備蓄品ってどれくらい用意してる?
皆さんは、いざという時に備えた備蓄品を、どれくらい用意しているでしょうか。台風、地震、洪水など非常の事態に備えた備蓄品は大切です。
例え、一人暮らしだとしても、最低限の日常生活を営めるような備蓄品は持っていた方が安心です。備蓄品を正しい方法で保管し、しっかり災害に備えましょう。今回は、一人暮らしの方でも用意しておきたい備蓄品について、詳しくご紹介します。
備蓄品が重要な理由
備蓄品はなぜ必要で、本当に必要なのでしょうか。普段から、日常的に使う以上の物を買い置きすることは、手間もかかりますし、保管場所などを確保しなければならないため、少々面倒です。しかし、備蓄品は面倒であっても必要です。備蓄品が必要な理由を3つのポイントでご紹介しましょう。
防災の一環として
備蓄品が必要な大きな理由のひとつが防災への備えです。災害時は、いつやってくるかわからず、予想もつかないような事態が次々と起こります。
生活の為に必要な物を、必要になってから買おうと思っても、近所のスーパーやコンビニも同じように災害にあっていれば、すぐに物を買うことはできませんし、お店にたどりつけるかどうかも分かりません。
例え、お店が営業していたとしても、日用品や食品はすぐに売り切れてしまいますし、水などの飲み物さえ満足に得られない状況になることも考えられます。備蓄品は、防災の一環として、とても大切です。
支援物資が届くまでやり過ごすため
災害時は、近くの避難所に政府やボランティア団体、他の地域から沢山の支援物資が届きます。しかし、いつどのタイミングで届くか、必要なものがあるかどうかは、実際避難所に行ってみなければわかりません。
また、災害の大きさや、場所によっては、支援物資が届くまで、時間がかかることもあります。備蓄品は、そんな不確かな支援物資が届くまで、やり過ごすための必需品と言えます。
一人暮らしの場合も必須
備蓄品は、家族で暮らしている人だけでなく、一人暮らしの方も必要です。いざとなったら、実家に帰れば良いから、とか、一人だから何とかなるだろう、と思っていませんか?
災害時は、一人暮らしの方が実家に帰る手段さえ機能しなくなる場合もあります。頼れる人や家がありながら、自分の身を、そこに移動させることができなくなるのです。
また、一人分だからなんとかなる、という侮りも禁物です。前日に買い物をしておらず、冷蔵庫の中身が空っぽの時に災害が起こる場合もあります。
例え、量が少なくとも、命をつなぐために必要な最低限のものは、一人暮らしでも準備しておく必要があります。
不測の事態に備えるため
災害だけでなく、世の中では日々色々な出来事が起こっています。日本は安全だから大丈夫、というわけにはいきません。世界の出来事が日本に影響を及ぼすことは大いにありえますし、また、日本国内でも何が起こるかは、誰にも予測不能な時代です。
そんな不測の事態に備えるためにも、備蓄品は必要と言えるでしょう。明日、今日と同じ日常があるとは限らないのです。不測の事態に備えるためにも、備蓄品はしっかり準備しておく必要があります。
備蓄品リスト【食品系】
備蓄品が必要な理由が分かったところで、早速、必要な備蓄品の数々をご紹介していきましょう。家族世帯、一人暮らし関係なく、命をつなぐための大切な食品系からご紹介します。いずれも、毎日をしっかり生きるために必要不可欠なものばかり。
緊急時でも、馴染みのある物を口にするだけで、心が落ち着くこともあります。食品系の、あると便利な備蓄品リスト5つをご紹介します。
3日分の水
食品の備蓄品リストとして、命をつなぐ水は必需品です。水は飲み水としてだけでなく、色々な場面で必要になります。ご飯を炊いたり、麺を茹でたりといった調理、手洗いや歯磨き、トイレなど。
大人1人が飲み水として、1日に必要とする水の量は約3Lと言われています。飲み水だけでも、1日に2Lペットボトル1.5本分です。3日分となると、一人暮らしの方でも、約5本の2リットルペットボトルの水が飲み水として必要ということになります。
実際にはそこまで多く飲まないとしても、水は色々なところで活躍しますので、最低5本と覚えておくと良いでしょう。
3日分のご飯
食品の備蓄品リストとして、3日分のご飯も大切です。普段はパン食という方も、災害時などの不測の事態の時には、ご飯にパワーをもらう人も多いようです。
白米のレトルトパックは、お馴染みで、比較的スーパーなどでも手に入りやすいでしょう。しかし、レトルト白米以外で、災害時に重宝するのがレトルトのおかゆです。
