FPとは
「FP」は現代では人気の資格ですが、実際に資格を取るとするならどのような勉強方法があるのでしょうか?今回は「FPがどういった資格なのか」から受験資格・勉強方法・合格率までしっかりと解説していきます。「FPに興味はあるけど独学で合格できるのか」などの不安点もしっかり解説していきます。
ファイナンシャルプランナーの略称
FPと略称して呼ばれていますが正しくは「ファイナンシャルプランナー」と呼ばれる資格になります。金融機関などに行った際に、銀行員の方の名刺をみると記載している方もいらっしゃいます。その為なんとなく「お金に関する資格」とは認識されていますが「幅広いお金の知識」を持っているのがFP資格保持者の方々です。
お金に関するエキスパート
FP資格保持者の「お金の知識」は6種類に分類され、ライフプランニングと資金計画(教育や老後)・金融資産運用・タックスプランニング(税金対策)・リスク管理(企業経営)・不動産・相続や事業承継といった知識が身につきます。
自分自身の生活の為にもなるお金の知識も豊富で「住宅ローンの選び方」や「生命保険・学資保険はどこがいいのか」などから、現代社会の大きな問題でもある「年金だけで老後は生活できるのか」など身近な生活に密着したお金の知識を得ることができます。
もちろんFPの資格を持っていることにより、保険や銀行・証券会社などの金融機関への就職・転職や不動産業界でもFPの資格を持っているとアピールポイントになります。自身のキャリアアップにも繋がる資格です。
FP2級の受験資格
ここで気になるのは「FP2級の受験資格」ですが、一般的にはまず「FP3級」を持っている必要があります。FP3級は基本的なお金の知識を学べる資格で、FP3級の基礎知識を土台にFP2級でより具体的なお金の運用知識を得ることができます。
FP3級を合格後にFP2級を受験するのが一番金銭的な負担は少なく済みますが、1度に試験を受けることができない為、3級の願書を出してからFP2級を習得できるまで「最短でも7ヶ月」かかります。
もちろんFP3級を持っていなくてもFP2級の受験資格を得る手段はありますので、以下で解説していきます。
①2年以上のFP実務経験
FP3級を持っていなくてもFP2級の受験資格を得ることができる方法としては、すでに金融機関などで通算2年以上働いており実務経験がある方です。今後のキャリアアップの為にFP2級を取りたいとなった場合「自己申告」でFP2級の受験資格を得ることができます。
ただし「自己申告」の為「虚偽・不正が発覚した場合、試験の中止、合格の取消し」になる場合があります。今現在金融機関や不動産会社・保険会社などに通算2年以上勤めている方は、キャリアアップや転職のチャンスになります。
②金融渉外技能審査3級合格
実は2001年に「無くなっている資格」ですが、今でいうFP資格の基礎にあたる資格です。金融渉外技能審査3級は現在のFP3級と同等の資格になるので昔金融渉外技能審査3級を習得していた方は「FP2級」の受験資格がある状態になります。
ほぼ「金融渉外技能審査3級」の資格を持っている方はいない状態ですが、0人ではない為FP2級の受験資格の規約欄にはまだ記載がある状態です。現在は「金融渉外技能審査3級」を習得する術はないので、既に持っている方が受験資格の対象となります。
③AFP認定研修終了
AFP認定研修は誰でも受講可能でFP協会認定の専門学校で習得することができる民間資格です。入校時にFPに関する知識や資格・実務経験が一切不要なので「独学で勉強するのは苦手」という方におすすめです。
ですがどうしても「専門学校」となる為、費用がかかってしまうデメリットがあります。もちろんメリットもあり「AFP認定研修を兼ねるFP2級講座」は最短だと1ヶ月で修了し、AFP合格者にはAFP資格とFP技能士2級の資格を習得することができます。
FP技能士2級は実技試験を受けていない状態の資格になる為、より転職を有利にしたい場合は別途「実技絵試験」のみ受験することができ、受験資格は翌々年の年度末までとなっています。
FP2級の難易度や合格率
