じゃがいもの芽の毒素はどのくらい?取り方や注意すべきポイントを解説!

じゃがいもの芽の毒素はどのくらい?取り方や注意すべきポイントを解説!

じゃがいもの芽には毒が含まれていることが知られています。じゃがいもの芽の毒は、どのくらいの強い毒なのでしょうか。じゃがいもの毒を取り除く方法や、じゃがいもの保存の方法、またじゃがいもの芽などの他に注意するポイントをご紹介します。

記事の目次

  1. 1.じゃがいもの芽の毒素や取り方・注意点を紹介!
  2. 2.じゃがいもの芽にはどんな毒があるの?
  3. 3.じゃがいもの芽を食べた場合の症状は?
  4. 4.じゃがいもの芽の取り方
  5. 5.芽の毒以外でも注意したいじゃがいも
  6. 6.じゃがいもの芽が出るのを防ぐ保存方法
  7. 7.じゃがいもは芽の毒に注意して上手に調理しよう!

じゃがいもの芽の毒素や取り方・注意点を紹介!

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400年以上も前に日本に伝わった南米アンデス原産の「じゃがいも」は、肉じゃがやポテトフライなどに利用されるように、日本で最もポピュラーな野菜の一つです。じゃがいもは家庭菜園などでも比較的簡単に作れるために、身近な食材として扱われています。ところがじゃがいもには毒成分があります。

じゃがいもが持つ毒は、主にじゃがいもの芽や皮に含まれているといわれています。じゃがいも料理をするときは、しっかり皮をむき、芽は確実に除去するようにと小学校の家庭科などで教わります。意外なことに、じゃがいもの芽や皮に含まれる毒成分自体については、あまり知られていません。

じゃがいもの芽にはどんな毒があるの?

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じゃがいもの芽や皮に含まれる毒が命にかかわるものであれば、じゃがいもが食材として一般的な野菜にはなっていなかったでしょう。いつでもどこででも手に入る野菜となったのは、じゃがいもの芽に含まれる毒が命にかかわるような強い毒成分を持っていない証拠ともいえます。

かといって、じゃがいもの芽や皮を気にせずに丸ごと食べましょうという風潮にはなっていないので、やはりじゃがいもの芽や皮に含まれる毒については理解しておき、じゃがいもを調理する時は注意した方がよさそうです。まずはじゃがいもの芽や皮に含まれる毒成分などについて、ご紹介します。

ソラニン・チャコニンという毒成分

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じゃがいもの芽や皮に含まれる毒成分は、現在ポテトグリコアルカロイド (Potato Glycoalkaloids; PGA)と呼ばれます。じゃがいもの芽や皮には複数の毒が含まれ、それらの集合名詞がPGAというのです。PGAの中で比較的毒性が強いのがソラニンとチャコニンといわれる二つの毒成分です。

ソラニンは主にナス科の植物に含まれる毒成分で、神経系に作用する毒です。じゃがいも以外にも、例えばホオズキなどにもみられます。チャコニンはカコニンとも呼ばれ、やはりナス科の植物に含まれる天然毒素です。じゃがいもの芽や皮に含まれるPGAの約95%がソラニンとチャコニンです。

緑がかった皮にも含まれる

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じゃがいもは根ではなく地下茎です。さらに地下茎が塊になった塊茎といわれるものです。サトイモ科の植物の塊茎にはシュウ酸を含み、例えばとろろ芋が肌につくと痒くなるのはシュウ酸の刺激によるものです。じゃがいもの場合は、芽に毒が含まれることが有名ですが、皮にも含まれます。

じゃがいもの「緑色になった皮」には、PGAが含まれるとされています。このような天然毒素成分が存在する理由は、植物が繁殖するために蓄えた栄養を、動物などの敵に食べられないように自ら毒成分を生成しているのではないかという説があります。もちろん真相は不明です。

じゃがいもの芽を食べた場合の症状は?

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自然界に存在する毒成分、いわゆる天然毒成分を体内に入れてしまった場合、症状が出るまでの時間は毒成分によって全く異なります。致死性の高い毒で、しかも毒成分が早い時間で体内に回ってしまう場合は数分で症状が出ます。それではじゃがいもの芽や皮に含まれている毒はどこまで危険でしょうか?

