ディアウォールとラブリコって何が違うの?
賃貸住宅では壁や床に穴を開けるのは避けた方がいいですが、それでもDIYしたいという人は多いでしょう。そのような時に臨時の柱作りに役立つのがディアウォールとラブリコですが、どこがどう違うのか詳しく解説しましょう。
ディアウォール・ラブリコとは
ディアウォールとラブリコの特徴の違いを比較する前に、まずはディアウォールやラブリコがどういうものかを解説しましょう。賃貸住宅でのDIY経験がある人ならご存じの場合もあるでしょうが、そうでない人のためにわかりやすくまとめてみます。
簡単に収納スペースが作れるディアウォール
ディアウォールは、DIYでよく使われる2×4材や1×4材や2×6材にかぶせて、床と天井の間に突っ張らせてにわか柱を作るためのグッズです。その使用においては壁や床、天井に穴を開けたり傷つけたりすることはなく、どこも傷めずに柱を作れます。
そのため、一般家庭はもちろん賃貸住宅でのDIYでは活躍します。壁面収納や飾り棚の設置ではこのディアウォールがとても役立つので、利用する人が多くなっています。
ディアウォールの特徴
ディアウォールの取り付けには工具も脚立も要りません。簡単に施工ができるので、だれでも利用しやすいです。柱を突っ張らせる仕組みですが、上パッドに内蔵されたバネが原動力になります。パッドの底には滑り止めシートが付いていて、床も天井も傷まず滑ることもありません。
形は丸みを帯びてかわいらしいものと直線的でスマートなものがあります。カラーバリエーションはホワイト、ライトブラウン、ダークブラウン、ブラックの4色です。いずれの形も色もかなりおしゃれなので、お部屋のインテリアにぴったり合いそうです。
誰でも簡単にDIYを楽しめるラブリコ
ディアウォールは若井産業株式会社というメーカーが発売しているグッズですが、ラブリコは平安伸銅工業株式会社のものです。メーカー名以外の特徴の違いについては後程詳述しますが、メーカー名が違っても特徴は似ています。
ラブリコも簡単には柱ができるグッズで、DIYを自由に楽しめます。ラブリコの場合は、2×4材のほか、1×4材、1×6材でも使用ができます。
ラブリコの特徴
ラブリコにはいろいろな種類があり、さまざまな用途に使えますが、壁面収納や棚作りに役立つのはディアウォールと同じです。DIYで扱いやすい点も似ています。ただ、デザインがよりおしゃれな感じで、その点の評価は高いです。
ディアウォール・ラブリコの違いを比較①デザイン
写真も示したので、ディアウォールとラブリコがどんなものかは大体おわかりになったでしょうが、両方ともよく似ているので違いがつかみにくいという人も多いでしょう。そこでここからはそれぞれの特徴の違いを比較してみます。まずはデザインの違いからです。
ディアウォールのデザインの特徴
ディウォールにはレギュラータイプとシンプルタイプがあります。レギュラータイプのデザインの特徴は丸みがあり、優しい感じがします。柱を作った時もそのデザインがかわいらしく、満足する人も出てくるでしょう。
一方、シンプルタイプは丸みがなく、直線的です。かわいらしい感じはありませんが、スマートで格好がいいので、すっきりと壁面に収まります。なお、ディアウォールにはこのほか棚受けや中間ジョイントがありますが、棚受けは丸みを帯びたデザインのものだけです。
ラブリコのデザインの特徴
ラブリコの商品デザインの特徴をディアウォールと比較してみましょう。ラブリコと一口に言ってもいろいろな種類がありますが、もっとも代表的な商品である「2×4アジャスター」や「突ぱりキャップ強力」は、四角いデザインで、柱とぴったり合うようになっています。
構造は違いますが、ラブリコの「2×4アジャスター」や「突ぱりキャップ強力」のデザインはディアウォールのシンプルタイプに似ています。棚受けについては、ラブリコの場合、「2×4棚受シングル」と「ダブル」という商品がありますが、いずれもすっきりとした形になっています。