受験資格について知ることができましたが、実際に受験するにあたって知っておきたいのはFP2級がどのくらいの難易度で合格率はどのくらいなのかです。FP3級は「簡単」と言われていますがFP2級になると計算問題の難易度も上がり、合格率もグッと変わってきます。
今後の勉強時間の作り方や独学での勉強方法を考える上でも、しっかりとFP2級の難易度や合格率を把握して挑んでいきましょう。
FP2級の難易度:普通の基礎問題
FP2級の試験は「学科試験」と「実技試験」の2つに分かれています。学科試験は「FPの基礎問題」で実技試験は「FPの知識を使った事例形式の問題」となっています。どちらも筆記テストのみとなります。
主催団体には「きんざい」と「FP協会」の2種類があり学科試験の内容はどちらも同じですが、実技試験の内容はそれぞれの団体によって異なります。実技試験の内容は事前に選択ができるので受験前に確認し自分の得意な実技試験で挑みましょう。
実際にFP2級の難易度自体は、基礎問題がほとんどの為それほど難しいという難易度の資格ではありません。事前にFP3級を習得している方だとよりスムーズに2級の学科は合格することができます。実技も過去問をしっかりとといていれば合格できるレベルです。
FP2級の合格率:30%前後
FP2級自体の難易度は高くないのですが合格率は「30%前後」と少し低めの合格率となっています。主催団体によっても合格率に差があり「FP協会は40%前後」で「きんざいは25%」と大きな差があります。きんざいは実技試験の選択肢が多く、実技試験で躓く方がいらっしゃいます。
FP2級の必要勉強時間
FP2級の難易度や合格率がわかったことで、ここからはFP2級を習得する為に必要な勉強時間をみていきましょう。どんな資格を習得するにも「勉強時間」は大切になります。実際にFP2級を受験し合格した人たちは受験日までに勉強時間をどのくらいとっていたのでしょうか?これからの自身の参考にしましょう。
合格者は200時間前後
FP2級の合格者の多くは200時間前後を目安に勉強をしていました。もちろんFP3級保持者は基礎的なFPの知識が既にある為半分の100時間程度でも合格率は高いですが、個人差はあります。
FP2級の受験を決めてから約3ヶ月ほど1日2時間勉強時間を作って続けていれば、十分な合格レベルの知識や実技能力が身につきます。学科の試験内容は各分野ごとに分かれており2択や3択問題形式なので、自身で決めた勉強時間で有意義にしっかりと勉強していれば問題ありません。
実技試験も過去問をする勉強時間を設けることでしっかりと対策することができます。一発で合格する為にも勉強時間はしっかりと確保しましょう。
FP2級の独学勉強法
FP2級を習得する方法として「通信教育」や「専門学校」もありますが、費用の面を考えると独学が一番安く済みます。
独学の場合だと市販の「教科書」や「問題集」を本屋さんで購入すれば準備は完了です。相場は教科書も問題集も約2,000円前後で揃います。受験費用の6,000円を合わせても1万円ほどで済みますので、費用を抑えたい方は独学が一番安くできます。
①教科書・問題集を購入
FP3級を持っている方は、問題集を重視して購入しましょう。教科書はFP3級の内容を少し深堀したぐらいなので、過去問や問題集の質を重視に選びましょう。わからないところが出た場合ネットや教科書を参考にする勉強方法がおすすめです。
FP3級を持っていないがFP2級の受験資格がある方は、FP2級の教科書と問題集をどちらも進めていきましょう。実務経験があっても部分的に知らない知識がある場合があります。問題集を解きながら躓いたらしっかり教科書で基礎知識の理解を深めていきましょう。
②分からないところはすぐにチェック
FP2級の合格に大切なのは「出された問いに対し正解か不正解かはっきりわかる事」です。あやふやな部分を無くし正解か不正解かしっかりと判断できるようになるまで問題集を解き、わからない部分はしっかりと調べる事が合格への近道になります。勉強時間が多く取れないという方でも、あやふやな部分を減らしていけるような勉強をしましょう。
③試験1ヶ月〜2週間前は過去問を解く
過去問はどの資格試験でもとても大切な勉強材料になります。FPの資格は法律の改正などにより数値が変わったり内容が変更される部分がありますが、過去1・2年分ぐらいの過去問はしっかりと解いておきましょう。