既に加熱調理されたおかゆのレトルトは温めずに食べることができます。種類も色々あるので、飽きることなく食べることができますし、種類によってはタンパク質や塩分を一緒に摂ることができます。
また、災害用に作られたアルファ米などもおすすめです。アルファ米は、一度炊いたご飯を乾燥させていて、お湯や水をかけただけで、美味しく食べられます。一度炊いた米を乾燥させているので、体に吸収されやすいαデンプンを保つことができ、食欲のない時にもおすすめです。
お米など、主食になる食品は、例えば1日の1食をカップ麺やパンにするとして、1人6パック必要です。3食ご飯にするなら9パックを用意しておくと安心です。
主食には米以外に麺類やパンもおすすめで、最近は、バターをたっぷり使った美味しい食パンが備蓄用として缶詰にもなっているので、そういったものを準備しておくのもおすすめです。
また、カップ焼きそばは、スープが付いているものが多く、温かい汁物が手軽に楽しめる食品として、ぜひおすすめです。
ガスコンロ
災害時には、水道、ガス、電気といったライフラインがストップすることもあります。水と食料を備蓄していたとしても、簡単な調理をしたり、温かい物を食べたい場合は、ガスがないと話になりません。
ガスコンロは備蓄品の必需品です。カセットボンベは3本パックで販売されていることが多く、最低でも3本は用意しておくと安心です。また、カセットコンロも安いものは2000円程度で販売されているので、ぜひ準備しておきましょう。一人暮らしの方も必須です。
野菜ジュース
食品の備蓄品リストとして、野菜ジュースもおすすめです。不測の事態や避難時は、短時間で簡単に栄養が摂れるものが重宝します。また、災害時などのは食材や調理方法が限られてくるため、どうしても野菜不足になりがちです。
災害時の悩みを解決し、短時間で野菜を補うことができるのが、野菜ジュースです。なるべくたっぷりの野菜が使われているものを用意することがおすすめです。
野菜の栄養素と一緒に水分も摂取することができるので、一石二鳥。紙パックのものなら1本70円程、まとめ買いをすれば、もっと安い価格で購入することができます。
即席の味噌汁
食品の備蓄品リストでは、即席の味噌汁もおすすめです。味噌は発酵食品で腸にも良いとされていますが、何より、その温かさと味噌の味にほっとすることでしょう。身体が温まれば、ちょっと心が楽になることもあるので、ぜひ味噌汁は用意しておきましょう。
フリーズドライタイプや出汁のしっかり効いた美味しい味噌汁など、ちょっと高価な贅沢即席みそ汁を備蓄しておくのも良いでしょう。丁寧に作られた味が、体に染みわたること間違いなしです。
即席の味噌汁は、100円ショップでも一人暮らしにおすすめの8食入りが販売されていますし、業務用の食材を扱っているお店では、50食や100食入った大容量パックも格安で販売されています。キャンプなどを楽しむ方や大家族の方は、そちらの即席みそ汁もおすすめです。
備蓄品リスト【衛生用品】
備蓄品には、食品だけでなく、衛生用品も必要です。特にティッシュペーパーや除菌ウェットティッシュなどは多めに備蓄しておくと安心です。
一人暮らしにも必要な備蓄品におすすめの衛生用品8つをご紹介します。普段の買い物ついでに買えるものが多いので、ぜひ多めに買って備蓄しておきましょう。
除菌ウェットティッシュ
備蓄品として、ぜひ揃えておきたいのが除菌ウェットティッシュです。水が自由に使えない中で衛生を保つためには、必要不可欠な衛生用品で、手だけでなく、テーブルなどを拭く時にも役立ちます。
色々なサイズのものが販売されていますが、ボトルタイプで中身だけを入れ替えられるものや、常に携帯して歩けるようなサイズのものが便利です。一度封を開けると、乾燥しやすくなるので、1袋で100枚入り以下のものを選ぶと良いでしょう。
ティッシュペーパー
ティッシュペーパーも必要な備蓄品です。除菌ウェットティッシュとは別に、通常のティッシュペーパーもあると便利です。避難所に持ち運びすることを考えると、箱型のものよりも、ビニール製の袋に入ったタイプの方がコンパクトになるのでおすすめです。
救急セット
避難所に移動することができれば、救急室などが設けられていて、比較的安心です。しかし、普段から飲んでいる薬がある方は、常備薬の入った救急セットを準備しておくと良いでしょう。その他、消毒液、包帯、絆創膏、虫よけ、虫刺され薬、胃腸薬などを一通りそろえておくと安心です。