ディアウォール・ラブリコの違いを比較②カラー
ディアウォールとラブリコのデザインの違いに続いて、カラーの違いを比較してみましょう。それぞれ作っているメーカーが違うので、カラーバリエーションも独自の展開になっていますが、どのような色の種類があるのか見てみましょう。
ディアウォールのカラーバリエーション
ディアウォールのカラーバリエーションは、ホワイト、ライトブラウン、ダークブラウン、ブラックの4色です。やや暗い色もありますが、光沢があるのでそれほど陰気な感じはしません。むしろ落ち着いた感じの色で、部屋のインテリアにもうまくマッチします。
ディアウォールはレギュラータイプもシンプルタイプも棚受けも中間ジョイントもすべて同じカラーバリエーションです。どのような場所に使うにせよ、どの色もそれなりに魅力がありますが、好みやインテリアとのバランスを考えて選ぶといいでしょう。
ラブリコのカラーバリエーション
ラブリコの場合、「2×4アジャスター」のカラーバリエーションは、オフホワイト、ブロンズ、ヴィンテージグリーンの3色展開となっています。ディアウォールのカラーの特徴と比較してみると、少しおしゃれな感じです。
一方、「突ぱりキャップ強力」の場合は、オフホワイトとブロンズの2色展開です。「2×4棚受」のカラーは「2×4アジャスター」と同じですが、使用する場合同じ色にしてもいいし、部分ごとに色の違いを際立たせてもおしゃれになるし、いろいろな楽しみ方ができます。
ディアウォール・ラブリコの違いを比較③種類
ディアウォールとラブリコとの特徴の違いをいろいろ比較していきますが、それぞれの商品は一種類だけではありません。いろいろな種類があり、それぞれ用途や使い方が異なっています。そこで今度はディアウォールとラブリコの種類を比較してみましょう。
ディアウォールの種類
まずはディアウォールの種類から見てみましょう。ディアウォールには通常のレギュラータイプとシンプルタイプ、棚受け、中間ジョイントがあります。それぞれ使い道が異なっていますが、どのような特徴がある商品なのかチェックしてみましょう。
上下パット
ディアウォールのレギュラータイプとシンプルタイプには上下パッドが入っています。上のパッドにはバネが内蔵され、それと下パッドで柱を支えます。使い方は、まず柱にする木材を天井の高さから45mm短くカットします。
その木材の両端に上パッドと下パッドをかぶせ、上パッドを天井に押し付けるようにし、下パッドをそれに合わせるように移動します。あとは柱を垂直に立てて完成です。工具も脚立も要らず、だれでも簡単に組み立てられるのがメリットです。
棚受け
通常タイプのディアウォールのほかに棚受けも販売されています。柱を取り付けた後に簡単に棚を備えられるグッズです。1×4材、2×4材、1×6材、2×6材対応です。その使い方ですが、まず支柱面と書かれている側を支柱側になるように2本のねじで留めます。
次に棚板を棚受けに乗せて、やはり2本のねじで留めて、完成です。これで棚板がしっかり固定されますが、ねじは棚受けと同じ色になっているので、目立たないようになっています。したがって、見た目も非常にいいです。
中間ジョイント
短い木材の連結に役立つ中間ジョイントもディアウォールの中にあります。ディアウォールの中間ジョイントは、2×4材、2×6材用です。使い方ですが、連結する木材を用意します。ただし、連結後の長さが天井より45mm短くなるようにしておきます。
次に2本の木材を連結させる部分に中間ジョイントをかぶせます。そして、表面を付属のねじで留めます。今度は裏側にしてもう一つの中間ジョイントをかぶせ、またねじ留めします。最後に側面もねじで留めて、連結の完成です。
ラブリコの種類
ラブリコの種類はディアウォールと比較してとても多いです。ラブリコの公式サイトを見てみればわかるでしょうが、いろいろな種類が載っています。そのすべてをこの記事で紹介することはできないので、代表的なものを取り上げてみましょう。
