「早急なご対応」の意味や使い方を覚えよう!
「早急なご対応」という言葉はどんなシーンでどのように使用するのかご存知でしょうか?「早急なご対応はどんな意味?」「ビジネスの場面でどうやって使ったらいいの?」と疑問を感じている方も多いでしょう。
今回は、「早急なご対応」の意味や例文・使い方についてご紹介してまいります。早急の言葉の類語である言葉や、英語表現についても合わせて覚えていきましょう。
また、「早急なご対応」を使用する時に気をつけておかなければならない点もぜひ参考にしてみてください。
「早急なご対応」の意味
「早急なご対応」とはどのような意味を持つのでしょうか?「早急」という言葉は、一般的に”そうきゅう”と読む方が多いですが、もともとは”さっきゅう”という読み方が正しいとされています。
「早急」は文字の通り”非常に急ぐこと”という意味があります。「ご対応」は”周囲の状況に合わせて物事を行うこと”という意味を持ちます。
そのため「早急なご対応」とは2つの言葉の意味を合わせて”非常に急いで、周囲の状況に合わせて物事を行うこと”になります。
「早急なご対応」はどんな時使う?
「早急なご対応」の意味が”急いで物事を周囲に合わせて行うこと”ということがわかりましたが、実際にはビジネスでのどんな場面で使用するのでしょうか?
「早急なご対応」という言葉は、対応に”ご”が添えられていることもあり、ビジネスにおいて上司や取引先など目上の方を相手にして使用します。
「早急なご対応」は、一般的にメールなどのビジネス文章などで、敬語を使用する使い方が多いです。目上の方に対してお願い事を依頼することとなりますので、使い方には注意が必要です。
「早急なご対応」の使い方・メール例文
「早急なご対応」は上司や取引先など目上の方に対して、急ぎの依頼をするときに使用する言葉です。「早急なご対応」の意味やどんな方に対して使用するのかはわかりましたが、ここからは実際の例文や、メールでの例文などもご紹介していきます。
敬語で「早急なご対応」を使用しなければならないという方はぜひ参考にして、実際に活用してみてください。
「早急なご対応」の例文①
「早急なご対応」を使用した例文でよく使用されるのが、「この件に関しては、早急なご対応をよろしくお願い申し上げます。」というように敬語を用いながら丁寧な言葉づかいで依頼をするものです。
このような文面は、やむを得ない事情で急ぎの用事を自分よりも目上の相手に対してお願い事をしなければならなくなったときにメールなどを使用して伝えます。
「早急なご対応」の例文②
早急なご対応は上の例文のように、目上の相手に対して急ぎの依頼をするときに使うことが多いのですが、相手が早急に対応をしてくれたときに感謝の気持ちを述べる際に使うという使い方もあります。
例文としては、「先日は、早急のご対応誠にありがとうございました。」といったように使用します。このような例文は、口頭で伝えるというよりはメールなどの文面で使用する場面が多くなっています。
また、早急なご対応という言葉を使って感謝の気持ちを目上の方に対して使用したいときには「お蔭さまで無事にプロジェクトを終えることができました。早急のご対応に感謝いたします。」というように使用することもできます。
相手に早急な対応をしてもらったときの感謝の伝え方として「早急のご対応ありがとうございます」「早急のご対応に感謝いたします」など使用方法はいくつかありますので、文脈に合わせて上手く使ってみましょう。
「早急なご対応」をお願いするメール例文
メールにて上司や取引先に対して、急ぎのお願いをする場合の例文としては「〇月の企画の報告書を作成について、早急にご対応くださいますようどうぞよろしくお願いいたします。」と敬語で丁寧に依頼をします。
口頭ではなく文面のみでお願いをすることとなりますので、その場合は相手の方に失礼のないように言葉づかいに気を付けて、正しい敬語を使用するよう心がけましょう。
「早急なご対応」の正しい敬語表現
「早急なご対応」の使い方として、敬語を正しく使用することがポイントとなりますが、実際に「早急なご対応」を使うときの”正しい敬語”とは具体的にはどのような表現となるのでしょうか?
