「定量的」と「定性的」の意味と違いは?誤用しない使い方などをレクチャー!

「定量的」と「定性的」の意味と違いは?誤用しない使い方などをレクチャー!

ビジネスシーンで耳にしたり目にしたりするようになった言葉に「定量的」という言葉があります。くわえて、「定性的」という言葉もまた同じように聞くようになりました。しかし、その意味についてご存知でしょうか?ビジネスにおける定量的と定性的の違いや意味を紹介します。

記事の目次

  1. 1.定量的の意味とは?
  2. 2.定量的の由来
  3. 3.定量的の特徴
  4. 4.定量的の類語・対義語・英語表現
  5. 5.定量的の使い方
  6. 6.定量的の注意点
  7. 7.定量的は物事の数値化という意味

定量的の意味とは?

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定量的という言葉は「ていりょうてき」と読みます。とても簡単な意味に見えますが、漢字の見たままの「定められた量として」という意味ではなく、「物事を数値化して捉える」という意味になります。一般的に数として扱われていない物も数値化して認識する事をさします。

なお、定量的と同様に話題として上る「定性的(ていせいてき)」は、方向性や存在性など一見して数値化できないあいまいなさまを抽象的に評価、表現するという意味で使われる言葉です。

いずれにしても、存在に一定に基準をもうけて評価対象とする方法を表す言葉で、近年のビジネスシーンにおいて注目を浴びている言葉でもあります。

定量的の由来

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定量的という言葉がどのような経緯でうまれたのか、その由来を探るには二通りの考え方があります。ひとつは言葉を構成している漢字の由来です。そしてもう一つは、「的」とつくように概念を指し示すことばなので定量という概念の由来を求める考え方です。

残念ながら概念の由来は数学的な経緯としてしか記録に残されていないため、漢字の由来に焦点をあてます。まず「定」は形声と音符正からなり、「物を整えて落ち着かせる」という意味があります。それに加えて数を意味する「量」が熟語として構成されたため、量を定めるとなったと思われています。

定量という言葉が生まれた事が先か、そうした概念が生まれたことが先かは不明ですが、結果としてそうした考え方という意味で「的」を付け加えた物と考えられます。

定量的の特徴

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定量的という言葉の特徴として、「ものごとを分かりやすくするための概念」であることが言えます。たとえば、「高くジャンプしたい」と言葉で言っても抽象的ですが、「60cmジャンプしたい」という言葉は極めて明確です。定量的という概念には、物事の基準を著しく明確にするという特徴があると言えます。

定性的の特徴

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ところで、「定性的」という言葉の場合はどのような表現として表されるのでしょうか。この場合は「高くジャンプしたい」という言葉こそが「定性的」な言葉となります。別の言葉で考えた場合、「業績向上」を言い換えれば、「売上を伸ばす」や「集客効果を高める」といった少しだけ具体性をだします。

このような言い換えが定性的の特徴で、具体性を方向性や方針として表すような表現が定性的な言葉の特徴といえます。数字として表すことが定量的であり、向きとして表すのが定性的の本質といえるのです。

定量的の類語・対義語・英語表現

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続いては、定量的という言葉の類語や対義語、英語での表現方法についてご紹介します。定量的という言葉をどのような形で英語で表現するのか。またその使い方はどのような使い方ができるのかなど、意味の違いや類語、対義語のさまざまな例をご紹介します。

類語

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類語というのは、対象となる言葉と意味が類似する言葉や、きわめて近しい意味を持つ言葉など、かぎりなく同じ意味の言葉も含めて、総じて類語として呼ばれます。近しい言葉なのでまったく同じ意味ではない場合も類語にふくまれます。

定量的という言葉の類語としてどのような類似性を指して「類語」と呼ぶのかも含めて、それぞれの意味うや使い方を知り、定量的や定性的との違いについて知りましょう。

定量的の類語「量的」の意味・使い方

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定量的の類語「量的(りょうてき)」の意味は、「量という方向性から物事をみること」という言葉になります。定量的との意味の違いは定量的がものごとを量というはかりで推し量ろうとするのに対して、量的は視点が量からはじまる点です。

すでに存在している量を基準としている量的と、ほかに明確な基準がある定量的とはそうした意味の違いがあります。使い方としては「量的に比較すべき」「量的には不足をかんじられない」などのような使い方となります。

