「委細承知」の意味とは?
「委細承知」という言葉について詳しくご紹介していきましょう。今回は、「委細承知」の意味や類語について使い方を例文をご紹介していきながら解説していきます。「委細承知」の英語表現についてもご説明していくのでチェックしていきましょう。
それでは、「委細承知」の意味から確認していきましょう。ビジネスシーンでも使われる「委細承知」の意味や使い方はしっかりと把握しておかないと恥ずかしい思いをすることにもなりかねません。最後までしっかりと読んで確認して下さい。
意味「詳しい事情も含めて全部分かっている」
「委細承知」の読み方は「いさいしょうち」という読み方をします。「委細承知」の意味には「詳しい事情も含めて全部分かっている」「全て承知している」という意味の表現になります。
「委細承知」の「委細」の意味は「詳細」と同じ意味の言葉になります。「承知」は「知っていること」「理解していること」という意味があり2つの意味が合わさって「委細承知」となりました。
「委細承知」の類語
それでは、「委細承知」の対義語と類語についてご紹介していきましょう。「委細承知」の対義語や類語を理解しておけば、「委細承知」への理解をより深くしてくれることとなります。「委細承知」の対義語と類語のそれぞれの意味と使い方についてもご説明していくのでチェックしてみて下さい。
「委細承知」の類語
逆に「委細承知」の類語にはどんな表現があるのかご紹介していきます。そもそも類語とは「語形は異なっているが、意味の似かよっている二つ以上の語」という表現になります。「委細承知」の類語を理解しておけば言い換え表現として使うこともできるので、非常に便利です。
特に「委細承知」は大変固い印象の表現でもあるので、「委細承知」の類語を知り、使い分けていきましょう。「委細承知」ではあまりにも大げさすぎる場合は「承知しました」という使い方がおすすめです。「承知しました」の「承知」についても詳しく解説していきます。
類語「百も承知」の意味と使い方
「委細承知」の類語として「百も承知」があります。「委細承知」の類語「百も承知」の読み方は「ひゃくもしょうち」という読み方をして意味は「言われなくても分かっていること」という意味で使う表現です。
「委細承知」の類語「百も承知」の使い方として「エベレストは大変危険な山ということは百も承知です」「食べすぎはいけないということは百も承知ですよ。しかし、これを食べないと眠れません」「歯磨きをすることは大切と百も承知です」という使い方になります。
「委細承知」の類語「百も承知」と似た表現として「百も承知、二百も合点」という言葉があります。読み方は「ひゃくもしょうち、にひゃくもがてん」という読み方の表現になり意味は「言われるまでもなく、十分分かっているから大丈夫」という意味です。
「承知」の意味で使われている表現で「百も承知」という言い方をする場合や「二百も合点」を続けることで意味を強める効果がある言葉でもあるのです。
類語「既知」の意味と使い方
「委細承知」の類語として「既知」があります。「委細承知」の類語「既知」の読み方は「きち」という読み方で「既知の事実」「既知の知識」という使い方をする言葉です。「既知」の意味には「すでに知られていること」「すでに知っていること」という意味があります。
「それよりも前の時点で知られていること」「それよりも前の時点で知っていること」という意味となるのです。「既知」は「既」と「知」のそれぞれに分けて理解する必要があるでしょう。「既知」の「既」には「すでに」という意味があり「知」には「知る」という意味があります。
「既」が「知」を修飾することになっているのが熟語になります。「既知」の使い方として「今日のメンバーは全て既知の間柄です」「その問題は、数学では既知の問題である」という使い方になります。
類語「承知の上」の意味と使い方
「委細承知」の類語として「承知の上」があります。「委細承知」の類語「承知の上」の意味には「事情を把握しつつも敢えて行う」という意味があります。ビジネスの場面では頼みにくい内容や依頼であったり、多忙な相手へのお願いの場合に使われる使い方になります。
もしも目上の方に「承知の上」を使うのであれば「ご迷惑を承知の上でお願いに参りました」「お忙しいのは承知の上ですが、何卒ご理解下さいますようお願い申し上げます」「勝手なお願いと承知の上ですが、是非○○様にご依頼できませんか?」という使い方ができます。
「承知の上」を使うことで、謙虚な低姿勢の様子を表すことができます。上司や目上の方に何かお願いする場合にも使うことができる表現です。「承知の上」を使った場合は、「恐縮ですが」という意味合いも含まれているので、ビジネスではよく使う言葉でもあります。
「承知」を使った他の表現もご紹介しておきましょう。そもそも「承知」とは「知っていること」「分かっていること」「依頼や申し出を聞き入れること」という意味があります。
「承知」の「承」の意味には「前のものを受け継ぐ」「相手の意向を受け入れる」という意味があり、「承知」には相手に敬意を払う丁寧な敬語表現として使うことができます。ビジネスシーンで「承知」はよく使われる言葉でもあります。
例えば、依頼を受けた時に話しの内容を理解した場合の返事として使う場合は「承知しました」という表現を使います。また、話や事情を既に知っている場合や分かっている場合にに「承知しております」「承知の上で」という使い方もできます。
さらに「相手の事情を理解して許す意味」としての使い方として「次は承知しないぞ」という「承知」を打ち消すことで使われる表現もあるのです。このように「承知」はビジネスの場面でよく使われる言葉でもあるので、しっかりと理解しておきましょう。
類語「十分に把握している」の意味と使い方
「委細承知」の類語として「十分に把握している」という表現があります。「委細承知」の類語「十分に把握している」の意味には「きちんと理解している」「よく分かっている」「自覚している」という意味の表現になります。
「十分に」の意味には「満ち足りて不足のないさま」「充実して完全であるさま」という意味があります。そして「把握」の意味には「しっかりと理解すること」という意味があります。この「十分に理解している」を使う場合、メールでの使い方は不十分な表現になってしまうので注意しましょう。
