絵馬には正しい書き方がある
神社に足を運ぶとたくさんの絵馬が並んでいる光景を見ることができます。実際に絵馬を購入し、合格祈願などの願い事を書いて飾る人も多くいます。
しかし絵馬は神様に捧げるものですから、失礼のないようにしなければいけません。書き方や掛け方にもある程度の決まりがあります。
絵馬を飾ったことがない人や、書き方がわからない人も、そのルールを理解して正しく絵馬を願い事を書けるようにしていきましょう。
神様に失礼のない絵馬の書き方をしよう
絵馬の役割というのは、神様に願い事を聞き届けてもらうためのアイテムです。つまり絵馬の内容を神様が見られるわけですから、失礼のないような書き方をしなければいえません。
基本的に絵馬の書き方には厳格なルールはなく、個人の判断に任される部分があります。そのため、一般的な書き方を理解することで、神様に失礼のないように絵馬に願い事をかくようにすることが大切です。
絵馬はなぜ「馬」と書くのか
絵馬という文字を見てみると、そこには「馬」という文字が含まれていることがわかります。実はこの「馬」というのは、特別な意味を持っています。
絵馬の書き方を理解するだけでなく、絵馬という言葉にどんな意味があるかについても理解を深めていきましょう。
昔は神様は馬に乗ってくると考えられた
古来から日本において、神様は馬に乗って降臨するという信仰がありました。この神様が乗る馬は「神馬(しんめ)」という特別な名称を持っています。
そういったことから、奈良時代においては馬を奉納することで神様に願い事を聞き届けてもらうという習慣があったと言われています。
しかし奈良時代において、馬は高価なものであったことから、容易にできることではありませんでした。その代わりに、「神馬(しんめ)」となる馬の絵を描いた板を奉納するという習慣が浸透していったのです。
これが絵馬の起源と言われていますが、現在の形になっていったのは江戸時代と言われています。江戸時代になると恋愛成就や合格祈願、商売繁盛などあらゆる願い事をお願いする風習になったという記録が残っています。
昔の絵馬というのは、馬の絵が描かれているのがスタンダードでした。しかし昨今では馬だけでなく、干支を模した絵などバリエーションも増えている傾向にあります。また、絵馬に願い事と一緒にイラストを描く「痛絵馬」というものも多く存在しています。
正しい絵馬の書き方
絵馬を飾る前に願い事を書くことになりますが、その書き方にはルールがあります。絵馬というのは、神様に願い事を聞き届けてもらうことを目的としてアイテムです。
しかし神社の境内に飾られるわけですから、他者の目に触れるということを考えていかなければなりません。絵馬の書き方を理解しながら、正しいルールで願い事を書けるようにしていきましょう。
願い事はどこに書くのか
絵馬の基本的な書き方として、願い事を書く場所は絵が描かれていない場所を選ぶようにします。絵馬は奉納することで神様に願い事を聞き届けてもらうわけですから、読みやすい状態で奉納することが大切です。
また、願い事の内容にもよりますが、余白があまりない部分に願い事を書くというのは見栄えも悪くなってしまいます。絵馬は綺麗に書くことが大切なので、絵が描かれていない部分に願い事を書くようにしてください。
願い事がたくさんある場合は?
恋愛成就や合格祈願など、願い事の種類もたくさんあり、人によってはたくさんの願い事を神様にお祈りしたいケースもあります。もしたくさん願い事がある場合、一つの絵馬にまとめてしまっても問題ないとされています。
ただ別々にした方が望ましいという意見もありますので、願い事の内容やスペースの問題で書ききれない場合は分けたほうが良いでしょう。また注意点として、欲張り過ぎないというのが基本の考え方になりますから、あまり強欲にならないようにしてください。
願い事の書き方は「縦書き」「横書き」どっち?
