「バーター」は芸能人が使う業界用語!意味や使い方を詳しく解説!

「バーター」は芸能人が使う業界用語!意味や使い方を詳しく解説!

テレビを見ている時に「あの芸能人はバーターだね」といった会話をすることはありませんか。そもそもこの「バーター」とはどういう意味なのでしょう。芸能界独特の使い方なのでしょうか?「バーター」の語源や類義語を例文と合せて解説していきます。

記事の目次

  1. 1.「バーター」の意味と語源
  2. 2.「バーター」の芸能界での使い方
  3. 3.「バーター」の芸能界での使い方と例文
  4. 4.「バーター」の類義語
  5. 5.「バーター」のビジネスシーンでの使い方と例文
  6. 6.「バーター」のパーソナルシーンでの使い方と例文
  7. 7.「バーター」は物々交換や交換条件を意味する

「バーター」の意味と語源

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日常生活において、友達同士の会話の中で「バーター」という言葉を使ったことがあるでしょう。例えば「あのタレントは同じ事務所のタレントのバーターでこのドラマに出演している」「また新しいドラマの宣伝のバーターでバラエティに出ているね」などと言ったようにです。

そもそも「バーター」とはどのような意味で語源はどういったところからきているのでしょうか。例文や使い方をみながら、ご説明していきます。

物々交換

「バーター」の意味と語源のひとつに「物々交換」があります。「物々交換」とはその字の通り、「物」と「物」を交換することです。

現代においてはほとんどが「物」の対価が「貨幣(紙幣)」ですが、まだ「貨幣(紙幣)」がなかった時代、人々は物と物を交換して、自分の欲しいものを得ていました。

もっとも現代でも自分のいらなくなったものを相手のいらなくなったものを交換することもあるでしょう。それがすなわち「物々交換」です。

交換条件

また、「バーター」の意味と語源のひとつに「交換条件」があります。「交換条件」とは何かと何かを交換する際に提示する条件のことです。

例文としては「欲しいものを買ってあげる代わりに交換条件としてお手伝いをしなさい」という使い方ができます。これを「バーター」で直すと、「欲しいものを買ってあげるバーターとしてお手伝いしなさい」となります。

英語のbarterが語源

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「バーター」は「物々交換」や「交換」の意味を持つ英語の「barter」が語源とされています。「物々交換」の対象が一方は「物」であったとしても、相手側も必ず「物」を差し出さなくてはいけないということはありません。

相手側からの交換するものが目には見えないもの、なんらかのサービスであったり、情報であったりしても良いのです。例えば「ケーキをあげるからバーターとしてお風呂を掃除して。」という使い方は、「物」対「見えないサービス」の物々交換ということになります。

日本語の束が語源とも

また、「バーター」は日本語の「束(たば)」が語源ともいわれています。「束」は「束ねる」という使い方で分かるように、二つ以上のものをまとめるという意味です。

芸能人は業界用語として言葉をさかさまにして使ったりしています。例えば「寿司」「スーシー」「銀座」を「ザギン」などというような言葉をテレビなどで耳にしたことがあるでしょう。このことから「バーター」も「たば」をさかさまにして「ばーたー」、「バーター」となったという説があります。

「バーター」の芸能界での使い方

日本語の束が語源ともいわれているところで触れたように、「バーター」という言葉を普段、私たちが耳にしたり口にする時は主に芸能界に関係する話題が多いです。冒頭でご紹介した「また新しいドラマの宣伝のバーターでバラエティに出ているね」などがその一例です。それでは具体的にご紹介しましょう。

バーターは芸能人が対象

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先ほどの英語のbarterが語源というところで、バーターという言葉だけみると、双方がどちらも「物」である必要はなく、サービスなど「目には見えないもの」と交換しても良いという意味の説明をいたしました。しかし、芸能界での使い方では「バーター」の対象は双方とも芸能人であって、どちらかが見えないものに変わることはありません。

抱き合わせの意味

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「抱き合わせ」とはふたつのもの、何かと何かをひとつに組み合わせて、両方を一緒にすることです。例文として「あの(人気)芸人とあの(あまり人気のない)芸人が抱き合わせでお笑いライブに出ている」というような使い方をします。

どちらか一方がもう一方より劣っている場合、ふたつを組み合わせることによって同時にさばけるということで、一石二鳥となります。また、お笑いライブを企画する側としても人気者には出て欲しいのですから、抱き合わせで人気のない芸人の出演を頼まれたとしても、それは「交換条件」なので要求をのむしかありません。