例えば天然毒成分で劇薬レベルの毒であるトリカブトと比較すれば、PGAの毒成分であるソラニンやチャコニンは非常に弱いレベルです。それでも、ソラニンやチャコニンを多く含んでしまったじゃがいも料理を口にした場合の症状は以下のようになります。

軽い症状の場合

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ソラニンとチャコニンは神経に作用する毒成分を持ちます。毒成分を含んだものを飲み込んで体内に吸収するのに数時間がかかります。最大で12時間後までにはソラニンやチャコニンが原因とみられる症状が出てきます。軽い症状としてまず第一に考えられるのが、「腹痛」と「吐き気」です。

神経系に作用する毒成分のため、「めまい」などの症状も確認されています。また、腹痛とともに「下痢」などの症状も出ます。症状が軽い場合は中毒症状とは思えない程度であることもありますが、大人では軽症であっても、子供では重症化することもあるので注意しましょう。

重い症状の場合

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ソラニンとチャコニンが神経系に作用する毒成分であるために、重症化すると「意識障害」まで達してしまうケースもあります。致死量を摂取した場合、赤血球の細胞膜が破壊される溶血作用を介して「低血圧」を引き起こし、最悪の場合「昏睡状態」にまで陥ることも確認されています。

日本では、2016年のデータで254人が中毒症状を訴えて医療機関を訪れ、そのうち32人が入院などの手当てを受けています。意識的にじゃがいもの芽だけや緑色になってしまった皮だけを食べることはありませんが、決して無視できるものではないという理解をしておく必要があります。

じゃがいもの芽の致死量

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WHO世界保健機構が発表しているデータによると、じゃがいもの芽や緑色の皮に含まれる毒成分のソラニンやチャコニンは、体重60kgの成人であれば300mgが致死量とされています。緑色のじゃがいもの皮で、10g中に10mgのソラニンが含まれているといわれるので300gの緑色の皮が致死量です。

じゃがいもの芽にはさらに多くのソラニンやチャコニンが含まれていますが、じゃがいもの芽だけで300gを食べようとするならば1個200g程度の大きめのじゃがいも30個から芽だけをかき集めなければなりません。通常の食べ方では、じゃがいもの芽だけを大量に食べることはないことがわかります。

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じゃがいもの芽の取り方

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じゃがいもの芽や緑色になった皮に毒成分が含まれていることが分かりました。その毒成分も意識的に大量に摂取することは通常考えられず、中毒症状になることは少ないこともわかりました。それにもかかわらず、毎年じゃがいもに含まれる毒成分で医療機関を訪れる人がいることもわかりました。

じゃがいもの芽の取り方について、詳しくご紹介します。じゃがいもの芽の取り方といっても、どこまで取るのかわかりません。どこまでが安全に食べられるのかを考えながら、芽や皮をとりのぞく取り方では不安が残ります。どこまでとる取り方が良いのかをご紹介します。

芽はどこまで取る?

まずじゃがいもの芽の取り方です。どこまで取るかというと、芽をえぐり取るイメージの取り方です。ピーラー(皮むき器)には、じゃがいもの芽をえぐり取るための「くぼみ」が装備されているものがあります。他には昔からある、包丁の「あご」を使う取り方があります。

実はじゃがいもの芽に含まれる毒成分は、芽の根本が一番強いのです。このため、どこまで取るべきかといわれたら「芽を中心に球状にえぐりとる」という取り方になるのです。爪楊枝の先程度の小さな芽の場合は、どこまで取るのかわかりにくいですが、やはり同じようにえぐり取る取り方です。

緑がかった皮も厚めに剥く

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じゃがいもの皮に含まれる毒成分も中毒症状を引き起こします。緑色になったじゃがいもの皮には高濃度のソラニンやチャコニンが含まれます。日光を大量に浴びたじゃがいもは、天敵から身を守るために毒成分を分泌するといわれます。このため、緑色の皮は厚めに剥きます。