絵馬の願い事を書くときに「縦書き」か「横書き」で悩むケースが多くありますが、実はこの書き方はちゃんとした決まりというものがなく、個人の判断に委ねられている部分になります。
しかし「縦書き」の方が一般的とされていますので、もし迷った時は縦書きにすると良いでしょう。願い事の内容など絵馬に記したいものによって臨機応変に変更して特に問題ありません。
フレーズは「~しますように」が望ましい
願い事には恋愛系のものや合格祈願など幾つか種類がありますが、基本的な書き方としては「~しますように」というフレーズが望ましいとされています。このとき、願いを叶えようとする気持ちを込めながら書くことが大切です。
もちろん他の言い回しでも問題ないとされていますが、もし願い事を絵馬に書く内容に困った時は「~しますように」という書き方が無難です。
極力油性ペンで書く
絵馬の書く際の注意点として、アイテムは油性ペンを選ぶようにしましょう。昨今ではどんなものでも問題ないとされていますが、絵馬は外に掛けられるものです。
そのため、雨に濡れてしまうと消えてしまう場合があります。そういったことから消えにくい油性ペンを選ぶようにした方が良いでしょう。
油性ペンの色は黒を選ぶようにします。あらかじめ筆記用具が準備されている場合もありますが、混雑している時期などはあらかじめ持参していくとスムーズに進められるでしょう。
もしこの時に、誤字などをしてしまった場合には、斜線を引くようにします。一度書いたものは消すことができませんので、間違えないように慎重に書いていきましょう。
絵馬の願い事の書き方と例文
絵馬に書き記す願い事というのは、合格祈願や恋愛成就など人によってその内容が異なります。大切なのは、わかりやすく簡潔にまとめるということです。理想としては、ワンフレーズでまとめられると良いでしょう。
どの願い事も書き記すルールに厳格なマナーはありませんが、その内容によってより理想的な書き方が異なってくるので注意しましょう。例文を参考にしながら、正しい書き方で絵馬をかけるようにしてください。
合格祈願
合格祈願を絵馬に書くときの注意点としては、「何」の合格を祈願しているのかをしっかり明記することです。合格祈願といっても、人によっては受験だったり、資格だったりとその内容は異なります。
例文としては「T大学に合格できますように」や「国家試験に合格する」といったように、具体的に明記するようにしてください。学校名などを書きたくない場合は「受験に合格する」などでも問題ありませんし、四文字熟語で「合格祈願」と記しても構いません。
合格祈願を絵馬に書く時は、「絶対」や「必ず」といった言葉を付け加えると良いとされています。また、学問の神様に縁のある神社で絵馬を奉納するのがおすすめです。
安全祈願
安全祈願というのは「安産祈願」「厄除祈願」「旅行安全」「交通安全」といった願い事がこれに該当します。書き方のポイントとして重要なのは、「何」の安全祈願なのかを書き記すことです。
願い事というのはわかりやすく明記することが基本です。安産祈願を想定した例文の場合、「母子ともに健康でありますように」といったように明記します。続けて出産日を明記する場合の例文は「令和〇年〇月〇日」というようにわかりやすく書きましょう。
そのほかの例文としては、文章としてではなく「交通安全」や「旅行安全」といったように四文字熟語を明記しても問題ありません。
お宮参り
出産後に行うお宮参りにおいても、子どもが健やかに成長することを願うように絵馬を奉納することがあります。例文としては「〇が健やかに育ちますように」といったように書きます。このとき、別に赤ちゃんの名前なども記載してください。
お宮参りの時に奉納する絵馬は、基本的に子どもの成長を祈願することがわかれば問題ありません。そのため、ほかの例文としては「〇が賢い子になりますように」「〇の心身が健やかに育ち立派な大人になりますように」といったものもあります。
もしプライバシーなどの問題から実子の名前を書くのに抵抗感がある場合には、イニシャルだけでも問題ありません。
無病息災
無病息災を願い場合の絵馬の書き方は、合格祈願など他の願い事と同じように文章か四文字熟語でわかりやすく書き記すのが基本となります。
例文としては「痛めた足がなおりますように」「今年は健康で過ごせますように」といったものがあり、四文字熟語の場合の例文は「心身健全」「健康祈願」といったものがあります。
可能であれば、治したい怪我や病気を明記しましょう。そして絵馬に書くときは「絶対に治す」「健康でいるぞ」という気持ちをこめることが大切です。
夫婦円満
恋愛系の願い事として夫婦円満も絵馬に書かれることが多い願い事のひとつです。例文としては「〇と〇が末永く過ごせますように」といったフレーズにしましょう。
