来社のお礼メールを送ろう!
取引先が来社した際のお礼メールは、社会人のビジネスマナーとして欠かせないものです。お礼メールはスピード感が重要なので、悠長に考えていると信用に関わります。とはいえ定型文だけにならないよう、あくまでも具体的に伝えるように心掛けましょう。
またお礼メールの内容については、先方が来社した際の心遣いに対してどれだけ喜び、感謝しているかを素直に伝えるかが重要です。来社時の会話の内容にも触れるなど、具体的な書き方にすると先方に気持ちが伝わりやすくなります。
今回は来社後のお礼メールの書き方について、シーンごとに応じた例文や返信する際のマナーについて紹介します。取引先が来社した際に失礼がないよう、正しいお礼メールの書き方を覚えて使っていきましょう。
来社のお礼メールの必要性
まずは自分や取引先が来社した際、お礼メールを送る必要性について説明します。お礼メールを書く目的は、来社後により良い関係を築きたいという意志を伝え、取引先やお客様を不安にさせないというものです。
かえって迷惑になってしまうと心配する人もいますが、連絡が遅れると先方に良い印象を与えません。そのため、お礼メールは先方の来社後に必ず返信する必要があります。
単に来社した事への感謝を伝えるのではなく、情報を共有すればその後の関係もスムーズになります。お礼メールを送る際に今後の方向性を明確にしておけば、プロジェクトが進展しやすくなるというメリットもあります。
来てもらったことへの感謝を伝える
来社のお礼メールで真っ先に伝えるべき内容は、取引先やお客様に対するお礼です。先方は多忙な時間を割いて来訪しているので、必要ない文章は極力省くようにしましょう。
ただし典型的な例文によるお礼メールだと感謝の気持ちが伝わりづらいので、会話の内容に触れつつ感謝を述べると、文面にも温かみが宿ります。ビジネスマナーに基づき、より良い関係を築く書き方を意識して下さい。
商談や打ち合わせ時の内容を思い出しながら、知識として改めて知る事ができた要素や相手の考えについても触れましょう。一方的にこちらの考えばかり書くと、単なる一人語りになってしまいます。
その後の関わりをスムーズにする
お礼メールには来社に対する感謝以外にも、取引先との関係をスムーズにする役割があります。面倒に思う人もいるでしょうが、お礼メールを忘れず書けば来社後に信頼関係が構築され、契約成立にも繋がりやすくなります。
特に初来社後のお礼メールは、会社の印象を植え付けるのに重要な存在です。その後の関わりをスムーズにできるよう、内容は簡潔にした方が好ましいです。自社の宣伝など必要ない文章はこの際省いて下さい。
お礼メールを返信するスピードも速くした方がいいでしょう。メールは利便性が高く、いつまでも返信しないと取引先やお客様が不審に思う場合があります。そのため来社後の関係を悪化させないように気を配るのも重要です。
今後の方向性を明確にして共有する
お礼メールを送る際、商談や打ち合わせの内容をメールにまとめる事で、情報を共有するのも1つの目的です。来社時に行った商談や打ち合わせ時の情報を共有できれば、取引先との今後の方向性を明確にさせる事ができます。
商談なら後に連絡する場合も多く、今後の流れをメールで送信する事も考えられます。後で連絡する側なら「またご連絡します」、連絡を受け取る側なら「ご検討をお願い申し上げます」といったメッセージを加えるのが好ましいです。
また初来社後など、取引先やお客様とあまり信頼関係が構築されていない場合は、「今日の○○のお礼」という風に自分の会社名や名前も書いておく事をおすすめします。これでお礼メールの見落としを防ぎ、一目で情報を判断できます。
打ち合わせ時の内容を盛り込む
お礼メールの効果的な書き方についても説明します。まずは取引先やお客様が来社した際、打ち合わせした時の内容を盛り込みながら書く事です。
丁寧なお礼メールを心掛けようと例文ばかり参考にしても、定型文のようにありきたりな文章となってしまいます。そこで打ち合わせの時、自分がどのように感じたかを振り返ってみましょう。
具体的なエピソードを述べる事で、先方も自分の話をきちんと聞いていたと良い印象を抱きます。その後の会議でもこちらの意見を支持しやすくなるでしょう。
件名や本文の要点を絞る
件名やメールの内容をわかりやすく伝えるのも大切な事です。取引先やお客様にお礼メールを送る際、要点を絞って件名もわかりやすくする事を心掛けて下さい。
忙しい時によくわからない件名のメールを送っても心境を悪くしてしまいます。そこで「打ち合わせのお礼」など、一目で見て内容を判別できるように書いてみましょう。
