アンタレスDCMDとは
2018年、有名釣り具メーカーのシマノは「アンタレスDCMD」の販売を開始しました。ストロングゲームを見据え、スピード&タフネスにこだわった一級品のキャスティングリールです。
DCリールなどシマノの技術がこれでもかと盛り込まれており、高い性能やパワーを発揮する事ができるのが特徴です。アンタレスも年々改良されているだけあって、使い慣れたアングラーならその違いを実感できるでしょう。
高性能かつパワーに優れる事から、ルアーフィッシングにはうってつけのアイテムとして注目されています。今回はアンタレスDCMDの性能や特徴、使い方について詳しく紹介しましょう。
シマノが発売
アンタレスDCMDを製作・販売するシマノは大阪に本社を持つアウトドアスポーツメーカーです。釣り具以外に自転車の部品も手掛けており、世界的にも最大手企業として知られています。
初めてDC(デジタルコントロールブレーキ)を導入したのは2006年販売の06アンタレスDCであり、以来遠投性能に優れるベイトリールとして釣り師達の人気を集めてきました。
人と自然の密接な関係を築けるよう、製品作りには日々こだわりを見せています。釣り具に関してもアメリカやシンガポールなど海外に支社を持ち、幅広く展開しているのが会社の特徴です。
アンタレス
アンタレスシリーズはシマノの村田基プロが開発を手掛け、より遠くへのキャスティングを目指して作られたリールです。マグナムライトスプールⅢを搭載し、振動も徹底的に排除する事で釣りやすくしています。
カラーリングはメタリックシルバーを基調とし、高剛性マグネシウムフレームを採用した事で高い耐久性を誇ります。そのため他のリールではありえない程に快適なルアーキャスティングも可能です。
シマノのベイトリールでは高価なハイエンドモデルですが、快適なルアーキャスティングを可能としているのが特徴です。口コミでは全ての要素を満たしてくれると、高く評価されています。
DCリール
アンタレスに内蔵されている特別機能の1つがDCリールです。DCとは「デジタルコントロール」の略で、内蔵チップによる適切なブレーキセッティングを可能としています。
これはシマノ独自の技術であり、回転はキャスト時の起動によるものなので、電池が不要というのが嬉しい点です。そのため電池切れや充電を気にせず使い続けられます。
必要な時だけ電子制御でブレーキがかかるので、瞬時に適切なパワーを発揮する事から釣り師達の人気を集めています。アンタレスのバージョンアップに合わせてDCリールも改良されており、扱いやすくなっていると評判です。
アンタレスDCMDの注目ポイント
続いてはアンタレスDCMDの注目すべきポイントを4つ紹介します。バージョンアップされた事で新しく搭載された機能もあり、性能も著しく向上しているそうです。
ブレーキシステムやモンスタードライブなど、釣りを快適にするためのシマノによる技術や特徴が目白押しです。どれも使いやすさを重視しているため、長く使っているうちにクセになっていくかもしれません。
シマノでは最高峰とされるモデルなので、キャスティングリールに触れた事のない人でもすぐに使いこなせるでしょう。実際に購入する前に目を通しておいて下さい。
ブレーキシステム
シマノのキャスティングリールには独自のブレーキシステムが採用されています。名前は「4×8DC」と言い、遠投モードの4つに外部ダイアルを組み合わせ、8段階のブレーキセッティングを可能とするシステムです。
アンタレスシリーズでは長年搭載されているシステムの1つで、その最新バージョンであるアンタレスDCMDにも改良を加えた上で搭載されています。シマノの特徴の1つと言える程の存在感を放っているそうです。
空気抵抗の量に合わせて選ぶ事ができ、数字が大きいとそれだけ空気抵抗の比重も増えます。使うモードを事前に選んでおけば、ダイアルを合わせるだけでトラブルのないキャスティングが可能になります。
モンスタードライブ(MD)
世界中のモンスターフィッシュに対応できるよう、ギア比率からブレーキまでを強化しています。4と5の間で大きく力が離れており、その間で使う場合はFモードに設定する事をオススメします。
従来のアンタレスが淡水専用だったのに対し、モンスタードライブでは新たに海水にも対応できるようになりました。そのためフィールドを問わず、サメなどのモンスターフィッシュとも格闘する事が可能です。
海水にも対応するようになった事で、更に使いやすくなったとアングラー達の間でも評判となっています。場所を問わずにできるようになったストロングゲームを堪能して下さい。
