挨拶や口調・悪口などいろいろなお嬢様言葉を紹介!
お嬢様言葉には、挨拶や口調だけでなく、悪口の表現などいろいろな特徴があります。お嬢様言葉の特徴だけでなく、誕生秘話についても見ていきましょう。
この記事では、お嬢様言葉を「口調」「言葉遣い・会話」「語尾」「挨拶」「悪口」の5項目に分け、合計25の言葉の特徴を詳しく紹介します。上品なお嬢様言葉に興味のある人もない人も、ビジネスシーンで使える表現もある、その魅力について触れてみてはいかがでしょうか。
お嬢様言葉とは
「お嬢様言葉」という表現がありますが、お嬢様言葉には由来と言われる言葉があります。お嬢様言葉は育ちの良いご令嬢などが使う、丁寧で上品なイメージを持っている人も少なくないでしょう。
お嬢様言葉とは実際にはどのような表現に対して使われる言葉なのか、まずは由来について見ていきましょう。
別名「山の手言葉」
お嬢様言葉は、別名「山の手言葉」といわれています。「山の手」とは、江戸時代に「麩町」や「番町」と呼ばれていた、現在の東京都千代田区西部の「麩町」や「番町」地域のことです。
麩町や番町は、大名や旗本などの武家屋敷が並ぶ、位の高い人たちが住む地域でした。この、山の手地方で実際に使われていた方言を「山の手言葉」といいます。位の高い人たちが使っていた山の手言葉を基準とし、明治時代には現在とほぼ変わらないお嬢様言葉が使われていたと考えられています。
日常的な言葉遣いとして全国に浸透しなかった理由は、山の手言葉が丁寧すぎたからといわれています。一般的に使うには丁寧なほど、お嬢様言葉は上品な表現であると言えるでしょう。
また、江戸時代に山の手地域で暮らしていた芸者が使っていた言葉が由来であるとの説もあります。位の高い人との間に赤ちゃんを授かった芸者から子供へと、山の手言葉が受け継がれたとも考えられているようです。
お嬢様言葉の口調の特徴5選
お嬢様言葉の口調は、いろいろな特徴があります。この記事では、お嬢様言葉の口調の特徴として、5種類の項目をピックアップしました。
まずは、お嬢様言葉全般における口調について、どのような特徴があるのかチェックしていきましょう。ここからは、お嬢様言葉の口調の特徴5選について紹介します。
①おしとやか
1番目に紹介するお嬢様言葉の口調の特徴5選は「おしとやか」です。「おしとやか」とは、仕草や話し方などが上品で落ち着きがあることを言う表現です。
お嬢様言葉の口調は、おしとやかという特徴があります。しかし、話し方だけを真似ても、お嬢様のように見えるわけではありません。それは、おしとやかの意味が、話し方だけでなく仕草にも関りがあるからです。
上品で落ち着きがある仕草と話し方が揃うことで、はじめてお嬢様らしく見えるのです。仕草がおおざっぱな人がお嬢様言葉を使ってもお嬢様に見えないのは、行動に上品さや落ち着きが足りてないからと言えるでしょう。
②話し方がゆっくり
2番目に紹介するお嬢様言葉の口調の特徴5選は「話し方がゆっくり」です。お嬢様は時間に追われることなく優雅な生活を送っている傾向があります。自分の生活リズムに合わせてゆったりと時間が流れるため、話すスピードも必然的にゆっくりになるようです。
お嬢様言葉を実際耳にしたことがある人は、早口で話しているイメージは少ないのではないでしょうか。話し方がゆっくりな人は、お嬢様のイメージそのものでしょう。
お嬢様は自分のペースを乱さないので、たとえ周囲に口調が早い人がいても、マイペースにゆっくりと話す特徴があります。
③話すスピードが一定
3番目に紹介するお嬢様言葉の口調の特徴5選は「話すスピードが一定」です。一般的には、会話が弾むと自然と話すスピードが早口になる傾向があります。会話が盛り上がるとテンションが上がり、もっと話をしたいと早口になるのでしょう。
しかし、お嬢様言葉は上品で落ち着きがあることから、いつでも冷静で話すスピードが一定です。常に話すスピードが一定なので、お嬢様言葉を話す人は上品で落ち着きがあるというイメージが強いのかもしれません。
④笑い方も上品
4番目に紹介するお嬢様言葉の口調の特徴5選は「笑い方も上品」です。お嬢様言葉では、笑う時も上品です。大きな声で大きな口を開けて笑うことはありません。
一般的には爆笑する時は手を叩いて面白い・楽しいといった感情を表に出して笑います。しかし、お嬢様は「ふふふ」や「ほほほ」といった控えめな笑い方で、口元に手を当てて上品な仕草が特徴です。笑っている時の口元を隠す仕草も、お嬢様らしく上品であることが特徴です。
