神棚のお供え物の飾り方・配置など作法を紹介!
会社には神棚があっても自宅に神棚があるのは少ないのではないでしょうか。神棚のお供え物の飾り方に作法があることを知っていますか。
またお供え物の飾り方には、配置に順番があることを知っていますか。神棚の水や御神酒、榊などの交換するタイミングもあります。
神棚のお供え物の飾り方の作法とともに、神棚の水や御神酒と米・塩の交換のタイミングなどをご紹介していきます。自宅に神棚が無い人も飾り方の作法や配置の順番などを知識として知っておきましょう。
神棚とは
神棚とは江戸時代に広まって家庭に普及した神様を祀っているものです。神様を祀るためにお供え物を飾ったり水や御神酒と米・塩など飾ったりします。神棚と言っても祀る神様によってさまざまな種類に分かれます。
商売の神様とされている「稲荷様」の神棚には、白い紙に黒字で祀る神様の名前が書かれた御神札を入れる扉があります。またお供え物などを置く引き出しが付いているのが一般的な家庭にある神棚です。
「稲荷様」の神棚のお供え物には米、酒、餅、野菜、果物、菓子、塩、水の順番での飾り方をします。米・塩・水のお供え物は月の1日・15日に交換するのが作法です。
火の神様「荒神様」の御神札の飾り方は東向きか南向きが作法。御神札は閉めて祀り、年1回交換するときに開けるのが作法です。塩、水、御神酒は毎日お供えするようにしましょう。
神棚の種類
神棚はお宮と呼ばれている建物の形状や装飾によりいくつかの種類に分かれます。また、祀る神様によっても種類が違います。神棚の種類についてみていきましょう。
神棚には、御神札が1枚祀ることができるコンパクトサイズの一社宮(いっしゃみや)、御神札が3枚祀ることができる三社宮(さんしゃみや)があります。
神棚には、箱宮(はこみや)、荒神宮(こうじんみや)、厨子宮(ずしみや)、大黒宮(だいこくみや)、札宮(ふだみや)などの種類もあります。
一社宮には屋根が両方に付いている両屋根と両屋根に階段、屋根への装飾が施されている神明宮(しんめいみや)があります。
三社宮にも屋根の形状などの違いにより廻縁屋根(まわしぶちやね)、丸屋根(まるやね)などに分かれます。箱宮は他の神棚とは形状が大きく異なる箱型をしたものです。
荒神宮は台所に祀る神様用とした使い方をする神棚です。厨子宮は御神札ではなく御神体とされている勧請板(かんじょういた)を祀る神棚。
大黒宮は、毘沙門天(びしゃもんてん)、弁財天(
大黒宮の神棚は、設置する場所に注意が必要。目線が低くならないことが大事です。また人が通る場所の上に設置しないことも大事。大黒宮の神棚を設置するときには見下すようにならない場所、人が通る頻度が高い場所を避けて設置にするようにしましょう。
神棚にお供え物を飾る理由
神棚にお供えする塩、水、御神酒、榊などにはお供えする理由があります。塩、水、御神酒、榊など神棚にお供えする理由についてみていきましょう。
鮮やかな緑色をした榊を神棚にお供えするのは、榊は「木」の漢字に「神」の漢字が組みわさってできています。
このように榊と神とは密接な関係があり、神棚に榊をお供えすることは、榊に神が宿るといった理由から飾ります。榊の神棚への飾り方は、真榊と呼ばれている祭具に入れて飾ります。
榊の飾る本数には決まりがなく、地域によって違いますので榊を神棚に飾るときには確認をするようにしましょう。
さらに、榊を神棚に飾るときには、自然の榊をお供えするのが作法。しかし、ホームセンターやインターネットなどで購入した造花でも問題はありません。
神棚にお米や水をお供えすることを神饌(しんせん)あるいは御饌(みけ)と呼びます。お米や水の神饌や御饌は神様の食事の理由から飾ります。
神棚に炊いたご飯と塩、水をお供えするのが作法とされていますが、生ゴメと水でも問題はありません。
神棚のお供え物の飾り方①配置の順番
神棚のお供え物の飾り方と配置の順番についてみていきましょう。神棚のお供え物の飾り方と配置の順番は、御神札に向かって右側に塩を左側に水をお供えし、真ん中にお米あるいはご飯をお供えするのが作法です。
基本のお供え物の飾り方・配置