使うのであれば、確認メールに対してきちんと把握できていることを伝える場合に使うようにして下さい。何も聞かなくても動けるくらいの理解度が必要になってくるので、指示を仰ぐようではこの表現は使えません。
「委細承知」の使い方・例文
「委細承知」の意味には「詳しい事情も含めて全部分かっていること」という意味があります。この「委細承知」の正しい使い方を例文でご紹介していきましょう。例文でご説明していくのでとても分かりやすくなっています。それでは、「委細承知」の使い方例文①からご紹介していきましょう。
例文①
「委細承知」の使い方例文①として「委細承知致しました」という使い方があります。「委細承知致しました」は、ビジネスでもよく使う使い方になります。例えば、ビジネスでメールで会議の日程についての連絡が来たとしましょう。
相手に返事をするときに「委細承知致しました」と返事することで「あなたの話をしっかりと理解しました」という意味を表すことができるのです。この使い方は堅苦しい印象もあるので、ビジネス相手によって考えて使い分ける必要があります。
例文②
「委細承知」の使い方例文②として「委細承知仕りました」があります。「仕りました」の読み方は「つかまつりました」という読み方をします。時代劇でよく使われる言葉でもありますが、とても堅苦しく古い言い方になります。
目上の方に対して「分かりました」という表現を使いたい場合に「委細承知仕りました」という使い方になります。これは「了承いたしました」「承知いたしました」という風に言い換えることもできます。
例文③
「委細承知」の使い方例文③として「委細承知之助」があります。「委細承知之助」は江戸で使われていた言葉でした。誰かに指示を出す場合に「委細承知之助!」ということで相手を呼ぶ言葉として使われていたと考えられます。
この言葉で特に細かい指示を出さなくても働ける場合に使われていて、この言葉を使われる人は実際に仕事がよくできる人と考えられています。
例文④
「委細承知」の使い方例文④として「委細承知しております」があります。非常に堅苦しい表現でもあります。もし、ビジネスで上司や取引先の方に使う場合は言い換えた方がいい場合があるのです。新たに指示を出さなくても大丈夫という意味合いで使われる使い方になります。
「委細承知」の「委細」と「仔細」の違い
「委細承知」の「委細」の意味と似たような言葉として「仔細」があります。この「委細」と「仔細」の意味の違いについてご説明していきましょう。2つの意味は大変よく似た意味があるのですが、はっきりとした違いはあります。「委細」と「仔細」の違いについて解説していきましょう。
「仔細」は「委細の部分部分の具体的な描写」という意味
「委細」の意味には「結論や概要だけではなく、必要なことを詳しく伝える場合」に使う意味があります。例えば「田中さんと山田君が喧嘩をした」は概要になります。
「委細」の場合は「いつ、どこで、どんな理由で」ということが分かるように全体像が分かるように内容を詳しく伝えることをいいます。「仔細」の意味には「この内容をより詳しく具体的に述べる」という意味があるのです。
よって、「委細」の意味は「全体像が分かる程度に詳しい事情」という意味で「仔細」の意味には「委細の部分部分の具体的な描写」という意味と理解しておきましょう。
「委細承知」を使う際の注意点
「委細承知」を使う場合は、詳細を理解しているという場合に使う表現になります。指示をされなくても大丈夫という場合に使う言葉になるので、しっかりと理解している必要があります。ですので、「委細承知」を使う場合は、かなり詳しく理解しておく必要があるのです。
「指示を仰ぐくらいの理解」では使えない
「委細承知」を使う場合は、かなり具体的に理解しておく必要があるのです。ですから、早速指示を仰ぐくらいの理解では恥ずかしい表現になっているので「委細承知」を使う場合は、しっかり理解してから使うようにしましょう。
安易に「委細承知」を使っては恥ずかしい思いをすることになるのでご注意下さい。十分理解しており、動けるくらいの理解度を求められる言葉になるのです。
「委細承知」の由来・歴史
「委細承知」の由来や歴史について解説していきます。「委細承知」の由来や歴史はどんなものがあるのでしょうか。言葉の由来や歴史を知ることはその言葉をより深く理解するために必要なことでもあります。それでは、「委細承知」の由来と歴史についてご説明していきましょう。
由来
「委細承知」の由来を知るに当たって2つに分ける必要があります。「委細承知」の「委細」と「承知」のそれぞれに分けて考えていきましょう。「委細承知」の「委細」に意味には「詳しい事情や内容」という意味があります。
そして、「委細承知」の「承知」の意味には「知っていること」「理解していること」という意味があります。この2つが組み合わさって「委細承知」になってのです。
「委細承知」の英語表記
「委細承知」の英語表現についてご紹介していきます。「委細承知」の英語表現は「total situation fully understood」「understood perfectly」「agreed」という英語表現になります。
「委細承知致しました」を軽い雰囲気で伝えるのであれば「Very well, sir.」となります。また、「I understand perfectly.」という使い方もできます。
「委細承知」は「詳しい事情も含めて全部分かっている」という意味
「委細承知」の意味や使い方についてご紹介してきました。「委細承知」の意味には「詳しい事情も含めて全部分かっている」という意味があり、とても固い表現でもあります。
「委細承知」を使う場合は、全て分かっている状態で使う必要があるので、「委細承知」と言っておいて「これはどうなっていましたっけ?」と質問するのでは、恥ずかしいことです。全て理解して動けることを相手に伝える場面で使うので、しっかりと把握できていることが求められます。
ビジネスで「委細承知」を使う場合は「委細承知致しました」「委細承知仕ります」という使い方になります。場面に応じて「承知しました」「了解いたしました」というような表現に言い換えることも覚えておきましょう。