⑤声は高め
5番目に紹介するお嬢様言葉の口調の特徴5選は「声は高め」です。お嬢様言葉を話す時は、自然と声が高めになる傾向があります。故意に高い声を出しているのではないので、上品な仕草と相まって、落ち着きがある印象を与えるようです。
お嬢様言葉の言葉遣い・会話の特徴7選
お嬢様言葉の言葉遣い・会話は、いろいろな特徴があります。この記事では、お嬢様言葉の言葉遣い・会話の特徴として、7種類の項目をピックアップしました。
お嬢様言葉全般における特徴的な言葉遣い・会話をチェックしていきましょう。ここからは、お嬢様言葉の言葉遣い・会話の特徴7選について紹介します。
①一つ一つの言葉が丁寧
1番目に紹介するお嬢様言葉の言葉遣い・会話の特徴7選は「一つ一つの言葉が丁寧」です。お嬢様言葉は、一つ一つの言葉を丁寧に話すことで、しっかりと内容を相手に伝えたいという気持ちが伺えます。
お嬢様はわがままで自分勝手、何でも思い通りになると悪いイメージもあるかもしれません。しかし、自分の意見を相手に伝えるために丁寧に話すことは、礼儀があり見習うべき特徴と言えるでしょう。
②汚い言葉は使わない
2番目に紹介するお嬢様言葉の言葉遣い・会話の特徴7選は「汚い言葉は使わない」です。言葉には魂が宿っていると言われており、使った言葉は自分に返ってくると考えられています。マイナスな言葉を使うと自分にもマイナスな出来事が襲いかかります。
お嬢様は、汚いものや汚いことなど「汚い」に関するすべてのことに対して苦手意識が高いです。お嬢様言葉で汚い言葉を使わないのは、自分も汚い人間になってしまうと考えているからでしょう。
③否定・肯定をオブラートに包む
3番目に紹介するお嬢様言葉の言葉遣い・会話の特徴7選は「否定・肯定をオブラートに包む」です。お嬢様言葉は常に上品な印象であるため、否定・肯定はストレートに表現しません。オブラートに包む表現をすることで、お嬢様言葉は丁寧な印象になるのでしょう。
④「お」を付ける
4番目に紹介するお嬢様言葉の言葉遣い・会話の特徴7選は「『お』を付ける」です。お嬢様言葉は、名詞や形容詞に「お」や「ご」を付けて丁寧に話します。「お」を付ける表現は、お嬢様言葉のもっとも分かりやすい特徴と言えるでしょう。
名詞や形容詞に「お」や「ご」を付けることで尊敬語となり、丁寧な言葉遣いの印象となります。「お」や「ご」が付けにくい言葉に対しては、付けやすい言葉に選び変えて表現します。
⑤「わたくし」
5番目に紹介するお嬢様言葉の言葉遣い・会話の特徴7選は「わたくし」です。一般的には自分のことを「わたし」と言いますが、お嬢様言葉では「わたくし」と表現します。
自分を呼ぶ時にも丁寧な言葉遣いを選ぶことで、お嬢様らしさが格段にアップします。日頃から自分のことを「わたくし」と表現している人は、育ちの良い家柄である傾向があります。
⑥「~さま」
6番目に紹介するお嬢様言葉の言葉遣い・会話の特徴7選は「~さま」です。一般的には苗字や名前に「~さん」を付けて呼びますが、お嬢様言葉では「~さま」を使います。
「~さん」より「~さま」の方が言葉遣いが丁寧であり、呼ばれた側も姿勢を正し丁寧に対応しなければという気持ちが芽生えるのではないでしょうか。
⑦「さようでございます」
7番目に紹介するお嬢様言葉の言葉遣い・会話の特徴7選は「さようでございます」です。「さようでございます」は、漢字で書くと「左様でございます」となります。
「左様(さよう)」は、大きく分けて形容動詞と感嘆詞があります。形容動詞としての意味は「そのとおり」「そう」「そのよう」などがあります。
感嘆詞としては、相手の意見に対して肯定・賛同をする時の相づちで使われます。また、何かを思い出した時に「そういえば」「そうそう」などの意味で使われることもあります。
「さようでございます」は、形容動詞の「左様」に「ございます」を付けた敬語表現です。相手の意見に対して肯定する時に使われる、お嬢様言葉の言葉遣いの一つです。
お嬢様言葉の語尾の特徴6選
お嬢様言葉は、語尾にもいろいろな特徴が見られます。この記事では、お嬢様言葉の語尾の特徴として、6種類の項目をピックアップしました。お嬢様言葉の語尾に見られる特徴をチェックしていきましょう。ここからは、お嬢様言葉の語尾の特徴6選について紹介します。
①語尾は上げない