四文字熟語の例文としては「夫婦円満」や「家内安全」があり、別の項目として「夫」や「妻」という名目で箇条書きのようなスタイルで夫婦の名前を記載するようにしてください。
もし子宝祈願をする場合の例文としては「赤ちゃんが授かりますように」といった内容になります。四文字熟語の例文としては「子孫繁栄」や「子宝祈願」を記載して、名前や参拝日を記入してください。
どうしても実名を書くのに抵抗がある場合は、他の願い事と同じようにイニシャルだけでも問題ありません。
恋愛祈願
恋愛祈願というのは、主に縁結びのことを指します。もし相手がいる場合はその名前を記載し、相手がいない場合は素敵な出会いがあるように祈願するような内容にしましょう。
まず相手がいる場合の例文は「〇さんと結ばれますように」になります。例文のポイントとして恋愛の願い事はその相手をしっかりと記載すると良いとされています。
相手がいない場合の例文は「素敵な人と恋愛ができますように」といった内容にすると良いでしょう。そのあとに付け加える例文として「自分磨きを頑張る」と前向きに表現するとよりよいとされています。
恋愛の願い事を四文字熟語で書く場合は、「恋愛成就」や「良縁成就」といった言葉を書き記すと良いでしょう。
絵馬の書き方の疑問・注意点
絵馬には恋愛成就や合格祈願などそれぞれ異なる願い事が書かれるため、書き方というのは異なります。
しかしどの願い事をするうえにおいても、共通して注意点となる書き方などがあります。奉納する絵馬の取り扱い方の注意点などもあわせて、そのルールを理解していきましょう。
絵馬を奉納するタイミングに決まりはあるか
絵馬というと正月の初詣など人が多くにぎわう時に奉納することが多いことから、タイミングに決まりがあると勘違いしている人が多く見受けられます。しかし実は、絵馬を奉納するタイミングに決まりというものはなく、好きなタイミングで奉納することができます。
しかし注意点として、絵馬は授与してもらった場所に奉納するのがマナーとされていますので、気を付けましょう。
同じ願い事を複数の神社などに奉納してよいか
願い事というのは、例えば合格祈願なら学問の神様に縁のある場所、恋愛成就なら縁結びの神様がいる場所に足を運ぶのがおすすめです。しかし人によっては、同じ願いごとを複数の場所で奉納したいと考える人もいます。
基本的に複数の場所で同じ願い事を絵馬に書いて奉納することは問題ないとされています。しかし注意点として通常の手順と同じように、授与された絵馬はその場所で奉納するようにしてください。
名前・住所は書くべきか
絵馬には安全祈願や合格祈願、恋愛成就など色々な願い事が書かれますが、共通して名前や生年月日、住所と言った情報を書いた方が良いとされています。神様に願い事を聞き届けてもらうわけですから、誰が願っているかをはっきり書くことが大切だからです。
しかし絵馬は主に境内にかけられているものなので、意図せず他人に個人情報が触れてしまうことになります。そういったことから必ずしも書かなければいけないというわけでなく、個人の判断に委ねられており、書かなくてもマナー違反ではありません。
また昨今ではプライバシーの観点から個人情報が隠れるように保護シールを用意している場所もありますので、気になる人はそういったところで絵馬を奉納すると良いでしょう。どうしも難しい場合は、イニシャルだけ書く方法でも構いません。
絵馬は持って帰ってもいいか
願い事を書いた絵馬というのは、授与された場所に奉納するのが一般的です。しかし参拝した記念に持ち帰っても良いとされています。しかし注意点として願いを聞き届けてもらいたいのであれば、基本の手順に従って奉納するようにしましょう。
また、場合によっては持ち帰らずに必ず奉納するようにと定めている場所もあります。不安な場合は神主さんに確認をとるようにしましょう。
絵馬を持って帰ったらどこに飾る
絵馬は奉納せずに持ち帰っても問題ないとされていますが、持ち帰った場合の注意点として飾る場所を間違えないようにしましょう。
一般的に絵馬は神棚や床の間といった場所に飾るべきとされています。もしそういった場所が自宅にない場合は、目線より高い位置に飾るようにしてください。
破魔矢付きの絵馬は持ち帰った方がよい
授与される絵馬のなかには、破魔矢つきのものがあります。こういったものは、奉納よりも飾るための意味合いが強いとされているものとされますので、持ち帰った方が良いとされています。
そのため、わざわざ破魔矢と別に分けて絵馬を奉納する必要はありません。注意点としては通常の絵馬を持ち帰った時と同様に、神棚や床の間に飾るか、そういった場所がない場合は目線よりも高い位置に飾るようにしましょう。
他の人の絵馬を見るのは失礼?
