暗示の意味とは?
「暗示」という言葉は日常生活の中でも結構使われている言葉で、「自己暗示」という使い方が最も広く親しまれているでしょう。ですが「暗示」の正確な意味をきちんと知っているという人は意外に少ないです。
「何かを暗示する」「自己暗示をかける」などという使い方で「暗示」という言葉は良く使われていますが、「暗示」の正確な意味とは一体どのような意味なのでしょうか。
「暗示」という言葉の意味とはどのような意味なのか、「暗示」の意味についてここではご紹介していきましょう。
それとなく知らせるという意味
「暗示」の意味の一つ目は、「それとなく知らせる」という意味です。「それとなく」というのは「何となく」という意味ですので、「それとなく知らせる」という言葉の意味は「何となく知らせる」という意味になります。
「何となく知らせる」というととてもあいまいでいい加減なイメージですが、実は「暗示」というのはそのように結構あいまいなイメージを持つ言葉です。
はっきりと言い切るのではなく、何となく「こうなんだよ」と知らせるというのが、「暗示」の一つ目の意味になります。
考え方などが何かによって無意識に変化するという意味
「暗示」の意味の二つ目は、「考え方などが何かによって無意識に変化する」という意味です。この意味での「暗示」は「自己暗示」という言い方で使われることが多く、良く知られる「暗示」はこちらの意味です。
例えば、とても気の弱い人が「自分はそんなに弱くない、もっと強いんだ」などと思い込むことによって本当に少し強気になったりすると、それは「暗示」になります。
自分自身の思い込みで自分自身が変化することは「自己暗示」と言われていて、「暗示」の使い方として一般的です。
このように「暗示」には大きく分けると二つの意味がありますが、「自己暗示」に使われる意味の方が知られていると言えます。
暗示の対義語・類語
「暗示」の意味についてご紹介しましたので、次は「暗示」の対義語と類語についてご紹介します。「暗示」の意味は先にご紹介した二つの意味ですので、「暗示」とは反対の意味を持つ言葉が「暗示」の対義語になります。
「暗示」には二つの意味がありますが、「考え方などが何かによって無意識に変化する」という意味の方に対応する対義語や類語はないと言えます。
「暗示」の対義語や類語は、「それとなく知らせる」という意味と同じ意味を持つ言葉か、反対の意味を持つ言葉になります。
暗示の対義語とその意味
それではまず、「暗示」の対義語とその意味についてご紹介します。「暗示」の対義語は「それとなく知らせる」という意味とは反対の意味を持つ言葉になりますので、対義語を探すのは難しいと思う人もいるでしょう。
ですが意外なことに「それとなく知らせる」という意味とは反対の意味を持つ言葉はちゃんと存在しています。
「暗示」という言葉の対義語にはいったいどのような言葉があるのか、「暗示」の対義語についてご紹介しましょう。
明示
「暗示」の対義語は「明示」です。「明示」の意味は「はっきりと指し示す」「明らかに示す」という意味で、「それとなく知らせる」という「暗示」の意味とは正反対の意味を持つ言葉であると言えます。
「明示」という言葉は「暗示」と同じぐらい良く使われている言葉で、「条件を明示する」などというように、はっきりと何かを示す場合に使われます。
「暗示」のように「それとなく知らせる」のではなく、はっきりと何かを示すという意味ですので、「明示」は「暗示」の対義語になります。
暗示の類語とその意味
「暗示」の対義語についてご紹介しましたので、次は「暗示」の類語についてご紹介します。「暗示」の意味は「それとなく知らせる」という意味ですので、これに似た意味の言葉が「暗示」の類語になります。
「それとなく知らせる」は、この意味そのものが類語にもなりますが、これ以外にも「暗示」の類語と言える言葉はいくつもあります。
「暗示」の類語とはいったいどういう言葉なのか、「暗示」の類語についてもご紹介していきましょう。
黙示
「暗示」の類語の一つ目は、「黙示」です。「黙示」の意味は文字のとおり「黙って示す」という意味で、正しくは「はっきりとは言わず、意見や考えなどを暗黙のうちに伝えて示す」という意味になります。
「黙示」が「暗示」の類語と言えるのは、この「はっきりとは言わない」という意味にかかってきます。
