「良かったです」は敬語として正しい?ビジネスでの使い方や類語・英語表現も紹介

「良かったです」は敬語として正しい?ビジネスでの使い方や類語・英語表現も紹介

「良かったです」という使い方は敬語として適切かどうか、ご存知でしょうか?実は「良かったです」という言い回しは敬語ではなく、ビジネスではふさわしくない言い方なんです。ここでは、「良かったです」の類語やメールでの使い方、英語表現などについて説明していきます。

記事の目次

  1. 1.「良かったです」は正しい敬語ではない
  2. 2.「良かったです」のビジネスメールでの使い方
  3. 3.「良かったです」の類語とは?
  4. 4.「良かったです」の英語表現とは?
  5. 5.「良かったです」は正しい敬語ではないので注意しよう!

「良かったです」は正しい敬語ではない

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良かったです、という言葉は敬語とは言えません。理由は、敬語の成り立ちから考えるとすぐに分かります。敬語とは、相手を敬う気持ち、その気持ちから素直に相手を持ち上げるか自分をへりくだる表現が生まれます。これが敬語の成り立ちです。

次に、「良かったです」を考えると、良い、悪いのジャッジをしていることになります。つまり、目上の人の何らかの発言に対し、目下の自分がジャッジすることになり、「上から目線」のコメントになってしまいます。これが「良かったです」という表現が敬語とは言えないゆえんです。

「良かったです」の正しい敬語表現

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「良かったです」ということを適切に敬語表現しながら、目上の方に失礼でない方法でお伝えしなければなりません。その考え方で正しい敬語表現を考えると、適切な形で「良かったです」という気持ちを変えて表現すれば良いことに気が付きます。

基本的に「良い・悪い」をジャッジするのではなく、「良かったです」という自分の気持ちを表す言葉に変えればよいのです。その場合敬語表現が存在するので、相手に失礼でない形で「良かったです」という感想を敬語で伝えることができます。

この類語への言い換えとしては、シーンにもよりますが、「安心しました」「最高でした」「嬉しかったです」などがあります。後ほど紹介します。他にも、「素晴らしいです」「光栄です」などが挙げられます。基本的に自分の感想にすると「上から目線感」がなくなります。

「良かったです」のビジネスメールでの使い方

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ビジネスメールでよくあるのが、「お会いできて良かったです」という表現を使いたくなるシチューエーションです。確かに「お会いできて良かったです」なんですが、これは上から目線の使い方になってしまいます。これを適切な敬語表現に変えるにはどう表現したら良いでしょうか?

また、「御社のビジネスのお役に立てて良かったです」といった使い方はどうでしょうか?これも「良かったです」の部分が上から目線に読めます。どのように変えたら失礼に当たらない敬語表現になるのでしょうか?以下ではビジネスメールに適切な敬語表現に変えた例を示します。

適切なメール例

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では、「お会いできて良かったです」を言い換えてみましょう。会えたことが自分的にどう「良かったです」なのでしょうか?相手のことを尊敬していて、嬉しかった、誇らしかったということを表現すれば正しい敬語表現になるのではないでしょうか?

その場合、「お会いできて光栄でした」と変えてみてはいかがでしょうか?相手の方も悪い気はしないですし、相手に対するリスペクトが伝わり、立派な敬語表現になります。

次に、「御社のビジネスのお役に立てて良かったです」を言い換えましょう。この場合、言いたいのは「私達は御社のお役に立てて嬉しいです」という気持ちのはずです。

そこで、「御社のビジネスにお役に立てて幸いに存じます」と置き換えてみてはいかがでしょうか?自分たちの気持ちのみを表現していますから、おせっかい感がありません。とても控えめな印象で、やはり相手へのリスペクトが感じられる敬語表現になりました。

不適切なメール例

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不適切なメールの特徴は、とにかく相手へのリスペクトが感じられないことです。メールを書く際に相手の会社やご担当者を敬う気持ち、感謝の気持ちをもって敬語表現を書くようにしましょう。そうすれば不適切な敬語表現にはならないはずです。

例えば、「もしよかったら」という表現が挙げられます。日常会話では普通に使いますが、目上の方や大事なお取引先にはこの様な表現はリスペクトが感じられない表現になります。その理由は「私はどっちでもいいけど」が隠れているからです。これは失礼な言い方になります。

相手を優先した気持ちを表した「もしよろしければ」という敬語表現はいかがでしょうか?少しの違いですが、こちらは「あなたの意思を尊重します」という気持ちが隠れているため、リスペクトが感じられる敬語表現です。

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「良かったです」の類語とは?

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「良かったです」の類語の使い方について見ていきましょう。「良かったです」と思う気持ちはどのようなシチュエーションでしょうか?状況に応じて、「良かったです」の類語も変わってきます。

例えば、うまく行った出来事を「良かったです」と表現する場合、相手の状況を心配して、でも大丈夫だったと知ったときの「良かったです」など、シチュエーションは様々です。その時々でいろいろな類語の使い方があります。以下では、いくつか紹介していきます。

安心しました

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例えば、あなたの上司が「懸案だったA社の受注がついに決まったよ!」とおっしゃったら、何と答えるでしょうか?つい「良かったです」と言いたくなりますが、それは上から目線だとご説明しました。

そんなときには、「安心しました」と置き換えるのはいかがでしょうか?得られた成果に対して、「ホッとした」というニュアンスを表現したい場合に使える類語になります。

また、自分のことを上司が褒めてくれた場合にも使える言い換え表現になります。例えば、「君の昨日のプレゼン、取引先からも好評だったよ」と上司から言われたら、「良かったです」の代わりに「そう言っていただけて安心しました」と言い換えてはいかがでしょうか?

