「ベテラン」の意味とは?
「ベテラン」の意味とは、「何かの分野で多くの経験を持っていること」です。例えば長年勤めたベテラン職人が退職されたとします。仕事の壁にぶつかったときベテラン職人がいたら、アドバイスをいただけて自身の成長に繋がるのにと考えます。
ベテランは数多くの修羅場もくぐってきています。時には大きな失敗も経験しているでしょう。その失敗を糧にして対応策や多くの改善をしています。ベテランは皆に尊敬され憧れる存在。「自分もいつかそうなりたい」と目指すことがベテランには込められています。
「ベテラン」の対義語・類語
「ベテラン」というのは長きにわたり経験を積んだ、その分野に精通している意味であることが分かりました。そんな「ベテラン」には対義語と類語が存在していることをご存知でしょうか。「ベテラン」の対義語と類語をそれぞれ紹介していきます。
「ベテラン」の対義語
ベテランの対義語はいくつか存在していますが、「若手」や「新米」があげられます。「若手」はその分野をやり始めて日が浅い意味になります。「新米」とは組織や部署に配属されたばかりのひとという意味です。
ベテランは長い時間をかけて積み上げてきた専門家であるのに対し、「若手」や「新米」は右も左も分からない、ひとりではまだ何もできない状態の意味が伝わります。
「ベテラン」の類語
ベテランの類語にあげられるのが「古参」や「熟練者」などになります。「古参」はずっと前からその職に就き長年仕えていることの意味です。「熟練者」はある分野に対して、長きにわたり経験を積んでおり、沢山の知識と能力を有し、卓越した技術を持つ者という意味です。
スペシャリスト
ベテランと同じカタカナ表記で類語をあげるなら「スペシャリスト」になります。「スペシャリスト」はベテランと同様に、知識や技術をもっている意味合いになります。
ベテランとスペシャリストは、専門的な知識や技術を自ら掘り下げていきます。時間をかけてしっかりと蓄積していく点で同じ意味合いです。どのような状況でも経験値を活かし、高い技術力を駆使して突破するのが「スペシャリスト」になります。
「ベテラン」の使い方・例文
「ベテランの意味」や「ベテランの対義語・類語」が分かったところで、実際にどのような使われ方をするのでしょうか。会話の中でつかったり、文章に盛り込むこともある「ベテラン」という言葉。例文を絡ませて「ベテラン」の使い方について学んでいきましょう。
例文①
「ベテラン」を使った1つ目の例文です。「あのひとの仕事ぶりはすでにベテランの域だ。」この場合は、仕事の結果が一流に達しているという意味で使われています。「ベテラン」になるには長い時間を要することが伝わってきます。
例文②
「ベテラン」の使い方2つ目の例文です。「トラブルが発生したときはベテランの経験が活かされる。」強い組織やチームには必ずと言っていいほどベテランがいます。万が一のトラブルの際には、ベテランの経験による見事な回避術で危機を脱することもあります。
例文③
「ベテラン」を使った3つ目の例文です。「あのひとのようなベテランと呼ばれるにはあと何年かかるのだろう。」この場合は、憧れや尊敬を抱いていることが伝わります。あのひとのようになりたい。どうすればなれるのだろうかという心情も読み取れます。
例文④
「ベテラン」を使った4つ目の例文です。「ベテランの選手に教わるのが上達への近道だ。」ベテランは数多くの実績を積んでいます。自分には足りないものを持っているのがベテランです。一歩でも近づくためには自己流ではなく、ベテランに教わることが一番です。
「ベテラン」と「プロ」の違い
ベテランと同じような言葉で「プロ」という言葉があります。しかしながらベテランとプロには決定的な違いがあります。同じような意味合いで捉えてしまいがちな「ベテラン」と「プロ」という言葉。どのように違うのか説明をしていきます。
プロは「何かの職業のトップクラス」という意味
プロにはプロフェッショナルの略で、何かの職業でトップクラスに位置していることを意味します。ある分野について特質した存在であることに関しては、ベテランとプロは似ています。
しかし、ベテランは長きにわたりある分野を経験しているのに対し、プロはある分野の頂点にいるという意味合いになるのです。
