手取り13万で生きていけるの?
高卒や大卒で仕事を始め、少し落ち着いたら実家を出て一人暮らしを始めたいと思う人も多いでしょう。そんな時に気になるのが収入と生活費の関係です。この記事では、手取り13万では一人暮らしが可能なのかについて、理想の家賃や生活費のシュミレーションなども含めてご紹介します。
手取り13万ってどれくらい?
手取り13万で一人暮らしができるかどうかについて詳しくご紹介する前に、一体手取り13万とはどのぐらいのイメージなのかについてご紹介してみましょう。また、意外と知らない額面年収や手取りという言葉についてもご紹介します。
高卒で働くとこのくらいのことも
大学などを卒業して始めてもらうお給料の事を初任給と言いますが、大卒の初任給は手取り20万ぐらいというイメージを持っている方が多いのではないでしょうか。
実際、厚生労働省から発表されている賃金構造基本統計調査の平成30年度のデータを見ても、大卒初任給の平均は約20万となっています。
また、高卒となると大卒の手取りから少し低くなるのが一般的で、同じ調査のデータを見てみると、高卒初任給の平均は約16万となっています。
ただし、ここでご紹介した手取り額はあくまで平均額ということになります。高卒ではなく大卒の正社員で働いているというと手取りも高いイメージがありますが、ネットの声を見ていると業種によってはパートや派遣と同じような手取りになることもあるようです。
ほかにも「正社員だけれど手取り13万」や「東京都内なのに手取りが15万」といった声もあります。高卒だとやはり手取りは低くなる傾向になり「高卒の事務で手取り13万」という例は珍しくないのが現状といったところです。
正社員でも手取り13万の声
初任給は業種によっても異なりますが、地方によっても平均が異なります。一般的には都会に行けば行くほど手取りは高くなり、東京や神奈川、埼玉といった首都圏や京都や大阪などの初任給はほかの県よりも高くなります。
しかし、そんな都内においても手取り13万というのは決して珍しい金額ではありません。例えば、事務系の仕事だと正社員でも手取り13万という条件も見られます。
家賃などの生活費が高い都内ですので、正社員であっても手取り13万というのは節約を心がけていても一人暮らしをするのは大変だという声も多いです。
ちなみにこの手取りという言葉ですが、額面との違いをしっかり把握しておくことが大切です。会社からもらう給料について話す時に年収や月収という言葉がよく使われますが、これは会社から支払われる額面年収や額面月収のこと指します。
そして、その額面から所得税や住民税などの税金や社会保険料などを引いた分、つまり実際に自分のところに入ってくる金額のことを手取りと呼びます。
この税金や保険料は個人によって異なりますが、独身の場合は大体額面の80パーセントが手取りとして手元にくると考えられます。つまり、手取り13万を達成しようと思うと額面月収は約16万必要となります。
一人暮らしできるかは物価にもよる
では、この記事のテーマでもある手取り13万で一人暮らしができるかどうかについてですが、これは物価にもよるというのが現状です。一人暮らしといっても都内で一人暮らしをする場合と、地方で一人暮らしをする場合では生活費に大きな差が出ます。
例として一人暮らしをする際の一番大きな出費である家賃を考えてみましょう。住宅・土地統計調査という政府のデータを参考にしてみると、一人暮らし向けの物件の家賃は都内の木造住宅だと約5万6000円なのに対し、全国の平均は約4万6000円となっています。
家賃というのは毎月の出費になるわけですから、手取り13万のうちの1万の差というのは非常に大きいです。これが非木造の住宅となると都内が約6万9000円に対し、全国の平均が約5万1000円となり、更に差が広がっています。
例えば、高卒手取り13万で一人暮らしをするのであれば、都内は諦め、通勤時間は掛かっても千葉県や埼玉県に住むだけで家賃を抑えることができます。
また、生活費についても同じような傾向があります。都内は一般的に物価が高く、いくら節約に励んでも生活費は高くなってしまいます。
どうしても手取り13万で一人暮らしをしたい、でも節約は苦手といった場合は都会よりも地方で仕事を探すと結果的に物価が安くなり、生活費も安くなるのでおすすめです。
東京の組合によれば目安は月25万円
とはいっても、やはり仕事の数を考えると都内が有利になりますし、生活の華やかさという面でも都内で一人暮らしをしたいという方も多いでしょう。
