「尊重」の意味・使い方まとめ!例文・類語や尊厳・尊敬との違いも解説!

「尊重」の意味・使い方まとめ!例文・類語や尊厳・尊敬との違いも解説!

尊重という言葉、とても聞きなれた言葉ですが、はたしてちゃんと使えていますか?意味を理解して使えているのといないのとでは、相手に失礼に当たってしまうこともあります。今回は「尊重」という言葉の本質的な意味や使い方、類語や対義語について説明します。

記事の目次

  1. 1.「尊重」の意味とは
  2. 2.「尊重」の対義語・類義語
  3. 3.「尊重」の使い方・例文
  4. 4.「尊重」と「尊厳・尊敬」の違い
  5. 5.「尊重」を使う際の注意点
  6. 6.「尊重」の英語表記
  7. 7.「尊重」は尊く重んじるという意味

「尊重」の意味とは

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「尊重(そんちょう)」は、”とても大切なもの、価値あるものとして丁寧に扱う”という意味を持っています。つまり、大事で他にないものなので、重要視して注目し、最大限に気を使って取り扱うとした意味があります。

尊(とうと)いものであるから重く扱う、重く用いる、重んじる、などの構成で意味付けられた熟語です。尊いと感じる気持ちを持てるものや人、感情を重んじるという、非常に強い感情を表す言葉と言えるでしょう。

「尊重」の対義語・類義語

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「尊重(そんちょう)」とまったく同じ、もしくは非常に近しい意味を持つ言葉や、それとは真逆に近い意味も持つ言葉について言及します。

真逆の意味やそれに近しい意味をもつ対義語や、尊重と似たような意味をもつ類語について、詳しい意味や使い方についても理解を深められるよう記載しています。

「尊重」の対義語

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「尊重(そんちょう)」の反対、もしくは限りなく逆の意味をもつ言葉を、「対義語(たいぎご)」と呼びます。対義語には本質的に逆の意味を持つ言葉、熟語がもつ文字に反した言葉などがあります。

無視の意味・読み方・使い方

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尊重の対義語として無視が挙げられます。相手を尊んで重んじる「尊重」と比べ、まったく意識に入れず相手にしない「無視(むし)」は根本的な反対関係にあると言えます。

「~を無視する」など動作として使われ、意識しない、意図的に視線などから外すなどの際に使われます。相手を蔑ろにしたり、存在を認めない、まるで注意を払わないなどの意味を持ちます。

黙殺の意味・読み方・使い方

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地面としては非情に冷酷な表現です。尊重の対義語、「黙殺(もくさつ)」の意味は、無視ととてもよく似ています。認めることを拒んだり、ほとんど注意を向けない、むしろ聞いていたとしてもあからさまに配慮から外す、といった意味を持ちます。

あまり良い表現として使われることはなく、「上申書として社内の問題点の告発があったが、黙殺した」というようなネガティブな表現でよく用いられます。

軽視の意味・読み方・使い方

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尊重の対義語の一つ「軽視(けいし)」は、”責任を怠ったり、考えが足りていない様子”や”ほとんど注意が行き届いていない”もしくは、”小ばかにしている”といった意味を持ちます。

これまでの無視や黙殺とは違い、完全に注意を払っていない状態を指さず、(相手や物事を)軽んじている様子が加わっています。「彼はこの仕事を軽視している」というような使い方となります。

仮初の意味・読み方・使い方

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尊重の対義語のひとつ、「仮初(かりそめ)」の意味ですが、少々難解な意味を持ちます。”物事を分かっていながらも、あえてとる思慮のない行動”もしくは、”注意すべきこと配慮すべきことへの関心が欠落しているさま”を表します。

また、”物事を軽く扱うさま”、”うつろいやすい幻”といった意味で使われることが多いのも「仮初(かりそめ)」の特徴です。「彼との間柄は仮初のものだ」といった、実体のないものを指したり、重要ではないことを意味する使い方となります。

「尊重」の類義語

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似たような意味を持つ言葉を「類語(るいご)」もしくは「類義語(るいぎご)」と呼びます。類語は尊重を言い換えた、いわば別表記で生まれて言葉もあれば、単に意味合いが似ているだけの類する言葉だから類語とされるものもあります。

敬畏の意味・読み方・使い方

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尊重の類語のひとつ、「敬畏(けいい)」には、”心からうやまい、おそれること”という意味があります。恐れるわけではなく、おそれるとは畏れると書くことで、読み通りに恐れるの類語にあたります。危害を受ける事を怖がっている様子の意味をもちます。