絵馬はたくさんの人が恋愛成就や合格祈願、家内安全といった色々な願い事が書かれています。そのため、いったいどんな願い事が描かれているのか関心を寄せる人も少なくありません。
絵馬というのは神様に願い事を聞き届けてもらうだけでなく、自助努力の一環として行われる意味合いも持っています。
奉納することで神様だけでなく、多くの人の前で公言するのと同じ効果を持つので、「絶対に願いを叶えるんだ」と自分を奮い立たせる効果も持っているのです。
つまり他人の絵馬を見るということは、その人の願い事が叶うことを見守るという意味合いを持っています。そのため、他人の絵馬を見るのは失礼にはあたりませんので、絵馬を書いた人の願いが叶うことを祈りながら真摯な姿勢で見るようにしましょう。
しかし当然ながら、絵馬には個人情報が書かれている場合もあります。昨今は痛絵馬の流行から撮影したものをSNSにアップロードすることもあり、それが原因で他者のプライバシーが漏れてしまうといったトラブルが起きることがあります。
絵馬を見る注意点として、基本的にプライバシーが書かれているものはどんな形であれ悪用しないようにしてください。また、撮影したものをアップロードする場合は、プライバシーの面に細心の注意を払って取り扱っていきましょう。
絵馬を代理の人が書くのはいい?
遠方に住んでいるなどなにかしらの事情や理由があり、どうしても現地で絵馬を奉納できない場合は、代理の人に絵馬を書いてもらいましょう。基本的に合格祈願など願い事に関係なく、絵馬を代理人が書くことは問題ないとされています。
注意点としては、書き手が代理人であることを明記するようにしましょう。本人が書くのと同じように、「誰」の願い事なのかをしっかり書き記すようにしてください。
絵馬を書いた後の掛け方ポイント
絵馬は書き方や取り扱いの注意点だけでなく、書き終わって奉納する時の掛け方にも注意点があります。せっかく書いた願い事をしっかり神様に願い事を聞き届けてもらえるように、掛け方についても知識を深めていきましょう。
絵馬は落ちると縁起が悪い
絵馬の掛け方の注意点として、落ちないようにしっかり掛けるようにしてください。一般的に掛けた絵馬が落ちるというのは縁起が良くないとされています。また、掛ける場所は絵馬掛けまたは絵馬掛所といった名前を利用するようにしてください。
掛ける時はできるだけ見やすいポイントを選ぶようにします。神様に願い事を聞き届けてもらえるように、願い事を書いてある裏面が見えるようにもしてください。
またもうひとつの注意点として、見えやすいポイントを意識しすぎて他の絵馬に重ねないようにしましょう。
絵馬は何日で外されるのか
絵馬は基本的に好きなタイミングで奉納することができますが、外す時期は決まっています。その時期は小正月に行われる「どんと焼き」と呼ばれるお焚き上げの際に外されるのが一般的です。
「どんと焼き」というのは、日本全国でみられる風習のひとつで、そうすることでお正月に迎えた神様が天へ帰られるタイミングに、しめ縄なども一緒に燃やされます。この時に奉納した絵馬は他のお守りなどと一緒にお焚き上げされます。
地方によっては鬼火焚き(おにびたき)など名称が異なる場合がありますが、基本的に7日正月となる1月6日の夜または1月7日の朝に行われます。
絵馬に絵を描く人も増えている
絵馬や恋愛成就や合格祈願など願い事を書いて奉納するのが一般的でしたが、昨今では「痛絵馬」という絵絵馬に絵を描く人も増えています。従来とはまた違った楽しみ方として、痛絵馬の書き方についても理解を深めていきましょう。
絵馬に絵を描くにはいいのか
絵馬には基本的に恋愛の願い事や学問などの合格祈願といった願い事と一緒に、自身の住所氏名、生年月日などを書いて奉納するというのが一般的な手順です。
昨今の流行である痛絵馬もまた願い事を書く点は一緒ですが、一緒に描く絵がメインとなっているというのが異なる点と言えます。絵馬に絵を描くというのは、マナーとして問題はないとされています。
しかし場所によってはそういった絵馬を奉納することは禁止としているケースもありますので、奉納する際は充分に注意してください。
手作りの絵馬は奉納してもいいのか
痛絵馬の流行から昨今では、キャラクターグッズとしてイラストが描かれている絵馬が販売されていることもあります。また人によっては、絵だけでなくいちから絵馬を手作りするケースもあります。
実は歴史を遡ると、自作の絵馬が奉納されたという記録が残っており、痛絵馬というのは形は変われどかつては存在していた文化なのです。そういった経緯もあり、基本的には手作りした痛絵馬も奉納することは問題ないとされています。
