ワッペンの簡単な付け方を覚えよう!
少し懐かしい響きのワッペン。子どものころ、給食袋に目印としてワッペンを付けてもらった記憶があるという方も多いのではないでしょうか。そんなワッペンですが、最近ではおしゃれアイテムとして再注目されています。この記事ではそんなワッペンの付け方やアレンジ法などをご紹介します。
ワッペンとは
シンプルなトートバックのワンポイントとして付けたり、服に開いてしまった穴の上から付けたりとさまざまな用途で使われるワッペン。アイロンや手縫いで簡単に付けられるとあって、小さな子どもさんをお持ちの家庭を中心に大活躍のアイテムです。
そんなワッペンですが、手作りアイテムを販売するサイトなどでは手作りの芸術的なワッペンが販売されているなど、ハンドメイドのアイテムとしても大活躍です。
ワッペンの由来
子どものころから身近な存在であったワッペン。カタカナで表記することから日本語ではないだろうとは想像がつきますが、実はドイツ語が由来です。ドイツ語ではwappenと綴り、「紋章」という意味になります。
中世ヨーロッパの時代、兵士は甲冑を身に付けてましたがこれでは誰が誰だか分からなくなってしまいます。そこで、自分の家の家紋などを布に縫い付けて飾り、お互いを区別したというのがワッペンの発祥とされています。
可愛い刺繍ワッペンが人気
このように発祥としては個人の所属を示すものとして使われていたワッペンですが、現在ではおしゃれなワッペンも多数登場し、ファッションアイテムとして使われることが多いです。
また、まだ文字が読めない小さな子どもさんが自分の持ち物を識別するためにワッペンを付けることもあります。保育園や幼稚園の入園準備でもワッペン付けというのは珍しくありません。
もちろん、オリジナルの意味に近い使われ方も残っており、その一例が制服の校章です。ブレザーなどの胸元に校章をデザインしたワッペンが使われている制服は今でも多く見られます。
ワッペンの種類
おしゃれアイテムとしても注目を集めているワッペン。手芸店などに行けばたくさんの種類が並んでいます。ワッペンを付ける方法としては、一般的にはアイロンを使う方法と手縫いで行う方法があるほか、場合によってはアイロンと手縫いを併用することもあります。
一般的にワッペンと言った場合、大きく2つの種類に分けることができます。それが、ステッカーワッペンとアイロンワッペンです。どちらのワッペンもアイロンで付けることができ、付け方は同じです。
ステッカーワッペン
ステッカーワッペンは、裏がステッカー、つまりシール状になっているワッペンのことを指します。場合によっては刺繍ワッペンとも呼ばれるこのワッペンは、裏がシールになっているのでアイロンで付けることのできないような場所にもワッペンを付けることができます。
例えば、ステッカーワッペン(刺繍ワッペン)を携帯電話の裏に付けたり、シンプルな鏡に貼ってステッカーワッペン(刺繍ワッペン)をアクセントにすることもできます。
もちろん、ステッカーワッペン(刺繍ワッペン)は一般的なワッペンのようにアイロンを使って布地に付けることもできます。その場合は、ステッカーワッペン(刺繍ワッペン)の裏面にあるシール部分が仮止めの時に活躍します。
アイロンワッペン
そしてもう一つの種類がアイロンワッペンと呼ばれているワッペンです。こちらはアイロンでしか接着ができないタイプのワッペンで、裏がつるつるとしているのが特徴です。
これは裏に予め糊が付いているためで、この糊をアイロンの熱で溶かすことで簡単に接着ができるようになっています。ナイロンなどの熱に弱い素材にこのアイロンワッペンを付ける際には、アイロンを使うことができないので手縫いで行うことになります。
ワッペンのアイロンでの付け方
ここからご紹介するのはアイロンを使用したワッペンの付け方です。比較的簡単に付けられるワッペンですが、ちょっとしたコツを知っておくだけでさらに気軽に付けられるようになります。
また、洗濯するとすぐワッペンが取れてしまうという口コミもありますが、付け方を少し工夫するだけで取れにくさが違いますのでぜひ参考にしてみてください。
ちなみに、これからご紹介するのはアイロンを使用してワッペンを付ける一般的な付け方です。ワッペンによっては刺繍の都合などで特別な付け方をすることもあります。かならず各ワッペンの付け方を確認するようにしてください。
用意するもの
ワッペンをアイロンを使って付ける方法、まずは必要なものを用意しましょう。ワッペンはアイロンで付けられるタイプのものを準備してください。
精巧で立体的な刺繍が施されているようなものは手縫いでないとつけられないタイプがありますので注意が必要です。
アイロンとアイロン台も用意しましょう。アイロンは一般的なアイロンで十分ですが、温度調節ができるアイロンが便利です。アイロン台は専用のアイロン台でなくとも熱に強い台であれば代用が可能です。
そして、アイロンとワッペンの間に使用するあて布も必要です。アイロンを当てますので熱に強く滑りがよい素材だとスムーズにワッペンを付けることができます。
ワッペンの生地を確認
アイロンでワッペンを付ける際にかならずしておきたいのが生地の確認です。ワッペンといってもすべてがアイロンに対応しているわけではないので、アイロンを使えるかどうかをチェックしておきましょう。
また、ワッペンを付けたい服やバッグの生地についても注意が必要です。アイロンを使うので熱に弱い生地にはワッペンを付けることができません。ナイロン、アクリル、ポリエステルなどの素材のほか、防水加工されているものにも注意が必要です。
さらに表面が滑らかではない素材だと、せっかくワッペンを付けてもすぐに取れてしまうことがあります。起毛になっている素材や毛糸などもアイロンでの接着は不向きです。