「バーター」の芸能界での使い方と例文

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すでにいくつか紹介していますが、あらためて「バーター」の芸能界での使い方と例文を説明していきます。どういった場面で使われるのか。そして「バーター」する人、される人はどのような立場や関係なのか。想像してみてください。状況によっては「バーター」の力関係のバランスが物を言う場合があります。

例文:売れてる芸能人とのバーターで依頼する

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「売れてる芸能人とのバーターで依頼する」とは、超売れっ子の俳優がいる場合、その人の起用条件として、同じ事務所にいるあまり売れていない俳優を一緒に使ってもらうようテレビ局にお願いをするという意味です。

これはバーターの使い方として良く使われている文章です。普段、友達や家族でテレビを見ている時でも、「この俳優さんは主役のバーターで出ているね」というような会話をしたことがあるのではないでしょうか。

例文:午後からバーターの仕事が入っている

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この「午後からバーターの仕事が入っている」は依頼する方ではなく、バーターをされた方からみた例文です。どんな人が使うかによって、受け取り方も全く変わってきます。

例えばこれを言ったのが「バーター」をする方、売れている芸能人である場合であれば、それはわざと自分を落としている発言なので笑いの対象として扱えます。しかし、これが「バーター」される方、売れていない芸能人の発言であったらかなり悲壮的です。

例文:映画宣伝のバーターでテレビに出演する

「映画宣伝のバーターでテレビに出演する」というのは映画に出演した俳優が「映画の宣伝をすること」の交換条件として「俳優」がテレビに出演するという意味です。

「俳優」にとっては多くの人が見るテレビで映画の宣伝をすることは、動員への効果が大きいことですし、テレビ側としてもその「俳優」が出演することによって視聴率が上がることが期待されます。どちらにも利益になるということです。

「バーター」の類義語

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「バーター」の使い方をひととおり上げたところで、続いて「バーター」の類義語をいくつか紹介します。よく耳にする言葉もあるでしょう。中にはあまり「バーター」と結びつかない言葉もあるかもしれません。どのような意味で「バーター」と関連しているのか。それぞれ解説をしていきます。

トレード

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「バーター」の類義語に「トレード」があります。トレード(trade)という言葉を聞くと真っ先に浮かぶのはプロ野球においての「トレード」ではないでしょうか。

ある球団がひとりの選手を獲得するために、「交換条件」として自分の球団から選手を出して、「交換」をしてもらないか交渉する、それがプロ野球における「トレード」です。

これは「バーター」の使い方での「必要な人(人気芸能人)のために必要でない人(人気のない芸能人)を組み合わせる」によく似ています。

セット

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「バーター」の類義語に「セット(set)」があります。この場合の「セット」とは「組み合わせてひと揃いにすること」の意味を表します。

先ほど「バーター」の語源で「束」をご説明しました。「束」とは「束ねる」です。この「セット」もいわば「ひと揃いに束ねる」という言い換えができます。つまり、「束」に通じる「セット」も類義語といえます。

売込み

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「バーター」の類義語に「売込み」があります。これは先ほど紹介した「売れてる芸能人とのバーターで依頼する」という例文と関連づけられます。この例文は「売れている芸能人を利用して、売れていない芸能人を売込んでいる。」という文章にすることができます。このように「バーター」は「売込み」に言い替えられるので、「類義語」であると言えます。

「バーター」のビジネスシーンでの使い方と例文

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これまでは芸能界においての「バーター」の使い方をみてきましたが、ここからは「バーター」のビジネスシーンでの使い方と例文について紹介します。職場において使ったことのある、聞いたことがあるという方もいるでしょう。どんな時に「バーター」を使うのか、解説していきます。

交換条件の意味

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ビジネスシーンにおいてはこれまで見てきた中の「交換条件」の意味として「バーター」が使われています。つまり、「××をする(売ってもらうなど)代わりに××をして(買ってもらうなど)欲しい」という使い方です。ビジネスにおける「交換条件」は双方が「物」であることに限らず、一方が労働などの目に見えないものの場合もあります。

「バーター取引」といって使われる

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ビジネスシーンで使う「バーター」については一般的に「バーター取引」という言葉として使われることが多いです。「バーター取引」の場合、双方の立場がどのような状況なのかによって交渉が大きく左右します。

というのも信頼関係が厚い相手とはすんなりまとまるでしょうが、持ちかける側が相手より強い立場の場合は、半ば強引な「バーター取引」が取り交わされることになりかねません。以下、例文をあげて説明します。

例文:御社の商品をバーターしてください

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「御社の商品をバーターしてください」というのは、「自社の商品を取引先の商品とバーターして欲しい」という意味です。これはつまり、「取引先の商品を買う代わりに自社商品も使って欲しい」といういわば、交換条件の意味での使い方です。

