エコな布ぞうりの簡単な作り方を紹介!
古着などを捨てずに作れるため、布ぞうりは最近若い人たちの間でエコなハンドメイドとして注目されています。古くなったTシャツからも布ぞうりになりますし、材料はそれほど選びません。作り方が若干難しく感じる方もおられるようなので、生活グッズで、エコで簡単な作り方を詳説しましょう。
布ぞうりとは
布ぞうりとは、布で編んだ部屋履きとして、夏場などの涼しい履き心地の良いアイテムです。スリッパより蒸れず、編み目が足裏を刺激して、健康にも良いとされています。布製なので、床を傷つけることもなく、汗も吸い洗濯も出来るためいつも清潔に使えます。
布ぞうりの材料は、古着やTシャツなど、布であれば何でも構わないため、古着を捨てる事もなくエコな布ぞうりです。布ぞうりは5本の足指が自由になりますから、外反母趾の方でも痛みもなく快適に履けます。作り方で難しいのは最初だけで、コツを掴めば簡単に布ぞうりが手作り出来ます。
布を使って編んだ「わらじ」
手作りの履き物と言えば、昔はわらじでしたが、今の時代にはそれが布ぞうりに変わっています。作り方も非常に似ていて、本格的な作り方になると、布をよりながら編む方法もありますが、自宅で家族たちが履くための、気軽で簡単に出来る楽な作り方も後ほど紹介します。
わらじは藁を編んだ作り方の草履ですが、わらじ職人がいたくらい、特殊な作り方をします。自らの足を使って藁をよりながら編んでいく方法で、慣れればかなりの速度で仕上げる職人さんもいます。布ぞうりをその作り方でする方もいますが、他にももっと作り方を簡単に仕上げる方法もあります。
和のルームシューズとして人気
布ぞうりというだけあって、形は草履そのものですが、屋外に履いていく草履とは違い、部屋履きですので、和のルームシューズとして人気です。軽くて洗濯もでき、畳や床を傷つける事もありませんので、室内でも抵抗なく履けます。
布ぞうりは、夏だけの履き物と思われますが、実は冬にも暖かい布ぞうりの作り方もあり、季節ごとに材料を替えると、年中布ぞうりを履くこともでき、一度履くと、他のスリッパは履けないほど快適です。自作の布ぞうりをいくつも作っておくと、洗い替えもでき常に清潔な布ぞうりが履けます。
足が気持ち良く履き心地も◎
布ぞうりの編み方は、足の裏に適度な刺激を与えるため、非常に気持ち良い履き心地です。素足にそのまま履きますが、汗を吸ってすぐに蒸発しますから、常に心地よい感触です。布ぞうりの鼻緒も、作り方を工夫して柔らかい素材で仕上げると痛くもありません。
履き心地以外にも、材料が布のため、マンションなどでも階下に迷惑な足音を立てる事もなく、親指と人差し指の間の体を司る神経に信号を送るため、体に良い働きがあることも実証されています。履くだけで健康になれる布ぞうりは、ただ快適さを感じるだけでない優れものです。
布ぞうりの材料の選び方
では、布ぞうりを作る時の材料の選び方を挙げてみましょう。布ぞうりの本体になる足裏の当たる部分の布に関しては、何でも構いません。触った感触が良いものが、そのまま足裏の感触になりますから、実際に触って心地よいものを選びます。
一般的には、綿が何%か入った素材が編みやすいとされています。他にはバスタオルやフェイスタオルなどのタオル地、後で出てくるTシャツや、冬場にはフリースなども使われます。布ぞうりのポイントで、布の中に入れる材料として荷造り用のロープが使われることです。また、鼻緒には綿を詰めたり本体とは違う平ロープを使用したりします。
ズパゲッティ
ズパゲッティという材料をご存じでしょうか。ズパゲッティというのは、オランダのフックドゥという会社から販売されているTシャツヤーンの糸のことで、Tシャツヤーンは、Tシャツを切って糸にした物の事です。糸と言ってもTシャツを切りますから太さがあり、初心者にも編みやすい編み糸です。
市販されているズパゲッティは、カットソーやTシャツの裁断時に出た切れ端が使われることが多く、廃棄処分されるような余った布を利用しています。そのため、市販のズパゲッティでも、糸の太さや色が若干違う事も多々あります。しかし、逆にそれがハンドメイドの良さとも言われます。
TシャツやタオルでもOK
自分でTシャツを切っても出来ます。ただ、伸縮性のあるコットンTシャツに限ります。実際にやってみると分りますが、Tシャツを3㎝くらいの幅で切って引っ張ると、クルンと布が丸まって細くなります。その状態で編んでいくと、表面が柔らかく足触りが良く、布ぞうりを編むのに向いています。
