ロードバイク初心者が知っておくべきコンポって?
自転車屋さんに行くと沢山の種類の自転車があります。生活に根差したシティサイクル、悪路もへっちゃらなマウンテンバイク、持ち運びもできる折りたたみ自転車に電動自転車等など、目移りしてしまいます。
なかでもスタイリッシュなロードバイクには目を奪われます。ロードバイクは馴染み深いシティサイクルとは違うところが多くあります。
ロードバイクなどのスポーツサイクルについて調べていると、「コンポ」という見慣れない言葉を目にしたり、聞いたりするのではないでしょうか。ロードバイクの「コンポ」について、初心者さんやこれから初心者になる人に向けて分かりやすく解説します。
ロードバイクのコンポとは
ロードバイクの購入を考えて、いろいろとロードバイクについて調べていくと、「コンポ」という文字をよく目にします。
シティサイクルには利用しない言葉なので、馴染みがない人も多いでしょう。ロードバイクに限らず、スポーツ系の自転車ではコンポという概念をよく利用します。
わからない言葉があると初心者には敷居が高く感じてしまいがちですが、大丈夫です。コンポを知れば、よりロードバイクについて詳しくなれます。
コンポーネントの略
ロードバイクで用いられる「コンポ」は「コンポーネント」という言葉の省略です。コンポーネントという言葉はPCなどやステレオなどにもよく使われていて、「構成する要素」という意味の英語です。
ステレオの事を「コンポ」と言いますが、それも「コンポーネントステレオ」の省略で、アンプやスピーカー、プレイヤーなどの要素からなっているからです。
セットになったパーツのこと
自転車は様々な部品からなっています。もともとは、それぞれ単体で作ったも部品を組み合わせて自転車ができていました。しかし、関連する部品を組み合わせてセットにすることでより緻密な設計や製造ができるので、セットで開発することになっていきました。
そのセットの事をコンポと言います。ロードバイクでは、自転車の駆動部分のパーツの事をコンポーネント、略してコンポと言います。日本のシマノが始めた呼び方で、海外ではグループセットなどと呼ばれています。
ロードバイクは分解することができるので、自分好みにコンポを交換する人も多く、コンポという言葉が良く出てくるようです。
グレードの違いがある
もともと、コンポは自転車の製造を行うシマノが、自転車部品をセットで販売するときに、セットの事をコンポーネントとして売り出しました。
コンポにはいくつか種類があります。性能や価格でコンポにはいくつかのグレードというものがあります。性能が良く高価な上位グレードから抑えた価格で手に入れやすいエントリー用のグレードまで、各メーカーそれぞれグレードを設定しています。
上位のグレードは本格的なレースに出ることを意識し、各メーカー最高性能のコンポを揃えています。グレードによりコンポの互換性が違うこともあるので、自転車とのバランスなども考えて購入するのが良いでしょう。
ロードバイクのコンポに含まれるもの
ロードバイクのコンポは具体的にどの部品を指すのか見ていきましょう。コンポーネントという言葉を初めて使ったシマノでは、自転車部品全てをコンポーネントと呼称する場合もあるようです。
一般には、フレーム、フォーク、ホイール、タイヤ、サドル、ハンドル以外の部品を指すことが多いです。主なコンポーネントを見ていきましょう。
初心者用の完成車では、グレードの低いコンポが利用されているものが多いです。購入の際にどこのコンポが使われているか確認してみるのもおすすめです。
レバー
ブレーキを操作したり、変速を切り替えたりするレバーです。ブレーキレバーと変速レバーは昔は別々にありましたが、今では1つのレバーで2つの操作が可能です。
レバーの形状や操作方法やメーカーによってちがいがあります。ワイヤーで操作するタイプが主流ですが、中には電動で操作するタイプのあります。
クランク
クランクは前ギアを回すパーツで、ペダルで踏み込んだ力をチェーンに伝える部分です。ペダルの次に力がかかる場所です。
ギアが2枚付いているものをダブル、3枚付いているものをトリプルと呼びます。ギアの歯数が少ないほど軽く回すことができます。
フロントディレイラー
フロントディレイラーは前ギアの変速をするパーツです。前ギアの上部にチェーンを挟むようについています。ロードバイクの心臓部とも言える場所です。
シフトレバーを操作すると、チェーンを囲むガイドが移動して、ギアを変えてくれます。ダブル用とトリプル様があります。
リアディレイラー
後ろのギアを変えるパーツをリアディレイラーといいます。チェーンの後ろ側のフレームについています。滑車が左右に移動して、チェーンをかけ替えます。
リアディレイラーにはショートケージ、ミドルケージ、ロングケージがあります。ギアの歯数等によりあったものを選ぶ必要があります。