次回の打ち合わせについても要点を絞りながら、先方に依頼する事を簡潔に述べます。送ってすぐに要点を把握してもらえる事がポイントです。
来社のお礼メールの書き方
来社以外に契約や会食のお礼など、お礼メールを書くシチュエーションは意外と多いです。しかし、基本となる要素はどれも同じなので、最低限注意すべきポイントを抑えてお礼メールの書き方をマスターしましょう。
ここでは書くべき内容と送るタイミングの2つに絞り、来社後のお礼メールの書き方について解説します。お礼メールは内容はもちろん、送るスピードも重要視されるので、先方に失礼のないようマナーを守って書いて下さい。
書くべき内容
来社のお礼メールで最初に書くべき内容は、来社した事に対する感謝です。メールでお礼を書くのは対面より難しいですが、ビジネスシーンだと避けては通れない場面の1つです。
取引先やお客様は時間を割いて足を運んでいるので、冒頭に来社に対する感謝の言葉を書きましょう。余計な言葉がないので感謝の気持ちが伝わりやすくなり、確かな信頼関係を築ける可能性が上がります。
また来社時を振り返り、それにちなんだ感想や思い出を書くのもおすすめです。先方に当てて書いている事が強調され、メールに具体性が増しているので相手も信用してくれるでしょう。
送るタイミング
来社後のお礼メールについては、なるべく早いタイミングで送るようにしましょう。来社が午前中の出来事であればその日の夕方まで、午後や夜であれば翌日の午前中に送るのがビジネスマナーの鉄則です。
スピード感を重視する社風である場合はもちろん、そうでない場合でもその日のうちに先方へお礼メールを送信しましょう。時間をかけて書きたい場合もあるでしょうが、お礼メールは鮮度が命です。
相手に来社時の余韻が残っている状態でなければ、お礼メールの効果は半減してしまいます。ただし時間を優先するあまり、具体性のない文章にはしないように気を付けて下さい。
来社のお礼メールの例文
来社へのお礼メールを書く場合、どのような内容にすればいいのか気になるところです。ビジネスメールだと「取り急ぎ」という言葉が使われがちですが、「とりあえず急いで」という意味から不快に感じる人も少なくありません。
「誰もが使っているから」という理由で軽はずみに使わず、その意味も理解した上で正しく使うように注意して下さい。マナーを意識しながら行動するのも社会人にとって必要な事です。
ここでは来社後のお礼メールに関する例文をパターン別に4つ紹介していきます。ビジネスマナーを踏まえた上で感謝の気持ち、そして今後もより良い関係を築いていきたいという旨を伝えられるよう参考にして下さい。
挨拶のための来社の場合
先方が挨拶目的で来社した場合、最初に自己紹介と来社に対するお礼を述べる必要があります。「昨日はお忙しい中、貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございました。」と書くのが好ましいです。
来社に対する感謝を簡潔かつ素直に伝える事ができます。続けて今後の要望や質問に対する連絡など、次の来社に繋げるための例文を書きましょう。一度のやり取りで終わらせず、次を見越した書き方にするのも重要です。
最後に連絡先として自社の住所や電話番号などを忘れずに記入して下さい。シンプルな内容の例文として、お礼メールの要点を簡潔にまとめて伝えたい場合におすすめです。
営業に対して承諾する場合
次は取引先やお客様が営業のために来社し、それに承諾する際の例文です。営業に承諾する場合は受け入れてもらった事への感謝、相手への気遣いが伝わるようにマナーを意識する必要があります。
「本日ご提案いただいた新規取引の件、心よりお礼申し上げます。」と書き、更に要件について「微力ながら精一杯サポート致しますので、何なりとお申し付け下さい。」と繋げましょう。
感謝の気持ちを述べつつ承諾の意思を伝え、先方の依頼や提案を引き受ける書き方にする事ができます。最後に取引に関する具体的な日時を提示し、今後も良好な関係を築いていきたいという旨を伝えれば完成です。
営業に対して検討する場合
取引先やお客様が営業のために来社し、すぐに承諾せずに検討を必要とする場合はその旨を伝えましょう。お礼メールには先方の来社から検討するまでに至った要素に加え、こちらの誠実さを書くのがマナーです。
先方の来社に対する感謝を述べてから、「早速社内で検討させていただきたいと思います。」と書くのが好ましい例です。先方の提案に前向きな姿勢で臨んでいるという内容の文章も忘れずに書いて下さい。
検討するに至った要素を記入した後は、「今後とも何卒宜しくお願い致します。」という文章で締めます。今後もより良い関係を築きたいという旨を明らかにすれば、先方も嫌な気分にならず、信頼してもらえるでしょう。