以上のように、「ホッとした」「そう言ってもらえて嬉しい」ということを敬語表現するなら、「安心しました」という言い換えは有効です。ぜひ使ってみてください。

最高でした

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何か具体的な出来事が単純に「良かったです」ということを表したいなら、純粋に「最高でした」と置き換えるのも敬語的表現としてありです。

例えば、上司から「昨日の私のスピーチ、どうだったかな?」と聞かれたとします。このシチュエーションで「良かったです」というのは明らかに上から目線。そんなときには「最高でした」あるいは「素晴らしかったです」と言い換える敬語的表現はいかがでしょうか?

少し上司をヨイショしている感はありますが、実際に素晴らしいスピーチだったとすれば、このような言い換えは嫌味でもヨイショでもありません。純粋に「良かったです」ということを失礼のない敬語表現で言い換えるのには良い方法です。

ようございました

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「良かったです」を純粋に敬語化しようとすると、「ようございました」「よろしゅうございました」という丁寧表現の敬語になり得ます。ただし、なり得る、というだけであまり使われない敬語表現になってしまいます。

使われない理由としては、敬語だが言い回しが古い点、丁寧表現のみであり使うケースが限定される点が挙げられます。ただ、「それは」をつけた場合に限り、使われるケースはまだ見受けられます。

目上の人でありながら、疎遠な人、あまり好感が持てない人に対し、失礼のないように「それは良かったです」というニュアンスを敬語で伝えたい場合、「それはようございました」という敬語に言い換えることができます。敬語表現として参考にしてみて下さい。

嬉しかったです

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例えば、めったにお会いすることのできないような著名人と会ってお話をさせてもらったとします。そんなときに、「お会いできて良かったです」というのは、何度も言いますが上から目線でNG。ではどう言えばふさわしい敬語表現になるでしょうか?

そんなときは、純粋に「お会いできて嬉しかったです」という敬語表現に言い換えるのがオススメです。素直な自分の気持ちですし、良い・悪いのジャッジもしていませんから、失礼にも当たりません。会えて嬉しいと言われて嫌な気はしないはずで、必ずリスペクトが伝わる敬語表現です。

「良かったです」の英語表現とは?

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日本語でも「良かったです」という表現をシチュエーション毎に言い換えてご紹介してきました。英語で表現しようとすると、当然「良かったです」を直訳しても変なので、同じように状況に応じて言い換えながら「良かったです」を英訳していきましょう。

英語では日本語のような多くの敬語表現はありませんが、敬語の精神に照らし、相手を敬う気持ちで敬語的な表現にすることはできます。ここでは触れませんが、敬語の根本理念は万国共通と言えるでしょう。

相づちの英語表現

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それは良かったです、という相槌の英語表現としては、単純にgood、あるいはgood for youなどの表現が挙げられます。good以外にも、great, wonderfulなどの単語を同様に使うことができます。

これらの単語を使いながら、That's good/ That's great/ That's wonderfulなど重複しないように適宜使い分けて「良かったです」という内容の相槌を表現すれば良いでしょう。

それが聞けてうれしいという表現

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「良かったです」の気持ちが「それが聞けて嬉しいです」という場合、英語表現としてはGrad to hear thatなどが真っ直ぐな感じです。ちゃんとしたセンテンスにするならI'm grad to hear thatとか、I'm happy to hear thatなどとなります。

ほぼ同じですが、「良かったです」の訳としてGood to hearでもいいです。これもちゃんとしたセンテンスとしてはThat's good to hearになります。こちらも「よかったです」の真っ直ぐな表現です。

どちらも「良かったです」と同じくらい使いやすいですが、「嬉しいです」はジャッジではなく自分の感想なので、どんな場面でも使える便利な表現です。

安心したという表現

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「良かったです」の意味として「ほっとした」「安心した」という意味の英語表現としては、That's a reliefが挙げられます。reliefが安心とかホッとするという意味になります。

他にもI'm relieved to hear thatなどの表現でも「良かったです」の言い換えに適しています。relieveはreliefの動詞形で「楽にする」というような意味です。

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「良かったです」は正しい敬語ではないので注意しよう!

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「良かったです」という表現は、結構使ってしまいがちですが、敬語ではないという意識を持ち、目上の人に対しては使わないように気をつけましょう。

「良かったです」の言い換えやメールでの表現方法、適切な敬語表現、英語での言い回しについて紹介してきました。敬語の使い方は難しいと感じることもありますが、敬語の根底の精神に照らし、相手を敬う気持ちをもって、適切に用いれば敬語は決して難しくありません。

正しい敬語表現で「良かったです」という気持ちを上手く表現できるよう、紹介した言い換えや敬語の知識をうまく活用してください。

macaoki2001
ライター

macaoki2001

根が理系、乙女チックなところもあり、料理好きだったりする男子です。科学、テクノロジー全般、料理、ファッションなんかが好物です。

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