XBブレーキ
アンタレスDCMDには「XBブレーキ」という機能が設けられています。金属ルアーのみならず、ビッグクローラーベイトなどヘビー級のルアーでも飛距離や強いパワーを出す事が可能です。
ブレーキは強めでバックラッシュする事もほとんどなく、飛距離が伸びやすいのが特徴です。1~4は遠投用、5~8はビッグベイト(空気抵抗の大きいルアー)用として使い分けるといいでしょう。
XBブレーキは最弱にするとブレーキがかかりすぎてあまり伸びないので、普段は4~5辺りの強さに合わせておくのがオススメです。ブレーキを交換すれば更に飛距離が伸びるというのも特徴的です。
海水にも対応
フィッシングリールの海水対応が実現したのは、アンタレスDCMDが初のケースです。過去のアンタレスDCは高い性能を持ちながらも海水に対応しておらず、多くのアングラーを落胆させてきました。
ところがこのアンタレスDCMDは、シマノのならではの高い性能はそのままに、海水への対応を実現させました。お陰でソルトゲームでも問題なく使えるようになり、幅広い種類の魚を狙えるのも1つの特徴です。
磯平釣りから怪魚釣りまで、海での大物釣りを遺憾なくサポートする事でしょう。1本で多くの場面に対応する便利なフィッシングリールです。
アンタレスDCMDの性能
アンタレスDCMDは利き腕に応じて2つのタイプを用意しています。基本的な性能は同じであり、利き腕に応じた方を選ぶようにしましょう。パワーが強く見た目も良いので、釣り師達の間で人気を集めるリールです。
耐久性の高さや海水に対する耐性など、使いやすくするための特徴が多数施されています。錆びにくくなってもいるので、わざわざ他のリールに買い替える事なく愛用出来るのも嬉しい点です。
扱いやすさからキャスティングリールを使い始めた初心者にもオススメされています。シマノのファンはもちろん、遠投での利用が多い人も是非参考にしてみて下さい。
アンタレスDCMDXG(右)のスペック
アンタレスDCMDXG(右)はリールが右向きとなっており、見た目がカッコイイと評判です。ビッグベイトの釣りを始めとするストロングゲームを見越し、各部を専用チューニングする事でタフネスに仕上げています。
ハンドル一回転で93cmも巻き取る事ができ、過去のアンタレスシリーズがハンドル一回転で80㎝前後だった事を踏まえれば大きな進化です。このメリットは非常に大きく、巻き取りの速さでストレスなく釣れます。
耐久性の高さから使い続ける人が多く、口コミだと他のリールが必要なくなるという声まであるようです。シマノのファンはもちろん、キャスティングを使い始めた人にもピッタリな一品です。
アンタレスDCMDXG(左)のスペック
アンタレスDCMDXG(左)はリールが左向きとなっており、重量級のルアーを使う際にはオススメです。塩や錆に対する耐性も強くなっているので、ソルトルアーフィッシング(海釣り)でも安心して使えます。
エキストラハイギアの搭載により、スピニングリール並みの高速巻き上げも可能としています。南米のドラードなどハイスピードで巻かないと釣れない魚にも対応し、高い性能から重宝されるパワーモデルです。
使うルアーなど、状況に応じて左右2種類のアンタレスDCMDを使い分ける人もいます。どちらにせよ使っていくうちに慣れていくので、左利きの人も左ハンドルのリールを遠慮なく使っていきましょう。
アンタレスDCMDのメリット
ここではアンタレスDCMDのメリットを5つ紹介します。使いやすさやドラグのパワーアップなど、アンタレスにはバージョンアップした事で様々なメリットが挙げられるようになりました。
特に向かい風の時にバックラッシュしにくくなったのは嬉しい点です。遠投した際に向かい風が来ると押し戻されてしまいますが、アンタレスDCMDだとそれを気にせずにパワーゲームを継続できます。
場所を問わず安定した飛距離を出したり、滑らかなスプール回転を発揮したりと、シマノならではの高い技術が光るメリットもあります。より釣りを楽しめるよう、アンタレスDCMDの特徴にも目を通して下さい。
使いやすい
アンタレスDCMD最大のメリットは、使いやすさと言えるかもしれません。特に向かい風の時はバックラッシュしないので、リールをしっかりと握ったまま釣る事ができます。
場所を選ばずパワーゲームができるのは、強力に設計されたアンタレスDCMDならではのメリットです。純正ハンドルだと飛距離が伸びず、向かい風が来ると押し戻されてしまう場合もあります。