実際に都内で一般的な一人暮らしをするとどれぐらいの金額が掛かるか算出したデータがあります。東京春闘共闘会議と東京地方労働組合評議会というところが合同で出したデータで、これによると男性が月約25万9000円、女性が月約25万6000円となっています。
今回テーマになっている手取り13万からはだいぶ離れた金額ということからも、手取り13万で一人暮らしをするならば生活費の使い方を工夫し、節約に励まなければならないということが分かります。
ただし、この一般的な一人暮らしというのも個人によってかなり異なります。外食が好きな方であれば食費にかなり掛けられるような手取りがないと一般的な一人暮らしをしているとは思えないでしょう。
しかし、自炊が苦にならないという方であれば生活費を抑えることができますので、一般的な一人暮らしができると言われている手取りより低くても満足のいく暮らしをすることができます。
手取り13万の場合の理想の家賃
ここからは一人暮らしの中でも一番の出費となる家賃に絞って話を進めていきましょう。家賃というのは毎月必ず発生する費用ですので、一人暮らしを始めるにあたって慎重に決める必要があります。手取り13万ではどれぐらいの家賃が理想とされるのでしょうか。
家賃は「手取りの3分の1」という言葉
高卒や大卒で一人暮らしを始めたいと思って調べていくと、必ず目にする言葉があります。それは「家賃は手取りの3分の1」という言葉です。手取りの3分の1を家賃にすると全体のバランスが取れるという考え方に基づく言葉です。
実際にこの数字を手取りに当てはめてみると、手取り13万の場合は家賃が4万3000円、手取り15万の場合は家賃5万円、少し上がって手取り20万の場合は家賃6万6000円、そして手取り30万の場合は家賃10万円になります。
手取り13万の場合は家賃4万3000円となりますが、先にご紹介した都内の一人暮らし向けの木造住宅の家賃が約5万6000円でしたので、この予算内に収まるような部屋でかつ自分の住みたいような部屋を見つけるのは時間が掛かりそうです。
ただし、地方になると家賃も下がりますので、同じ4万3000円という予算でもよい物件を見つけることができます。ちなみに、この場合の家賃には管理費なども含めて計算をします。
現代はもう少し割合を押さえたい
では、この家賃は手取りの3分の1という考え方は、現在でも通用するものなのでしょうか。実はこの考え方が広まったのは、少し前で日本の経済がまだまだ上向きだった時のことです。
経済の状態が今とは異なるだけでなく、物価もだいぶ変化しているので全く同じ数字が当てはまるわけではありませんが、だいたいの目安となる家賃を算出するためには今でも有効な計算方法と言われています。
しかし、以前に比べて個人のライフスタイルが多様化しているのが現代の特徴です。ひとくちに高卒や大卒の一人暮らしといっても生活費の使い方は個人によってかなり異なります。
例えば、家にいる時間が長いので手取りの3分の1を大幅に上回っても家賃の高いところに住むという考え方もあります。
ただし、昔は当たり前であった終身雇用制も崩れてきており、経済の先行きもあまり明るくないという現状を考えると、家賃という大きな固定費はなるべく節約しておくほうが安全です。
食費などは抑えようと思えば後からでも節約に励むことができますが、家賃は引っ越さない限り同じ金額を払い続けることになります。後悔することのないように、家賃はなるべく抑えたところにしておきましょう。
理想の家賃の考え方
では、実際に自分にとって理想となる家賃はどのように計算すればよいのかというと、それは手取りから固定費と変動費を引いてみるという計算になります。
固定費というのは固定されている費用ですので、毎月変わらずに払わなければならない金額のことを指します。例えば、水道や光熱費の基本料金がこれに当てはまります。また、インターネットや携帯電話の基本料金も忘れてはいけません。
ジムに通っているのであればその会費、コンタクトレンズを使っているのであればその費用、車があるのであればローンや駐車場の費用も固定になります。
そして変動費というのは、変動する費用ですので毎月払う金額が変わるものを指します。例えば、夏はエアコンを長時間使いますので光熱費が高くなりますが、春や秋はそこまで使用しませんので光熱費は節約できます。
自炊が多いと安くなり、外食が増えると高くなる食費も変動費ですし、交通費も毎月変動します。被服費、理美容費、医療費などもこのカテゴリーに入りますし、結婚式のご祝儀などの冠婚葬祭費などもあります。