急ぎの用事を依頼する相手が目下の場合は、「早急に対応してください」というようないい方になることもありますが、上司や取引先が相手となるとこのような言葉づかいでは失礼に当たります。
「早急なご対応」というのは丁寧な言葉ではありますが、相手に対してお願いをしていることになりますので、不適切な敬語表現をしてしまっては相手を不快な気持ちにさせてしまいます。
また、「早急にご対応いただき、ありがとうございます」という文章は正しいように聞こえるかもしれませんが誤りとなっています。正しい敬語表現としては”いただき”を使用しない「早急のご対応ありがとうございます」を使用しましょう。
”ご対応”と”いただく”を使用したい場合は、「対応をしていただき、ありがとうございます」というように、”ご”を外して使用するのが正しい敬語表現となります。
印象を良くする使い方
早急なご対応という言葉を、印象を良く受け取っともらうための伝え方にはポイントがあります。お願いをするための言葉ですので、伝える相手に上から目線で言っているように感じさせないよう注意する必要があります。
相手に印象良く受け取ってもらうためのポイントは、「早急なご対応をお願い申し上げます。」の文面の前に「申し訳ございませんが」という言葉を添えておくことです。
お願いの言葉の前に謝罪の言葉を添えておくことで、”急ぎの依頼をしてしまって申し訳ない気持ちがある”ということを相手に伝えることができます。
「早急なご対応お願い致します」という言葉は命令口調ですので、クッション言葉として「申し訳ございませんが」の言葉があるとないとでは、メールを受け取った相手も感じ方が変わってきます。
「早急なご対応」をビジネスの場で使用しなければならないシーンがありましたらぜひ参考にして「申し訳ございませんが」という言葉を入れてみてください。
「早急なご対応」の「早急」の類語
これまで「早急なご対応」の使い方や例文についてご紹介してまいりました。早急という言葉には”非常に急ぐこと”という意味があるとお伝えしましたが、この「早急」と似た意味を持つ言葉がいくつか存在します。
その類語というのが「早々」「早速」「迅速」という言葉になりますが、この3つの言葉と「早急」の意味の違いについてや使い方の例などをご説明してまいります。
ビジネスメールで使用する言葉の選び方には悩んでしまう方も多いでしょうが、「早々」「早速」「迅速」の言葉の意味を理解して、急ぎの具合や言葉を使用する相手などによって上手に使い分けてみましょう。
「早々」
「早々」という言葉は”そうそう”と”はやばや”どちらの読み方もできる感じです。しかし「早々に」となりますと、”そうそうに”と読みます。
「早々」の言葉は「できるだけ早く」や「すぐに」という意味をもち、なるべく早く物事をすすめてほしい気持ちという意味も含まれています。
「早急」という言葉に比べると「早々」は目下の相手または同等の相手に使用することが多いので、上司や取引先などの目上の方に使用することはありません。
いくら丁寧な敬語を使用したとしても「早々に」という言葉自体が少しフランクな意味合いを持ちますので目上の方に使うことがないように注意しましょう。
「早々に」という言葉は、目上の方に対して依頼するときに使うと大変失礼にあたりますが、相手がしてくれたことに対して感謝の意を伝える際には使用しても問題はありません。ビジネスでのメール上でも使用することはよくあります。
例えば、「先日のプロジェクトの案について、早々に対応をしていただきありがとうございました。」というように、相手がすでに対応を完了している場合には「早々」という言葉を使用しても失礼にはなりませんので覚えておきましょう。
「早速」
「早速」という言葉は、一般的には”さっそく”と読み、「すぐに」や「すみやかに」という意味をもちます。また、行動や対応が素早いことという意味合いもあります。
「早速」も「早々」と同じで、目上の方に使用する際には感謝の気持ちを伝えるときに使用することが多いです。例文でいいますと、「早速ご対応いただき、ありがとうございました。」といった使い方で使用します。
また、自身が上司などの目上の相手に対してすぐに対応することを伝えたい場合、「早速ご対応いたします。」という使い方をします。このような使い方はメールでも使用できますのでぜひ参考にしてみてください。
