ネコリグの作り方や使い方を覚えよう!
釣りには独特な専門用語(釣り用語)があり、釣りをあまり知らない人や初心者には何を言っているのかほどんど理解できないことがあります。「ネコリグ」も釣り用語のひとつで、バス釣りの天才と言われる村上晴彦氏が考案したリグ(仕掛け)の一種です。
これからネコリグの作り方や使い方を初心者でも分かりやすいように説明します。また独特な釣り用語がたくさん出てくるので、釣りに詳しくない人にも分かるように注釈をつけながら紹介していきます。
釣りに精通している人にとって注釈はわずらわしかも知れませんが、初心者や釣りに不慣れ人にも釣りの楽しさや醍醐味を伝えるためです。これからの記事を参考にしてネコリグの作り方や使い方を覚えて、人気のバス釣りを楽しんでください。
ネコリグとは
「ネコリグ」という言葉を初めて聞く方も多いのではないでしょうか。ネコリグは人気のバス釣りのトーナメントなどでも定着したライトリグ(ソフトルアーやワームを使った仕掛け)として有名です。
おそらく釣りを知らない人にとっては、上記の文章もチンプンカンプンなのではないでしょうか。つまり今回は釣り人だけでなく、一般の人にもネコリグとは何なのかを分かりやすく説明し、釣りに興味を持っていただけることに重きを置いて解説します。
ネコリグは、ワーム(やわらかい疑似餌)の片側にネイルシンカー(クギ状のオモリ)をセットしてワームを頭下がりにし、バスの餌になる小魚や逃げ回るエビの様子を演出します。
その動きにバスが反応してヒットさせる仕掛けです。難しい操作もなく初心者がシンカー(重り)を初めて使うリグ(仕掛け)としてもおすすめです。
おそらく釣りに不慣れな人にとっては、釣り用語は独特でわかりにくい言葉です。しかしこれから読み進んでいくうちに釣りの魅力やネコリグが何なのかが、少しずつ理解できていけるのではないでしょうか。
根こそぎ釣れるリグ
ネコリグは主にバス釣りをするときに使う仕掛けの一種で、名前の由来はバス(ブラックバス)が面白いように釣れる様子を表現した「根こそぎ釣れるリグ」のフレーズの、あたまと終わりを取って「ネコリグ」と呼ばれています。
名前の由来のようにバスがよく釣れるので、バス釣りでは欠かせない人気のリグになっています。これから紹介するネコリグの特徴や使い方を参考にして、楽しいバス釣りを堪能してください。
ネコリグの特徴
ネコリグが、なぜバス釣りに向いているのでしょう。ネコリグの特徴を紹介する前に、バス(ブラックバス)の特徴や特性を調べてみましょう。
バスは北米原産の淡水魚で、日本には元々いなかった外来種ですが、1925年に芦ノ湖に移入された以後、放流などによりアッという間に全国の河川や湖に生息するようになった魚です。
バスは小魚や昆虫類、エビなどの甲殻類を好んで食べる肉食で、繁殖力が高く獰猛(どうもう)な淡水魚です。この獰猛で動くものに何にでも食らいついてくる特性をバス釣りに利用したのがネコリグです。それではネコリグの特徴を紹介します。
流れに強い
川は上流・中流・下流と流れが変化します。ネコリグは、ワーム(疑似餌)に軽いネイルシンカー(オモリ)をつけているので、河川の水に流れがあるエリアでも自然な動きで漂わせることができます。
流れ(カレント)が強く動かしにくい場合は、重めのネイルシンカーをつけると操作しやすくなります。このようにネコリグは流れに強い特徴を持っています。
水の抵抗力が少ない
ネコリグは細身なので水の抵抗が少なく、ネイルシンカーを片側につけているので頭部からまっすぐに落ちてゆき、ボトム(底)を取るフォールスピード(水の中を落ちるスピード)が速いのが特徴です。
他のライトリグ(軽い仕掛け)だとフォールスピードがスローなので、釣りのテンポが遅くなりがちなのに比べ、ネコリグは断然テンポが速くなります。
テンポが速いということは、アタリを探るサーチスピードも同時に速くなりアタックする回数が増えます。つまりバス釣りの釣果を伸ばす可能性が高くなります。
バイトが多い
ネコリグのワームの動きは、バスの目には好みの餌になる細長い生き物(小魚やエビ。昆虫類)がそこにいるかのように映ります。バスの捕食モードが一気にスイッチオンするのでバイト(アタリ・ヒット)が多くなります。