ジップロックのようなチャック付きのビニール袋にひとまとめしておくと、持ち運びしやすく、水にぬれる心配もないのでおすすめです。
ハンカチ
備蓄品にはハンカチもあると便利です。タオル代わりになるような、ガーゼタイプの大判のものも何枚か用意しておくと良いでしょう。大きめサイズのハンカチを用意しておくと、手を拭く時だけでなく、物を包んだり、寝る時のアイマスク代わりになったり、色々な用途で使うことができます。
携帯トイレ
携帯トイレは、災害時の必需品です。備蓄品として、家族が1週間程使える量を用意しておくことが推奨されています。内閣府では、1人の1日の排泄回数を5回平均として、家族の人数×5が1日の必要携帯トイレの個数としています。
人数分をそろえるとなると、結構な数になりますが、ペット用のトイレシートを利用する方法もあるので、大家族のご家庭は、色々と工夫して見ると良いかもしれません。ちなみに、Amazonでは、50回分の携帯トイレが、3200円程で販売されています。
常備薬
救急セットのところでも触れましたが、常備薬は必需品です。病院で処方されている薬は、災害時にはそう簡単に手に入りません。普段処方してもらっている薬は、いつでもすぐに飲めるように、コンパクトにまとめておくと安心です。
口腔ケアアイテム
備蓄品では、口腔ケアアイテムも必須アイテムとなります。歯ブラシやマウスウォッシュ、歯間ブラシなどを準備しておくと便利です。
万が一、歯ブラシがない時や水が無い時には、ウェットティッシュが歯ブラシ代わりになります。ただし、アルコール入りでは、口の中が乾きやすくなるので、アルコール無しのタイプがおすすめです。
水を節約する必要がある時には、歯ブラシに泡の少ないジェルタイプを少量使うなどの工夫も必要です。例え一人暮らしの方でも、避難所では多くの人と空間を共にすることになります。避難所のマナーとして、口腔ケアアイテムは、ぜひ用意しておきましょう。
ポリ袋
備蓄品として、ポリ袋も多めにストックしておきましょう。ポリ袋は、ゴミを入れるだけでなく、ちょっとした物の持ち運びや、汚れ物を入れておくなど、バッグの代わりになります。また、簡易トイレなどを処分する時など、色々な場面で必要になるので、ぜひ多めにストックしておきましょう。
備蓄品リスト【その他必須アイテム】
防災に役立つ備蓄品には、食品や衛生用品の他にも揃えておきたいアイテムが多数あります。一人暮らしの方でもぜひ備蓄しておきたい、食品と衛生用品以外の必須アイテムをご紹介しましょう。ぜひチェックして下さい。
新聞紙
備蓄品リストの新聞紙は、とにかく便利なアイテムです。汚れを拭いたり、寒い時には身体に巻いたり、床に敷いたりするだけで防寒になります。
また、様々な形に変化させることができ、スリッパなども簡単に作れます。ガムテープやハサミ、接着剤などを使えば、アイデア次第で用途が無限に広がります。
紙とペン
備蓄品リストの紙とペンは、電気が使えない状況で、スマホの充電が切れた場合にも必要になるアイテムです。必要な情報を手早く書き留めておくこともできますし、相手にメッセージを残すこともできます。
ペンは、できれば鉛筆ではなく、ボールペンがおすすめ。多色ボールペンなどにするとより便利です。また、紙は、メモ帳とA4サイズの印刷用紙などを用意しておくと便利です。10枚ほどを封筒に入れて持っていると役立ちます。
LEDライト
備蓄品リストのLEDライトは、玉切れしにくく安心して使うことができるライトです。携帯電話のバッテリーを充電する機能が付いたタイプなど、防災に適したライトが各メーカーから展開されています。
便利機能のついたLEDライトをチェックしてみてはいかがでしょう。また、手持ちのLEDライトではなく、LEDヘッドライトは、使用時でも両手が空くため、災害時にはとても便利です。
非常用充電器
備蓄品リストの非常用充電器は、色々なタイプがあります。モバイルバッテリーのような商品から、乾電池を使って充電できる乾電池式充電器もあります。また、在宅避難で使える大容量ポータブル電源も便利です。
ランタン
備蓄品リストのランタンは、電気が使えない状況でも、夜の灯りを確保する重要なアイテムです。ガスや灯油が燃料になっているランタンもありますが、災害時には、LEDタイプのランタンがおすすめです。
ガスや灯油のランタンの場合は、火事や一酸化中毒などの心配がありますが、LEDランタンの場合は、室内でも安心して使うことができます。LEDランタンには、乾電池式と充電式があり、乾電池式だと、長時間使えるので便利です。