「早速」という言葉は「早急」と違って、相手に急ぎの依頼をするときには使用しませんので、目上の方に急ぎで物事を対応をしてほしい旨の依頼をしたい場合には「早急なご対応」という言葉を使用しましょう。
「迅速」
「迅速」という言葉は、”じんそく”と読むことができます。「迅速」の意味は「物事の進行がきわめて速いさま」となっており、ビジネスのメールなどでも良く使用される言葉です。
「迅速」に関しても「早々」と「早速」と同じで、上司など目上の方に対しての敬語での使い方は、感謝の気持ちを伝える際での使用方法が一般的です。
もし、迅速を使用して依頼を行いたい場合は、「大変恐縮ではございますが、迅速のご対応をお願い申し上げます。」というように依頼の文章の前に必ずクッション言葉である「大変恐縮ではございますが」などの文章を使用するようにしましょう。
「迅速」は特に物事の進行がとても速いことを表していますので、上司や取引先などの目上の方に使用する場合は特に注意しながら使い、基本的には感謝の意を伝える際に使用することを心がけましょう。
「早急なご対応」の英語表現
「早急なご対応」の使い方や例文や、早々・早速・迅速など類語の言葉についてご紹介してまいりました。すべて”はやい”という意味が込められていますが、具体的な意味合いは変わってくることが理解できたのではないでしょうか。
最近ではビジネスの場で英語ができることが求められる職場も増えてきていますが、「早急なご対応」を英語で表現しなければならない場面がある可能性もあります。
ここからは、ビジネスシーンでも使用できる「早急なご対応」の英語での表現方法についてお伝えしてまいります。「英語の文章でビジネスメールを作成しなければならなくなった」という方もぜひ参考にしてみてください。
speedy response
「早急なご対応」を英語に訳すと「speedy response」となります。"speedy"の英語には「素早い」「はやい」といった意味があり、"response"の英語には「レスポンス」「応答」「返答」といった意味があります。
また、「早急な」の英語として"immediate”を利用することもあります。このimmediateという英語は「即座に」「すぐに」といったニュアンスをもつ単語です。
もし、「早急なご対応ありがとうございます。」というように感謝の気持ちを英語で伝えたい場合は「Thank you for the speedy response.」というように「Thank you for~(~をしてくれてありがとう)」を使用して感謝を伝えます。
また、「早急な対応をしていただき感謝しています」と伝えたい場合には「be動詞+grateful」の表現を使用します。「be動詞 grateful」という語句は「感謝する」という意味をもちます。
例えば「私たちは早急な対応をしていていただいて感謝しています」という文章であれば、「We are grateful for your speedy response.」となりますのでぜひ覚えておきましょう。
quick handling
「早急なご対応」の英語訳としてもう一つは「quick handling」というものがあります。「quick handling」を直訳すると「迅速な取り扱い」という意味になります。
"quick”が「はやい」という意味をもつことは多くの方がご存知なのではないでしょうか。"quick”は動作を終了するまでのスピードが速いということを表す英単語です。
それに対して、先ほどご説明した「speedy response」の"speedy”は物事がただちに行われるという意味での「はやい」を表しています。
"handling”は「取り扱い」や「操作」といった意味をもつ英単語です。"response”が「返答」という意味になりますので、この2つの単語は意味合いが違うことが分かります。
"handling”の場合は、配慮した対応についての言い回しになりますので、意英語の意味を理解して"response”と上手に使い分けるとよいでしょう。
「quick handling」を使用した例文としましては、「Thank you so much for quick handling.」というものがあり訳しますと「早急に対応していただき誠にありがとうございます。」という意味合いになります。
"Thank you"に"so much"を添えることで、普通に”ありがとう”と伝えるよりも丁寧な表現となっています。メールにて英語で文章を書かなければならなくなった場合は、ぜひこちらの例文を参考に作成してみてください。
