敬愛の意味とは?
「敬愛」という言葉を知っていますか?「敬愛」という言葉は、手紙などで使われたりします。「敬愛」という言葉の意味を何となくは分かっていても、しっかりと意味を説明できる人は、少ないのではないでしょうか?この後は「敬愛」の意味や使い方を例文を使ってご紹介していきます。
尊敬し親しみの心を持っているという意味
まずは「敬愛」の読み方からご紹介します。「敬愛」は「けいあい」と読みます。「敬愛」の意味は、尊敬し親しみの心を持っているという意味です。
敬愛の「敬」の意味には「敬う・慎む・尊ぶ・うやうやしい・注意深く行う」などという意味があります。敬愛の「愛」の意味には「可愛がる・いとおしく思う・いつくしむ・いたわる」という意味があります。
敬愛の由来
では「敬愛」の言葉の由来をご紹介していきます。敬愛の「敬」には、神様にお祈りをする様子を表す意味が漢字に込められています。そのため「敬」には謙虚な姿勢を表す意味があります。そこから「敬」には、うやまう・尊敬するという意味が派生しています。
そして敬愛の「愛」には、一般的に使われている意味の愛する・恋い慕うという意味のほかにも、いつくしむ・親しみの心を持つという意味があります。
そのことから「敬愛」は、この2つの漢字が合わさり、2つの漢字の意味が融合して「尊敬し、親しみの心を持っている」という意味を表すようになりました。
敬愛の使い方
ここまで「敬愛」の意味や由来について、ご紹介してきました。ではこの「敬愛」という言葉は、どのような使い方をすればいいのでしょうか?この後は「敬愛」の使い方と、その場合の意味を例文を使ってご紹介していきます。
例文①敬愛なる
では「敬愛」の使い方のご紹介です。まずひとつ目にご紹介する「敬愛」の使い方は「敬愛なる」という使い方です。この「敬愛なる」をよく見かけるのが、手紙の冒頭部分で使う方法です。使い方としては「敬愛なる○○さんへ」という使い方をします。
「敬愛」を「敬愛なる」という使い方をすると「敬愛」は、親愛なるという意味合いの言葉となります。英語では「Dear○○さん」と同じ意味合いになります。
また「敬愛なる」には「かねてよりお世話になっております、敬愛なる○○先生をご紹介します」というような使い方もあります。
例文②敬愛してやまない
そして「敬愛」の2つ目の使い方です。2つ目にご紹介する「敬愛」の使い方は「敬愛してやまない」という使い方です。この「〇〇してやまない」は尊敬してやまないなど、違う言葉との組み合わせでもよく使われる言葉です。
この「○○してやまない」の意味は気持ちが尽きない・ずっとし続けているという意味になります。ですので「敬愛してやまない」という使い方の場合の意味は、尊敬し親しみの心をずっと持ちつづけている、もしくは尊敬し親しみの心が尽きないという意味になります。
「敬愛してやまない」の例文としては「小説家の○○先生は、もう何年も私にとって敬愛してやまない存在です」などと使います。
例文③敬愛の念
そして「敬愛」の3つ目の使い方です。3つ目にご紹介する「敬愛」の使い方は「敬愛の念」という使い方です。
この敬愛の念の「念」は、思いや気持ちのことを意味します。ですので「敬愛の念」という使い方での意味は、尊敬し親しみの心を持つ思い、もしくは尊敬し親しみの心を持つ気持ちのことを意味します。
では「敬愛の念」の例文としては「彼の青年時代からの偉業や生活ぶりを聞いて、敬愛の念を抱かずにはいられなかった」や「彼が父親と同じ道を選んだのはやはり、彼の父に対する敬愛の念がそうさせたのだろう」などと使います。
「敬意」の意味と使い方「敬愛」との違い
ここまで「敬愛」の意味や由来、使い方についてご紹介してきました。この後は、敬愛の類義語とその意味と使い方「敬愛」との違いをご紹介していきます。
「敬愛」の類義語には、敬意・尊敬・敬慕・崇拝・憧憬・敬仰などがあります。ここでは「敬意」の意味と「敬愛」の違いについてご紹介していきます。
「敬意」の意味と例文
ではまず「敬意」の意味と使い方「敬愛」との違いです。「敬意」の意味は、尊敬する気持ち、相手を敬う気持ちのことを意味します。