「暗示」の意味は「それとなく知らせる」という意味ですので、「黙示」は「暗示」の類語であると言えます。
匂わす
「暗示」の類語の二つ目は、「匂わす」です。「匂わす」の意味は「物や言動などを使って何となく伝える」という意味ですので、「匂わす」は「暗示」に極めて近い意味を持つ「暗示」の類語であると言えます。
「匂わす」という言葉は「暗示する」という言葉を使うシチュエーションと同じような場面で使うことが多いです。
「暗示する」と似たような使い方ができるという点でも、「匂わす」は「暗示」の類語だと言うことができます。
含蓄
「暗示」の類語の三つ目は、「含蓄」です。「含蓄」の意味は「言葉などの中にある深い意味や内容」という意味で、「含蓄あるお言葉ありがとうございます」などという使い方で結構使われています。
「含蓄」の意味は一見すると「暗示」の意味とは違うようですが、「言葉などの中にある深い意味」は、はっきりと言っているわけではありません。
その言葉を受け取る人が自分でその深い意味を感じ取るというイメージで使われますので、そういった点で「含蓄」は「暗示」の類語だと言えます。
含み
「暗示」の類語の四つ目は、「含み」です。「含み」の意味は「表面には表れていないけれど、その中に込められている」という意味で、「含み」は「含みのある言い方をする」などという使い方がされます。
「含み」も「暗示」と同じように、はっきりとは言わないけれど伝える何かがあるという言葉ですので、「含み」は「暗示」の類語になります。
また、「含み」は「暗示」と使い方も似ていますので、そういった意味でも「含み」は「暗示」の類語だと言えます。
ほのめかす
「暗示」の類語の五つ目は、「ほのめかす」です。「ほのめかす」の意味は「はっきりとは言わずに何かを伝える」という意味ですので、意味的には「ほのめかす」が「暗示」に最も近い類語だと言えます。
「ほのめかす」はニュースなどで「犯行をほのめかす供述をしています」などという使い方がされていますので、結構良く使われる言葉です。
「ほのめかす」という言葉は「暗示する」の代わりに使うこともできますので、使い方という点でも「ほのめかす」は「暗示」の類語と言うことができます。
ヒント
「暗示」の類語の六つ目は、「ヒント」です。「ヒント」の意味は「問題を解く手がかり」「暗示」「示唆」という意味で、意味の中に「暗示」がストレートに含まれていますので、「暗示」の類語だと言えます。
ですが「ヒント」という言葉の使いどころや使い方などは、「暗示」とは少し違います。「ヒント」は「暗示」の代わりには使えません。
また、「ヒント」の意味には「示唆」という言葉もありますが、実は「暗示」と「示唆」とは意味が違います。
「ヒント」の意味に含まれている「暗示」と「示唆」の違いについてはまた後で詳しくご紹介していきます。
入れ知恵
「暗示」の類語の七つ目は、「入れ知恵」です。「入れ知恵」の意味は「人に策を授けること」「人から授けられた策」という意味ですので、「暗示」とは少し違った意味になりますが、「入れ知恵」も「暗示」の類語です。
「入れ知恵」というのは「誰かに何かを伝える」という意味ですので、そういった点では「入れ知恵」は「暗示」の類語だと言うことができます。
ですが「入れ知恵」は多くの場合悪い意味で使われますので、そういう点では「入れ知恵」は「暗示」とは少し違います。
暗示の使い方・例文
「暗示」の対義語と類語についてご紹介しましたので、次は「暗示」の使い方の例文についてご紹介します。「暗示」の意味は「それとなく知らせる」という意味ですので、まずその意味で使うことができます。
また、「暗示」にはもう一つ「考え方などが何かによって無意識に変化する」という意味もありますので、そちらの意味でも使うことができます。
「暗示」という言葉の使い方とはいったいどのような使い方なのか、「暗示」の使い方の例文についてご紹介しましょう。
例文①
「暗示」の使い方の例文の一つ目は、「新しい自分に生まれ変わりたくて、自己暗示をかけた」という例文です。「暗示」という言葉は「自己暗示」という使い方で使われることがとても多いと言えます。
「自己暗示」というのは有効であると考える人も多く、自分を変える手段として「自己暗示」を試みる人も結構います。
