虫除け効果がある植物&ハーブを紹介!
気温の上昇とともに活動が活発になる虫。中には蚊やノミなど、刺されると人体にかゆみや肌トラブルを引き起こすやっかいな毒虫も存在します。そんなやっかいな虫たちを遠ざけたり、撃退する植物&ハーブがあることをご存知でしょうか?
植物&ハーブは料理やハーブティーなど食用やリラックス効果のあるアロマエキス、庭を彩る観賞用としてだけではなく殺虫剤や虫除けスプレーの主成分として含有されていることも多いのです。ここでは、ガーデン初心者でも育てやすい、人気でおすすめの虫除け効果が高い植物&ハーブを紹介しています。
虫除け効果がある植物やハーブといっても、育てる植物&ハーブの種類によって蚊やダニ、ゴキブリ、ノミなど対象になる虫は様々です。品種別に、どの虫に効果的な作用を発揮するのかも合わせてご紹介していきますので、興味のある方は参考にしてみてください。
虫除け効果がある植物&ハーブのおすすめの使い方
ここでは、虫除け効果がある植物&ハーブのおすすめの使い方を紹介します。鉢植えにして飾ったり、ポプリやサシェにして飾るなどインテリアとしての使い方や、本格的な虫除けスプレーとしての使い方などを紹介しています。ご自身に合った使い方の参考にしてください。
また、植物&ハーブから虫除けスプレーを作る方法や抽出方法、エッセンシャルオイルを代用とした方法も合わせて紹介していますので、こちらも合わせて参考にしてください。
鉢植えにして飾る
はじめに紹介する、虫除け効果のある植物&ハーブのおすすめの使い方は鉢植えにして飾る方法です。観葉植物として楽しめるだけでなく、植物&ハーブが無事に育っているうちは、虫除け効果も持続していくことが大きなメリットです。
植物&ハーブの香りが持続していれば十分な虫除け効果があります。また、インテリアとしても空間を彩ってくれるのもメリットのひとつといえます。虫除けもでき、栽培する楽しさもあるのでとてもおすすめです。
乾かして飾る
次に、紹介する虫除け効果のある植物&ハーブのおすすめの使い方はポプリやサシェにして、乾かして飾る方法です。半日ほど日中に乾燥させておくだけで簡単に作ることができ、虫除け効果もあります。こちらもインテリアとしてお部屋に飾るとおしゃれです。
デメリットとしては乾燥させるという特性上、時間の経過とともに、虫除け効果が弱まってしまうことです。そのため、定期的に交換する必要が出てきます。
虫除けスプレーを作る
虫除け効果のある植物&ハーブで虫除けスプレーを作るのもおすすめです。いくつか抽出方法はありますが、「水蒸気蒸留法」がもっとも簡単です。精油を抽出するための専門の器具が必要となりますが、1,000円程度で購入することができるので、興味のある方は試してみてください。
虫除けスプレーにすることで、外出した際やキャンプや気軽なアウトドアでも大活躍してくれることでしょう。しかし、こちらも時間の経過とともに揮発して効果が弱まってしまうこともあるので期限内に使いきってしまうか定期的な交換が必要です。
また、ローズマリーやペパーミント、ラベンダーなど種類によって、ゴキブリ、蚊、ダニ、衣類の虫など効果のある害虫も変わってきます。作る際にはそちらも確認してから行なうといいでしょう。
精油を代用品にする
虫除け効果のある植物&ハーブの代用品として精油を使うこともできます。精油とはエッセンシャルオイルともいわれる植物やハーブの成分を凝縮し抽出したものなので、植物&ハーブの葉や茎から抽出するのとほとんど変わりありません。
手間や時間を考えると、精油を代用品としたほうがはるかにメリットが大きいといえます。精油またはエッセンシャルオイル、無水エタノール、ミネラルウォーターを混ぜ合わせるだけで簡単に作ることができます。スプレー容器に移し替えれば、日常的に持ち運ぶことができて便利です。
鉢植えで育てやすい虫除け効果ありの人気植物&ハーブ
虫除け効果のある植物&ハーブのおすすめの使い方をご紹介しましたが、お気に入りの使い方は見つかりましたでしょうか。
それでは次に、鉢植えで育てやすい虫除け効果ありの人気植物&ハーブをご紹介します。虫除け効果のある植物&ハーブを育ててみたいけど、庭に植えるスペースがないという方も多いでしょう。そういった場合は、鉢植えを利用して育てるのがおすすめです。
お部屋や玄関、ベランダの空いたスペースを上手に活用すれば、インテリアになるだけでなく、十分な虫除け効果が期待できます。また管理しやすいといった点からも人気の育て方です。それでは、鉢植えで育てやすい虫除け効果ありの人気植物を5つ厳選して紹介していきます。