しかし、アンタレスDCMDなら向かい風を気にせず釣りを続けられます。パワーを活かした使い方はフィッシングリールの能力を存分に発揮できるでしょう。
パワーアップしたドラグ
アンタレスDCMDはドラグ値を6kgにパワーアップさせ、大型魚とも正面から勝負できます。大型ルアーも取り扱うベイトリールである以上、こういったパワフルさは必要不可欠と言えるでしょう。
青魚は意外とパワーが強く食いつきもすごいですが、アンタレスDCMDなら力負けする事はありません。ベイトリールの方が巻きやすく、ベイトタックルなら上手くかかります。
ドラグはカスタマイズして更に強力にする事が可能です。メンテナンスの際は分解・洗浄してからギアにDGO4グリスを刷毛塗りし、取り付けるようにしましょう。丁寧なメンテナンスでリールも長持ちしやすくなります。
飛距離が安定している
アンタレスDCMDの飛距離は最大103.5mであり、常にこれだけの飛距離を出す事ができます。ルアーフィッシングにおいて強風は天敵であり、ルアーやラインが風にあおられないようにするのは大切です。
全体的に重量級ルアーとの相性が良く、安定した飛距離とキャスト感が見込めるでしょう。一方で軽量ルアーだとあまり距離が伸びず、使い心地も快適とは言い難いので控えた方がいいかもしれません。
内蔵チップにより適正なスプール回転へと調整してくれるので、強風の中でも安心して使えます。重量級ルアーやソルトでの大遠投だと、更に飛距離が伸びて釣りやすくなるでしょう。
ソルトに向いている
最近はソルトでもビッグベイトを使った釣りが流行っており、アンタレスDCMDもソルトフィッシングに使う事ができます。ルアーフィッシングでは重量が物を言い、最低でも25gは必要です。
基本的に2オンス以上のルアーを使う事になるので、大魚を狙ったエキサイティングな釣りを楽しめます。重量級ルアーに対抗できるDCリールを振るった釣りは距離がどんどん伸びていくので爽快です。
アンタレスDCMDの先端に少し重めのシンキングペンシルや、重めのバイブレーションといったルアーを付けると気持ち良く飛んで行きます。大型魚を狙ったエキサイティングな釣りを楽しむのにうってつけです。
キャストの精度が良くなめらか
アンタレスにはシマノの最高技術と呼ばれる「サイレントチューン」が内蔵されています。これにはキャスト時のスプール回転を安定させる働きがあり、大物がかかっても安定した状態で釣りができるというものです。
また余力を残した状態でも充分な飛距離を出せるため、精度が高く滑らかなロングキャストも期待できます。種類によってはレベルワインド連動により、キャストの飛距離と精度がより安定した状態で釣りができます。
ストレスを感じずに釣りを楽しめるので、ソルトゲームなど力のいる釣り方でも快適に感じられるハズです。滑らかなキャストの仕上がりにより、釣りの成果も大きく向上するかもしれません。
マイクロモジュールギアによる消音
アンタレスシリーズなどシマノのフィッシングリールには、「マイクロモジュールギア」という部品が内蔵されています。このギアによって作動時のノイズを抑え、よりスムーズに扱う事が可能です。
アンタレスDCMDのマイクロモジュールギアには時折異音がするという意見もありますが、むしろそれは正常に作動している証拠です。「ウィンウィン」とするモーター音は不具合ではないので、安心して使って下さい。
しゃくる動作が多いとアンタレスDCMDでもモーター音が鳴りやすく、気になる人はあまりしならせないようにしましょう。個体差によって更に鳴りやすかったりするので、購入する際にチェックした方がいいかもしれません。
アンタレスDCMDのデメリット
ここではアンタレスDCMDのデメリットを紹介します。様々なデメリットが挙げられるアンタレスDCMDですが、一方でメンテナンスに関しては不満の声もあるようです。特に注油に関しては、手順が煩わしく感じられます。
メンテナンスの際に取り外す箇所が多いので面倒かもしれませんが、しっかりと行いましょう。メンテナンス次第でリールの飛距離が伸びやすくなるので、デメリットの方も参考として目を通して下さい。
注油が面倒
アンタレスDCMDの注油方法は面倒に感じられるかもしれません。まずDCユニットを取り外し、リールのサイドカバーを開けます。更にDCユニット、スプールも続けて取り外しましょう。
各パーツの汚れをティッシュまたはキッチンペーパーで拭き取ります。スプールを外しておくと普段拭き取れないような汚れにも手が届き、清潔にできるので試して下さい。
オイルはシマノの純正オイルを使用し、スプールやベアリングにそれぞれ注入します。スプールだとあまり苦にはなりませんが、ベアリングに注入する場合はノブを取り外してからオイルを入れましょう。