「ベテラン」を使う際の注意点
ベテランについての意味や、対義語と類語について分かりました。では実際に言葉にしたり、文章で使用したりするときに、どのような点を注意して使用していけばいいでしょうか。ベテランという言葉を使うときの注意点を説明します。
「プロ」という意味では使えない
ベテランとプロとの違いでも説明をしたように、ベテランとプロを同じ意味合いで使用することには注意が必要です。ベテランにはその分野で要した膨大な時間が含まれています。
その道のプロになるにもある程度の時間は必要ですが、それほど努力をしないで天賦の才能でプロになれてしまう方も存在しているからです。プロはベテランと違い、要した時間の長さは関係していないのです。
そのため、ベテランという言葉を使用する場合には、長きにわたり費やした膨大な時間と、それによって得た経験や知識について円熟味を与えるようにしなければなりません。
「ベテラン」の語源・歴史
言葉には語源や様々な歴史が詰まっています。「ベテラン」の言葉にはどのような語源や歴史があるのでしょうか。「ベテラン」の語源と歴史を知ることによって、実際にこの言葉を使うときより深みが増し、相手の心に響くでしょう。
語源
「ベテラン」の語源は、ラテン語で年老いたの意味を表す「vetus」に由来しています。「vetus」に接尾語の「an」を付けて「veteran」となりました。技術をもつ歴戦の勇士を指します。語源を知ることによって「ベテラン」に込められた意味の深さが伝わります。
歴史
語源を知ることができたあとは、日本で使われる「ベテラン」の歴史を説明していきます。戦後に英語表記「veteran」は退役軍人という意味で使われました。
その後、豊富な経験のある退役軍人から技術をたくさん持っているひとになり、現在の「ベテラン」の意味で使われている、ある分野で多くの経験を持つひとに変化してきました。
「ベテラン」の英語表記
「ベテラン」の英語表記は「veteran」です。現在「veteran」は退役軍人という意味をもっており、英語では日本でつかう「ベテラン」の意味とはニュアンスが全く異なっています。
もし海外で「わたしはこの道のベテランです」と言った英語をつかったら話がかみ合わなくなるかもしれません。日本でつかう意味合いの「ベテラン」を英語表記で表すなら「expert」や「experienced」などの「経験のある」という英単語がマッチします。
英語と日本語では伝わる意味が異なるので、相手との仲がこじれてしまう可能性もあります。英語のベテランの意味を理解し、海外で使用するときには十分注意をしましょう。
expert
日本語で使うベテランの意味に近い英語が、「expert」です。カタカナでは「エキスパート」と読みます。カタカナにすると一度は見たこと、文章で使ったことがあることでしょう。
例えば「私は、心理学においてエキスパートです」や「あのひとはこの道30年のエキスパートです」というような文章になります。
seasoned
もうひとつ日本語のベテランに近い英語表記が「seasoned」になります。カタカナの読み方は「シィーズンドゥ」になります。季節を表す「season」に「ed」が付くだけで熟練したという意味に変化します。
熟練には長い時間を要します。そのため日本でつかうベテランには時間の概念が含まれているので、より近い意味になるのが「seasoned」となります。
「ベテラン」の漢字
「ベテラン」を漢字で表すとしたら、「古参」や「熟練者」になります。「古参」とはずっとその職業や地位にいるひとの意味を表します。「熟練者」はその道の卓越した技術を有するひと、経験が豊富でノウハウを熟知しているひとを表します。
使い方を例に出すと、「歴史が長い重要なイベントなので古参者の意見を尊重しよう」や「AIに学習させるビックデータには熟練者の行動履歴のデータを活用している」というような例文となります。
「ベテラン」は「長きにわたりその分野に携わる」という意味
ベテランは長きにわたりその分野に携わるという意味です。その分野に費やした膨大な時間によって、知識や経験は大きく積みあがっていきます。ベテランという言葉を発したり、文章に組込んでいく場合は、その時間の長さの分だけ厚みが増していることに注意してください。