上下アジャスター
ラブリコの上下アジャスターは、2×4材、1×4材に対応しています。また、2×4材用の「突ぱりキャップ強力」という商品もあり、かなりの安全性が保障されていますが、ここでは「2×4アジャスター」の取り付け方法を見ておきましょう。
まず天井の高さより95mm短く木材をカットします。ディアウォールと比較すると、短めになります。次にカットした木材にアジャスターをはめます。そして、木材を垂直に立て、ジャッキを回して調節し、柱を突っ張らせて完成です。
棚受け
ラブリコの棚受けは5種類あります。「2×4棚受シングル」「2×4棚受ダブル」「1×4棚受」「1×6棚受」「1×8棚受」です。そのほかにもSTAPLER FIXタイプがありますが、ここでは「2×4棚受シングル」に焦点を絞ってみましょう。
「2×4棚受シングル」の取り付け方法ですが、まず棚板の裏に棚受けを取り付けます。その際、棚板の端と棚受けの位置をぴたりと合わせます。反対側にも取り付け、支柱をそれぞれに通します。そして、棚板の高さを決めて、支柱に印を付けます。
その印の位置にねじ留めし、支柱にアジャスターをはめます、後はアジャスターの取り付け方法をそのまま行えば、完成です。
中間ジョイント
ラブリコの「2×4ジョイント」を使えば、長すぎる木材を半分にして運んで、それを後でくっつけることができるし、余った木材同士の接合もできます。ねじを留める側は内側になるので、外に見ませんからスッキリしています。高さも36mmで、コンパクトサイズで目立ちません。
「2×4ジョイント」の使い方ですが、まず木材を2本用意し、1本を使用したいサイズより26mm短くカットします。26mmというのはジョイントの長さ分に当たります。次に2本の木材それぞれにジョイントを4本のねじで留めます。
そして、ジョイントをかみ合わせます。ぴったり接合されれば完成です。なお、木材にアジャスターを取り付けて垂直に立てる場合は、「2×4アジャスター」と「2×4ジョイント」の合計の長さである121mmを差し引いた分を木材の長さとして、突っ張らせます。
ディアウォール・ラブリコの違いを比較④その他
ディアウォールとラブリコの主な特徴の違いを比較してみましたが、もう少し付け加えることがあるので、見てみましょう。それは取り付けやすさと丈夫さの問題です。それぞれの取り付け方法は紹介しましたが、どちらが取り付けやすいでしょうか。
ディアウォールとラブリコの取り付けやすさ
ディアウォールの取り付けには工具も脚立も踏み台も不要ですが、ラブリコの場合、ジャッキの調整が必要なので、脚立か踏み台がないとできません。その点少しだけラブリコの方が取り付けにくいかもしれません。
ディアウォールとラブリコの頑丈さ
ディアウォールはばねの力で柱を突っ張らせるようになっています。それに対して、ラブリコの方はばねにジャッキが付いています。このジャッキがあるかないかの差で、微妙に頑丈さが違いますが、ラブリコの方がしっかり柱を固定できます。
ディアウォール・ラブリコのメリットとデメリット
ディアウォールとラブリコのメリット・デメリットをチェックしてみましょう。そのメリット・デメリットを見ることで、どちらの商品をどのように使えばいいかも見えてくるでしょうから、よくメリット・デメリットを確認してみましょう。
ディアウォールのメリット
まずはディアウォールのメリットからです。ディアウォールにはディアウォールなりのメリットがあり、こちらの商品を使うことでDIYがしやすくなることがあります。そのメリットはどういうものか見てみましょう。
設置が簡単で作業が楽
ディアウォールの最大のメリットの一つが設置がしやすいことです。ばね式になっているので、床と天井にはめ込むようにするだけで取り付け可能です。工具も脚立も不要で誰でもできます。この点が気に入る人もいます。
取扱い店舗が多い