ただし注意点として、手作りした痛絵馬を奉納する時はその旨を関係者に伝えてからにしましょう。昨今では迷惑行為が起きて奉納を禁止としている場所や、授与されていない絵馬を奉納を禁止とするところも増えています。
痛絵馬もまた神様に奉納するためのアイテムとしての役割であることは変わりませんから、マナーを守って奉納するようにしましょう。
痛絵馬を授与している寺社もある
昨今における人気アニメの聖地として描かれた寺社などにおいて、痛絵馬を授与しているところもあります。主な寺社としては東京都の神田明神や宮城県の宮城縣護國神社など各地に存在し、作品のファンはこぞって集まっています。
また通常の絵馬とはデザインが異なり、特徴的な絵柄の絵馬を授与している場所もあります。代表的なのは京都府の新熊野神社で、鳥居の形に切り抜かれ、馬ではなく八咫烏(ヤタガラス)が描かれている珍しいデザイン有名です。
また世界遺産の古社として観光客も多く訪れる京都府の下鴨神社は手鏡の形に切り抜かれている絵馬を授与しており、美麗祈願として美容に興味のある人が多く訪れる場所となっています。
このように通常とは少しデザインが違う絵馬というのは古くから存在しており、一大ブームを起こしたことから痛絵馬はポピュラーな文化となっています。
痛絵馬の書き方
奉納されている絵馬を見るとクオリティの高いものから個性的なものまで様々な痛絵馬を見ることができます。しかし紙に描くのと材質が異なるので、書き方にも注意点があります。せっかく奉納するものですので、綺麗に痛絵馬をつくれるようにしていきましょう。
下書きをする
痛絵馬を綺麗に完成させるには、下書きをするようにしましょう。このときに使用する鉛筆は、柔らかいものにします。そのデザインにもよりますが、人物や背景などすべてを下書きして問題ありません。
注意点として、下書きを濃く描いてしまうとあとで消す時に残ってしまう可能性があるので、描くときはできるだけ薄く描くように意識してください。それが終わったら、防水スプレーで加工を施します。
描く前に防水スプレーで加工する
下書きの終わったら、その上から防水スプレーを吹きかけます。痛絵馬の注意点として、いきなり油性ペンなどで清書をしないようにしましょう。
絵馬は紙と違ってインクがにじみやすいだけでなく、鉛筆など先端が硬い筆記用具で描こうとしてしまうと、表面が削れて失敗してしまうことがあります。
防水スプレーは水や油を弾く効果があるので、表面に吹きかけることで油性ペンなどのインクが滲むのを防ぐことができます。スプレーはシリコン系とフッ素系の2種類がありますが、痛絵馬を作成として相性がいいのはフッ素系と言われています。
防水スプレーを吹きかける量の基準としては、びしょびしょになるくらいまでしっかり吹きかけてしまって問題ありません。少し時間を置いて、乾いてから清書を始めていきましょう。
清書する
下書きとスプレーによる加工が終わったら、清書となるペン入れを行っていきましょう。この時に使用するのは油性ペンがおすすめです。基本は下書きをなぞるようにして、デザインに合わせてタッチを変化させてください。
もしこの時に書き損じてしまった場合は、カッターややすりで削れば消すことができます。しかしやりすぎると見栄えが悪くなってしまうので、失敗しないように注意しながら進めていきましょう。
下書きを消す
ペン入れが終わったら、下書きを消していきます。下書きを消す時は市販されている消しゴムで問題ありません。しかし消す時に防水スプレーでコーティングした部分も一緒に削れてしまうことがありますので、丁寧に消すようにしてください。
もし消しゴムで下書きを消した後にもう一度デザインを修正する時は、もう一度防水スプレーで加工するようにしてください。コーティングが剥がれてしまっているので、そのまま油性ペンなどで書くとインクが滲んでしまう場合がありますので、注意してください。
完成したら防水スプレーで再加工
絵馬のデザインが完成したら、もう一度防水スプレーで加工を行います。奉納された絵馬は境内に掛けられるものですから、その日の天候によっては風雨に晒されることもあります。
そうするとせっかく完成したデザインが崩れてしまうこともありますので、コーティングを施しておきましょう。その方が長持ちします。
絵馬の書き方は基本自由!願いを神様に届けよう
絵馬の書き方というのは、特に厳しいルールはありません。合格祈願や恋愛成就など、神様に願い事を聞き届けたい願い事を好きなように書いてください。
もし持ち帰る場合の注意点としては、飾る場所を気を付けましょう。奉納するタイミングも自由ですので、自分の好きな書き方で絵馬に願い事を書いて奉納してください。