打ち合わせの依頼メールの書き方
ビジネスシーンにて欠かせないのがメールのやり取りです。SNSやLINEなどが台頭しつつも、まだまだ打ち合わせのアポイントや日程調整などを、eメールでやり取りすることは日常的です。
今回は打ち合わせのeメールを送受信する場合、スムーズなやり取りをするためには、書き方や送受信のマナーを心得ておく必要があります。今回は、打ち合わせの依頼メールについて、その書き方のポイントを例文も踏まえてご紹介します。
打ち合わせの依頼メールの構成
ビジネスでの打ち合わせの詳細を、メールで連絡することはかなり一般的なことです。その際の文章の書き方に関しても、ある一定のフォーマットがあったり、ある程度決まった基準が存在します。では、打ち合わせの依頼メールを送信する際の、雛型とも言える基本構成についてご紹介します。
1.件名
ビジネスの現場ではメールを交わす機会がたくさんあります。どのような内容をいつどういったタイミングで送受信するかも、意外と関係性があります。そこで、まず最初に考慮しておく点は「件名」です。
相手にメールを開いてもらう重要なファクトでもあります。もし、わかりにくい件名や長すぎる件名だった場合、下手をすると迷惑メールと勘違いされて開いてもらえません。
ポイントは簡潔にわかりやすい件名に絞り込む必要があります。 例えば「8/4(火)新規プロジェクト打ち合わせのご連絡」 「定例会議打ち合わせ日程のご案内」 など、受取人が件名を見て概要を目測できるタイトルを付けるようにしましょう。
2.宛先
メールのやり取りにて、宛名を明確に入力することは基本中の基本です。社内外問わず、誰に送っているのかを書かなければ、初歩的なマナーを知らないのだと思われてしまいます。一般的には「部署名、役職名、氏名、敬称」という順番で書きます。
例えば「商品開発部、部長、田中(様)さん」 「営業部、佐藤(様)さん」などです。その際には、部長などの役職の後に敬称(様)を続けてしまうのはNGです。役職には敬称の意味も含まれていて、これはどこも共通な一般常識です。
ちなみに社外メールの場合も、「会社名、部署名、役職名、氏名、敬称」という宛名の書き方をします。会社名や部署名、氏名は省略せずフルネームを用いるのがポイントです。 例えば 「株式会社A、営業部課長、田中太郎様」といった書き方をします。
3.締め
打ち合わせの依頼メールを送信する場合、日程に関する了解を得るため相手へ返信を求めるのが流れです。返信をしてもらう意味での、メールを締める書き方をするとよいでしょう。
例文としては、 「お手数ですがお返事をいただけますようよろしくお願いいたします」 「お手数ですがご都合についてご返信いただけますようお願いいたします」 「恐縮ですが、ご連絡をいただきますようよろしくお願いいたします」 といった書き方をします。
4.欠席
打ち合わせの日程などで都合が悪く欠席せざるを得ない場合、送信メールでは、相手への配慮をするような書き方をします。まずは断る明確な意思、打ち合わせに伺えない理由、骨を折っていただいたことへの感謝の言葉を添えます。
それとともに肝心なことは、別日程で再度打ち合わせの設定をし直せるのか否かを伝えます。それが即決できない場合には、いつ再連絡するのかを明確に書き添えることで、相手からの信頼感がそのまま維持できます。
打ち合わせの依頼メールの注意点
相手との関係性がどうであれ、打ち合わせをするのであれば、お互いの都合を意識して同意できる内容でなくては成立しません。その同意を得るためには、依頼メールの書き方で注意を払う点があります。ここでは、打ち合わせの依頼メールを送る際の注意点をご紹介します。
1.相手の予定を優先しよう
双方の都合を調整し妥当な打ち合わせの日時は決定されていきます。ただしアポイントの依頼をする側である場合、自分の都合から押しつけてしまうのではなく、あくまでも先方の都合を伺って、それに合わせていくのが筋だと考えておくことが大切です。
ただし、漠然とした内容で返事を伺うと、先方も困ることがあります。「お打ち合わせの日程はいつがよろしいでしょうか」とだけ記載するのはあまり好ましくありません。最小限のやり取りの中で合理的に進展できる文面にまとめあげるほうが、かえってうまく事が運びます。
依頼メールを送るのであれば、先にいくつかの打ち合わせ日程の候補日を記載しておいて、その中から決めてもらうほうがスムーズになります。その上で、各日程でも都合がつかなければ遠慮なく知らせくれるように促すと、より気遣いのできたメールになります。
2.打ち合わせの候補日は3つ以上用意しよう