スプロケット
スプロケットは後輪に着けるギアがセットになったパーツです。歯数の違うギアが複数まとめてあるものをカセットスプロケットと言います。
ギアの枚数はメーカーやグレードにより異なりますが、12段から8段が一般的です。上位のグレードほど枚数が多くなります。
ブレーキ
自転車を止めるブレーキです。ロードバイクのブレーキは構造的に強く握りにくくなっているので、通常の自転車に比べて強力なものが使われています。
機械式のキャリパーブレーキと、機械。油圧式のディスクブレーキがあります。ロードバイクでは小ぶりで軽量なキャリパー式が多いですが、最近は油圧式も注目されています。
ボトムブラケット
ボトムブラケットはクランクを取り付けるためのコンポーネントで、BBとも言います。回転するクランクの軸となります。フレームにねじ込んでクランクを取り付けます。
フレームとクランクに合ったものを付ける必要があります。シマノのコンポーネントではクランクと一体型のものもあります。
チェーン
クランクが回ることにより作り出した力をスプロケットに伝える働きをします。シティサイクルでも、チェーンが外れてしまったりして、おなじみの部品です。初心者でも一番多く触る機会があるのではないでしょうか。
長時間使用することで、伸びや変形などの劣化が起こりやすいパーツでもあります。ギア段数やメーカー、コンポーネントの種類により仕様が異なるので、合ったものを選ぶ必要があります。
ロードバイクのコンポのおすすめメーカーと性能の特徴
ロードバイクのメーカーは沢山あります。インターネットでちょっと調べただけでも、多くのメーカーがヒットします。しかし、複雑に機能しあったコンポを作るには精緻な設計と技術が必要です。
そんな品質のよいコンポを作るメーカーは数多くありません。ロードバイクに乗るなら初心者でも知っておきたいおすすめの3大コンポメーカーをご紹介します。
CAMPAGNOLO
イタリアのメーカーCAMPAGNOLO(カンパニョーロ)。1933年に設立されたイタリアの自転車部品メーカーです。自転車競技者でもあったトゥーリョによって自転車部品の製造が始められました。欧州の自転車メーカーを中心に利用されています。
美しいフォルムと感覚的な操作感の愛好者も多く、日本にもファンが多いです。ロードバイクで有名なツールドフランでも、多くのロードバイクに使われています。
価格が高いで、初心者には高嶺の花ですが、ロードバイクのコンポメーカーとしてよく名前の挙がるメーカーなので知っておいて損はありません。グレードは上からスーパーレコード、レコード、コーラス、ポテンツァ、ケンタウルの5つあります。
SHIMANO
最もシェアが高いといわれる日本のシマノ。前述のカンパニョーロに比べて価格が安く、性能も安定していてコスパが良いのが人気の秘密でしょう。
価格は抑えられていますが、故障も少なく、性能も良くおすすめです。ツールドフランスでも、今やカンパニョーロを超す勢いの人気です。
日本のメーカーのロードバイクではシマノ製のコンポーネントを利用しているものがほとんどです。部品もコンポ情報も手に入りやすいので初心者にもおすすめなメーカーです。
初心者でコンポの交換をすぐすることはあまりないかもしれませんが、シマノは交換方法なども分かりやすくマニュアルやHPで確認できるのも初心者には心強いです。
6つのグレードが存在します。最高峰のデュラエースから、アルテグラ、105、ティアグラ、ソラ、クラリスの順になります。
SRAM
SRAM(スラム)はアメリカの自転車部品メーカーです。マウンテンバイク用の部品を多く開発していましたが、2005年からロードバイクのコンポーネントも製造するようになりました。
2008年の世界的な自転車レースでの活躍を皮切りに、世界的なコンポメーカーに成長しました。ロードレースのレースに大きく影響を及ぼす軽量化に特化しており、カンパニョーロ、シマノを凌駕しています。
カンパニョーロ、シマノのシェアにはまだまだ及びませんが、独自の特徴で頭角を現しています。日本ではまだなじみが浅く、取り扱いも少ないですが、注目のメーカーです。
シマノのコンポと互換性のあるものもあります。グレードは4種類、上位グレードから順にレッド、フォース、ライバル、エイベックスです。
おすすめのロードバイクのコンポ
デザインと操作性が魅力的なカンパニョーロ、性能と価格でシェアを誇るシマノ、軽量化で華々し目を惹くスラム。どのメーカーも独自の特徴で魅力的です。
世界のロードバイク愛好家を魅了する3大メーカーのおすすめのコンポをご紹介します。メーカーの特徴を活かしつつ、初心者でも手の届くコンポを厳選しました。
シマノではコンポーネントという言葉を使いますが、カンパニョーロではグループセットという言葉が使われていますが、ここではコンポで統一しました。
