「役満」の意味と使い方
麻雀をしない人でも役満という言葉や意味を聞いた事があるのではないでしょうか?麻雀をする人にはお馴染みですが、役満の意味は麻雀で難易度の高い牌型や滅多にない形で上がる事を役満と言います。
また麻雀で役満を作る難易度の高さや希少性から会話やネットスラングで役満と言う言葉を用いられる事もよくあります。そんな役満の意味や語源と比喩表現での使い方を説明します。
「役満」は難易度の高い組み合わせ
役満は通常の役とは異なり、確率的にも集めにくい組み合わせの面子を集めて一つの役を作りますので手を進めることも難しく、何よりも最終的にアガることも非常に難しくなっています。
役満でよく使われる牌である字牌などは同じ字牌でないと面子を構成できない為、ゲームの序盤で捨てられてしまいがちです。ですのでテンパイした頃にはアガり牌がもう捨て牌に全部出てしまってアガれないということもよくあることです。
手作りの難しさ、使う事のできる牌の制約、アガり切るなど全ての難易度が高くなり通常の役とは一線を画した存在が役満です。
テーブルゲーム・麻雀におけるアガリの形
麻雀におけるアガリの形の基本は4面子1雀頭と言って、面子は3枚1組の集まりを4つ、雀頭とは同じ牌の2枚1組を揃える事ができればアガりとなります。
麻雀の手配は13枚となっていますので最後の1枚が場に出るか自分で積もる事ができればアガりとなります。
また特殊な牌型としては七対子と言って2枚1組みを7つ集める役もあります。こちらも手牌は13枚となっているので6つの対子を集めて最後の1枚が場に出るか積もる事でアガる事ができます。
麻雀における「役満」の意味
麻雀における役満の意味はアガリの時に獲得する事のできる点数の事です。親の時は48000点、子の時は32000点獲得する事ができます。
相手からのロンアガリは上記の点数となりますが、自分で牌をひいてツモアガリした時には親の場合は全員から16000点をもらう事ができ、子の場合は親が16000点、他の子の2人から8000点ずつもらう事ができます。
麻雀をしていてなかなか32000点差をつけられる事はありませんが持ち点が全くない状況からでも役満をアガり切ることによって一気にトップに躍り出る事のできる破壊力は役満と呼ぶ意味に相応しくなっています。
「役満」の意味の語源
役満という言葉の語源の意味は単一の役だけでアガり、その単一の役だけで獲得できる事ができる点数が最大点を満貫と読んでいた事に由来します。
麻雀のアガり役でこれ以上の難易度は存在しないという事も役満と言う語源の意味に含まれています。役満の語源の意味をまとめると単一役で最高得点、高難易度という事に由来しています。
「役満貫」と呼んでいた時代
元々麻雀で単一の役で得られる役の最高得点を満貫と呼んで意味していたことは前述したとおりです。古典麻雀では単一で現在の役満を上がっても満貫の点数と同じでした。
現在の麻雀でも役を重ねることで満貫となりますが、古典麻雀では単一で満貫の点数を得られる=役満貫と呼ばれていた時代がありました。
麻雀の点数の水準が上がってきた
時代を経るごとに点数のインフレ化が進み満貫以上の得点である跳満、倍満、3倍満が認められており、役満は4倍満の得点が認められる様になり今日に至ります。
役満が2つ重なるダブル役満、3つ重なるトリプル役満もルール上では存在しますが1つでもアガるのが難しい役満を2つ以上重ねてアガるのは奇跡の様な確率です。
麻雀用語の「役満」は最高点を表す?