皮に含まれる毒成分は、表面付近に多く含まれます。どこまで剥くか加減が難しいですが、薄く皮を剥くだけでは毒成分も食べることになるので、厚く剥くことが大切です。黄色のイモ部分が見える程度まで剥きましょう。このような芽や皮の取り方をすれば安全にじゃがいもを食べられます。

小さな芽は爪楊枝でこそぎ取る

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じゃがいもの「くぼみ」は、芽と根が両方出てくる場所です。これが地下茎の特徴です。柔らかい芽は動物たちに好まれる部分であり、植物は芽を守ろうと動物が好まないものを実装していると考えられています。じゃがいもの芽が小さく、くぼみの奥にゴマ粒程度しかない場合、皮ごと剥きます。

もう少し大きくなり、芽らしくなった場合は「爪楊枝」を使ってえぐり取る方法もあります。特にじゃがいもを皮つきのまま調理したいときは、この方法がじゃがいもらしさを残すので良い方法と言えます。じゃがいもに含まれるビタミンCは水に溶けやすい性質があるので、この方法は最適です。

じゃがいもの芽の毒は加熱しても減らないの?

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じゃがいもの芽や皮に含まれる毒成分は、170度以上の熱で3割程度は分解されるというデータもあります。水の沸騰温度である100度程度では、毒成分はほとんど分解されないのです。天然毒の中には、熱による分解が簡単であるものがあります。ところがじゃがいもの毒成分は熱分解は期待ません。

昔の人たちの生活の知恵は、科学的根拠に基づいたものではないにもかかわらず、理にかなっているところが驚きです。じゃがいもの芽や皮に含まれる毒成分は水に溶けだしやすい性質があります。このため、すべての料理に向くとは限りませんが、水にさらすことで毒性を弱めることは可能です。

芽の毒以外でも注意したいじゃがいも

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小学校の家庭科学習で、じゃがいもの芽の除去の仕方は習います。じゃがいもの芽には毒があるとしっかり教え込まれます。肉や魚などは鮮度などに注意しなければ食中毒を引き起こします。これら食中毒の怖さなども教科書に載っており、小学生の頃から食の安全性について学ぶ機会が与えられています。

野菜はどうでしょうか?例えば銀杏を、小さい子供が大量に摂取すると毒だと昔から言われています。ビタミンB6欠乏症を引き起こし、痙攣や意識障害などの症状を引き起こし、重症化すると死亡する可能性もあるといいます。それでは、じゃがいもはどうでしょうか?芽や皮以外は安全なのでしょうか?

実の半分以上が青い色に変色したじゃがいも

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じゃがいもの皮に含まれる毒成分の比率を考えると、特に危険なのが家庭菜園などで栽培された「小芋」です。緑色になる原因は光合成であり、家庭菜園のじゃがいもは地上近くに出てきてしまっていることもあるため緑化しやすいのです。しかも小さいと皮の比率が高く、毒性が強いのです。

小芋の中には、緑がさらに青みがかったものまであります。近年は品種改良でカラフルな野菜が生産されているので紛らわしいですが、じゃがいもに関しては青みがかったものは避けるべきです。特に家庭菜園の小芋は、芽がさらに小さく確認しにくいので、食べないようにするのが賢明といえます。

辛い・苦いじゃがいも

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昔から「腐っているものは酸っぱい」といわれます。また「苦味は毒」といわれることもあります。植物が自分の身体を守るために、苦味を身にまとうという説は有力視されています。これを考えると、舌がしびれるような味がしたじゃがいもや苦味が強いじゃがいもは、避けた方が無難です。

じゃがいもだけにとどまらず、本来の味が苦味や辛味とは縁遠いものが苦い・辛い場合は、飲み込まないことが重要です。おかしいなと思ったら、すぐに吐き出すことが肝心です。水で口をすすぎ、少なくとも30分は様子を見ます。不安を感じたら、必ず医療機関を訪れましょう。

じゃがいもの芽が出るのを防ぐ保存方法

Photo byCouleur

根菜は、主食にもなりえる栄養価の高い食品であり、できれば長期保存したいものです。冷蔵庫が進化しているので、様々なものを冷蔵庫に放り込んでいることも、ままあるかと思います。鮮度を保つ方法は、冷蔵庫が進化したとしても基本は変わりません。じゃがいもの保存方法とは、どうでしょうか?