布ぞうりを編むには、Tシャツの他にタオルもよく使われます。タオル地のモコモコした感触が良いと好評です。使用しないタオルやTシャツが布ぞうりに変身すると、エコを実感出来るでしょう。特にタオルの感触は、履いていて足裏が気持ちが良く、バスマットの上を歩いているかのようです。
布ぞうりの余り布を使った作り方
布ぞうりは昔、シーツの使い古しや頻繁に洗い張りをして薄くなった着物などを、裂いて布ぞうりの材料にしていたようです。作り方は足を使う事が大半でしたが、今では専用の編み台を利用したり、コスパを考えて、ハンガーや吸盤付きのフックなどを使って、布ぞうりを簡単に編む事もできます。
余り布を使う場合には、布の厚さで作成時の難易度が違ってきます。簡単に編みたいなら、シーツや手ぬぐいなど、生地が薄い方が楽に編めます。布をハサミでカットしたり裂いたりして準備しますが、コットン入りの糸がほつれにくいでしょう。
コットン素材と言っても綿100%では、布ぞうりに使うには糸がほつれてTシャツヤーンのように布が丸くなりませんので、綿が何%か入っているコットン素材が適してます。布を使いますので、糸のほつれを気にしていては、簡単に作成出来ませんので、適した材料を選びましょう。
用意するもの
余り布を使った布ぞうりの作り方で用意する物を挙げてみます。余り布というのは、はぎれや手ぬぐいなどで、洋服を作った残りの布でも構いません。100均などではカラフルなはぎれも販売されていますので、タグをよく見て綿が何%か入っていたら、布ぞうりの材料になります。
まず布ぞうりの完成時の寸法が24㎝の片足分とします。素材の余り布が8㎝×150㎝を7本程度と、荷造り用の8㎜のPPロープを70㎝に切って2本で布ぞうりの本体分です。ppロープというのは編んであるロープの事です。このロープに布を巻き付けて、布ぞうりを仕上げていきます。
作り方の基板になる、布ぞうりを編む時にロープを引っかける土台軸が必要ですから、折り曲げたワイヤータイプのハンガー1本、または吸盤付きのフックを2個用意します。布ぞうり教室などでは編み台という専用の器具が用意されています。
他に、本体に鼻緒を付ける時に紐通しがあればそれで、無ければU字ヘアピンでも構いませんが無くても出来ます。後はハサミを用意しましょう。布にアイロンを掛ける必要はありません。伸縮性の布なら、切った後、引っ張って伸ばして糸状にしておきます。
次に鼻緒の材料ですが、鼻緒の作り方は何種類かあり、その種類で材料も異なります。また、編み方も布ぞうりの完成品によっては本体を編む時に一緒に鼻緒を編み付ける作り方と、本体を編み上げてから後で取り付ける作り方がありますが、簡単な後から取り付ける編み方を後ほどご紹介します。
編み方
前記にもありますように、布ぞうりの鼻緒を後付けする方法の本体部分の編み方です。編み台にハンガーを曲げて利用するには、吸盤付きフックのフックを外してハンガーを引っかけます。吸盤付きのフックを2個用意して、同じ高さに2個セットしても同じように編めます。
洗濯ばさみやクリップなど、挟むものも準備しておきましょう。ロープを輪にして2箇所掛け、センターの輪の部分を手前に下ろしてきて、結び目のある方を交差させ、ロープが4本並ぶようにしてクリップなどで留めます。
編み始めはつま先からで、真ん中の下の結び目の無い側のロープに布を5㎝ほど折ってしっかり結びます。次に結び目のある側と一緒に持って布を一番右のロープに上から下に巻き付け、2本目のロープの上を通して、3本目のロープの下を通し、4本目のロープの上に出します。これで1段完成です。
この作業を繰り返し行ないますが、4本のロープの端から端までが布ぞうりの幅になりますから、それぞれのロープの間に指を入れながら、感覚が狭くならないように注意します。途中で布が無くなったら、最終は下に布を出し、新しい布を3㎝ほど横に出して続きから編みます。
布の残りが15㎝程になったら、布を外側のロープに両サイド2回ずつ巻き付け、布の端を押さえながらロープをハンガーから外し、本体を持ってつま先の方のロープを引きます。すると編み終わりのロープが本体の中に入り見えなくなります。
かかと側の余ったロープはカットして1回結び、裏面に押し込み隠します。裏側の布の処理も、適当にカットして紐通しや指で裏側の編み目に押し込んで隠します。これで、布ぞうりの片側が完成です。同じ方法でもう一つ作れば布ぞうり1足の完成です。
鼻緒の作り方