変動費は月によって異なりますので概算になりますが、手取りからこの変動費と固定費を引いた分が家賃にすることができる金額となります。
手取り13万の生活費シミュレーション
ここからご紹介するのは手取り13万の生活費シュミレーションです。固定費や変動費といっても、実際に一人暮らしをしてみなければどこにどれぐらいお金が掛かるのか想像するのは難しいです。
そんな時の参考になるように家賃別に生活費をシュミレーションしてみましょう。参考にしたのは総務省統計局による家計調査報告です。
気を付けたいのはこれからご紹介する数字はあくまで一般的な数字だということです。遠出が好きだからどうしても交通費は削れないといった風に自分のライフスタイルを反映させたうえで参考にしてみてください。
家賃4万円の場合
手取り13万の生活費シュミレーション、まずは家賃4万円の場合です。食費3万2000円、水道光熱費1万2000円、通信費5000円、交際費1万1000円、日用品費・被服費・理美容費1万円、医療費6000円、交通費8000円、そして貯金が6000円です。
手取り13万で家賃4万円の一人暮らしをするには、固定費をしっかりと抑えることが大切となります。携帯電話は欠かせないツールとなっていますが、この固定費はなるべく安い格安SIMを使うことで5千円にしましょう。
医療費は人によってはまったく掛からない月が多い項目ですが、いざという時のためには予算を設定しておくのが安心です。もし使わなかったら貯金に回すのもおすすめですし、女性であれば1万円ではまかなえなかった理美容費の足しにすることもできます。
手取り13万で一人暮らしをする際に大切なのは貯金です。毎月のやりくりにばかり目が向いてしまいがちですが、急な冠婚葬祭のために服を買ったり、交通費が発生することもあります。そんな時に慌てないように少しでも貯金をするように心がけたいものです。
家賃5万円の場合
手取り13万の生活費シュミレーション、次は家賃5万円の場合です。手取り13万で家賃を5万円にすると残りは8万円になり、それで生活費をまかなう必要があります。
生活費の詳細は、食費2万5000円、水道光熱費1万2000円、通信費5000円、交際費8000円、日用品費・被服費・理美容費1万円、医療費6000円、交通費8000円、貯金6000円となります。
家賃4万円の時と同じように携帯電話代などの固定費をなるべく抑える工夫は不可欠なうえ、変動費もかなり節約することが求められるのが家賃5万円の場合です。
家賃4万円では3万2000円かけることができた食費は、家賃5万円の場合は2万5000円となります。ほぼ毎日自炊をし、外食や飲み会は月に1回か2回に抑えなければなりません。
ただ、この場合も医療費や貯金はしっかりと予算に入れて金額を確保しておきましょう。交際費が8000円ですので、友達と出かけたりデートをする時にも工夫が必要となります。
家賃6万円の場合
手取り13万の生活費シュミレーション、最後は家賃6万円の場合です。詳細は食費2万4000円、水道光熱費1万2000円、通信費5000円、交際費1万1000円、日用品費・被服費・理美容費1万円、医療費6000円、交通費2000円、貯金0円となります。
通信費などの固定費はこれ以上抑えることが難しいので、家賃が上がっても同じ金額を払わなければならないということになります。
食費は2万4000円となっていますがこれは1日当たり800円ほどという計算になりますので、外食はせずに自炊をすることになります。
また、交通費として予算が取れるのが2000円ですのでなかなか遠出をするのも難しくなります。さらに家賃を5万円にした場合に心配になるのが貯金に回す分を予算として計算することが難しいという点です。
なるべく節約をし、月の終わりに余った分を貯金するという考え方もできますが、これだと貯金できる時とできない時がありますし、金額も一定ではありません。
安定して長期的な暮らしをしていくという観点からすると、毎月欠かさずしたいはずの貯金ができない手取り13万家賃6万円の暮らしは不安要素が大きいと言えるでしょう。
手取り13万で一人暮らしをする方法
高卒で手取り13万円でも何としても一人暮らしをしたい時にはなんとかして節約を心掛けるしかありません。ここからはそんな時に参考になるように、手取り13万円で一人暮らしをする方法をご紹介しましょう。特に家賃を抑えるには知っておきたいポイントがいくつかあります。
家賃を節約する部屋選び