麻雀用語の役満は一つの役で最高点を得られる事を表す意味を由来すると前述しました。通常では1翻役、2翻役を複合させて高い得点を獲得する満貫を目指して手を進めるのですが、役満はただその役1つだけで最高得点を獲得する事ができます。
それだけ役満となる役を作って、役満をアガり切る事の難易度がとても高く、難しいという事です。しかしそれに見合った得点を獲得できる事に役満の魅力が凝縮され詰まっています。
役満の点数
役満は4倍満貫という事で満貫8000点の4倍、32000点を一度のアガりで獲得する事ができます。親の場合は48000点を獲得する事ができます。親でも子でも役満一度のアガりで最下位から一気にトップになることも可能です。
ちなみに満貫は8000点、跳満は12000点、倍満は16000点、3倍満は24000点と獲得できる点数は満貫の1.5から役満の4倍までと幅があります。
親の場合は満貫12000点、跳満は18000点、倍満は24000点、3倍満は32000点となり、役満は48000点です。親は子の1.5倍の点数が基準になるとわかりやすく覚える事ができます。
「役」の意味
麻雀には役満以外にも役の形と役の価値が定められています。役を作る難しさと役の価値は比例しています。役を作るのが難しければ役の価値も高くなり、高得点を獲得する事が可能です。
麻雀は役がなければ形として全て3枚1組が4組みと雀頭2枚1組が手元に成立してもアガる事ができません。
麻雀をしない人でも聞き覚えのあるリーチというのも役としてカウントされます。役作りの難易度が高くなれば高くなる程、飜(ハン)というランクが高くなり比例して獲得点数も高くなります。
麻雀は役作りをして高い点数を獲得する事を目指す事が本来の意味と目的ですが、同時に対局する相手に思う様に手を作らせない様にする事にも大きな意味があり、醍醐味と言えます。
役満がでる確率
役満が出る確率は0.01%程度です。これは10000回対局して1回役満がでるという事です。半荘といってプレーヤーが各自2回ずつ親が回ってくる様になっていますので1回の半荘で最低8回の局があります。
8回で半荘が終わる事はなかなかないのできりよく1半荘10回対局したとしても100半荘して1回役満が出るか出ないかの確率ですからその希少さと難易度の高さを窺い知る事ができます。
麻雀以外の確率でよく例えられるのは宝くじや交通事故に遭う確率です。宝くじの当選確率でいうと年末ジャンボ宝くじの1等が0.00001%の確率、役満と同じ0.01%は4等の当選確率と同じとなります。
1年間で交通事故に遭う確率はおおよそ1%程度となっていますので交通事故に遭うよりも低い確率でしか役満を上がる事ができない計算になります。
麻雀をしない人でも身近な物に置き換えて役満のアガり切れる確率を考えていただければその低確率の意味がわかるのではないでしょうか。
役満でリーチすることの意味
役満は麻雀の中で得られる最高得点ですので点数的にはリーチをする意味はありません。役満でリーチする事の意味は役満をテンパイした時にリーチをする事で対戦相手の意表をつく事ができるのでリーチをかける意味があります。
役満の捨て牌は一見すると真ん中の使いやすい牌が捨てられている場合が多いので役がないので仕方なくリーチに行ってしまったかの様に演じる事ができるのでツモあがり以外に相手から出る可能性も高くなります。
もちろん対戦する相手の腕前で勘付かれてしまい、リーチに意味がない場合もありますし、何よりも役満をアガれるかもしれないと自分のドキドキする感情を抑え込む自制心が一番必要です。
「役満」の種類
麻雀で役満と言ってもオーソドックスな役満からローカルルールで定められた役満、ダブル・トリプル役満など役満を重ねて点数も2倍、3倍と変わる役満や通常役を重ねる数え役満など多種多様となっています。ここでは役満の種類について説明します。
種類①一般的な役満
一般的なルールで定められた役満は四暗刻・大三元・国士無双・大四喜・小四喜・字一色・緑一色・清老頭・九連宝燈・四槓子・天和・地和の12種類となっています。
四暗刻・四槓子は使う牌に制約はなくどの牌を使っても牌の形を成立させれば役満となりますが四槓子は麻雀のルール上2人以上で4つめ槓をするとそのゲームは流局となりますので非常に難易度が高くなります。
天和・地和はゲーム開始直後の配牌時、第1回目のツモでアガる必要がある為、こちらは完全に運でアガる必要があります。
その他の役満は使う牌が指定されており、対局者に勘付かれると場に対象となる牌が出にくくなりますので役満を上がり切る事は非常に難しくなっています。これらの役満の中でアガりやすい役満は大三元・国士無双・四暗刻です。