またネコリグはフォールスピードが速く釣りのテンポが速くなるので、バスの捕食モードを刺激する回数が増えるます。それだけバイトが多くバス釣りの釣果をあげることができるのがネコリグの特徴です。
カバーに強く初心者にもおすすめ
湖や沼などにはカバーがたくさんあります。カバーとは草木が水面に覆いかぶさるような場所のことです。バスはそのカバーの下の陰によく潜んでいます。バス釣りではそのポイントを狙ってキャスティングするのですが、初心者はよくフック(釣り針)をカバーに引っ掛けてしまいます。
ネコリグはフックの先をワームの中に埋めることができるので、カバーに引っ掛かっても簡単に外すことができます。ネコリグは初心者でも、気軽にバスが潜んでいそうなポイントをアグレッシブにアタックできるリグです。
ネコリグの作り方
バス釣りに効果があるネコリグの、必要なアイテムや基本的な作り方を紹介します。どんなリグでも作り方を丁寧に真っ直ぐワームをつけないと100%のアクションが出ません。
ネコリグは作り方が比較的簡単なので、初心者にもおすすめです。それではネコリグに必要なものと作り方を詳しく紹介します。
ネイルシンカーを刺す
ネコリグの作り方の最初は、まずワームの頭部分にネイルシンカーをまっすぐに差し込みます。ネイルシンカーは釘状のオモリで、ワームのボディに対して曲がっていると良いアクションが得られません。
ネイルシンカーを刺す前に、フックの先でワームに穴を開けると真っ直ぐ刺しやすくなり、外れることを防げます。ネイルシンカーの重さは1〜2gぐらいが基本ですが、ワームの長さが6インチ以上の場合は3g以上を使います。
またバスはエサを探すとき、目だけでなく聴覚が鋭いので音や振動に敏感に反応し捕獲モードに入ります。この習性を利用してボトム(湖底)が岩やハードなときには、ネイルシンカーをボディから少し出しておくとボトムに着いたときに音や振動が出てバスをおびきだせます。
フックを刺す
ネコリグの作り方で重要なのは、フック(釣り針)を刺す位置がポイントになります。ネコリグを生きている生物のようにアクションさせるためには、前後の重さのバランスが均等になることが大切です。
ネイルシンカーが頭部についているので、真ん中より頭部よりにフックを付けることで前後の重さが同じになります。着底時にワームが寝ないようにバランスを取ることで、バスに対して魅力的なアクションを見せることができます。
フックの選び方
ネコリグで使うフック(釣り針)は、マス針が基本になります。同じマス針でもネコリグ専用のオフセットフック(ワームのズレが少ない)や、カバーに強いスナッグレスフック(根掛かりしにくい)など種類がたくさんあります。
中でもネコリグにはガード付きマス針がおすすめです。水の中にある倒木や水生植物などのストラクチャー(障害物)に引っ掛かりにくく、フッキング(アタリに合わせ魚の口に引っ掛ける)も良いのでおすすめです。
ネコリグの使い方
ネコリグの使い方で代表的なのは「ボトム(底)でのシェイク」と「リフト&フォール」に「中層での巻き方」の3つの使い方です。
それでは、3つの使い方それぞれのコツや、注意点、効果的な使い方などをバス釣りの初心者でもわかりやすいように解説します。
ボトムでのシェイク
ネコリグの使い方で、最も多いアクションがボトムでのシェイクです。ロッド(釣竿)を立てて小刻みにゆすりながらシェイクすることで、ワームもボトム(底)で立ちながらゆっくりと手前に動いてきます。シャローエリア(水深の浅いエリア)やボトムにいるバスに有効です。
またライン(釣り糸)のフケ(逃げ)をとるように重さを感じながらロッドを動かし、たまにステイ(手を止める)動作を入れることでワームにゆっくりと倒れるアクションが出て、バスには魅力的に見えます。
ただロッドを動かす時、フケをとるのにラインを張りすぎてしまうとネコリグがすぐ手前に来てしまうので注意しましょう。
上下に素早くリフト&フォール
