらす」「悪意を含むあまり良くない計画を立てる」という意味があります。

「画策の仕方があまりに雑だったため、企みがすぐに露呈してしまった」「彼の行動には画策が多すぎるので信用ができない」「画策し過ぎると、ろくな結果にはならない」の例文のようにネガティブな意味で使われることが多い言葉です。

目的や意志の姿勢がポジティブな「図る」とネガティブな「画策」では正反対のように見えますが、「計画や企てをめぐらす」というところが似ているので類語になっています。

「図る」の使い方

ビジネスシーン
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「図る」は、ビジネスシーンではよく使われる言葉でが、どのようなシーンでどのような使い方をするのでしょう。主に「工夫して努力する」「物事を上手く処理する」「物事を企てる」の3つの意味で使い方にパターンがあります。

「工夫して努力する」という意味では「販路の拡大を図る」「利益の向上を図る」「経費節減を図る」のように具体的な目標に向けて、工夫をして努力する場合に使います。

「物事を企てる」という意味の場合は「納期短縮のために仕事の合理化を図る」「トラブル回避のための解決策を図る」のように、目的を達成するための方策や企画を立てる時に使います。

それではもう1つの「物事を上手く処理する」という意味の場合にはどのような使い方をするのでしょう。

物事についてよく考えて処理する

結果
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実は「図る」という行動の中で「物事を上手く処理する」ということが、最も大切で一番むずかしいことです。「方策や計画を立てる」「工夫や努力をする」だけでは、上手く処理をしたとは言い切れません。

方策や努力だけでは、良い結果が得られるとは限らないからです。「良い結果を得る」ためには、何が会社や仕事において良い結果なのかをよく考える必要があります。

計画
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目的が何かをしっかり把握しないで、方策や企画を立てて努力しても「無駄骨(むだぼね)」に終ってしまう可能性があり「良い結果」にはつながりません。

たとえば「経費節減を図る」という目標のため経費を抑えることは会社の利益幅をあげることにはなりますが、経費を抑えたことにより製品や商品の質の低下を招いて売上が減少しては何にもなりません。

またそのことにより社員の意欲が落ちて職場全体の活動が鈍くなるかも知れません。それは会社が利益を上げるという本来の目的の結果にはつながっていません。

全体
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つまり「上手く処理する」とは目の前の事をクリアするのではなく、全体を総合的に見て何がベストなのかを判断することです。

そのためには「物事について目的の本質をよく考え見極めること」そして「客観的に全体をみて上手に処理をすること」が非常に大切な要素になります。

「図る」という言葉には「物事を企てる」「工夫して努力する」「物事を上手く処理する」などの意味や要素が含まれていることから、使い方はその場面や目的に合わせて様々になっているのです。

「図る」の使い方と例文

辞書
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前の章では「図る」という言葉の使い方のパターンや使われる意味を中心に解説しました。ここでは例文を中心に使い方を検証します。

「図る」という意味が理解できても実際に使えなければ意味がありません。例文は使い方を知る上で非常に効果があります。これからいくつかの場面に分けて例文を紹介します。ビジネスシーンで上手に活用する参考にしてください。

コミュニケーションを図る

コミュニケーション
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コミュニケーションは職場での人間関係や仕事をスムーズに運ぶためには非常に大切な要素です。あまり付き合いが深くない人でも仕事の上では協力し合わなければなりません。それでは例文でコミュニケーションを図る意義を確認してみてください。

「気まずい関係の人とでもコミュニケーションを図ることは、仕事の上ではプラスになります」「コミュニケーションを図る努力は、必ず仕事や職場の環境を向上させる結果につながります」

人間関係
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「待っていても協力関係はできません。自分から進んでコミュニケーションを図ることが大切です」「コミュニケーションを図ることで、それまでの人間関係が改善されることがあります」

これらの例文を参考にして、自分で前向きな例文を作ってみることで実際にポジティブな気持ちでコミュニケーションを図れるようになるかも知れません。ぜひ試してみることをおすすめします。

効率化を図る

効率
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「効率化を図る」はビジネスシーンではよく言われることです。例文で見ると「経費から無駄なコストを減らし効率化を図るよう努力してください」「業務の効率化を図ることで働き方改革を推進する」のように使われます。

「効率化を図ることは、単に残業を減らすことではありません。仕事を短時間で仕上げることは集中力を高める効果もあるのです」のような例文もあります。

ここで大切なのは、前にも紹介したように「効率化を図る目的」「良い結果を得る効率化」とは何なのかを考えることが必要です。例文を参照して、本来の目的を見つける目を身につけられればスキルの向上につながり仕事の上でも必ず役立ちます。

親睦を図る

親睦会
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良好な人間関係を作るためには、お互いを良く知ることが最も大切と言っても過言ではありません。人間関係は仕事をしていく上でも非常に大事なことで、その関係を作るには親睦を図ることが有効な方法です。

そのために職場では機会あるごとに「歓迎会」「新年会」「送別会」「懇談会」など色々と親睦を図る場をたくさん設けるわけです。

例文では「今日は新入社員を迎えて、お互い社員同士の親睦を図るために歓迎会を開催します。互いをよく知り明日の仕事につなげてください」のような表現になります。

ボーリング
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また「普段あまり交流のない他の部署の人との親睦を図るため、1泊2日の社員旅行を企画しました」「スポーツを通じて親睦を図るためボーリング大会を開催します」のように社外活動として様々なイベントを企画します。

これを見ても、ビジネスや人間関係において親睦を図ることの大切さが理解できるのではないでしょうか。もちろん職場に限らず、仲間同士、サークル活動、部活などどのような場面でも「親睦を図る」ことが大切です。