高卒や大卒のタイミングなどで一人暮らしをする場合、まずは家賃をしっかり節約することを念頭に置きましょう。固定費の中でも一番金額の高い家賃。ここをぎゅっと抑えることで手取り13万の一人暮らしがかなり楽になります。
家賃を抑えるにはいくつかコツがありますが、まずは物件のエリアを慎重に選びましょう。便利なところで一人暮らしをしたいのも分かりますが、家賃を抑えるためには急行や快速が停まる次の駅が狙い目です。
急行や快速が停まる駅は便利な分家賃も高くなる傾向にあるのでそこは避けましょう。また、駅からの距離も大切です。駅から10分ほど歩くだけで家賃がだいぶ下がります。
家自体について見ていくと、まずは築年数がある程度経っている物件の方が家賃が安くなります。築年数は経っていても中は綺麗に管理されていることもありますので、築年数だけで判断せず、気になる物件あれば積極的に内見をしてみましょう。
多少古さは感じられても、カーペットを引いてみたり、簡単なリノベーションをするなど工夫することで快適になることも多いです。
物件を選ぶ時には入居後の光熱費についても考えておきましょう。エアコンが省エネタイプかどうか、冷暖房効率が良いかどうかでかなり光熱費に差が出ることもあります。また、プロパンガスよりも都市ガスの方がランニングコストが安くなります。
効率よく自炊する
毎日の生活という面では、面倒でも自炊をすることが大切です。慣れない時は時間も掛かりますし、味もあまり美味しいものにならないかもしれませんが、長期的な目で見ると自炊をする方が食費の節約になりますし、健康面でも安心です。
高卒で一人暮らしをする時などは、初めは慣れない仕事と家事とで大変な日々が続きます。そんな時でも、例えばご飯だけは週末にまとめて炊いておき、惣菜だけスーパーで買ってくるというように少しの工夫をするだけで食費をかなり抑えることができます。
貯金をして万が一に備える
手取り13万で一人暮らしをする時に忘れてはならないのが貯金です。手取り13万だと毎月貯金をするのは大変かもしれませんが、いつどのような理由で急な出費が必要になるかは分かりません。
急に仕事がなくなった時には、次の仕事を見つけるまでの間の家賃や生活費をカバーできるだけの貯金がなければ一人暮らしを諦めることになってしまいます。節約を心掛けて少しでもお金に余裕ができた時には貯金をし、将来のために備えておきましょう。
手取り13万で生活できない場合の転職活動
今回は手取り13万で一人暮らしをするというテーマでご紹介をしてきましたが、気に入った物件の家賃が高く手取り13万では到底住めないといったようなこともあります。
そのような時には生活費を節約して切り詰めるのにも限界がありますので、思い切って転職をし、手取りを上げる工夫をする作戦に切り替えましょう。
転職支援企業のサービスを使う
転職活動にはさまざまな方法がありますが、転職支援企業のサービスを利用してみるのも一つの方法です。特にすでに高卒や大卒で就職している場合には日々の生活も忙しく、転職活動に充てられる時間が十分に取れないこともあります。
そのような時には転職支援企業に問い合わせてみましょう。転職先の条件もかなり詳細に伝えることができ、例えば高卒でも高い給料を狙える求人だけを紹介してもらうといったことが可能な場合もあります。
また、求人を紹介してもらえるだけでなく面接などの練習をしてもらうことができるのも強みです。転職支援企業の公式ウェブサイトには転職のノウハウなどの情報がぎっしり詰まっていますので、ぜひ一度チェックしてみてください。
副業という手も
転職までは考えていないという場合には副業という方法もあります。副業を認めていない会社もありますので事前に確認が必要ですが、フリマサイトで物を売ったり、ライターとして働いたりといったすぐに始められる副業はたくさんあります。
また、食べることが好きな方にはグルメモニターという副業もあります。実際にレストランに行き、レポートをまとめる仕事で、食費も浮くので一石二鳥の副業です。
体力がある場合は週末だけのスポットバイトとしてイベントスタッフをしたり、引っ越しスタッフをすることもできます。体力的にはきついですが、その分時給も高くなります。
手取り13万で一人暮らしするには節約が必要
手取り13万の一人暮らしを成功させるためにはとにかく固定費を抑えることが第一です。家賃を安くしたり、携帯電話を格安SIMにするだけで毎月の出費をかなり抑えることができるので、その上でなるべく自炊するなどの工夫を重ねることで無理なく一人暮らしをすることができます。