来社や営業のお礼メールを送る際、些細な気遣いにもこだわる事で先方からの印象も変わってきます。次の仕事に繋げられるかどうかも左右されてくるので、お礼メールには感謝を忘れないで下さい。
営業に対して断る場合
取引先やお客様の提案を断る場合でも、まずは来社してもらった事への感謝を伝えましょう。不快にさせないよう、失礼のないお礼メールに仕上げるのも立派なビジネスマナーです。
まず「慎重に検討致しましたが、今回は採用を見送らせていただく事になりました。」という風に、先方の提案を丁寧に断る旨の文章を書きます。次は「大変申し訳ありませんが、ご了承下さいますようお願い申し上げます。」と繋げましょう。
このような例文を使えば営業を断る事に対する罪悪感を和らげ、先方も「それなら仕方ない」と納得してもらえる可能性が高くなります。来社のお礼メールを書く際は、相手を不快にさせない事を念頭に置いて下さい。
来社のお礼メールへの返信マナー
来社後にお礼メールが来た場合の返信マナーについても説明しましょう。スルーはマナー違反となるので必ず返信する必要がありますが、時間を気にするあまり内容を疎かにしてしまうのもNGです。
取引先やお客様は貴重な時間を割いてまで来社していただいているので、まずはお礼メールに来てもらった事への感謝を伝えるようにしましょう。その後打ち合わせに関する内容を盛り込み、お礼メールを肉付けしていきます。
ここでは先方が来社し、その後お礼メールを返信する際に必要なビジネスマナーや例文について説明します。ビジネスマナーに基づいてお礼メールを書く際、それらを参考にしながら来社に対する感謝を伝えて下さい。
書くべき内容
お礼メールを返信する際は、まず件名に「Re:」を残したまま送る必要があります。例えば先方から「商談のお礼」という件名で送られてきた場合、「Re:商談のお礼」と書くのが正しい方法です。
お礼メールの本文には「雨天の中ご来訪いただきありがとうございます。」など、当日の天気や来社した時の状況を表す文章も加えるといいでしょう。お礼メールの内容が定型文と化すのを避けるのには効果的です。
来社のお礼に続いて打ち合わせ時の内容を、自分が感じた事も交えながら盛り込みます。この時要点を絞って説明すると、相手にとって読みやすい内容としてまとめられるでしょう。件名も一目でわかる内容にする方がおすすめです。
更に来社してもらった事に「ご足労」という単語を用いると、先方への配慮が上手く伝わります。次回の打ち合わせのスケジュールが決まっている場合は文末に記載し、先方に返信すれば完了です。
例文
続いてはお礼メールの返信に使う例文を紹介します。来社後のお礼メールをいただいた事に対する感謝として、「恐縮です」や「恐れ入ります」といった表現を使うといいでしょう。
「恐れ多い」というのは謙遜を意味すると同時に、間接的にお礼の言葉としても機能します。「ご丁寧なお礼メールをいただき、大変恐れ入ります。」という風に使うのが正しいお礼メールの書き方です。
先方からアドバイスを受けた際は「大変勉強になりました。」という風に、謙虚な姿勢を見せる事も大切です。来社後のお礼メールをもらった事への感謝を述べた後は、打ち合わせした提案内容を確認する文章を書きます。
次回の打ち合わせについて、日程や場所といったスケジュールが既に決まっている場合は末尾に書いておいて下さい。スケジュールを箇条書きし、最後に改めて挨拶文を添えてから送信すれば完了です。
時には再返信が不要であることも伝えよう
「返信すると相手に気を遣わせてしまう」と考える人もいるかもしれません。お礼メールに再度返信し、先方がしつこいと感じて不快になる場合もあります。
そこで自分の返信でお礼メールのやり取りを終わらせたい場合、メールの末尾に「お返事はどうかお気になさらず」と書いておくといいでしょう。これならお礼メールの送信で不快にさせる事はありません。
来社のお礼メールはビジネスシーンでは必ず送ろう!
来社のお礼メールはビジネスシーンにおいて必要不可欠な存在です。先方の来社が済んでからすぐに送信するべきですが、スピードにこだわるあまりお礼メールの内容が定型文ばかりにならないように気を付けて下さい。
また返信を忘れるとマナー違反になるだけでなく、取引先やお客様との今後の関係も危ぶまれてきます。日常でお礼を言うのは照れ臭くても、ビジネスシーンではしっかりと伝えるようにしましょう。
お礼メールには来社した事への感謝を伝えるだけでなく、打ち合わせ時の内容を確認する事で今後の方向性や関わりを円滑化するという役目もあります。簡潔にまとめつつ、こちらの誠意を伝えられる内容のお礼メールを書きましょう。