例文として「ボスに心からの敬畏を」というように、恐れを抱きながらも崇拝する相手に対しての表現として使われます。尊重との違いは、心に一抹の恐怖が宿る点と言えます。

恭謙の意味・読み方・使い方

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尊重の類語として定義されている「恭謙(きょうけん)」には、”慎み深く、へりくだること。また、そうした姿”といった意味があります。うやうやしい態度で一歩控えた態度をとるなどの意味をもちます。尊重とは違い、へりくだるほど強い念が伺えます。

例文としては、「傘下へと加わった彼らは、恭謙な態度で我々の前に伏した」という使い方ができます。謙虚さや慎み深さを表す言葉として、誉め言葉とした意味合いで用いられます。

敬重の意味・読み方・使い方

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尊重の類語、「敬重(けいちょう)」の意味は、”うやまい、おもんずること”となります。尊重との違いがもっとも少ない類語です。言葉の比重としては、少しだけ敬重の方が軽いニュアンスで用いられます。

例文として「彼は敬重に値する人物だ」というように、評価として使用するなど、尊重と違って使い方の自由度も高めです。

敬仰の意味・読み方・使い方

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続いての類語は、「敬仰(けいぎょう)」です。「敬行(けいぎょう)」は「けいこう」とも呼ばれ、”謹んであおぐこと。”もしくは”うやまい尊ぶこと。”という意味を持ちます。尊重との違いは、敬う心の内に言及した言葉である点です。

例文としては、「私は課長の人柄を敬行している」というような使い方で、対象の人などに対して用いられます。使い方のニュアンスは尊重と変わりありません。

推重の意味・読み方・使い方

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「尊重(そんちょう)」の類語、「推重(すいちょう)」は、”おしいただき重んずること”という意味を持ちます。また、尊重同様に”尊び重んじる”という意味も持ちます。違いはより積極的に重んじている部分にあります。

例文としては、「かの御仁を推重(すいちょう)し、我々にとって何がもっとも大切であるかを改め直すべきです」のような使い方となります。行動的な用い方が良いでしょう。

「尊重」の使い方・例文

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「尊重(そんちょう)」の基本的な使い方は、これまでに紹介した類語や対義語とさほど大きな違いはありません。しかし、尊重の意味をより正しく伝えるための使い方は、さまざまな例文から読み取ることで、より深く理解できます。

いくつかの例文から、尊重の意味を多角的な観点から読み取り、自分なりの使い方を考えていきましょう。

例文①

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「人が人として生きていくために最低限尊重されなくてはならない物はなにか。君にはわかりますか?それはどんな存在であっても、たとえどれほどの悪人であっても、またどのような環境の相手であっても、くわえてどれほど憎い相手であっても、です。」

問いかけの形式で尊重されうる存在と定義することで、意味としての尊重。人間が求めなければならない基本的な尊重すべき存在とは何かについて言及した例文です。

なお、この文での守られるべき、尊重すべき基本的な事というのは、日本国憲法でもまず最初に現れる「人権」の事です。私たちの「人権」が基本的に尊重されているという事の重要性は、諸外国の情勢を知れば知るほどにより深く理解できます。

例文②

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「私が思うに、私たちは彼女に対して大切な事を忘れていたのではないか、と言っているんだ。それは彼女だけではなく私たちにとっても必要なことであるし、普段は当たり前のように譲り合っていることだよ。それは、彼女を人として尊重する、ということさ」

こちらは尊重そのものに主眼を置いて言葉にした例文です。彼女という存在に対して欠けていた配慮は「尊重」である、という言説で、知らず知らずのうちに視野の外になっていたことを指摘している場面です。

知らず知らずに誰かを軽んじて蔑ろにしてしまっていることはままあります。それが人間社会であり集団で生きるという事に置いて起こるべくして起こる事だからですが、集団における自浄作用に頼るのではなく、自らの手で糾していきましょう。

例文③

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「有象無象の愚かな具申だ、なんて言っていないで一つ一つの考え方をもっとちゃんと尊重すべきではないか?そうやって上から目線で片っ端から撥ねつけるから凝り固まった固定概念から抜け出せずに今の惨状を招いたのではないのか?」

考え方に対して尊重を用いた例文です。概念、人、意見など軽んじずにしっかりと考えて考慮すべきであるという意味を「尊重」という言葉で強く印象付ける用法です。

どのような言葉、意見、考え方にも根本的には人間性がもつ論法や思想が根付いています。それらすべてを切って捨てていては新しい発想も打開策もみつかりっこありません。常に新鮮な気持ちで事に当たるべきでしょう。

例文④

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「人は誰しも誰かに軽んじられて生きたいなどとは思わない。尊重され、可能であれば尊敬に足る人物でありたいと願うものだし、私自身もそのように願っている。きわめて特殊な性癖をもつ者はその限りではないが。」