1番目に紹介するお嬢様言葉の語尾の特徴6選は「語尾は上げない」です。お嬢様言葉では、語尾を上げないで会話をします。これは、語尾を上げて会話をすると、下品に聞こえることが理由と言われています。上品なお嬢様言葉に、下品な表現は似合いません。
ただし、何かを質問する時には、お嬢様言葉も語尾を上げることはあります。それは、語尾を上げなければ、疑問文として相手に伝わりにくいからです。
②語尾を伸ばさない
2番目に紹介するお嬢様言葉の語尾の特徴6選は「語尾を伸ばさない」です。お嬢様言葉は、語尾を伸ばさないメリハリを付けた言葉遣いをします。これは、語尾を伸ばすと下品に聞こえることが理由と言われています。上品なお嬢様言葉に、下品な表現は似合いません。
語尾を伸ばす表現は、何となくだらしなさを感じてしまいます。お嬢様は物腰が柔らかでありながら、常に襟を正しきちんとした態度や仕草で対応する姿も特徴の一つです。そのようなお嬢様は、だらしなさを感じる言葉遣いを選び会話をすることはありません。
③「ですの」
3番目に紹介するお嬢様言葉の語尾の特徴6選は「ですの」です。語尾に「~ですの」を付ける表現は、周囲にお嬢様言葉を使う人がいなくても知っている言葉の一つではないでしょうか。
お嬢様言葉である「~ですの」は、テレビドラマや漫画、小説など、日常生活から離れた場所でも、耳にする・目にする身近な言葉と言えるでしょう。
④「遊ばせ」
4番目に紹介するお嬢様言葉の語尾の特徴6選は「遊ばせ」です。「遊ばせ」は、「ごめん遊ばせ」や「おいで遊ばせ」というように、言葉の頭に「ご」や「お」を付け、語尾に「遊ばせ」を付けて使います。
「あそばせ言葉」とも言われており、山の手言葉の代表的な表現のひとつです。「遊ばす」は「遊ぶ」の尊敬語で、「遊ばせ」は「遊ばす」の命令形になります。
⑤「ですこと」
5番目に紹介するお嬢様言葉の語尾の特徴6選は「ですこと」です。語尾に「~ですこと」を付ける表現も、お嬢様言葉の代表的な言葉の一つです。
テレビドラマや漫画、小説など、日常生活から離れた場所でも、耳にする・目にする身近な言葉ではありますが、現実的に使われるお嬢様言葉の頻度としては低いようです。
⑥「ですわ」
6番目に紹介するお嬢様言葉の語尾の特徴6選は「ですわ」です。語尾に「~ですわ」と付ける表現は、自分の気持ちを示す時に使われます。「~です」ではなく「~ですわ」と「わ」を付け加えることで、オブラートに包み上品な印象を相手に与えます。
語尾に「~ですわ」と付ける表現は、イントネーションを間違えると関西弁になってしまいます。お嬢様言葉では「わ」を上昇調に、関西弁では「わ」を下降調に話します。関西弁の「~ですわ」は、男性が日常的に良く使う話し言葉になります。
お嬢様言葉の挨拶の特徴3選
お嬢様言葉は、挨拶にもいろいろな特徴があります。この記事では、お嬢様言葉の挨拶の特徴として、3種類の項目をピックアップしました。お嬢様言葉は、挨拶においても丁寧で上品であることに変わりはありません。ここからは、お嬢様言葉の挨拶の特徴3選について紹介します。
①「ごきげんよう」
1番目に紹介するお嬢様言葉の挨拶の特徴3選は「ごきげんよう」です。「ごきげんよう」はお嬢様のイメージにぴったりな挨拶表現の一つでしょう。お嬢様言葉に興味がない人でも知っているのではないでしょうか。「ごきげんよう」は、漢字で書くと「御機嫌よう」となります。
「ごきげんよう」は身体が健康であることへのお祝いや祈りなどが含まれる挨拶表現です。人に出会った時に使うだけでなく、別れる時にも使える挨拶表現です。
「ごきげんよう」の語源は、室町時代に京都の宮中で使われていた御所言葉「お揃い遊ばされてましてご機嫌よう」と言われています。「ご機嫌よくお過ごしですか」という表現が短くなり「ごきげんよう」と使われるようになったようです。
出会った時は「ごきげんよう」、別れる時は「それでは失礼いたします。ごきげんよう」と使います。「ごきげんよう」は、時間帯に関わらず、1日中使える挨拶表現です。
②「ありがとう存じます」
2番目に紹介するお嬢様言葉の挨拶の特徴3選は「ありがとう存じます」です。「ありがとう存じます」というお嬢様言葉は、あまり聞きなれない表現かもしれません。一般的には「ありがとうございます」という表現が聞きなれている言葉でしょう。