CAMPAGNOLO POTENZA
CAMPAGNOLO POTENZA
参考価格: 18,040円
ヨーロッパらしいく洗練されたデザインが人気のカンパニョーロ。ご紹介するのはカンパニョーロのミドルクラスのコンポです。
上位のグレードに使われているテクノロジーとデザインはそのままに素材を変えることで、価格を抑えてあるモデルです。カンパニョーロ独特の直感的ともいえる操作性も味わえるミドルクラスのおすすめコンポです。
ギア | 11段 |
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CAMPAGNOLO EPS(電子式グループセット)シリーズ
CAMPAGNOLO EPS
参考価格: 3,190円
カンパニョーロの上位3グレード、スーパーレコード、レコード、コーラスで展開されている電子式コンポ。
機械式と交換しても違和感を感じないよう、操作レバーの位置を合わせる工夫もしてあります。電子コンポを利用することにより、滑らかなシフトチェンジが可能になります。
カンパニョーロでは人口工学に基づき、使いやすいエルゴパワーレバーを開発、より安定して快適な操作性能が期待できるのでおすすめです。
ギア | 12段 |
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SHIMANO オンロードハイドローリック(油圧式)ディスクブレーキ
オイルの圧力を使って、小さな力でも制動性がある油圧式のディスクブレーキ。コントロール性能も良いということもあり、ロードバイクにも使用されることが増えてきました。
シマノのオンロードハイドローリック(油圧式)ディスクブレーキはシマノのどのグレードにも用意されています。
少ない力で制動することができるので、力の弱い女性にもおすすめです。油圧式のデメリットである重量についても軽量化が実現。安定した性能と操作性が期待できます。
SHIMANO CLARIS
SHIMANO CLARIS
参考価格: 7,303円
シマノのエントリークラスのコンポーネント、CLARIS。リーズナブルな価格設定と丈夫なつくりが特徴です。
エントリーモデルの完成車に使われていることも多く、ロードバイクにこだわるにつれてより性能のいい上位のコンポに交換されることも多いです。
シティサイクルと互換性のあるチェーンやトラブルの少ない変速など初心者やロングライドを楽しむ場合にはメリットも多くおすすめです。
ギア | 8段 |
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SRAM RED 22
SRAM RED 22
参考価格: 44,599円
SRAMでは、コンポーネントの軽量化に力を注いでいます。SRAM最上位グレードのRED 22でもカーボンやチタンを利用した軽量化が効果を表しています。
独自のテクノロジーにより一つのレバーで簡単に変速できるダブルタップレバーを採用。慣れると使いやすく感覚的にギアチェンジができると評判です。
ギア | 11段 |
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SRAM RIVAL 22
SRAM RIVAL 22
参考価格: 23,540円
比較的手の届く価格が設定されたSRAMのミドルクラスのコンポ、RIVAL 22。ブラックが基調となっており、メカっぽいデザインが個性的です。
上位グレードと比較すると性能は劣りますが、軽量化、ダブルタップレバーなどSRAMの魅力を余すところなく感じられるコンポになっています。
ギア | 10段 |
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おすすめのロードバイクのコンポの一覧比較表
商品 | |||||
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商品名 | SRAM RIVAL 22 | SRAM RED 22 | SHIMANO CLARIS | CAMPAGNOLO EPS | CAMPAGNOLO POTENZA |
価格 | 23,540円 | 44,599円 | 7,303円 | 3,190円 | 18,040円 |
ギア | 10段 | 11段 | 8段 | 12段 | 11段 |
商品リンク |
ロードバイクのコンポに注目しよう
ロードバイクは走行性能やカッコいい見た目も魅力ですが、コンポを交換して自分好みのロードバイクを作れることも大きな魅力です。
毎年のように新しいモデルが発表され、コンポも日々進化し続けています。知れば知るほどこだわりたくなる魅力がロードバイクにはあります。ロードバイクの魅力をじっくり知って、あなただけのロードバイクを楽しんでください。