じゃがいもに含まれる毒成分を考えれば、芽が出やすい方法や皮が緑になりやすい方法などを避けるのが良い方法であるはずです。また、毒成分を考える以外にも、昔から言われる「鮮度を保つ方法」や「旨味をできるだけ逃さない方法」など、じゃがいもに適した保存方法をご紹介します。

日の当たらない暗い場所で保存

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食材保管の基本である「直射日光を避けること」は、当然、じゃがいもの保存にも当てはまります。発芽の条件には「温度」が必要です。温かい場所は、じゃがいもの芽を成長させてしまうのです。じゃがいもの皮が緑色に変色するのは日光にあてたことが原因です。

これらのことを考えると、まず第一に暗いところで保存するのが鉄則ということになります。涼しいところで保存すると、毒成分のことだけでなく、実はじゃがいに含まれるでんぷん質が自分の身体を守ろうと糖分を作り出し、甘みが増すことも期待できます。旨味の面からも日を避けるのが最適なのです。

新聞紙にくるんで保存

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食品が腐食するには「水分」「温度」が条件です。逆に言えば、乾燥している涼しいところであれば保存状態をよく保てます。昔からの知恵として、じゃがいもの表面について湿度を取り除くために新聞紙でくるんでおく方法が挙げられます。時間が経って湿った新聞紙は取り替えます。

新聞紙でくるんだじゃがいもを、段ボール箱に入れて涼しいところに保存する方法が、昔ながらのじゃがいも保存方法です。とはいえ、家庭では限界もあるので、購入後2週間程度で食べきる量を購入しましょう。購入時は芽の部分や色だけでなく、表面の湿り気具合なども考慮しましょう。

夏は冷蔵庫で保存

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一般的な食品保存方法は、冷蔵庫に入れることです。今の冷蔵庫は野菜室など、食品に最適な温度や湿度を管理する機能が付いたものが多いので、それを利用するのが最も簡単な方法です。じゃがいもの発芽は摂氏二十度以上が必要なので、冷蔵庫内の平均温度である摂氏五度であれば十分です。

ただし、冷蔵庫内は乾燥しやすい環境にもなるので、じゃがいもが意外と早く「しなびる」ことがあります。これらのことを考えても、じゃがいもに限らず、食べきれる量を購入し、早めに食べきることを基本としましょう。冷蔵庫に保存することは正しいですが、過信しすぎないように注意しましょう。

リンゴを入れて保存

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昔ながらの知恵としては、じゃがいもとリンゴをビニール袋に入れて保存する方法があります。リンゴから発生するエチレンガスにより、じゃがいもの発芽が抑制されるほか、じゃがいもの芽に含まれる毒成分のソラニンが抑制されることもわかっています。

リンゴの発生するエチレンガスは、じゃがいもの芽には抑制効果がありますが、例えばバナナやパイナップルなどには追熟効果となったりします。エチレンガスは本来果実の成熟を進めるホルモンの一つと考えられているので、じゃがいも以外はリンゴと一緒にしないようにします。

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じゃがいもは芽の毒に注意して上手に調理しよう!

Photo byHolgersFotografie

じゃがいもの毒は芽や緑の皮に含まれていることは知っていても、どこまで取って良いのか知らない人が多くみられます。どこまで取るべきかという芽や皮の正しい取り方を覚えれば、食べられる部分が増えることもあるでしょう。取り方次第で、じゃがいもが更に楽しめるのです。

正しい保存方法で保存すれば、じゃがいもの甘みや旨味を楽しむことができます。じゃがいもの芽や皮をどこまで取り除くべきかという「正しい取り方」をきちんと覚えれば、じゃがいもをさらに美味しく食べることができるということです。

てぃーえむ
ライター

てぃーえむ

アメリカ在住のシニアライター。音楽と料理と酒を愛する、ばりばりインドア人間。伝えることと知ることは、すなわち勉強。人間、一生勉強です。そんなことを、つまみを作りながら、最高の音楽を聴きながら、酔っ払って思っています。

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