ネット上に無料で過去問が掲載されているのでわざわざ購入する必要もありません。過去の傾向と対策を練る事はとても大切な事です。遅くても2週間ほど前には過去問を解いて8割以上の正解率を出せるようにしましょう。
FP2級・独学が向いている人の特徴
FP2級の勉強時間や勉強方法を紹介していきましたが、やはり独学で勉強するには向き不向きがあります。ここからは独学でのFP2級習得に向いてる人の特徴を紹介していきます。自分は独学が向いているのかをしっかりと確認しましょう。独学が苦手な方でもFP2級を習得する方法はありますので安心してください。
①出費を抑えたい
何よりも独学で勉強をすれば「費用が抑えられる」というメリットがあります。通信講座や専門学校だと安くて6万前後なのに対し、独学であれば1万円前後で済みます。
通信講座や専門学校でお金をかけて勉強すると質問もしやすくわからない点を減らす事がしやすくメリットもありますが、「何よりも費用を抑えたい」という方は独学1択になります。
②自分で勉強習慣のある人
独学で一番の難関は「自分で勉強時間を確保して勉強する」という事です。自己管理能力が問われるので普段から「勉強習慣のある人」何か毎日習慣がある人は比較的勉強時間を作る事ができます。
ですが「今日は疲れたからいいや」や「休みの日にまとめて勉強しよう」となるとうまく勉強時間が確保できず合格率を下げてしまいます。自分でしっかりと勉強時間を確保し習慣化できる方が、独学に向いています。
③不動産・税務知識のある人
FP2級の受験資格には「実務経験通算2年以上の方」も含まれています。現在金融機関や保険会社などFPに関する実務経験を積んでいる方は、独学でも基本的な知識が業務の中で身についているので充分に合格を狙う事ができます。また現役で働いていればFP2級や1級保持者の方に直接不明点を聞く事も可能なので、独学でもより理解を深める事ができます。
FP2級・独学以外での勉強方法は
これまで独学でのFP2級習得の紹介をメインに行っていきましたが、やはり「独学だと不安」という方は費用が少しかかっても通信講座や専門学校を選択肢にいれておきましょう。いざ大人になってから資格の勉強をしようと踏み切ってもうまく勉強方法のコツが掴めず進まない事もあります。自分にあった方法で勉強しましょう。
通信講座の代表「ユーキャン」
独学に比べると費用はかかりますが、専門学校よりも安く更には市販の教科書よりも分かりやすいテキストが届くというメリットがあります。独学の場合最初に悩むのが自分に合った教科書選びですが、ユーキャンは解説や問題集などが分かりやすく記載されているので、安心して勉強ができます。
また不明点があれば期間内だと質問もできますし、対策問題を提出する事で苦手な部分をしっかりと解説など踏まえ添削してくれるのもポイントです。
またユーキャンでFP講座を受講する際は「教育給付金制度の対象講座」なので、一定の条件を満たすとハローワークから講座料の20%がリターンされるポイントもあります。興味のある方は調べてみましょう。
WEBで勉強ができる「スタディング」
ネット社会となった現在、資格の勉強もWEB上で行う事ができます。独学で勉強するよりかは高くつきますが、それでも3万円前後でと通信講座や専門学校に通うよりもお得に勉強する事ができます。
どうしても仕事の都合上勉強時間をしっかり確保できない方におすすめです。スタディングは実際のFP3級や2級の講義を聞きながら勉強ができるのでコスパを考えるなら「スタディング」がおすすめです。
少し費用がかかってもスキマ時間で勉強ができる方法がいい方はWEBでの勉強方法も視野にいれてみましょう。もちろん講義を聞くだけでなく時間がある時は手元の問題集を解いたりして復習することも必要です。
FP2級は基礎問題を抑えることが重要
FP2級の難易度や合格率に加え勉強方法や勉強時間なども紹介していきましたが、FP2級は「基礎」をきちんと抑えて勉強すれば独学でも合格する事ができる難易度の資格です。自分の将来のために資格を取るも良し、キャリアアップや転職のために習得するも良し、FPは今後も必要となるお金の知識なので持っていて損はない資格です。