神棚のお供え物の飾り方と配置の順番を詳しくみていきましょう。御神札に向かって右側から塩、お米、御神酒、水の順番での飾り方をします。
また御神札に向かって上段にお米、その下の段に右からの塩、水の順番での配置もあります。さらに御神酒をお供えするときには、御神札に向かって右側から塩、お米、御神酒、水の順番での配置になります。
神棚に塩、お米、御神酒、水をお供えするときには、お米が中央になり、右側に塩、左側に水の配置にするような飾り方になることを覚えておきましょう。
神具により飾り方・配置が違う
神棚には、塩、お米、御神酒、水などのお供え物を入れる神具と呼ばれているものがあります。神棚の神具についてみていきましょう。
神棚の神具には、神鏡(しんきょう)・榊立(さかきたて)・徳利(とっくり)・水玉(みずたま)などがあります。神鏡は神様を写す鏡として御神札が祀られている扉の前に配置するのが作法になります。
榊立は榊を入れるもので神棚の右側と左側に配置します。徳利は瓶子(へいし)とも呼ばれている御神酒を入れる容器のことです。水玉は水器(すいき)と呼ばれている水を神棚にお供えするときに使います。
長折敷の場合の配置
神棚にお米や塩、水をお供えするときには、お米や塩、水が入れられている容器をおぼんのように乗せる神具として折敷(おしき)と三方(さんぼう)があります。
折敷には正方形と長方形があり、長方形のことを長折敷と呼びます。長折敷でのお供えは、神棚に向かって左側から水、お米、塩の順番で乗せます。
また御神酒をお供えするときには、左側から水、御神酒、お米、塩の順番になります。御神酒を2本お供えするときには、お米を中央にした左右に1本ずつ配置するのが作法です。
正方形の折敷・三方に乗せる場合の配置
正方形の折敷・三方に乗せる場合の配置は、神様に近い位置の中央部分にお米を配置し、神様に遠い位置の左側の手前に水、右側の手前に塩を配置するようしましょう。
御神酒をお供えするときには、神様に近い位置に配置したお米の左右の手前に1本ずつ置くようにしましょう。正方形の折敷でお供えするときには、神具が三角形になるように配置することを覚えておくと便利です。
神棚のお供え物の飾り方②他のお供え物の配置
神棚にお米、塩、水、御神酒などをお供えするときの飾り方や配置についてみてきました。ここでは、お米、塩、水、御神酒以外のお供え物の配置についてみていきましょう。
お米、塩、水、御神酒を神棚にお供えするときには、順番、配置などに作法があります。お米、塩、水、御神酒以外をお供えするときにも同様に作法がありますので覚えておきましょう。
正月の鏡餅の飾り方・配置
正月と言えば神棚に鏡餅を飾ります。神棚に鏡餅を飾るときにはどのような配置にすれば良いのでしょうか。正月の鏡餅の飾り方・配置についてみていきましょう。
正月の鏡餅の飾り方・配置では、三方(さんぽう)、四方紅(しほうべに)、(シダ)を」使います。三方は神様にお食事を献上するときに使う台のことです。
四方紅は赤い紙のことで三方の上に乗せて使います。シダはしめ飾りとして使う縁起良い植物のことです。三方は餅を乗せる台として使います。
四方紅は三方の上に使い、餅を乗せるあるいは包む紙として使います。鏡餅をお供えするときには、御幣(ごへい)、四手(しで)、橙(だいだい)を使うので覚えておきましょう。
御幣は、白と赤の紙をジグザク状にした紙のことで、鏡餅の飾りとして使います。四手はしめ縄を飾る使い方をする紙のことです。橙は鏡餅に乗せる果物のことです。
鏡餅に乗せる果物とはみかんとイメージする人がいます。しかし、みかんではなく日本では原産されない表皮が厚く、みかんのように簡単に皮をむくことができない果物のことですので知識として覚えておきましょう。
魚・野菜・果物等の飾り方・配置
神棚に魚・野菜・果物などを飾るときにも作法がありますので覚えておきましょう。神棚に魚をお供えするときには川で獲れた魚と海で獲れた魚では飾り方が違います。
川で獲れた魚を神棚にお供えするときには、魚のお腹を神様に見せないようにして飾ります。海で獲れた魚を神棚にお供えするときには、神様に魚の背中を見せないような飾り方をするのが作法です。