ローズマリー
爽やかな香りが特徴的なローズマリーは、初心者でも育てやすい人気の植物&ハーブです。抗酸化作用や抗菌作用、抗ウイルスなど多くの効果効能があることから、料理に使用されたり、化粧水の原料として使用されます。
そんなローズマリーには、カンファーと呼ばれる成分が含まれており、その強い香りを虫が嫌います。主に防虫効果に期待できる虫は、蚊、ダニ、ゴキブリです。耐寒性や耐暑性にも優れていて、ほかのハーブでは枯れてしまう、もしくは育たない土でも丈夫に育ってくれる生命力があります。
苗の種類も三種類と豊富で、立性、半匍匐性、匍匐性があります。好みのレイアウトに合わせた苗を選ぶことができるのもローズマリーの特徴といえるでしょう。
バジル
パスタやピザをはじめイタリア料理に欠かすことができないバジル。そんなバジルも鉢植えで育てやすい虫除け効果ありの植物&ハーブです。バジルに含まれているシネオールという成分を虫が嫌います。防虫効果のある代表的な虫は蚊です。
バジルは暑さにも強く、草丈もあまり高くならないため、室内でも栽培することが可能です。また、繁殖力も旺盛で丈夫です。バジルも初心者が育てやすい植物&ハーブとして人気です。
ニーム
抗酸化作用や虫除けにも多用されるニームも育てやすい人気の植物&ハーブです。ニームに含まれているアザジラクチンという成分には200種類もの害虫に効果的な防虫作用があるといわれています。
そのまま育てても害虫の予防になりますが、一般的には精油やエッセンシャルオイルとして抽出されることが多いようです。
ニームは原産地がインドとなっており、暖かい気候や乾燥を好みます。気温が10度を下回らなければ安定して育ってくれるため、こちらも初心者でも育てやすい植物&ハーブといえるでしょう。
ローズゼラニウム
観葉植物のローズゼラニウムはガーデニング初心者でも育てやすい虫除け植物&ハーブです。ローズゼラニウムは、蚊の二酸化炭素を感知する能力を低下させる効果があります。そのため、蚊よけ草という名称で呼ばれることもあります。
ローズゼラニウムの原産地は南アフリカです。耐寒性や耐暑性にも強く、丈夫です。乾燥にも強いといった特徴があります。春になるとかわいらしい花を咲かせ、バラに似た華やかな香りがします。かわいらしい見た目と育てやすい特徴から多くのファンに愛されている植物&ハーブです。
除虫菊
除虫菊はいかにも虫除けに効果のありそうな名称ですが、日本人に馴染みのある蚊取り線香は、実はこの除虫菊の成分が使用されています。除虫菊のピレトリンを化学合成させたピレスロイドには、強い殺虫成分があります。
しかし、そのまま植えているだけでは虫除けの効果は全くありません。また、除虫菊は特殊な精製方法でエキスを取り出す必要があり、上記で紹介した虫除けスプレーを作る方法でもエキスの抽出はできません。
庭で育てやすい虫除け効果ありの人気植物&ハーブ
次は、庭で育てやすい虫除け効果ありの人気植物&ハーブをご紹介します。本格的なガーデニングにを楽しみたい。広いスペースを有効活用したい。そういった方は庭で育てやすい虫除け効果ありの植物&ハーブがおすすめです。
こちらも鉢植えと同様に、枯れにくく育てやすい初心者でも安心して植えることができる人気の植物&ハーブを6つ厳選して紹介します。対象となる害虫や作用する成分なども合わせてご紹介していますのでこちらも合わせて参考にしてください。
タイム
タイムに含まれているリナロールやチモールといった鎮痛効果や抗菌効果、抗不安効果などを軽減する成分は、害虫にとっては有毒な成分であることがわかっています。主に防虫効果がある虫は、ダニ、ムカデ、蚊、ゴキブリなどです。
タイムは耐寒性に強く氷点下以下にならなければ、枯れることはほとんどありません。そのため初心者でも育てやすいおすすめの植物&ハーブとなっています。
白やピンク、紫のかわいらしい花がたくさん咲くので、庭だけでなく室内で育てる観葉植物としてもおすすめです。爽やかな香りにはリラックス効果や消化促進効果などもあり、不眠症やストレスにも効果的に作用してくれる植物&ハーブです。
タンジー
タンジーはヨモギギクともいわれる虫除け植物&ハーブで、夏になると茎の先にとてもかわいらしい花をいくつも咲かせます。タンジーはそのかわいらしいたたずまいとは裏腹に強力な殺虫効果をもっていて害虫を遠ざけるのに有効です。