定量的の類語「客観的」の意味・使い方

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定量的の類語「客観的(きゃっかんてき)」の意味は、「主観ではなく、別の視点からものごとを捉えるさま」「誰が見ても公平な立場から物事を考えるようす」という意味をもちます。正確性を確かなものにするために余計な情報を排除するという意味もあります。

定量的との違いは、客観的があくまでも視点や立ち位置に終始した言葉であるのに対し、定量的はそれを明確な数として捉える事としている点です。どちらも公平な見方、評価を得ようとした概念と言えます。

客観的の基本的な使い方は、「どのような問題も客観的に見ればおのずと違和感がみえてくる」「客観的でなければ公平な判断はくだせない」のような、立場を意識させる使い方となります。

定量的の類語「具体的」の意味・使い方

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定量的の類語「具体的(ぐたいてき)」の意味は「見ただけで理解できる姿や形を整えている様子」「見たり聞いたりした分だけはっきりと理解が及ぶような内容」のような意味をもった言葉です。分かりにくい物をかみ砕いて分かりやすくする、といった意味もあります。

定量的との違いは、定量的が量を明確化していることに特化しているのに対し、具体的は量や数もふくめて文面や絵的にも明示性を持たせた言葉である点です。定量的にくらべてもっと総括的な括りの言葉と言えます。

使い方としては、「それではどうにも分かりにくいから、もっと具体的に出してくれ」「具体的な目標を定量的にだしていこうか」のような使い方ができます。

対義語

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対義語(たいぎご)とは、対象となる言葉とまったく反対の意味をもつ言葉、もしくはかぎりなく逆の意味のニュアンスをもっている言葉のことを、総合して「対義語」として定義しています。

定量的という言葉の意味に対して全く反対の意味、もしくは限りなく反対の意味をもつ言葉とは、一体どのような言葉なのでしょうか。

定量的の対義語「定性的」の意味・使い方

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定量的の対義語「定性的」です。すでになんども出ていましたが、じつは定性的は、定量的の対義語関係にある言葉なのです。定量的が数量を明確な基準として用いて物事を推し量る概念であるとするならば、物事の性質を抽象的な支柱として推し量る概念だからです。

どちらも「推し量る」点では同じなのですが、方向性という意味では全く違う向きで物事を推し量っているため、対義語関係にある、と言えます。定性的の主な使い方として「それは定性的ではないとわかりにくい」「今後の社の方針を定性的に述べてください」のように使います。

定量的の対義語「質的」の意味・使い方

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定量的の対義語「質的(しつてき)」ですが、意味は「質にかかわること」もしくは「質を主観とした判断をおこなう考え方」となります。どちらかというと「量的」の対義語として適用されることの多い言葉ですが、定量的の「量」への対義語として定義しています。

使い方としては、「その件は質的にも改め直す必要があるように感じられる」「これからは社の方針おいて製品の質的な意味での向上も必須である」というような使い方となります。具体的にどう、という言葉ではない所がポイントです。

定量的の対義語「抽象的」の意味・使い方

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定量的の対義語「抽象的(ちゅうしょうてき)」の意味は、「いっていの法則性において共通点を見出して一般化し捉えるさま」「曖昧でわかりにくい印象」などの意味があります。定量的との位置関係としては、明確性においては反対位置にありますが、水準を求めるという意味では同方向にあります。

使い方として、「その説明ではあまりにも抽象的にすぎる」「なんでも明確にしなければならないという理由はない、むしろ抽象的な方が良い事だってあるさ」のような使い方が挙げられます。言い換えれば「あいまい」という言葉の使い方と酷似しています。

定量的と定性的の英語表記

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定量的を英語で表記した場合は、「quantitative(クアンティタティブ)」として言い換えられます。この英語は単語として完全に意味疎通が合致しています。つまり、日本語の意味と英語の定量的の意味とが完全にマッチしてあるという事です。

こうした、外国との言葉間において定義がしっかりとしている英語や日本語は、えてして数学的な分野から誕生した言葉に多い傾向にあります。余計な概念が入り込む余地をよしとしない風潮がとてもよく表されている英語表記と言えます。

定性的の英語表記

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ひるがえって定量的の対義語である定性的を英語表記した場合はどのようになるのでしょうか?定量的と同じように、定性的の英語での表記もしっかりと定められています。英語で定性的を表記した場合は、「qualitative(クァリィテイティヴ)」と表記します。