また、魚の頭と尾の向きにも注意をする必要があります。神棚に向かって左側にお供えするときには、魚の頭が右側を向くようにし、右側にお供えするときには、頭が左側に向くようにお供えするのが作法です。
神棚に野菜や果物をお供えするときの飾り方についてみていきましょう。神棚に野菜をお供えするときには、魚と同じように向きがあります。
また花が咲く野菜を神棚の中央に向くようにするのが作法。さらに、神様を不快感を与える臭いが強い野菜のお供えは控えるのが作法です。神棚にお供えする野菜や果物は、新鮮な物を選ぶようにしましょう。
神棚のお供え物の取り換え方
神棚には水、お米、塩、榊、御神酒などをお供えします。神棚にお供えする物の物の取り換え方には交換するタイミングがあります。水、お米、塩、榊、御神酒などの交換のタイミングについてみていきましょう。
水を交換するタイミング
神棚にお供えする水の交換のタイミングについてみていきましょう。神棚にお供えする水の交換するタイミングは、基本的には毎日です。
神棚にお供えする水は、最初に出す水を使うのが理想とされています。神棚にお供えする水は初水(はつみず)と言われています。つまり、最初に出す水のことです。
初水は正確に言えば元旦にくむ水のことです。神棚に毎日の初水をお供えすることは簡単ではありません。
初水を神棚にお供えすることができない場合は、神様にキレイな水を献上する気持ちだけでも持っていれば初水でなくても問題はありません。
神様への水は水器と呼ばれている神具に入れてお供えするのが作法。水器にふたがある場合はふたを開けた状態でお供えするのが作法です。
また水器に水を入れる場合はいっぱいになるような入れ方をしないようにしましょう。神棚に水器を使って水をお供えするときには、8分目ほど入れて献上するのが作法。
米・塩の交換
神棚にお供えするお米、塩の交換するタイミングについてみていきましょう。神棚にお供えするお米、塩の交換するタイミングは毎日が理想です。
お米の場合は、米を炊いたご飯でも良く、ご飯なら毎日交換しやすいのですが、生のお米は毎日交換しないこともあります。生のお米をお供えして交換するタイミングは毎日でなくても良い場合があります。
傷みづらいお米なら、定期的な交換でも問題はありません。塩は水と同じように毎日交換するのが理想。毎日交換することができなければ定期的に交換するようにしましょう。
定期的に交換と言っても塩が固くなったり、ホコリをかぶったりする前に交換することを忘れないようにしましょう。
御神酒・榊の交換
神棚にお供えする御神酒・榊の交換についてみていきましょう。神棚にお供えする榊の交換は、枯れる前に交換するようにしましょう。
榊を交換したら水の交換も忘れないようにしましょう。榊の交換は環境によって違いが出ますが、月2回の頻度での交換が理想です。
榊の葉が緑に輝きを放っていないなら交換する時期です。榊の造花なら、交換ではなく、上についているホコリを払うことを定期的にするようにしましょう。神様と親密な関係にある榊の交換は乱暴にしないことも大事です。
神棚にお供えしている御神酒の交換は、榊の交換のタイミングと同じように月2回ほどの定期的交換が理想です。
神棚にお供えする御神酒は神様に食事を献上する神饌と同じ意味での飾り方をします。神饌とは神様と同じ物を食べることが神様から加護があるとの考えからきています。
そのため、新しくご飯を炊いたときやお酒の封を開けたときなどは、交換のタイミングにかかわらず神棚にお供えするようにするのが理想です。
正しい飾り方で神棚にお供え物を配置してお参りしよう
神棚にはお米、水、塩、御神酒、榊などをお供えします。お米、水、塩、御神酒、榊の飾り方と配置に作法があります。
またお米、水、塩、御神酒、榊の飾り方には順番があります。飾り方の順番を間違えることは神様に失礼にあたりますので飾り方の順番や配置はしっかり理解しておくようにしましょう。
神棚にお供えするお米、水、塩、御神酒、榊などの正しい飾り方や配置を理解して作法にあっている飾り方をした神棚にしましょう。