受け身な意味で尊重を用いた例文です。自分自身に対して「尊重してほしい」という気持ちを表す場合に使用しています。

「尊重」と「尊厳・尊敬」の違い

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「尊重(そんちょう)」と比較される言葉としていくつか類語が挙げられる中で、間違った形で考えられている言葉がいくつかあります。中でも、「尊厳(そんげん)」と「尊敬(そんけい)」は意味合いが違ってしまう言葉の一つです。

「尊厳(そんげん)」「尊敬(そんけい)」それぞれの意味や、例文などから違いや特徴を把握し、「尊厳(そんげん)」と「尊敬(そんけい)」を正しく使えるようにしましょう。

「尊厳」は犯してはならない尊さという意味

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「尊厳(そんげん)」には、「尊く、おごそかで犯してはならないこと。気高く威厳があること」などの意味があります。気高さや、おごそかであるさまを尊厳として表しています。

「人としての尊厳」「個人の尊厳を守りたい」また「生命の尊厳」などといった使い方で用いられます。尊厳が指し示すのは、「基本的な尊ぶべきこと」ですので、極めて根本的な語句や概念に適用されます。尊重が動作ですので、尊厳は名詞に近い用法です。

他にも「自己の尊厳」や「芸術の尊厳」「尊厳死」「尊厳の風貌」「思想の尊厳」「尊厳であり偉大であり」など、形容動詞としての使い方も例があります。

「尊敬」は認めて敬うという意味

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「尊敬(そんけい)」とは、「その人の人格をとうといものと認めてうやまうこと。その人の行為・業績などをすぐれたものと認めて、その人をうやまうこと。」という意味を持ちます。尊重が考え方や人格などを対象とするのとは違い、人や業績を対象にします。

そのため、考え方や概念を尊敬するとした場合は間違いの用法となります。「~(人)を尊敬している」「~の功績で尊敬されている」「~という行為が尊敬を集めている」「尊敬を表した」「尊敬させる」などの使い方が出来ます。

接続詞の使い方にも注意しましょう。例えば、「彼の考え方には尊敬する」という文は間違いとなります。正しくは「彼の考え方を尊敬する」や「彼の考え方は尊敬できる」という言い回しとなります。

「尊重」を使う際の注意点

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ここまでで「尊重(そんちょう)」がどのような意味をもち、どういった使い方が出来るのかについて説明しました。

基本的にはどのような場面でも使うことのできる「尊重(そんちょう)」ですが、それでもなお、使い方に間違いとされる場面もあります。ではどのような使い方が間違いとされるのかについて、例文を交えながら説明します。

物に対しては使えない

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考え方や概念、人や在り方などにも適用できる「尊重(そんちょう)」ですが、実は唯一「物」に対しては使うことが出来ません。具体的には「意思を持たない存在」に対して「尊重(そんちょう)」することが出来ないのです。

言葉として使う事は出来ますが、そもそも考え方や在り方に対して「尊重(そんちょう)」する言葉ですので、意思や思考の無い「物質」を相手に「尊重(そんちょう)」するのは意味として通りません。

「尊重」の英語表記

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「尊重(そんちょう)」を英語で表現する場合、いくつかの言葉で表すことが出来ます。ひとつは「respect(リスペクト)」で、もっとも有名な言葉でもあります。和製英語としてもよく耳にする言葉の一つと言えるでしょう。

また、「尊重(そんちょう)」意味する言葉として挙げられるのは「esteem(エスティーム)」もまた、「尊重、尊敬、敬意、自尊、欽慕、輿望」を意味する言葉です。

加えて、「regard(リガード)」にも尊重の他に、敬意、意、性向、注意の意味があります。例文として、”I want to respect him deeply.”(私は彼を深く尊重したいと思っています)のように使います。

「尊重」は尊く重んじるという意味

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人には誰しも尊重されるべき権利があります。それはどんなに憎く、恨めしく、鬱陶しい相手であっても同じことです。であればこそ、本当の意味で人が集団で常に前進し続けるため互いが礎となり、相手を尊び重んじる気持ちが未来を生みます。

尊重する気持ちを失ってしまったら、そこに残るのは一体なんでしょうか?ただお互いを貶しない、罵り合い、足を引っ張り合うだけの社会には未来あるでしょうか?「尊重」この言葉の意味だけは、しっかりと色々な意味で忘れずにおくべきでしょう。

五所川原銭男
ライター

五所川原銭男

ガジェット系を好む。雑食。暴食。時折暴走する。知る人ぞ知る某国産プロジェクトの中の人。

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