種類②ローカルでの役満
麻雀はローカルルールがたくさんあり、役満の数もローカルルールの数だけ存在します。ローカル役満で有名な四連刻という役満は2・3・4・5など順番に並んだ3枚ずつの形を作る役満です。(222/333/444/555という事です)
また大車輪と言った筒子で尚且つ2から8の数牌2枚1組で七対子を作る牌の形でアガるなどが代表的なローカルルールで定められる役満です。(22/33/44/55/66/77/88という事です)
他にも百万石や十三不塔など多種多様なローカル役満が存在します。こういうローカルルールの多様さと複雑さが麻雀というゲームの奥深さを象徴しています。
種類③ダブル役満
国士無双13面待ち、四暗刻単騎待ち、九連宝燈9面待ちなど上がる前の状態に制約をつけたダブル役満や四暗刻・大三元や字一色・小四喜など二つの役満を重ねる事でダブル役満として2役満分の点数を得る事ができます。
通常の役満と更にもう一つの役満を重ねて上がる為、難易度と出現する確率は更に低くなってしまいます。
単純計算となってしまいますがダブル役満を上がる可能性は役満をアガる0.01%の二乗とすると0.0001%となり100万回に1回という驚異の確率でしか出会う事ができません。
現実的には同じタイミングで役満の形を2つ作らなければなりませんのでもっと低くなるかもしれません。自分の手牌にきても同じ場に居合わせたとしても奇跡的な確率である事は間違いありません。
種類④トリプル役満
トリプル役満はダブル役満に更にもう1つ役満を重ねなければなりませんので更に難易度と出現率は稀少な物となります。
例えば四暗刻・大三元・字一色や四暗刻・字一色・小四喜などとなっています。また前述した四暗刻単騎待ちに大三元を重ねてトリプル役満とカウントする事も可能です。
ダブル役満の計算を取り入れると0.01%の3乗は0.000001%となり1億回に1回の出現率です。まさに神のみぞ知る領域に突入していきます。あくまで計算上の理論値ですので現実で意味がないかもしれませんのでご参考までにお願いします。
種類⑤数え役満
数え役満は通常の役を重ねて13飜以上となった時に役満と同じ得点を得る事ができます。役だけで13飜重ねるのは至難の技なので多くの場合はドラという持っているだけで1飜と数える牌をたくさん持っている時に数え役満になりやすい傾向にあります。
例えば混一色・トイトイ・小三元・役牌2・ドラ5だと役の計算上、2飜+2飜+2飜+2飜+5飜で13飜となり通常役だけでの数え役満となります。それだけ単一の役満と同様、アガる事のできる難易度が高いという意味です。
ネットにおける「役満」の意味と使い方
役満が滅多に出ない、上がる事ができないという特徴がある事をここまで説明しました。そんな麻雀の役満という言葉から派生した言葉の使い方がネットスラングとして使われている事があります。ネットにおける役満を使った言葉の意味と使い方、使われる場面を紹介します。
役満は奇跡に近い事柄で比喩される
まずは役満の起こる確率の低さを指して滅多に起こらない事や奇跡に近い事柄を比喩して役満と使う事があります。
また数え役満になぞらえて悪い意味での特徴や要素を持ちすぎた人や状況を指して数え役満や役満と比喩された表現も意味します。
どちらにしても役満の希少性と難易度の高さががネットスラングとしての比喩表現の使い方の語源となっています。
いい意味での役満をネットスラングでも使いたい物です。悪い意味でのネットスラングは顔が見えなくても人を傷つけてしまいますので注意が必要です。
ネット以外における「役満」の比喩表現
ネット以外でも役満を比喩表現とした使い方をする事があります。難しい条件にぴったりと合致している時や最高級、数字が役満の獲得得点である32000もしくは48000の数字を表す場合などです。麻雀をやっている者同士であれば楽しく会話も弾む事でしょう。
「役満」の比喩表現は麻雀をやらない人には分からない
役満の語源や歴史、具体的な役満の種類を説明してきましたが、希少性が高く難易度も高いと長く麻雀をしていてもなかなかお目にかかる事ができないという事がお分かりいただけたのではないでしょうか。
そんな麻雀における役満の希少性から出てきた比喩表現はどれも的を得た表現となっていますが、麻雀をやらない人にとっては全く意味が通じないと言う事になりますので役満という言葉を会話の中で比喩表現に使う場合は注意が必要です。
またネットスラングの数え役満はあまり良い意味で用いられる事がありませんのであまり使わない方が賢明です。
麻雀をやらない人でも宝くじの当選確率や交通事故に遭う確率を想像していただければ麻雀における役満の希少性をお分かりいただけたのではないでしょうか。