「早急なご対応」をお願いする際の注意点
これまでも「早急なご対応」は上司や取引先などの目上の方を相手にする場合には、正しい敬語で伝えなければならないとご説明させていただきました。
丁寧な文章で「早急なご対応」を依頼することもとても重要ですが、その他にもお願いする際の注意点があります。実際に、「早急な対応を上司に依頼したけどこれでいいのかな?」と不安に感じている方もいるのではないでしょうか。
ここからは、上司などの目上の方だけではなく「早急なご対応」をお願いするときに覚えておきたいポイントをいくつかご紹介してまいります。
迅速に依頼する
相手に「早急なご対応」をお願いするときの注意点の1つ目が、対応してほしい相手に迅速に依頼するということです。
相手に緊急で依頼をしなければならなくなったとき、自分が抱えている他のタスクは後回しにして、必ず「早急なご対応」のお願いを優先的に行わなければなりません。
相手に早急な対応をお願いしなければならないのに、早急な対応を依頼するメールを後回しにしてしまっては、必然的に相手の対応も遅れてしまいます。
そうなってしまっては、相手が迅速に対応をしてくれたとしても結果的に遅れてしまうことになりかねません。
仕事の中で「自分が担当している業務がたくさんありすぎて、相手に依頼する時間がない」「別の仕事を先に終わらせてしまいたい」といった気持ちもあるかもしれません。
しかし、相手に急ぎの対応を依頼する案件がまわってきた場合は、相手への依頼もスピーディーに行うように心がけましょう。
日時と理由をしっかり伝える
相手に「早急なご対応」をお願いするときの注意点の2つ目が、依頼する相手に対して日時と理由をしっかり伝えるということです。
上司や取引先などに「大変恐れ入りますが、早急なご対応をお願い申し上げます。」とメールを送ったはいいものの、具体的な日時や早急に対応しなければならない理由について伝えていなかったというケースもあるのではないでしょうか。
相手にメールで早急な対応を依頼する場合、「できる限り早く」などの曖昧な表現は避け、「〇月〇日の〇時までに報告書の提出をお願いいたします。」など相手に具体的な日時を伝えておきましょう。
具体的な日時を明記しておくことで、お互いにいつまでにしなければならないタスクであるのか共有することができます。
また、対応してほしい締め切りの日時を伝えると同時に、なぜ早急に対応しなければならないのかということも相手に伝えておきましょう。
急ぎである理由を伝えておくと、上司や取引先などの目上の相手でも「そういう理由だと優先して対応しなければならないな」という気持ちになりやすいです。
「早急なご対応」をお願いする時には、日時と理由はセットで伝えることを頭に入れてメールの作成に活用してみてください。
メールだけでなく電話や口頭でも伝える
相手に「早急なご対応」をお願いするときの注意点の3つ目が、メールだけではなく電話や口頭でも伝えるということです。
早急な対応を依頼した相手が忙しくてメールの確認ができていない、もしくはメールは確認したけれど対応するのを忘れていたという場合があります。
もし、こちらから伝えた日時が近づいてきてしまった場合は、もう一度相手に対して「早急なご対応」のお願いのメールを送信した上で、電話など口頭でも再度依頼を行うようにしましょう。
このとき、急いでいる気持ちを全面に出したいという気持ちもあるかもしれませんが、相手の方を急かすような伝え方をしないよう注意しましょう。
相手の業務が多忙でメールチェックが出来ていなかった場合でも、口頭で伝えることで確実に伝えることができますので、もしメールでの返答がなかった場合は活用してみてください。
「早急なご対応」をビジネスで正しく使おう!
「早急なご対応」の使い方や例文、正しい敬語表現についてや英語での伝え方についてご紹介してまいりました。また、早々・早速・迅速など「早急」と似た意味をもつ言葉についてもご説明させていただきました。
ビジネスにおいて、目上の方を相手に「早急なご対応」をお願いするときには気をつけなければならない点はたくさんあります。
物事を依頼しなければならない状況となったとき、相手を不快な気持ちにさせることなく「早急なご対応」を正しく使いこなせるよう、ぜひ今回の記事を参考にしてみてください。