先述したように、相手の都合の良い日を漠然と促すと、かえって恐縮されてしまいやりにくくなることがあります。そこでこちらの都合の良い日時を複数候補にしておき、その中から選んでもらうほうが簡潔に決定できます。
候補日は少なくとも3日分は提示することが原則です。中には日程自体は可能でも、時間をずらしてほしいという場合もあり得ます。その際も、予め相手の都合を優先して考慮するほうが望ましいと言えます。
ポイントは、1か月以上先の打ち合わせ日時では変更されやすく、かえって決定できなくなります。2週間前後のスケジュールで決めれば確実性が高まります。
3.柔らかい言葉遣いと謙譲語を用いよう
メールの文面上でも、正しい敬語を使う習慣はビジネスの基本です。丁寧語や謙譲語などの扱い方を理解した上で、メールの文章を構築していきましょう。特に相手の役職・肩書きには細心の注意を払うことです。
また敬語を使いつつも、相手の都合を優先する姿勢を見せていくことが望ましいです。柔らかい表現をすることが書き方のポイントです。
4.終了予定時刻をしらせよう
打ち合わせの依頼メールをする際に、打ち合わせの日時は必ず決めます。同時にどのぐらいの所要時間を要するのかに関して、メールにも一言添えて知らせれば気配りができる人として認識されます。
所要時間が知りたいという相手もいるはずです。スケジュールの時間調整をすることができて、相手としてもありがたく思ってくれるはずです。
打ち合わせの依頼メールの例文集
打ち合わせの日時を決定させるのであれば、できるだけスムーズで合理的に済ませたいものです。お互いの都合の妥当なところを見つけるには、どのような言い回しが最適なのでしょうか?ここでは、打ち合わせ依頼のメールについての例文をご紹介します。
1.社外との打ち合わせの際の依頼メール
打ち合わせ日程について、株式会社〇〇〇〇営業部〇〇〇様、日頃よりお世話になっております。株式会社△△、総務部△△です。今回のサービス導入に関してのお打ち合わせの日程をご相談したくご連絡させて頂きました。恐縮ではございますが、まず当方での可能な日時を下記に記載致します。
「お打ち合わせ日時候補」8月5日(水)10時以降、8月6日(木)10時から14時、8月7日(金)終日可能、お時間は1時間~1時間半を予定しております。
お手数おかけいたしますが、ご都合の宜しい日時をご返信いただければ幸いです。もし、いずれの日程もご都合が悪いようでしたら、ご遠慮なくご都合をお知らせください。何卒宜しくお願い申し上げます。
2.社内との打ち合わせの際の依頼メール
件名: 打合せのお願い、○○課長、お疲れ様です。上記の件、ご報告とご相談事項があり、よろしければ以下日程のいずれかで1時間ほど打合せのお時間をいただきたいのですが、ご都合のほどいかがでしょうか。
「候補日」程8月3日(火)午前、8月6日(金)午前、8月9日(月)午後、「内容」営業報告とご相談(資料添付いたします)「相談事項」今後のA社との取り組み方、恐れ入りますが、ご検討いただければ幸いです。宜しくお願い致します。
使える敬語表現を紹介
打ち合わせ依頼のメールは、ビジネスメールの一種です。そのため、ある一定の雛型や定型句が存在します。それらは丁寧な敬語表現になっています。ここでは、打合せ依頼のビジネスメールでもよく使われている敬語表現をご紹介します。
お時間を頂戴したく存じます
お時間を頂戴したく存じますは、頻繁にビジネスメールで使用されている打合せ依頼のための敬語フレーズの一つです。例文としては、「お時間を頂戴したく存じます」「お時間を頂きたく存じます」「お時間を頂ければと存じます」といった使い方をします。
意味としては、時間をもらいたいと思う、時間をもらえたらと考えているとなり、「頂く」は「もらう」の謙譲語、「存じる」は「思う」の謙譲語とされています。
承知しました/承知いたしました
ビジネスメールの中でよく使われる打合せ依頼の敬語フレーズとして、承知しましたという表現があります。了解したという言葉の敬語表現です。
また「承知いたしました」は「する」の謙譲語「いたす」に丁寧語の過去形「ました」を加えています。例文としては「承知いたしました、では8月10日13時30分にお伺います」といった表現をします。
ご都合いかがでしょうか
この言葉もビジネスメールでよく使われる、打合せ依頼のための敬語フレーズです。意味は「都合はどうでしょうか」と、相手の意思を伺う時に使います。「いかが」とは「どう」という表現の丁寧な形です。目上の人物や顧客など、相手の都合をたずねる時に用います。