ディアウォールは最近の人気商品で、これを使ってDIYしようという人は多く、需要が非常に高いです。それだけに取扱店舗が多めで、入手のしやすい商品となっています。この辺もディアウォールのメリットと言えるでしょう。
ディアウォールのデメリット
ディアウォールにはいくつものメリットがありますが、メリットの裏にはデメリットもあります。商品を購入して使う場合は、そのデメリットについても頭に入れておく必要がありますが、どんなデメリットがあるのか見てみましょう。
細かい調整がしにくい
ディアウォールはラブリコと違い、ジャッキが付いていません。ジャッキがある方が微調整ができるのですが、それがないディアウォールは細かい調節ができません。簡単に取り付けられるのはメリットですが、微調整ができないのはデメリットです。
強度が弱くなりやすい
ばねとジャッキの両方で柱を固定させるラブリコは強度がかなりありますが。ディアウォールの場合はばねしか付いていないので、強度がやや弱いです。この点はラブリコの方が上のようで、ディアウォールのデメリットであり、弱点でもあります。
棚受けがスマートではない
ディアウォールの棚受けは丸みのあるデザインでかわいらしいのですが、スマートさに欠けるという面もあります。また棚受けに限らずどの商品のパーツも大きめのデザインとなっていて、目立ちやすいのももう少し改善してほしい点で、この点もデメリットの一つと言えるでしょう。
ラブリコのメリット
ディアウォールのメリット・デメリットに続いて、ラブリコのメリット・デメリットもチェックしてみましょう。まずはメリットからですが、ラブリコにはディアウォールにはないメリットがあります。どのよう点なのか覗いてみましょう。
細かい調整がしやすい
ラブリコにはジャッキが付いているので、そのジャッキを回すことで高さの微調整ができます。これはディアウォールにはないメリットで、実際に使う場合はこの微調整が非常に役立ちます。なかなか木材をぴったりのサイズにカットするのは難しく、微調整が必要になる場合も多いです。
棚の強度が強め
ラブリコはジャッキで微調整ができるので、天井と床の間に柱をぴったり固定できます。高さが合わないということはあまりなく、その強度はとても強くなります。柱に棚を付ける場合でも、この支柱の丈夫さはとても頼りになります。
デザインがスッキリしている
ラブリコは、ねじをはじめでっぱり部分がほとんどありません。全体にすっきりした印象でとてもスマートです。この辺もラブリコに人気がある理由で、部屋のインテリアとの相性でもうまく決まります。このデザインのためにラブリコを購入するという人も多いです。
ラブリコのデメリット
ラブリコにはメリットが多いようにも思えますが、デメリットがないわけではありません。デメリットがない商品など存在しませんが、ラブリコのどこにデメリットがあるのかチェックしてみましょう。そのうえで、購入するかどうか決めてください。
高い天井では脚立が必要
ディアウォールの場合、天井と床にはめ込むだけなので脚立は要りません。しかし、ラブリコの場合は、上のアジャスターのジャッキを回すという作業があるので、高い天井に設置する場合は脚立が必要です。余計な作業と道具があるのがデメリットと言えばデメリットです。
棚受けの設置に少し手間がかかる
ディアウォールの棚受けの設置は比較的簡単ですが、ラブリコの場合、木材を棚受けに通し、それから位置を決めて印を付け、その位置に棚板を設置するという手はずになります。少し面倒と言えば面倒な点で、これもデメリットと言えるかもしれません。
ディアウォールとラブリコの違いを知ってDIYで活用しよう!
ここまで、ディアウォールとラブリコの特徴の違いを比較し、それぞれのメリットとデメリットを見てみました。ディアウォールとラブリコは似たような商品ですが、その仕組みなどには微妙な違いがあります。その違いをよく知って、上手にそれぞれの商品をDIYで活用しましょう。