筋トレに炭水化物は必要!
筋トレには炭水化物は必要です。筋トレにおいて、炭水化物は必要がない、さらには炭水化物の摂取は有害だと思われている方は多いですが、そんなことはありません。
筋肉をつくる上で、タンパク質だけではなく、炭水化物も一定量摂る必要があります。もちろん、日々の食事において、他の栄養素とのバランスも大切です。
筋トレに炭水化物が必要な理由
筋トレには炭水化物が必要です。炭水化物の摂取は太りやすくなって、筋トレに逆効果だと思われている方は少なくないですが、それは違います。筋トレの前後において、適切な量の炭水化物を摂る必要があります。
エネルギーを産生する栄養素には炭水化物、脂質、タンパク質の3つがありますが、運動の際に使われるエネルギーのうち、半分以上は炭水化物によるものです。運動強度が強ければ強くなるほど、炭水化物からのエネルギーに依存します。
筋トレを行う際、前後の食事では筋肉をつくる材料であるタンパク質はもちろんですが、炭水化物もバランスよく取ることが必要不可欠です。
筋肉を鍛えるのに役立つ
炭水化物を取ることは間接的に筋肉を鍛えることに繋がります。筋トレにはエネルギーが必要ですが、体内に糖質が欠乏している状態だと、タンパク質を分解することでエネルギーを生み出そうとします。
食事で炭水化物を摂取しないと、せっかく摂取したタンパク質が筋肉合成に使われることなく、エネルギー源として利用されて、筋トレの効果は得られません。
運動強度をさらに高めたきつい運動をした場合に、筋肉自体を構成するタンパク質までもが分解されてしまい、筋トレの効果が得られないばかりか、逆効果にも繋がります。
筋トレの際、食事で炭水化物を摂ることで、トレーニングや運動の最中にタンパク質がエネルギー源として消費されることが抑止され、結果として筋肉を鍛えるのに役立ちます。
グリコーゲンの材料になる
筋トレの際、筋肉が効果的にパワーを引き出すためには、筋肉内にエネルギー源が十分に蓄えられていることが必要です。そのエネルギー源となるのがグリコーゲンです。
グリコーゲンとは多数のα-D-グルコース(ブドウ糖)が重合した高分子で、動物における貯蔵多糖でグルコースの貯蔵を担っています。
食事から摂取し吸収された炭水化物は筋肉や肝臓などにグリコーゲンとして貯蔵され、エネルギー源として必要に応じて消費されます。
肉体パフォーマンスを高めてくれる
筋トレには集中力が必要です。その集中力を発揮し維持しつづけるには脳・神経系の働きが必要不可欠です。その脳・神経系は炭水化物のみをほとんど唯一のエネルギー源として利用しています。
食事で炭水化物の摂取量が足りないと、脳・神経系は十分に働いてくれずに、集中力を保てずに十分な運動能力が発揮できません。炭水化物の摂取は筋トレにおいて、脳・神経系を働かせて、集中力を生み出して、肉体パフォーマンスを高めてくれます。
ダイエット目的の筋トレの炭水化物の摂り方
筋トレは単に筋力をつける目的だけではなく、ダイエット目的でも行われます。ダイエット目的の筋トレにおいても、当然炭水化物は必要であり、食事の栄養管理が重要になってきます。
痩せるというダイエットのために筋トレを利用する場合、1日3食を守り、できるだけ同じ決まった時間に食べるようにして、食事のバランスにも気をつけないといけません。そうすることで、ダイエットの効果を高めることができます。
高タンパク質なものを
炭水化物は筋肉を動かすエネルギーですが、筋肉を構成する重要な栄養素はタンパク質です。筋トレを行い、効果的に筋肉をつけるには高タンパク質な食事は欠かせません。
タンパク質は肉や魚、卵、乳製品などの動物性タンパク質が一般的に思い浮かべられますが、大豆やアスパラガス、ブロッコリーなどの野菜にも植物性タンパク質が含まれています。
しかし、現代人のタンパク質摂取量は減少傾向にあり、食事だけで1日に必要なタンパク質の量を摂取できていない方が多く、そういう方が筋トレを行っても高い効果は望めません。
タンパク質を3食の食事以外に補給する手段としては手軽にとれるタンパク質を多く含むゼリー飲料がおすすめです。タンパク質と糖質の比率は3:1くらいがちょうどいいとされ、筋トレでダイエットに取り組む方はこの比率を目指して食事を意識しましょう。