この例文において、双方のうち持ちかけた側が強い立場であったとしたら、どんな不利な商品であったとしても持ちかけられた側は受け入れざるを得ないことになるでしょう。「バーター取引」とは公正な取引ばかりとはいえません。

例文:そのバーターでは折り合いがあわない

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「そのバーターでは折り合いがあわない」というのは、先の例文の続きからいけば、取引先から「御社の商品をうちの商品を交換条件にするには、あまりにも差がありすぎる。無理だ。」と宣告されている意味の使い方になります。

「バーター取引」はある程度はお互いの条件が均等である必要があります。というのは、ひとつめの例文で説明したように、双方の立場に上下関係があった場合はたとえ不利な条件であってもそれをのむしかないからです。あまりにも公正さに欠けた取引は信頼を損ないます。

また、「バーター」という言葉を芸能人の業界用語のように考え、あまり良いイメージを持たない人が相手の場合、あえてビジネスの場面で「バーター」という言葉を使うのは、時にはマイナスになってしまうおそれがあります。ある程度慎重に使いましょう。

「バーター」のパーソナルシーンでの使い方と例文

ここまでは芸能界、ビジネスシーンとふたつの場面での「バーター」の使い方をみてきました。それでは普段、日常的に「バーター」を使うとしたらどういった状況の場面になるでしょうか。友達どうしや家族の会話の中で「バーター」を使うにはどのような内容が良いのか、例文をあげながら説明します。

物々交換の類義語として

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「バーター」のパーソナルな場面での使い方としては、「売込み」や「セット」、「抱き合わせ」といった意味としてではなく、「交換条件」や「物々交換」の類義語として使用するのが適格と言えるでしょう。交換対象の双方が「物」であるわけでなく、一方がサービスなどの「目に見えないもの」の場合もあります。例文をあげて説明します。

例文:あのお店のパンケーキとバーターしませんか

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友達からお願い事をされたとします。それはかなり手間がかかるやっかいなことで、無料でやってあげるのには少々、人が良すぎるような案件です。

何か交換条件が欲しい。ずっと食べてみたかった評判のパンケーキがあったから、「交換条件」としてそれを提示しよう。こういったプロセスが「あのお店のパンケーキとトレードしませんか」という例文になるということです。

バーター取引の類義語として

もうひとつ「バーター」のパーソナルな場面での使い方として、「バーター取引」の類義語として使用する場合を紹介します。芸能界での「バーター」の使い方と違い、「バーター取引」という言葉自体がビジネスシーンで広く使用されているので、パーソナルな場面でも使いやすい状況でしょう。

例文:ご迷惑をかけたおわびに代わりにバーターで出勤します

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今までご紹介したビジネスシーンでの「バーター取引」は取引先相手の場合での使い方でした。ですがここでは上司や同僚を相手としての「バーター取引」になります。

「おわび」という「見えないもの」に対する交換条件として「代わりの出勤」という「見えるもの」との「物々交換」提案しているのでこれも「バーター取引」です。ただ、のちほど説明しますが、パーソナルな場において「バーター」という言葉を使用するのは少し慎重になった方が良いでしょう。

親しい相手が対象

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パーソナルシーンでも使えると言っても、かなり注意が必要です。ここでの「バーター」の使い方が「交換条件」や「物々交換」という意味であっても、それが「必要でないものとの交換」という意味だけでとらえられてしまうと、相手はあまり良い気持ちをしません。

また、ビジネスシーン同様、「バーター」という言葉自体を「芸能人どうし」の「抱き合わせ」というイメージを強く持っている相手だと、あまり良い意味でとらえていない場合もあります。ここはやはりとても親しく、軽口を叩けるような間柄でのみ「バーター」を使うのが良いかもしれません。

「バーター」は物々交換や交換条件を意味する

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以上、「バーター」についての説明でした。ビジネスとして使っているという方より、やはり「バーター」は芸能人が使う業界用語として認識している方の方が多いでしょう。

語源の一説に「束」をひっくり返して「バーター」とあることからも、「バーター」は芸能界と密接な言葉であると言えます。そして、その意味は「芸能人どうし」の「物々交換」や「交換条件」と言った意味で使用されていることもご説明しました。

今後、誰かとテレビや映画を見ているときに「あのふたりはバーターだね」という会話が始まった場合、その時はぜひ「そういえばバーターって言葉はね」と話してみてください。

とりほ
ライター

とりほ

2019年6月よりキュレーション記事や署名記事を書いております。趣味は手仕事と読書と映画・演劇鑑賞です。個人でもTwitterやBlogをして発信中です。

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