打ち合わせの依頼メールの返信の書き方
打ち合わせの依頼メールを送信することもあれば、逆に相手からもらうパターンも想定されます。その際は、やはり返信して連絡を取り合うわけですが、返信の際に、どのような点を注意すればよいのでしょうか?ここでは、打ち合わせ依頼の返信メールの書き方についてご紹介します。
打ち合わせの依頼メールの返信の構成
打ち合わせの依頼をメールでやり取りする際、自分から返信をするということも日常的です。その際にも、メールの書き方には、ある一定のひな型や定型句なども存在します。では、返信メールの具体的な構成についてご紹介します。
1.お礼
相手から打ち合わせの依頼メールを受信したら、メールをいただいたことや打ち合わせの時間設定などにご足労いただくことへ、お礼や労いの言葉を伝えましょう。
例文として、 「この度は、お忙しい中ご連絡いただき誠にありがとうございます。 また、貴重なお時間を割いていただきまして感謝申し上げます」といった内容を盛り込みます。
2.日程
打ち合わせ依頼のメールにて、候補の日程で都合が合えばその旨を率直に伝えましょう。 例えば、 「ご提案いただいた日程で問題ありません」 などでよいでしょう。もし多少の調整を要するのであればその詳細も伝えます。
例文としては、「日程は20日で問題ありませんが、時間を1時間ほどずらすことは可能でしょうか?」といった内容にします。お互いの決定事項を確認する意味で、もう一度日時や場所の記載も、念を入れて忘れないよう心がけておきましょう。
早めの返信を心がけよう
打ち合わせの依頼メールを受け取ったら、できるだけ早い返信をするよう心がけましょう。スケジュールの確保という意味でも、相手の負担を減らせる効果もあります。スムーズなやりとりは、仕事が早いという印象になります。
もしすぐに返信できないようであれば、詳細を改めて連絡するという旨のメールを送信するだけでも違います。
打ち合わせ後のお礼メールも忘れずに
打ち合わせの依頼メールは、日程や詳細を決めお互いの都合を調整して実現します。当日予定通りにできたら、改めてお礼のメールを送信することも忘れないように心がけておきましょう。「先日は、お忙しい中、お会いできましたことを感謝申し上げます」といった文面も添えておくのも大切です。
打ち合わせの依頼メールの返信の例文集
打ち合わせの依頼メールについて、その返信をいつどのようなタイミングで行うかは個人差もあります。できるだけ早目な対処をしたいものですが、なかなかそうもいかない事情がある場合も考えられます。
もし、先方からの返事が来ない時には、どのような対処をすればよいのでしょうか?ここでは、打ち合わせの依頼メールの返信が来ない場合の、その催促メールの例文をご紹介します。
返信の催促メールの例文
件名:【再送】打合せのお願い、株式会社○○営業部○○様、度重なるご連絡、大変恐れ入ります。先日、メールにてお送りしました打合せ日程の件、○○様のご都合のほどはいかがでしょうか?
失礼とは存じながら確認のため連絡いたしました。再度メールを転送いたしますので、恐縮ですがご確認いただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
日程調整をよりスムーズにするには
打ち合わせの依頼メールでは、お互いが都合のつく候補日をピックアップしておき、相手に促して確認するのが一般的な方法です。それだけに、候補日についての細心な注意をしなくてはなりません。
提示した候補日のすべてが都合悪いという場合も想定されますし、候補日として提示した自分が、他の予定などで変更せざるを得なくなるといった不可抗力な場合も考えられます。まずは自分から提示した候補日は、よほどのことがない限り厳守することは第一条件です。
また、うっかり忘れてしまわないために、日程調整サービスなどを利用することをおすすめします。また、GoogleカレンダーやOffice365カレンダーなどと同期させ、スケジュール管理を怠らない工夫が必要です。
正しい打ち合わせの依頼メールで円滑にビジネスを進めよう
ビジネスシーンにて、顧客との接点を持つために打ち合わせをする機会は多いはずです。その詳細を決めて連絡しあう手段は色々あり、最近ではSNSやチャットワークなども利用されています。しかし今でもeメールでのやり取りはポピュラーで、それを中心に活用するパターンも定着しています。
メールにはメールの作法があり、それはそのままビジネスマナーとして捉えられています。打ち合わせ依頼メールの正しい送り方を実践しながら、円滑なビジネスを展開していきましょう。