低脂質なものを
脂質はタンパク質や炭水化物と同じく重要なエネルギー産生栄養素ですが、高カロリーですのでダイエットを実践するのであれば控えるべきでしょう。よって、食事は高タンパク質に加えて、低脂質なものが望ましいです。
しかし、脂質を必要以上に気にしすぎてもなりません。その理由は低脂質にこだわり過ぎるとタンパク質まで少なくなり過ぎる恐れがあるからです。大豆や魚、鶏肉といった食材であれば、高タンパク質で比較的低脂質な食事を実践することが可能です。
食材の例
大豆や魚、鶏肉がダイエット目的の筋トレを実践する上でおすすめな食材です。大豆や魚の場合は高タンパク質のわりに、低カロリーで低脂質で、しかも含まれている脂質はリノール酸やDHA(ドコサヘキサエン酸)・EPA(エイコサペンタ酸)といった必須脂肪酸です。
鶏むね肉やささみといった鶏肉も筋トレダイエットに最適です。その理由は低脂質・低カロリーかつタンパク質の塊といっていい食材だからです。豚肉や牛肉もタンパク質の塊ですが、高脂質なので避けるべきでしょう。
筋トレ中に炭水化物を取るタイミング
筋トレ中に、適切なタイミングで炭水化物を摂取することは大切です。その理由は炭水化物を制限すると筋肉へエネルギーが供給されず、筋トレ前後のエネルギー不足は筋肉の分解が促される恐れがあり、逆効果に繋がってしまいます。
特にトレーニングの前後において、炭水化物の摂取は欠かせません。ただし、トレーニングの前と後で炭水化物を取るタイミングは異なります。
トレーニング前に取る場合
炭水化物をトレーニング前に取る場合、消化時間を考慮して2~3時間前がベストだといえます。その理由は、筋肉内にエネルギー源となるグリコーゲンの量を高めて備えるのに最適な摂取のタイミングだからです。
トレーニング前に炭水化物を摂らずに行うと、運動の強度に対して筋肉内のグリコーゲンの量が不足している状態となり、筋トレの効果は望めません。
空腹感があるまま、運動を行うのは避け、食事ができない場合は、スポーツドリンクやゼリー飲料などを活用し、炭水化物を補給するように心がけましょう。
トレーニング後に取る場合
筋肉内のグリコーゲンはトレーニングによって運動負荷をかければ当然消費されて枯渇しています。運動終了後にも筋肉の形成は続いており、筋肉はエネルギーを必要としています。
運動の前だけではなく、運動の後にも筋肉をつくるためのタンパク質とともに、エネルギー回復のための炭水化物をともに摂取しましょう。
炭水化物だけではなく、タンパク質も同時に摂取するようにしましょう。炭水化物を摂取することでインスリンが分泌されます。インスリンは筋肉の合成を促進すると同時に、タンパク質の消化吸収を助けてくれるからです。
また、トレーニングの後に炭水化物を摂るタイミングですが、なるべく早いほうがいいでしょう。その理由は炭水化物摂取が早ければ早いほど、筋肉内のグリコーゲンの回復が促されるともに、筋肉におけるタンパク質の分解も抑制され、筋トレの効果が高まるからです。
トレーニング前後どちらがいいのか
結論から言うのであれば、摂取のタイミングはそれぞれ異なりますが、トレーニングの前後どちらであっても炭水化物の摂取は必要です。ダイエットが中心であれば、トレーニング後の食事は炭水化物を少なめにして、タンパク質中心にします。
トレーニング前後において、摂っておきたい食べ物の一つにバナナがあります。バナナは炭水化物の他にもビタミンやミネラルが豊富で、消化吸収も早いので栄養補給に優れているという理由からです。
バナナには抗酸化作用のあるポリフェノールが含まれており、運動により筋肉で発生した活性酸素を取り除き、疲労回復を助けてくれるのでおすすめです。
筋トレ中の食事は炭水化物を意識しよう
筋トレ中の食事において、見落とされがちなのは炭水化物ですが、単なるエネルギー源だけではなく、タンパク質と同じく筋肉形成には必要不可欠な栄養素です。トレーニングを行う場合、その場合の食事において、タンパク質だけではなく炭水化物も意識してみてはいかがでしょうか。