布ぞうりの鼻緒は、布を縫い合わせて中に綿や平ロープを入れる鼻緒、2本の布をよった鼻緒、3本の布を三つ編みにする鼻緒と、作り方が何通りもありますので、材料も布の長さや準備する材料も異なります。ここでは、最も簡単な布を縫い合わせて中に綿を入れる鼻緒の作り方を挙げてみます。
準備するものは、鼻緒の布を8㎝程度の幅×30㎝を2枚、前緒用の布が4㎝×15㎝を1枚と、鼻緒に詰める綿を用意します。前緒というのは、鼻緒の真ん中の布のことで、親指と人差し指の間に前緒がくるようになっています。
鼻緒と前緒の布は、縫い代5㎜ほどで中表で短い面はそのままで、長い面を縫っておきます。鼻緒と前緒を表に返し、鼻緒を2つに折って中心に前緒を輪にして通し付けます。この時に、前緒に少し高さを出すと、親指と人差し指の間が痛くありません。柔らかい布で作る事をおすすめします。
番外編として、他の2種類の鼻緒の作り方を少し解説します。まず2本の布をよる方法は、Tシャツヤーンなどのほつれない布を2本用意し、その2本を両手でよっていきます。細かく言うと2本の布を互い違いにねじっていく状態です。外方向にねじりながらクロスさせて編んでいきます。
三つ編みはご存じのように、3枚の布を交差させて三つ編みにしていきます。鼻緒のサイズは本体の3分の2程度あればいいですから、両端の3分の1は布を残してよったり、編んだりします。本体の裏に通して鼻緒を付けますので、布の端は編まずに布のままの方が処理しやすいでしょう。
鼻緒の付け方
布ぞうりの本体のつま先から約3㎝の所の真ん中に、編み目を開いて鼻緒の付いた前緒を表から通します。裏に向けて固結びをして残った布を編み目に隠します。表に返して鼻緒2本ともに本体の3分の2の位置まで綿を詰めます。この綿の詰め具合で、足の感触が決まりますので注意しながら詰めます。
綿を詰めたら残りの布を本体の3分の1の位置の編み目を開いて裏に通します。裏に出た布を横に出してもう一度表から裏に通します。両方出来たら裏で固結びして、編み目の中で残りの布を処理し、裏面の残り布が全部処理できたら、表の鼻緒に手を入れて鼻緒を押し上げて完成です。
こちらも番外編ですが、鼻緒を2本の布でより編みで仕上げた時には、他の付け方もありますからご紹介します。本体を編む時に鼻緒も一緒に付けながら編む方法になります。つま先から3分の2程の位置まで編んだら、鼻緒を付けていきます。大体つま先から16㎝程の位置になります。
2本で編んだ鼻緒を、つま先から3㎝程の位置に前緒がくるように置いて、鼻緒の足が当たる部分をキープして、クリップなどで留めておきます。残りの端をほどき、ほどいた外側の布をロープの下を通して隣のロープの上を通り、次のロープの下を通してその隣のロープの上に出します。
次にもう1本の鼻緒の端をロープに1周巻き付けてから2本目の下を通り隣のロープの上を通し次のロープの下に出します。これで鼻緒が編み込めたのですが、端に残った布があれば、繰り返して全部編み込みます。次に本体をまた編み始めますが、最初は鼻緒に1周巻き付けてから編み出します。
反対側も鼻緒を1周して次の編みに入ります。このままかかとまで編んでいけば完成です。鼻緒に本体の布を巻き付けることで、しっかりと鼻緒が固定されます。この時に、ロープの間に指を入れて固定させながら狭くならない様に注意しましょう。
布ぞうりのTシャツを使った作り方
布ぞうりのTシャツを使った作り方についてです。材料にTシャツを使う場合には、必ず綿の入ったTシャツにしますが、綿100%ではなく、綿が何%か入っているTシャツを選びます。これは、後で出てくるTシャツヤーンというものを作るためのお約束です。
Tシャツヤーンという素材は、引っ張るとクルッと生地が丸まる事が特徴です。これがほつれも出ないで綺麗に仕上がるコツでもありますので、Tシャツのタグを見て判断しましょう。小さくなってしまったり、古くなってしまったようなTシャツを捨てるなら、布ぞうりにしましょう。
Tシャツの糸玉の作り方
Tシャツの端の縫い目のある箇所は使いませんのでカットします。Tシャツの脇から下をカットして1枚、袖の部分をカットして2枚、余すところなく使いましょう。輪の状態になりますので、両端が空いている状態でふたつに折り、輪になった方から3㎝の幅でカットして1㎝手前まで切ります。
日本製のTシャツは、脇の箇所に縫い目のあるのが一般的ですが、外国産のTシャツは、脇の下に縫い目の無いタイプもありますので、その場合には、端から一定の幅で切り進んでいくと、Tシャツ糸玉が出来上がります。