繁殖能力が高く暑さや寒さに強いため、比較的育てやすい虫除け植物&ハーブといえるでしょう。タンジーの害虫への成分はいまだに解析されていませんが、ダニやノミ、ハエなどの害虫に効果がある植物とされています。
また、タンジーは虫だけでなく、猫よけの効果もある植物&ハーブです。タンジーには猫が嫌がる強い臭い成分が含まれています。家の敷地を野良猫が住処にしてしまって困っている、または飼っている猫が庭を荒らして困るといった悩みを持つ方もいるでしょう。
こうしたお悩みがある方は、荒らされたくない場所や猫が住処としている場所にタンジーを植えてみてはいかがでしょうか。なお、想像以上に繁殖力が強いため知らずの間に根が伸びてしまうこともあるので、地面に植える際には注意してください。
ペパーミント
爽やかな香りが魅力的なペパーミントは、口に入れるとひんやり冷たい感覚とほどよい刺激が特徴で、ガムやアイスクリームなど、多くのお菓子にも使用されているおなじみの植物&ハーブです。ペパーミントに含まれているメントールは、虫除けに効果的な成分で、主に蚊に対して忌避効果があります。
ミントは繁殖旺盛で、手を加えずともどんどん育ってくれるため、初心者が育てやすい、おすすめの植物&ハーブといえるでしょう。蚊の発生を防ぐ虫除け効果だけでなく、食用としても使えることでも人気です。
ペニーロイヤルミント
ペニーロイヤルミントはペパーミントに比べ知名度は劣りますが、実は色々な場所で目にする機会が多い植物&ハーブです。ペニーロイヤルミントの虫除け効果は、カメムシやノミに対して有効です。
カメムシは、かぼちゃやじゃがいも、ピーマンなど作物にも被害を与える害虫ですので、カメムシ被害にあわれている方は、近くにペニーロイヤルミントを植えると虫除け対策になります。もちろん観葉植物として室内で育てるのも効果的です。
またノミに対する虫除け効果も高いので、犬や猫のペットにノミがついてしまうお悩みがある方にもおすすめの植物&ハーブです。首輪にペニーロイヤルミントをつけてあげるとより効果的に虫除けができるでしょう。
レモングラス
レモングラスにはシトラールという虫除けになる成分が入っています。このシトラールという成分は市販の虫除け剤にも使用されているほど強力な主要成分です。レモングラスで虫除けができる害虫は、ダニ、蚊、ゴキブリです。
特にクローゼットなど衣類が置いてある場所に乾燥させたレモングラスを置いておくと、虫除けに効果的です。また、レモングラスは虫除けだけでなく、リラックス効果や身体に対するデトックス効果、美肌効果もあります。
レモングラスは食用に使うこともできるので、女性を中心に多くの人に支持されている植物&ハーブです。生命力が強く、初心者でも育てやすい植物&ハーブとして人気があります。
ラベンダー
紫色のかわいらしい花が特徴的なラベンダーは入浴剤や消臭剤、料理からハーブティーまでおなじみの万能ハーブです。ラベンダーといえば神経を落ち着かせる香りやその作用があることで知られていますが、虫除けにも効果を発揮します。
ラベンダーに含まれる成分は、蚊やダニ、ノミやハエまで幅広い害虫に対し、防虫効果に優れています。さらに、ラベンダーの成分には、抗炎症作用、
虫除け効果があるハーブの注意点
次は、虫除け効果があるハーブの注意点をご紹介していきます。使い方や利用方法を間違ってしまうと、命に関わる事故を招いてしまいます。天然植物だからといって安心せず正しい知識と利用方法で取り扱いには十分注意しましょう。
とはいえ基本的に事故に発展するケースは、人やペットがハーブを食べ物と利用した場合です。下記では、その注意点をまとめていますので参考にしてください。
食用に不向きなハーブがある
虫除け効果のあるハーブは、料理やお茶など食用として幅広く使い道があるのも人気のひとつといえるでしょう。しかし、ハーブの種類によって人体に有害な毒や物質が含まれているものがあります。そういった人体に有害物質をもつハーブを誤って食べてしまうと最悪の場合、死に至るケースもあります。
虫除け効果のあるハーブの苗を選ぶ際には、食用なのか観賞用なのか品種名と利用用途を調べてから購入するようにしましょう。実店舗であれば店員さんに聞けば教えてくれるので安心して購入できます。
犬・猫に有害なハーブがある
次に紹介する虫除け効果のあるハーブの注意点は、犬や猫に有害なハーブがあることです。人体に有害なハーブがあるのと同様に虫除け効果のあるハーブには犬や猫にとって有害なハーブが存在するので注意が必要です。