「敬意」と「敬愛」との違いは「敬意」と「敬愛」は、尊敬する気持ち、相手を敬う気持ちという部分は同じですが「敬愛」には更に、親しみの心を持っているという意味があります。「敬意」にはこの親しみの心を持っているという意味がありません。
それでは「敬意」を使った例文をご紹介します。「彼の偉大さに、改めて心から敬意を表した」や「彼の行動には敬意を感じる」などと使います。このように「敬意」は「敬愛」よりも相手との距離感を感じる言葉です。
「尊敬」の意味と使い方「敬愛」との違い
次は「敬愛」の類義語「尊敬」の意味と使い方「敬愛」との違いです。「尊敬」という言葉は「敬意」と同じく「敬」という漢字は使っていますが、合わさっている漢字が異なる単語です。この後は「尊敬」の意味と使い方「敬愛」との違いについてご紹介していきます。
「尊敬」の意味と例文
では「尊敬」の意味と使い方「敬愛」との違いです。「尊敬」とは、ある人の人格や業績などを優れたものと認めて敬うことを意味します。
「敬愛」と「尊敬」との違いは「尊敬」はその人そのものを指すものではなく、相手の行為や業績を指して言います。しかし「敬愛」は身近な存在に対して持つ気持ちです。
では「尊敬」を使った例文をご紹介します。「彼は若くしてこれだけのアイデアを出せるなんて、尊敬の念が尽きないです」や「どんな困難でも立ち向かう彼の姿は尊敬しかありません」などと使います。
「愛敬」の意味と使い方「敬愛」との違い
ここまで「敬愛」の意味や由来、敬愛の使い方、「敬意」や「尊敬」の意味や「敬愛」との違いなどについてご紹介してきました。このあとは「敬愛」の言葉を逆にした言葉「愛敬」をご紹介します。
この「愛敬」という言葉は「敬愛」と同じ漢字の組み合わせなのにも関わらず、反対にしただけで意味合いが変わってきます。この言葉を逆にしただけの言葉「愛敬」の意味と使い方「敬愛」との違いについてご紹介していきます。
「愛敬」には愛らしさという意味もある
では「愛敬」の意味や「敬愛」との違いをご紹介していきます。まずは「愛敬」の読み方です。「愛敬」は「あいきょう・あいぎょう・あいけい」などと読みます。一番多い読まれ方は「あいきょう」で「愛嬌」とも書かれたりします。
「愛敬」と「愛嬌」は、どちらも同じ意味です。どちらかというと「愛嬌」の方がよく見かける漢字です。
「愛敬」の意味は、親しんで敬うことという「敬愛」と同じような意味のほかに、愛らしさ・可愛らしさ、また商店が客の気を引くために行う、値引きやおまけのことという意味も含みます。
このように「愛敬」は「敬愛」の漢字を逆にしただけで、同じ漢字の組み合わせなのに、全く違う意味合いも含んでしまいます。
「愛敬」の例文
では「愛敬」例文をご紹介します。「この店員の接客は愛敬があると評判がいい」や「この子はまだ新人ですので、ミスをしてもご愛敬で許してあげてください」などと使います。
「愛敬」はもともとは仏教用語で「慈しみ敬う」意味から出来た言葉です。それが「可愛らしい」などの意味合いを含むようになり、現代では「敬」に「嬌」の字が当てられて、現代では「愛敬」という漢字で使うことよりも「愛嬌」を使うことが多くなっています。
「敬愛」の英語表現
ここまで「敬愛」の意味や使い方、「敬愛」の由来、敬意や尊敬、愛敬との違いなどをご紹介してきました。では「敬愛」を英語で表現すると、どのような表現になるのでしょうか?このあとは「敬愛」の英語表現をご紹介していきます。
「敬愛」は英語でrespect love
では「敬愛」の英語での表現です。「敬愛」は英語で表現すると、respect and loveやrespect and affectionと表現します。affectionとは、愛情を意味します。
respect and loveやrespect and affectionからloveやaffectionが取れて、respectだけになると「尊敬」という意味になります。
敬愛とは尊敬し親しみの心を持っているという意味
ここまで「敬愛」の意味や使い方、「敬意」や「尊敬」「愛敬」との違いや例文をご紹介してきました。敬愛とは、尊敬し親しみの心を持っているという意味です。
「敬愛」と似た意味を表す言葉は、敬意や尊敬、敬慕や崇拝、憧憬、敬仰とありますが、どれも少しずつニュアンスが違います。意味をしっかりと理解して、上手に使い分けしましょう。