「ありがとう存じます」は、「ありがとう」+「存じます」に分けることができます。「存じます」は「ございます」の謙譲語表現です。つまり、「ありがとうございます」をより丁寧に表現すると「ありがとう存じます」となります。
「ありがとう存じます」はなかなか耳にしない挨拶表現なので、日常会話で使うにはハードルが高いかもしれません。まずはメールで使うところから始めてみてはいかがでしょうか。
③「恐れ入ります」
3番目に紹介するお嬢様言葉の挨拶の特徴3選は「恐れ入ります」です。「恐れ入ります」という挨拶表現は、相手に対して申し訳なく思う気持ちがある時に使います。さらに、申し訳ないほどありがたい感謝の気持ちがある時にも使われる挨拶表現になります。
「恐れ入ります」は丁寧語なので、お嬢様言葉としてだけでなく、敬語として一般的に目上の人にも使うことができる表現です。謝罪やお詫び、依頼やお願いをする時などのビジネスシーンでも使える表現なので、正しい使い方をマスターしておくとよいでしょう。
お嬢様言葉の悪口の特徴4選
お嬢様言葉は丁寧で上品な言葉遣いが特徴ですが、悪口に関してもその傾向が見ら、いろいろな特徴があります。この記事では、お嬢様言葉の悪口の特徴として、4種類の項目をピックアップしました。
褒められているようにも捉えることができる言葉でも、お嬢様言葉では悪口の場合があります。ここからは、お嬢様言葉の悪口の特徴4選について紹介します。
①「個性的でいらっしゃる」
1番目に紹介するお嬢様言葉の悪口の特徴4選は「個性的でいらっしゃる」です。「個性的でいらっしゃる」という表現は、服装や考え方が周囲の人とは違う時に使われます。服装でいえば「あなたの趣味は悪い」という意味合いが含まれているようです。
ストレートに「趣味が悪い」と言わずに、オブラートに包み「個性的でいらっしゃる」と言葉を選ぶあたりも、お嬢様らしさが伺えます。
②「健康的ですね」
2番目に紹介するお嬢様言葉の悪口の特徴4選は「健康的ですね」です。「健康的ですね」という表現は、お嬢様言葉では太っている人に対して使う悪口です。
「健康的ですね」という表現は、一見褒められているような気分になりますが、栄養失調のようなガリガリで痩せている人ではなく、しっかり栄養を摂取したふくよかな体型の人を遠回しにけなしています。
誰から見てもスタイル抜群の健康的な体型ではなく、ぽっちゃりとした体型の人に対して使っている場合は、悪口であることが分かります。
③「世渡りが上手ですこと」
3番目に紹介するお嬢様言葉の悪口の特徴4選は「世渡りが上手ですこと」です。「世渡りが上手ですこと」という表現は、世渡り上手な人に対して悪口として使います。
丁寧で上品な表現にはなっていますが、仕事もプライベートもうまく立ち回れる術をマスターしている人をけなしている、悪口であることが分かります。もしかしたら、うらやましいという感情も含まれている可能性があります。
わたくしもあなたのように世渡り上手に生きて生きたいという願望から「世渡りが上手ですこと」と皮肉った表現を使うこともあるようです。いずれにしても、褒められているのではなく「悪口」を言われていることには変わりありません。
しかし、「世渡り上手」という表現は「褒め言葉」と捉える人も少なくありません。「世渡りが上手ですこと」とおお嬢様言葉では悪口として相手に使っても、褒められたと受け止める場合もあります。
④「さっさと消えてちょうだい」
4番目に紹介するお嬢様言葉の悪口の特徴4選は「さっさと消えてちょうだい」です。「さっさと消えてちょうだい」という表現は、少々キツイ言い方ではあります。しかし、「ちょうだい」と付けているあたりが、やはり丁寧な言葉遣いをしていると感じられる部分ではあります。
お嬢様は位が高いことへのプライドもあるため、自分が動くのではなく、相手にどこかへ行くように指図するようです。「さっさと消えてちょうだい」という表現は「姿が見えない場所まで自分の前から移動しなさい・消えなさい」という意味が含まれています。
上品なだけではないお嬢様言葉を使ってみよう!
「お嬢様言葉」は山の手言葉とも言われ、昔から存在している歴史のある言葉遣いが由来となっているようです。お嬢様言葉は清楚で育ちの良いお嬢様が使っている言葉のイメージが強いかもしれませんが、ビジネスシーンで使える表現も中にはあります。
悪口も含め、口調や言葉遣い・会話など、上品なだけではないお嬢様言葉の特徴を把握し、実際に使ってみましょう。