「群雄割拠」の意味と使い方!分かりやすい例文や言葉の由来も調査!

「群雄割拠」の意味と使い方!分かりやすい例文や言葉の由来も調査!

「群雄割拠」は現代社会においてはビジネスシーンで複数の企業やグループが競い合っている意味で使われますが、元々は戦国時代に武将達が拠点を構えて争っている状態から生まれた言葉です。今回は「群雄割拠」の正しい意味や使い方に加えて、英語表現、由来や歴史にも迫ります。

記事の目次

  1. 1.「群雄割拠」の意味とは?
  2. 2.「群雄割拠」の対義語・類語
  3. 3.「群雄割拠」の使い方・例文
  4. 4.「群雄割拠」を使う際の注意点
  5. 5.「群雄割拠」の由来・歴史
  6. 6.「群雄割拠」の英語表記
  7. 7.「群雄割拠」は複数の勢力・グループが互いに競い合っているという意味

「群雄割拠」の意味とは?

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「群雄割拠」は「ぐんゆうかっきょ」と読みます。「群雄割拠」の意味は「多くの勢力が各地で勢力を持って対立していること」です。「群雄割拠」の意味は「群雄」と「割拠」に分けて考えると理解しやすくなります。

「群雄」は英雄・英傑の群れを表し多くの英雄・英傑という意味です。一方の「割拠」は自分の領域に立てこもり勢力を張り合う意味です。つまり、「群雄割拠」は多くの英雄・英傑達が自分の占領した地方に立てこもり、お互いに勢力は張り合っている状態を意味します。

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歴史的には日本の戦国時代において各地の戦国大名が勢力を競い合った時代や、中国の後漢時代から三国時代にかけて諸葛孔明や劉備玄徳などの英雄・英傑が活躍した時代を考えるとイメージしやすくなります。

現代社会においては、ビジネスシーンで多くの有力企業がひしめき合ってマーケット争奪にしのぎを削っている状態などを「群雄割拠」と表現します。

今回は「群雄割拠」の対義語・類語や例文を交えた使い方に加えて、英語表現やその由来・歴史などについて見ていきます。

「群雄割拠」の対義語・類語

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「群雄割拠」の対義語としては「寡占」「独占」があります。「群雄割拠」が多くの勢力が互いに競い合っている状態を意味するのに対し、「寡占」「独占」は少数又は一つの勢力が独り占めしている状態を意味します。

一方、「群雄割拠」の類語は数多くあります。竜闘虎争(りゅうとうこそう)、 竜騰虎闘(りゅうとうことう)、竜攘虎搏(りゅうじょうこはく)などが代表的な類語です。

「寡占」「独占」の意味

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「寡占」と「独占」は意味を混同して使われがちですが、意味が違いますので使い分けが必要です。「寡占」は少数の勢力が独り占めしている状態を意味し、「独占」は一つの勢力が独り占めしている状態を意味します。「寡占」や「独占」は主に経済市場に関して使われる言葉です。

「竜闘虎争(りゅうとうこそう)」の意味

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「群雄割拠」の類語として「竜闘虎争」があります。「竜闘虎争」は「りゅうとうこそう」と読みます。竜と虎が互いに争っている姿をそのまま字にした四文字熟語で、竜と虎のように互角の力を持った勢力同士が互いに激しく争っている状態を意味します。

「竜騰虎闘(りゅうとうことう)」の意味

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「群雄割拠」の類語として「竜騰虎闘」があります。「竜騰虎闘」は「りゅうとうことう」と読みます。少し難しい字が使われていますが、ここでも「竜闘虎争」と同様に竜と虎の字が使われており、同じ実力を持つ同士が互いに争うことを意味し、「竜闘虎争」とほぼ同じ意味の別表現です。

「竜攘虎搏(りゅうじょうこはく)」の意味

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「群雄割拠」の類語として「竜攘虎搏」があります。「竜攘虎搏」は「りょうじょうこはく」と読みます。こちらも難しい字が使われていますが、それぞれ竜と虎の字が入っており、これも竜と虎のように互角の力を持った両者が激しく闘うこと」を意味しています。

」は「排除する・打ち払う」という意味で、「」は「殴る」という意味ですから、お互いに打ち払い・殴り合うという意味から勢力同士が競っている状態の意味になります。

「群雄割拠」の使い方・例文

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「群雄割拠」は「多くの勢力が対立してしのぎを削っている状態」を意味します。近年では主にビジネス界で使われる機会が多くなっています。ビジネスに競争はつきもので、マーケットを奪い合って多数の企業群が参画するのが当たり前の状態だからです。

また「群雄割拠」はスポーツ界で有力チームが競い合っている状態の意味でも使われます。以下で例文を通して「群雄割拠」の正しい意味を理解した使い方を見てみましょう。

例文①

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「IT業界はまさに群雄割拠の時代を迎えているといえます。成長が見込まれるマーケットが多数存在するため、大手企業だけでなく世界中から多くのベンチャー企業も参画してくるからです。」

「群雄割拠の時代」を使った例文です。例文では、魅力的な分野に多くの企業が参画し、競い合う状態に突入している経済的状況を「群雄割拠の時代」と表現しています。このように、「群雄割拠の時代」は競合が激しくなってる状態を意味する表現に便利な言葉です。