鉢植えや庭で虫除け効果のある有害なハーブを、犬や猫が誤って食べてしまうことも考えられます。ご自宅で犬や猫を飼っているご家庭では、苗を植える前に必ず確認しておくことが大切です。
特に、犬を飼っているご家庭では細心の注意を払いましょう。野生動物である犬は、体調が悪い時や体の浄化力を高めたい時に、本能的に植物を食べる性質をもっています。散歩中に植物を食べるのを見かけたことがある方もいらっしゃると思いますが、こういった理由が関係しています。
上記で紹介したハーブを例をあげると、ペニーロイヤルミントやタンジーがそれに当たります。人であれば自身で気をつける術や知識をもっていますが、ペットの場合は知らずに口にしてしまう可能性もあります。
繰り返しになりますが、ペットを飼っているご家庭では、植える前にしっかりと苗の有害成分を把握しておく、もしくは犬や猫が入れないような柵を作るなど事前に予防することが大切です。
虫除け効果がある植物&ハーブの寄せ植え方法
寄せ植えは一つの鉢の中に、数種類の植物を植え、見た目を華やかにしたり、花同士の個性や調和を惹きたてるレイアウトを考えながら楽しむガーデニングです。
難しそうに感じますが、基本を抑えれば初心者でも簡単にできることや、広い庭がなくても鉢一つで、季節に応じたそれぞれのハーブを咲かせられるのが寄せ植えの醍醐味です。ここでは、虫除け効果がある植物&ハーブの寄せ植え方法についてご紹介します。
ここで紹介しているのは水のやり方や植える位置などハーブを枯らせず育てるための初歩的な知識ばかりですので、寄せ植えを実践する際の参考にしてください。
植える位置に気を使う
虫除け効果のあるハーブの中には、ほかのハーブや植物を枯らす毒性をもつアレロパシー効果を持つものや強い繁殖力で周囲のハーブの成長を阻害してしまうものがあります。
そのため虫除け効果のあるハーブや植物の寄せ植えをする場合には、ある程度の注意を払って植える位置に気を使う必要があります。
上記で紹介したローズマリーやバジル、レモングラスやタイムなど虫除け効果のあるハーブのほとんどにアレロパシー効果があります。これらは全て寄せ植えと相性が悪い代表的なハーブです。
こうした理由から虫除け効果のあるハーブは基本的に単品で植え付けがおすすめです。しかし、どうしても寄せ植えしたい方は、寄せ植えの端に植えるかハーブ同士を離して植えるといいでしょう。
高さに気をつける
虫除け効果のあるハーブを寄せ植えする際には高さに気をつけることも大切です。まっすぐに伸びる植物&ハーブは中心または奥側に植え、横に広がって育つ性質の植物&ハーブは端または手前に植えるようにすると、枯れるリスクがぐっと低くなります。
真夏のような直射日光は例外として、基本的に植物&ハーブは日光の光を好みます。ですので、日光の光を遮るようなレイアウトを作ってしまうと、枯れるリスクが高まってしまいます。ハーブ同士の優劣にも気を配ったレイアウトを心がけましょう。
マメに水をやる
虫除け効果のある植物やハーブの寄せ植えをする際には、毎日一回以上は水やりを忘れずに行うようにしましょう。しかし、種類によって湿気を好むハーブや乾燥を好むハーブがあるため注意が必要です。水やりの頻度は下記の情報を目安に行ってください。
湿気を好むハーブ(ミント類)は、朝・夕の二回、反対に乾燥を好むハーブ(タイムやローズマリー)は朝一回の水やりで十分ともいわれています。そのハーブが育った環境や原産地を参考に頻度を調整するのがいいでしょう。
水やりをする際には、鉢底から水が流れるまでたっぷりと水を与えてください。虫除け効果のあるハーブには特にアレロパシー効果の強い植物が多いためです。たっぷり水を与えてあげることによって、アレロパシーも水と流れ、その他のハーブを枯らす強い毒性は随分と緩和されます。
虫除け効果がある植物&ハーブは置くだけでも効果大
虫除け効果がある人気の植物&ハーブについて紹介してきましたが、参考になりましたでしょうか?植物&ハーブは、アロマや食用に使われるだけでなく、害虫と呼ばれるやっかいな虫にも効果的な植物ということが分かっていただけたのではないでしょうか。
暑い季節は特に、知らぬ間に虫に刺されていた経験がある方も多いでしょう。市販の殺虫剤や虫除けスプレーのように殺虫効果はありませんが、虫を遠ざけるだけなら植物&ハーブでも十分に対策ができます。この機会に置くだけでも効果大の植物&ハーブを育ててみてはいかがでしょうか。