軍手
備蓄品リストの軍手は、いざという時にとても便利なアイテムです。災害時などは、耐熱性や防刃に優れたタイプがおすすめで、毎日、色々な場面で使うことができます。
また、手のひら部分と指先がゴムで覆われている手袋なら、グリップ力に優れ、摩耗にも強く復興現場でも役立つこと間違いないでしょう。
レインコート
備蓄品リストのレインコートは、いつやってくるかわからない災害に備えたアイテムです。台風や大雨の際はもちろんですが、雨の日の地震にも、あると便利です。
もともと災害時に備え、簡易的なレインコートを備蓄品として準備しておくことが一般的でしたが、最近は、度重なる豪雨災害で、高性能な大雨に耐えうるレインコートを準備している方も多いようです。
お住いの地域や状況に合わせた商品を備蓄しておくのが良いでしょう。安い物は100円ショップでも販売されていますが、ハードな状況にも耐えるゴアテックス素材のレインコートなどは高額になります。
子供用のレインコートを用意する場合は、出来るだけ目立つ色を選ぶのがおすすめ。混乱の中でもしっかりと存在を認識できます。
備蓄品のおすすめの備蓄方法
防災に役立つ備蓄品は、うっかりしていると、ついつい賞味期限が切れていたり、備蓄していた場所を忘れてしまいがちです。また、緊急時には、焦ってしまって、せっかく備蓄しておいたのに、その存在すらすぐに思い出せなかったりもします。
そんな事態に陥らず、災害時に準備した備蓄品をしっかり使えるように、備蓄品は上手に保管しましょう。一人暮らしの方も必見の備蓄品の上手な備蓄方法をご紹介します。
食品はローリングストック法で
防災に役立つ食品の備蓄品は、ローリングストック法が基本です。ローリングストック法とは、古い物から順番に使っていくという方法です。普段の食卓に備蓄品を使う時には必ず古い物から使うようにしましょう。
パントリーなどにストックしておく場合は、新しい物を右側に配置し、左側の古い物から順番に使っていくという方法で、上手に循環させることができます。また、使った分は常に補充しておくことも忘れないようにしましょう。
ローリングストック法は、食品だけでなく、カセットコンロのガスボンベや、ウェットティッシュ、電池やカイロなどにも使える備蓄方法です。年数が経ってしまうと劣化するものは、すべてローリングストック法で管理するようにしましょう。
カバンに入れて用意する
防災に役立つ備蓄品は、カバンにまとめて準備しておくのもおすすめです。できれば大きめのリュックなど、持ち運びする時に両手が空くものに入れておくと、避難所に移動する時などにも安心です。
備蓄品のカバンをいくつか用意し、いざという時には、誰がどのカバンを担当するかなど、担当を決めておくのもおすすめです。
家のあちこちにも置いておく
備蓄品は、1カ所にまとめておいておくのは危険です。例えば、全てまとめて1つの部屋に置いておいた場合、その部屋が地震や水害などで入れなくなってしまったら、せっかく用意しておいた備蓄品が使えないということになります。
もし、備蓄品をカバンに入れるなら、幾つかに分散させ、カバンを色々な部屋に置いておくようにしましょう。また、就寝時などに災害が起きたことを考えて、すぐに必要なアイテムは枕元に置くなどの工夫も必要です。
防災ポーチも作っておくと便利
防災に役立つ備蓄品は、防災ポーチにコンパクトにひとまとめにしておくのもおすすめです。例えば、災害はいつどんなところで起こるかわかりません。
通勤通学の電車の中かもしれませんし、夜の就寝中かもしれません。防災の為に用意しておいた備蓄品を全て持ち出せるかどうかも、実はその時になってみないとわからないのです。
そんな時でも役立つのが防災ポーチ。コンパクトに持ち運びできるポーチの中に、防災に役立つ沢山のアイテムを詰め込んで、日ごろから持ち歩くようにします。
防災ポーチの中身は、先にご紹介した備蓄品の中でポーチに収まるものに限定されてしまいますが、それでも、全く持ち出せないよりはましです。
現金やカイロ、絆創膏、携帯ラジオ、常備薬やお薬手帳、マスクなど、自分の身を守ってくれるものをコンパクトにまとめておきましょう。
備蓄品を用意して万が一に備えよう
いかがでしたでしょうか。備蓄品は、一人暮らしでも必要な、防災に役立つアイテムです。今回ご紹介したリストにある商品は、ぜひ備蓄して、万が一に備えてみてはいかがでしょう。上手な管理方法で、賢く災害に備えましょう。