例文②

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「我社の収益源となっているこの商品を巡っては今まさに群雄割拠の様相を呈しており、現状のシェアを維持するのが非常に難しくなっている。皆でこの意味を理解し、何とか現状を打破する方策を立案してもらいたい。」

「群雄割拠の様相」を使った例文です、例文ではある会社の主力商品が激しい競争にさらされており、油断していると他社にシェアを奪われてしまうと上司が部下達に発破をかけています。このように「群雄割拠の様相」は後ろに「呈する」という言葉とともに使われることが多い表現です。

例文③

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「日本の戦国時代は群雄割拠の世でした。全国に戦国大名がひしめき合って互いの勢力を伸ばすことにしのぎを削った時代です。この群雄割拠の世も徳川家康によって終止符が打たれました。」

「群雄割拠の世」を使った例文です。「群雄割拠の時代」とほぼ同じ使い方ができます。例文では室町幕府が実権を失い、日本各地に有力な戦国大名が次々と出現した状態を「群雄割拠の世」と表現しています。もちろんビジネス界においても同様な意味の使い方が可能です。

例文④

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「今年の総体では、ことバスケットボールに関しては群雄割拠の状態になっている。総体常連校の我が校といえども決して油断はできない。気を引き締めて日々の練習に取り組んでもらいたい。」

「群雄割拠の状態」を使った例文です。「群雄割拠の様相」とほぼ同じ使い方ができます。例文では現代社会における「群雄割拠」の使い方としてスポーツ分野において強豪チームが競い合っている状態を意味する表現に使っています。

「群雄割拠」を使う際の注意点

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「群雄割拠」は現代社会においてもビジネス界やスポーツ界などで、有力なグループが競い合っている状態を意味する表現として便利です。文章表現でも口語表現でも日常的に使えますが、使う際の注意点もありますので、気をつけながら積極的に使っていきましょう。

「三つ以上のグループの争い」の意味以外では使えない

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「群雄割拠」は複数のグループがある分野で互いに競い合っている状態を意味しますが、二つのグループが一対一の状態で競っている場合には使えません。「群雄割拠」は基本的に競っているグループが三つ以上ある場合の意味にしか使えないことに気をつけましょう。

「群雄割拠」の由来・歴史

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「群雄割拠」の意味や使い方の基本が理解できたところで、「群雄割拠」の由来と歴史を見ていきましょう。「群雄」は英雄・英傑達を意味し、「割拠」は地方地方にこれらが拠点を構えて勢力を競い合っている状態を意味しますので、「群雄割拠」の由来は戦国時代に遡ります。

由来

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「群雄割拠」の由来は戦国時代です。戦国時代に各地で有力な英雄・英傑達がそれぞれ拠点を構えて、互いに牽制しながら勢力争いをしている状態を意味するか言葉として生まれました。

「群雄割拠」の由来となっている戦国時代は日本だけでなく世界中にありました。日本以外で特に有名なのは中国における戦国時代です。

歴史

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日本における戦国時代は15世紀末から16世紀末です。室町幕府の権威が低下したことにともなって、室町幕府に任じられた守護大名に代わって全国各地に有力な戦国大名が次々と現れました。まさに「群雄割拠」の時代でした。

これらの英雄・英傑達はそれぞれの領国内の土地や人を支配するとともに、領土拡大のため他の勢力と戦闘を行うようになりました。安土・桃山時代を経て最終的には徳川家康によって天下統一がなされ、日本の戦国時代は終わりを迎えました。

中国における戦国時代は遙か昔で、一般的には紀元前770年から紀元前221年に秦が中国を統一するまでの時代をさします。周の統治が乱れて中国各地に豪族達が台頭します。各勢力が互いに滅ぼし合い、最終的には秦の始皇帝が斉を滅ぼし、中国の中原を統一して戦国時代は終わりました。

「群雄割拠」の英語表記

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「群雄割拠」の英語表現を見てみましょう。「群雄割拠」の英語表現としては「opposition of heros」「rivalry of local barons」「rivalry between warlords」「rival barons in their several strongholds」などがあります。

「opposition」は競争相手の意味、「 baron」は豪族の意味、「warlord」は武将の意味、「stronghold」は拠点という意味になりますので、それぞれの英語を直訳すれば「群雄割拠」の意味とほぼ同じになります。英語での使い方も日本語の「群雄割拠」と同じ考え方で構いません。

「群雄割拠」は複数の勢力・グループが互いに競い合っているという意味

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「群雄割拠」の意味や使い方、対義語・類語に加えて、英語表現やその由来・歴史などについて見てきました。「群雄割拠」は複数の勢力・グループが互いに拠点を構えて競い合っている状態を意味します。

一対一で争っている状態では使えないことに注意が必要です。三国志で魏・蜀・呉が互いに牽制し合っている状態は三つのグループが存在しますので、「群雄割拠」と表現しても構いません。

「群雄割拠」は戦国時代に各地の豪族達が台頭し勢力を競ったことを意味する言葉として生まれましたが、現代社会においては主にビジネスシーンで会社やグループがマーケットの奪い合いをしている状態やスポーツ界での競争などを意味する言葉として使われています。

土居
ライター

土居

公務員、大学教員をリタイヤ後ライターをやり始めました。これまでの山歩きと日帰り温泉に加えて、今は孫と過ごすことが楽しい毎日です。ビジネスや経済関係に強いと自負していますが、最近はエンタメや生活関連のような柔らかいものにもチャレンジしています。宜しくお願いします

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