Tシャツヤーンの作り方
日本製のTシャツでは、3センチ幅でカットしたら、1本の糸になるように、最初は隣の布との間を斜めにカットして繋げます。次の切れ目はそのまままっすぐにカットして、次はまた斜めと、どんどん繋げていきます。もし途中で間違えて短い布が出来ても後で繋げられます。
Tシャツヤーンとは、前記のように、綿が何%か入ったTシャツを切って編み糸を作ることを指します。上記の要領でTシャツを切り、端同士を引っ張り細い糸状にして丸めると編み糸の完成です。間違えて短い布が出来た時の繋げ方は、両サイドに2箇所穴を空けてお互いを通せば繋がります。
細かく言うと、短い方の布の穴に長い布を入れてから、長い方の穴に短い布を全て通します。お互いの布を引っ張ると、しっかり結び目ができ1本の布に繋がります。この方法を知っていれば、間違って切っても安心です。怖がらずにどんどんTシャツヤーンを作ってみましょう。
編み方
Tシャツヤーンでの編み方も、余り布の時と同様の編み方をします。ハンガーや吸盤付きフックを利用して、コツコツと編んでいきましょう。他にも、鼻緒の足が当たる部分だけ布を縫って綿を詰めるという方法も良いでしょう。編み方は、様々な方法がありますので、自由に挑戦して下さい。
みんなの布ぞうりのデザイン・アイデア
布ぞうりを作っている方は大勢いらっしゃいます。皆さんそれぞれオリジナルを楽しんでおられますので、布ぞうりのデザインやアイデアを見ていきましょう。自分にはこれが合っているなど、作ってみたい布ぞうりがあれば参考にして、またオリジナルを開発するのも楽しいでしょう。
いろいろな色を組み合わせて
こちらのように、布ぞうりになる布を色々な色を組み合わせると、カラフルな布ぞうりが完成します。お子様とお揃いや、お気に入りのキャラクターがあれば、その布で作るのもアリです。鼻緒を片方ずつ色を変えてもおしゃれです。布ぞうりの本体を何色かで編むのもかわいいでしょう。
また、鼻緒の綿の入れ方も完璧で、非常に履きやすそうな布ぞうりです。市販のTシャツヤーンで作ると、仕上がりはやはり美しいです。本体の色と鼻緒の色の組み合わせ次第で、かわいくもなり、大人っぽくもなるのは、面白いです。
小物をつけておしゃれに
布ぞうりの鼻緒の先に、小物を付けると、オリジナリティーも出ておしゃれに仕上がります。ポンポン風のものや、ブローチにリボンなど、他人と違う布ぞうりを作りたいなら、色々とアレンジしてみましょう。小物は余り布で簡単に作成出来ますので、手作りのスキルアップにも挑戦してみましょう。
バスタオルでふかふか布ぞうり
布ぞうりをバスタオルを使っての作り方も簡単に出来ます。履き心地がふかふかで非常に良く、使い古しのバスタオルなら尚更足裏が気持ち良いですから是非お試し下さい。処理してあるバスタオルの端は使わず切り取って、他の部分を3㎝くらいに切り込みを入れて、手で裂けば準備完了です。
後は、布ぞうりの作り方をすれば、簡単にバスタオル布ぞうりの完成です。鼻緒には、フェイスタオルくらいの大きさのタオルを使えば、中に綿を入れなくてもロープを入れる程度でOKです。3本のフェイスタオルを作って三つ編みという方法でも構いません。作り方は余り布と同様ですので簡単です。
スリッパ型にアレンジして
こちらのような、布ぞうりの鼻緒の部分をスリッパ型のアレンジもかわいいでしょう。好きな布を縦と横の格子に編み込んで、両端を布ぞうりの本体に外から1周して裏で留めるという作り方です。縦と横の色を変えてもおしゃれです。格子にする布は2㎝~3㎝程度で5段程度が丁度良いサイズです。
布ぞうりを履きたくても、鼻緒がどうも苦手だという方には、このスリッパ型がおすすめです。これなら普通のスリッパのように気兼ねなく履けるはずです。画像の色合いは、無地の布と柄入りの布のコントラストが、絶妙な割合で入っていておしゃれです。
作り方を覚えて布ぞうりを快適に活用しよう!
布ぞうりは、作り方が少し難しそうに感じますが、実際やっていくうちにコツが分ってきます。ポイントは、編んでいる際に力が入ってしまって幅が狭くならないように、少し編んでは確認するということで、回避出来ます。一度作り方を覚えると、次々と製作意欲が湧くでしょう。
夏場のスリッパは、どうしても蒸れてしまい、快適とは言えません。その気持ち悪さを布ぞうりで快適に替えてしまいましょう。また、冬場も、布ぞうりの材料を、厚手のフリースなどにすると、温かい布ぞうりが作れますので、四季を通して材料を替え、快適に布ぞうりを活用しましょう。