定量的の使い方

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続いては、定量的という言葉の文面や言い回しとしての使い方について、例文を交えながらご紹介します。ビジネス用語にありがちな定量的との組み合わせの言葉や、定量的としての概念を踏襲したビジネスシーンにおける考え方なども例文として紹介します。

また、定量的の対義語である定性的の使いどころに関しても例文の中で、定量的と同じようにブジネスの観点からも考慮できるような例文をあわせてご紹介します。考え方も含めて、どのような使い方があるのかをご覧ください。

例文①

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「正しい評価をしっかりと与えることが、ビジネスにおいてはとても重要な事に繋がる。これはなにもわが社のスタッフにだけ当てはまる話ではない。たとえば商品には価格という定量的な目安が与えられているように、取り巻くすべての環境にはいずれかの定量性が見られる」

ビジネスの世界において数字は答えであり成果です。そして結果をあらわす確かなものとなっています。そうした数値化された評価として定量的として表現した例文です。さらには、定量性という数値化への親和性を言及した言葉でも表現しています。

例文②

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「たしかに、定量的な判断基準をもつことで会社の現状やこれからの課題がみえてくることはままあるし、それは十分に効果のあるデータとして活用できるだろう。しかし、それだけでは未来を与えることは難しい。そうしたことは定性的であるべきなんだ」

ビジネスシーンにおける定量的な考え方というものを肯定しながらも、それだけでは会社の成長に繋がらない、という意味で定量的をもちいた例文です。そこに加えて、定性的な考え方を取り込んだツインタワーによる軸をつくることこそ大事だと、定性的を相対する足りないものとして挙げています。

例文③

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「定量的な判断を円滑に進めるためには、定量的リスク分析を導入すべきだ。そうすることであらゆる業務に潜むリスクの可視化をおこなうとともに、その危険度合いを数値化して見ることも出来るようになる。このプロジェクトをすすめるなら絶対にやっておくべきだ」

定量的のビジネス用語を用いた例文です。定量的リスク分析というのは、例文にもあったようにリスクの優先順位や危険度などの可視化を行う分析手法です。

例文④

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「とにかく、プロジェクトの進捗を確実に管理しながら進めるためにも、定量的プロジェクト管理ツールを使ってしっかりと把握していくべきです。いくつかのツールをピックアップしておきましたので、最適だと思えるツールもしくは使いやすい物をお選びください。」

定量的のビジネス用語を用いた例文です。定量的プロジェクト管理ツールというのは、プロジェクトの進行状況などを、さまざまなデータをもとにして定量的に管理するためのツールのことです。

定量的の注意点

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定量的という言葉を使う上で注意したいことにはどのような事が挙げられるのでしょうか?定量的という言葉は基準を設けて数値化するという意味ですから、数値化しにくいことには使うことができません。

加えて、進捗確認などのなかで数値化すべきではないことを数値化することで、逆に混乱を招いてしまうこともあります。定量的な考え方そのものにも注意を払いたいものです。

定量的と定性的

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定性的は定量的とは違い、曖昧な基準をもとに方向性を決めることに適した考え方です。言葉は難しいですが、さきほどの「数値化するにも基準となる数値が正しいのかどうかも分からないこと」をうまく表現することに適しています。

個々の人々がもつ現状を包括的にスタート地点として設定して、そのままゴールの方向性を定めて足並みを揃える様な考え方が、「定性的な考え方」という点がポイントと言えます。

定性的の意味

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定性的というのはすなわち、おおまかな向きについて論じる事に適した考え方のことを意味します。定量的のような明確にしてハッキリとした数値化のようなものではなく、「こっちのほう」であるとか「あっちのほう」という意味を指しているのです。

定量的は物事の数値化という意味

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ビジネス用語としても一般化しつつある「定量的」には、「あらゆる事柄を可能な限り数値化して、明確な基準を設けてひとつのデータとしての価値を与える」ことを意味します。逆に言えば、その基準の設定に誤りがあればそのデータには何の意味もありません。

より確かな定量的な観測や分析には、客観性やともすれば定性的な考え方を織り込む必要もあるということを覚えておくべきでしょう。

五所川原銭男
ライター

五所川原銭男

ガジェット系を好む。雑食。暴食。時折暴走する。知る人ぞ知る某国産プロジェクトの中の人。

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