リフト&フォールとは、ネコリグ(仕掛け)を上下に上げ下げすることです。バスがエサとして好むエビなどの甲殻類は、ゆったりと水の中を泳ぐのではなくピョンピョンと飛び跳ねるように動きます。この動きに似せるのが素早くリフト&フォールさせるアクションです。
リフトの高さを変えながら、大きく1回動かした後には細かいアクションに変えるなどバスの反応を見るのがネコリグの使い方のコツです。着底後は必ずステイを入れることで、ワームが身震いしながら倒れていくのでバイト(アタリ)の確率が多くなります。
中層をゆっくり巻く
ボトム付近で反応がない場合は、中層でゆっくりとリールを巻いてみましょう。一定の速度でゆっくりと巻いているとワームはブルブルとバイブレーションしながらアクションします。
ワームのアクションが割合小さいのでハンドルに集中して巻き上げるのがコツです。足元までゆっくりと一定の速度で巻いていると、バスが手前までついてきて岸際まで追い込んだ時にバイト(ヒット)します。水中でのワームの動きを想像しながら引くことが大切です。
ネコリグにおすすめのワーム
釣りの初心者には、バス釣りにはネコリグがベストと言われても、ネコリグにどんなワームを選んで良いのか皆目見当がつきません。ワームとはそもそも柔らかいソフトルアーのことで、形や材質も色々です。
ワームには、小魚の形をしたものやミミズのように細長い形のものなど様々ですが、ネコリグは頭部にネイルシンカーを刺し込むので、ネイル(釘)を刺せる柔らかさが必要です。
またネコリグは、ワームの前後の重さの中心にフックを付ける仕掛けなので、バランスを取りやすい形が必須条件になります。つまり前後左右、バランスをとるためには細長くストレートな形をしたワームがネコリグにはおすすめです。
ネコリグを使うのにおすすめのスポット
ネコリグの作り方や使い方が分かってくれば、実際に使って試してみたくなります。ネコリグがどんなにバス釣りに適していても長所が活かせる場所がなければ何にもなりません。
それではネコリグのメリットを活かしながら使うおすすめのスポットを、河川や湖面の条件などを考慮しながら紹介します。
リップラップ
ネゴリグはリップラック(石などのハードな障害物)のある場面で機能を発揮します。他のテキサスリグやラバージグでは石の間に挟まって根掛かりすることが多いのですが、ネゴリグは細身なのでストレスなくスルーしやすい特性があります。
つまりネコリグは、他のリグではアタックしにくいリップラックでも攻略できる仕掛けです。つまりネコリグは攻略ポイントが他に比べ広く、初心者でもアタックできるのがメリットです。
葦やガマ
湖面や沼に自生する葦(あし)やガマは、釣り人には非常に邪魔になるカバーです。しかしカバーの下にはバスが潜んでいる可能性が高いスポットで、釣り人なら是非アタックしたい場所です。
しかし、根掛かりを考えて一般的には躊躇しがちなスポットです。ネコリグなら根掛かりを気にせずアタックできます。逆にアタックする人が少ないポイント、葦やガマが生い茂っているポイントがネコリグのおすすめポイントになります。
オダ・レイダウン
オダとは、テトラポットなどの人工的な障害物のことです。レイダウンとは、災害などにより水中に倒れこんだ倒木などのことです。
しかしオダやレイダウンは、バスや魚なたちの絶好のすみかになります。釣り人は当然そこをアタックしたいのですが、根掛かりしやすいリスクがあります。
そのリスクを回避できるのがネコリグです。スナッグレスフック(根掛かりしにくい)をセッティングしたネコリグなら、オダやレイダウンを難なくかわしてくれます。言い換えれば攻略する人が少ないオダやレイダウンは、ネコリグにおすすめのスポットと言えます。
ネコリグでバス釣りを楽しもう!
ネコリグはバス釣りで大いに威力を発揮する仕掛けで「根こそぎ釣れるリグ」をもじってつけられた名前です。バス釣りのトーナメントなどでも活躍していますが、初心者でも扱いやすいのが特徴です。
ここまでネコリグの特徴や作り方、使い方やオススメのスポットなどを紹介してきました。釣りには独特な釣り用語があるので、わかりやすいように注釈をつけながら説明してきました。
ネコリグを初めて知った人や、釣りに不慣れな人や、初心者の方にもバス釣りとネコリグの魅力が少しでも伝われば幸いです。