取り外す箇所が多いのが難点
アンタレスDCMDで注油を行う際は、リールにある3ヶ所のネジを取り外ししなければいけません。取り外す箇所が多いのでやや面倒に思えるかもしれませんが、オイルメンテナンス次第でベイトリールの飛距離は変化します。
特に頻繁に釣りをする人は消耗しやすくなり、メンテナンスの頻度も必然的に増えます。もちろんオイルを入れた方が飛距離は伸びるので、メンテナンスもしっかり行うようにしましょう。
アンタレスDCMDの使い方
高いパワーや性能を誇るアンタレスDCMDと言えど、当然ながら向き不向きはあります。いたずらに振るうだけでは性能を発揮できないまま終わりを迎えるかもしれません。
アンタレスDCMDはシーバスやサーフ狙いで使うのがオススメです。大型ルアーを中心に使うので、遠くでも安定した飛距離を伸ばせるでしょう。ここではアンタレスDCMDの特徴に見合った使い方を紹介します。
特徴を踏まえた使い方をしよう
アンタレスDCMDはパワーのあるベイトリールなので、シーバス狙いなど大型ルアーによるフィッシングがオススメです。海水でDCリールを使う場合は性能やとくちょうを遺憾なく発揮できるでしょう。
逆にバス釣りだとルアーが軽くて小さい事もあり、ほとんど性能を活かせずに終わってしまう可能性が高いです。快適な使い心地を堪能するためにも、リールを使い分けながら挑む方がいいかもしれません。
シーバスを狙う
ソルトルアーフィッシングだと主なターゲットはシーバスです。シーバス用のルアーは1オンス(約28g)以下ですが、ボートなど船上で狙う場合は揺れや海の深さを考慮して、1オンス以上のルアーが求められます。
そのため大型ルアーを中心に扱うアンタレスDCMDは、シーバス相手でも心強いフィッシングリールと言えます。急な向かい風でもブレーキをかけてバックラッシュを防ぐので、被害を最小限に抑える上でもオススメです。
サーフでの釣り
サーフで釣る際は波が打ち寄せてズレが生じたりするので、飛距離が出るリールやタックルが必要となります。アンタレスDCMDだと手返しが良く、ライントラブルが少ないのでサーフでも活躍するでしょう。
特にヒラメとは相性抜群で、昼間に活動する事からバックラッシュもあまり気にせずに済みます。ベイトタックルだと遠くの魚相手でもランディングしやすく、使うルアーの選択肢が増えるのも魅力的です。
ビックベイトの釣り
ソルトやサーフ以外にバス釣りでも性能を存分に発揮できます。アンタレスDCMDはラバーグリップモデルと組み合わせれば、更に遠くの距離まで安定した飛距離を出せるのが魅力的です。
ビッグベイトは飛距離のズレからバックラッシュを起こしやすいですが、アンタレスDCMDならライントラブルを気にせず快適にキャストできます。これは大型ルアーでの釣りを想定した上で設計されている事からの強みです。
20g以上の重量級ルアーを遠投する際、アンタレスDCMD以上に飛距離を出せるリールはないと言われています。巻き心地もスピードが速く、ストレスを感じさせないのでビッグベイトを使う人にとっての必需品です。
他のDCリールとの比較
シマノではアンタレスDCMD以外にも多くのDCリールを販売しています。代表的なものはシーバス釣りにオススメな「エクスセンスDC」や、幅広いルアーフィッシングに対応した「SLX DC」です。
このうちエクスセンスDCはブレーキセッティングで飛距離が伸び、ナイトゲームでもドラグのパワーを問題なく発揮できます。状況に応じてアンタレスDCMDと使い分けるといいでしょう。
シマノの最新DCベイトリール
「シマノの最新DCベイトリール」と称されるアンタレスDCMDには、ドラグやスプールのパワーアップなど、従来と比較して性能が著しく向上しています。一方で従来の撒き心地の良さはそのままです。
ビッグベイトなど重量級ルアーに合わせて開発されたDCリールなので、飛距離もルアーが重ければ重い程伸びやすいです。上手く使いこなして大型魚を釣り上げましょう。
アンタレスDCMDでビッグフィッシュを釣り上げよう!
アンタレスDCMDは重量級ルアーとの組み合わせに向いており、遠くでも凄まじいパワーと安定した状態を維持できます。そのため重量級ルアーやビッグベイトで釣る際には性能を存分に発揮するでしょう。
シーバスなど大物狙いの釣りにはうってつけのフィッシングリールなので、性能や特徴を理解した上でアンタレスDCMDを使いこなして下さい。快適な使い心地を堪能しながら、大物を釣り上げましょう。