そのため「自己暗示」という言葉は意外に多くの人に知られていて、単なる「暗示」より「自己暗示」の方が広く使われていると言えます。
なので「暗示」の使い方の例文としてまず、「自己暗示」という言葉を使った例文を挙げることができます。
例文②
「暗示」の使い方の例文の二つ目は、「上司のその一言によって、仕事ができるように暗示をかけられた気がした」という例文です。この場合「暗示」は「自己暗示」と同じ意味での「暗示」の使い方です。
この例文での「暗示」も「自己暗示」と同じように「考え方などが何かによって無意識に変化する」という意味で使われています。
「考え方などが何かによって無意識に変化する」という意味での「暗示」は「暗示にかかる」という言い方で使われます。
例文③
「暗示」の使い方の例文の三つ目は、「一斉朝礼での社長の言葉は、我々がリストラされる暗示だった」という例文です。この例文の場合の「暗示」は「それとなく知らせる」という意味で使われています。
「暗示」は「それとなく知らせる」という意味で使われることは意外に少ないですが、このような使い方をすることもできます。
この例文は「我々に対してリストラすることを暗示していた」というように言い換えることもでき、同じような意味の「暗示」でも色々な言い換えができると言えます。
例文④
「暗示」の使い方の例文の四つ目は、「占いが暗示する未来とは一体どのような未来なのだろうかと考えた」という例文です。この例文でも「それとなく知らせる」という意味で「暗示」が使われています。
「暗示」という言葉は「暗示をかける」「暗示する」など色々な使い方ができる言葉で、色々な場面で使うことができます。
他にも「暗示を与える」などという使い方ができますが、この場合は「考え方などが何かによって無意識に変化する」という意味で「暗示」が使われます。
暗示と示唆の違い
「暗示」の使い方の例文についてご紹介しましたので、次は「暗示」と「示唆」の違いについてご紹介します。「暗示」と「示唆」は同じ意味だと思われていて、同じような使い方がされることが結構あります。
ですが実は「暗示」と「示唆」には意味的に違いがありますので、「暗示」と「示唆」を同じように使うことはできません。
「暗示」と「示唆」にはどのような違いがあるのか、「暗示」と「示唆」の違いについてご紹介しましょう。
示唆は誰かが誰かにはっきりと教えるという意味
「示唆」は「誰かが誰かにはっきりと教える」といった意味です。「暗示」を使う場面で「示唆」を使う人もいますが、実は大きな違いがあります。それは「示唆」は「はっきりと」何かを教えるという点です。
「暗示」は「それとなく知らせる」という意味ですので、はっきりと知らせるわけではありませんが、「示唆」ははっきりと何かを誰かに知らせるという意味になります。
そういった点で「暗示」と「示唆」とは似ているようで違いますので、「暗示」と「示唆」の違いを理解しましょう。
暗示を使う際の注意点
ここまで「暗示」について色々とご紹介してきましたが、次は「暗示」を使う際の注意点についてご紹介します。「暗示」という言葉を使う際には、注意しなければならないという点も少しだけあります。
「暗示」を使う際の注意点は別に難しいことではありませんが、ついうっかりとやってしまいがちなことですので、その点では注意が必要だと言えます。
「暗示」という言葉を使う際にはどのような点に注意すれば良いのか、「暗示」を使う際の注意点についてご紹介しましょう。
はっきりと言う場合では使えない
「暗示」を使う際の注意点は、はっきりと言う場合では使えないということです。先にご紹介したように「示唆」と「暗示」とは違う意味を持ちますが、「示唆」と言うべき時に「暗示」を使う人もいます。
ですが「暗示」は「それとなく知らせる」という意味で「示唆」は「はっきりと教える」という意味を持ちます。
「暗示」と「示唆」は混同されやすい言葉ですが、「示唆」を使うべき時には「暗示」は使えませんので注意しましょう。
暗示はそれとなく知らせるという意味
「暗示」という言葉の意味や対義語や類語、使い方の例文など色々とご紹介してきましたが、如何だったでしょうか。「暗示」の意味は「それとなく知らせる」という意味ですので、正しい意味で正しく使いましょう。