連携を図る

成果
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「連携を図る」とは、お互いに連絡を密にとり合い、共通の目的や仕事に取組む姿勢のことです。人は一人でやる仕事は限られています。お互いに協力し合い連携を図ることで一人ではやり切れなかったより良い大きな仕事ができます。

「今回のプロジェクトは、技術部と営業部の連携を図らなければ成し得ません」のように個人だけでなくグループの連携も大きな力を生みます。

また教育現場では「教師と保護者の連携を図らなければ、良い生徒を育てることはできません」「また教師と生徒同士の連携を図ることも重要です」のように「連携」は使われます。

このように「連携を図る」とは、個人と個人の間、個人とグループ、グループ同士の間でも、互いの結果をさらに上に導くための行動です。

相互理解を図る

グローバル
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「相互理解を図る」とは、互いの考えや思っていることを理解しようと努めることです。互いに理解するものは、個人の意見や考え、互いの性格や長所短所、互いの特徴、大きくは国と国との文化の違いなど様々あります。

「相互理解を図るには、まず相手の性格や長所短所を知ることから始めます」「連携して仕事を進めるには、まず相互の理解を図ることが肝心です」「お互いに相互理解を図ることなくしては、成果を上げることは期待できません」

「国と国との関係は、相互理解を図ることではじめて文化交流や経済交流ができるのです」「その国の言語文化を相互理解を図ることで、誤解を生まない正しい意見交換ができます」

これらの例文のように「相互理解を図る」と言う表現は、個人間の小さなことから国同士の大きな場合にも使われる、非常に使い方に幅の広いグローバルな言葉です。

「図る」と他のはかるの違い

違い
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「図る」は「はかる」と読みますが、同じ「はかる」と発音をしても違う漢字を使う言葉が沢山ある日本語で、これを同訓異字(どうくんいじ)と言います。

しかもそれぞれが少しずつ違う意味を持っています。パソコンで「はかる」と入力すれば、この同訓異字がずらりと出てきてどの漢字を使えば良いのか迷ってしまう言葉です。

正しく「図る」を使うためには、他の「はかる」の同訓異字の意味と違いを知っておく必要があります。それでは「図る」の同訓異字を紹介します。

計る

ストップウォッチ
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「計る」の「計」は「数える、はかる」という意味で「計算」「合計」「集計」「会計」のように使われ、数字にまつわる表現が多い言葉です。

言い回しでは「時間を計る」「タイムを計る」「効果を計る」「利益を計る」「タイミングを計る」のように計測するという意味合いが強い表現で「図る」の「考えて工夫する」とは違いがあります。

計る
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「計り知れない」「特別の計らい」のように「図る」と似ている表現もありますが、例文で再検証してみると「今回のトラブルの損失は計り知れない」では損失の量が大きくて計ることができないという意味でやはり計測のイメージです。

「彼は特別の計らいで入社できた」は、特別の思惑で入社できたという意味で、計測とは少し違う例外のようです。つまり「計る」は例外を除いて、数字で表せるような計測のイメージが強い言葉です。

量る

秤
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「量る」とは、主に「秤(はかり)や計量カップなどで重さや体積を知る」場合に使う言葉です。「体重を量る」「食品を量り売りをする」「電気釜で炊く米を量る」「鍋に入れる水をカップで量る」のように使います。

「推し量る」「気持ちを量る」「心情を量る」のようにも使いますが、気持ちや心情の大きさや重さを量るというイメージが強いところが「図る」とは違います。

測る

メーター
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「測る」は、物の高さや長さ、広さや深さ、程度の大きさなどを調べることで、「測定する」「測量する」「計測する」という意味です。

使い方は「水深を測る」「距離を測る」「血圧を測る」「速度を測る」のように物を計測する場合に使う言葉です。精神的な意志や考えを表現する「図る」とはやはり違いがあります。

謀る

噓
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「謀」という字を用いた熟語には「陰謀(いんぼう)」「謀略(ぼうりゃく)」「謀殺(ぼうさつ)」「首謀(しゅぼう)」などがあるように「謀る」には、犯罪や悪事を企てる、欺く(あざむく)、だますという意味があります。

おなじ「はかる」でも「図る」とは、かなりかけ離れた意味になってしまいます。「図る」にも企てるという意味がありますが、「謀る」は企てる内容が悪い方向に向いた場合に使われる言葉です。

諮る

諮る
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「諮る(はかる)」とは、日常の会話などではあまり馴染みがない言葉ですが、文章や会議等では使われる言葉で「意見を聞く、相談する」という意味です。

「諮(し)」という言葉は「上位の者が下位の者に意見を求める」という意味があり、「諮る」は、もともとは目上の人が目下の人に使う言葉でしたが、現在では上下の関係なく使われています。

「諮問(しもん)する」「諮問(しもん)委員会」などがあるように少々固いイメージのある言葉ですが、ビジネスシーンでは「この企画に関しては次回の会議で諮ることにいたします」のように使います。

「図る」は物事を考えて工夫することを意味する

選ぶ
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「図る」には、同じ「はかる」と読むのに違う漢字を使い、違う意味を持つ言葉が沢山あるので、使い方に迷ってしまう日本語です。

「図る」とは「物事を考え工夫する」というポジティブな意味があるのに、漢字の選び方を間違えるとネガティブな悪い意味にもなってしまいます。正しい意味の使い方をするために、ここまでの記事を役立ててください。

Eiji0601
ライター

Eiji0601

元ミュージッシャン&調理師。現在はフリーのコンサート企画やチラシ等のデザイナーをやっています。音楽のジャンルはクラシックからジャズ&ポップス、特に’60年代〜’80年代ポップスが大好きです。料理は和食が得意な年齢不詳の独身男性です。

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