このようにアイロンが使えない生地や、不向きな生地にワッペンを付けたい場合にはアイロンではなく手縫いで付けるようにしましょう。
付け方・手順
ワッペンを付ける場所を決めたら、まずはアイロンを加熱しましょう。設定はドライです。基本的には150度ほどの中温で加熱するワッペンが多いですが、中には低温指定のタイプもありますので注意が必要です。
次にワッペンの上にあて布を置きます。これは、ワッペンを傷めないようにするための保護の目的があり、あて布を使用しない場合はワッペンの刺繍がテカってしまうこともあります。
あて布は薄い生地で綿100パーセントのものがおすすめです。タオルでは分厚過ぎるのでハンカチを使うのがおすすめです。無地か白を使います。
ワッペンの上からあて布を置いたらアイロンで5秒ほど真上から押さえ、ワッペンを仮止めします。決してこすらないように上から押さえるだけにしてください。
あて布を取り、位置に問題がなければ再度あて布をし、合計30秒ほどしっかりとアイロンを押し当てましょう。これで本接着となります。
本接着の時間は、ワッペンのデザインや生地の素材、厚みなどによっても変わってきます。30秒を一気にあてるのではなく、5秒ずつ慎重に様子を見ながらあてるのがおすすめです。
ワッペンがしっかりと接着されたら、あて布を取り、しばらく冷ましてください。熱いうちに動かしてしまうとはがれてしまう恐れもあります。
しっかりと冷め、完全に安定するまで放置しておきましょう。冷めるまでの時間もワッペンや生地によって異なりますが、念のため10分ほど放置しておくのがおすすめです。
ワッペンを強力に固定する付け方
アイロンでしっかりとワッペンを付けたと思っていても、何度か洗濯をすると取れてしまうこともあります。ここからはそんなことが無いように、ワッペンを強力に固定する方法をいくつかご紹介しましょう。
ちなみにワッペンを長持ちさせるためには付け方の工夫も必要ですが、洗濯する時にネットに入れるというのも一つの方法です。ワッペンが付いている面を裏側にしておくと更に長持ちします。細かい刺繍がある場合には手洗いコースを選ぶと安心です。
また、乾燥機に掛けると折角付けたワッペンが熱で取れてしまうこともありますので、自然乾燥をするようにしてください。
生地の裏側からもアイロンをかける
ワッペンを強力に固定する付け方、まずは生地の裏側からもアイロンをかけるという付け方があります。子どもさんが使うようなものはかなり雑に扱われることもあります。
そんな場合は、アイロンでワッペンを接着した後に、生地の裏側からもアイロンを当てておきましょう。これでワッペンを一層強力に固定することができます。
ただし、あまり長い時間アイロンを当てているとワッペンの刺繍部分や生地にダメージが及んでしまうこともあります。様子を見ながらアイロンをするようにしてください。
ワッペンの隅・角を糸で留める
ワッペンを強力に固定する付け方、ワッペンの隅を糸で留めるという付け方もあります。ワッペンが取れる時には端からめくれてくるものです。
ワッペン全体を留めるのは面倒でも、隅や端のところだけでも糸で留めておくと何もしない時に比べてずいぶん長く持つようになります。
ワッペンの手縫いでの付け方
ワッペンをアイロンで付けるというのは簡単にできる付け方ですが、ワッペンを長持ちさせようと思ったら手縫いで付けるのがおすすめです。
また、手縫いでワッペンを付ける場合は、糸や縫い方を工夫することでさらにおしゃれに仕上げることもできます。ここからはそんな手縫いでの付け方についてご紹介しましょう。
手縫いでの付け方の種類
ワッペンの手縫いでの付け方、まずは手縫いの種類についてです。手縫いでワッペンを付けるといっても、さまざまな縫い方があります。
手縫いが目立たないようにする方法もありますが、あえて目立つように縫うことでまるでワッペンの一部かのようにおしゃれに仕上げることもできます。ここでは代表的な手縫いの方法を3種類ご紹介しましょう。
バックステッチ
手縫いでの付け方の種類、まずはバックステッチという方法です。これは手縫いをする時の基本的な方法で、かなり簡単にできますので初心者の方にもおすすめです。
バックステッチで仕上げるとまるでミシンで塗ったような仕上がりになります。縫い目もしっかり見えますので、糸の色は慎重に選ぶようにしましょう。
やり方はバックステッチという名前のとおり、後ろに戻りつつ前に進んでいきます。裏から表に針を出したら、針目1つ分後ろに戻るところに針を刺し、裏へ出します。そして、最初の針目よりも1つ分前に針を刺し、表へと出します。
まつり縫い
手縫いでの付け方の種類、まつり縫いという方法もあります。これは簡単にできるだけでなく、糸が目立ちにくい方法ですのでワッペンのおしゃれなデザインを邪魔したくないという時におすすめの付け方です。
まずは裏から表へ針を出します。この時にワッペンの端から2ミリほど離れたところに針を出すのがポイントです。そして、ワッペンに向かって真っすぐに針を刺し、裏へと糸を出します。
次は斜め前、ワッペンの端から2ミリほど離れたところを狙って表へ針を出します。そしてまたワッペン向かって真っすぐに針を刺し、裏へと糸を出します。これを繰り返すことで、表の糸はほとんど目立たない付け方ができます。
ブランケットステッチ
手縫いでの付け方の種類、最後にご紹介するのはブランケットステッチという方法です。ブランケットの縁取りに使われることが多いのでこの名前が付いており、糸をあえて目立たせたい時におすすめです。
デザイン性が高いのでおしゃれに仕上がるだけでなく、コツをつかめばかなり簡単にできるのでぜひチャレンジしてみてください。
まずは裏から表へと針を抜きます。そして1つ分進んだところに針を刺して裏へと抜くのですが、この時に糸をかけるようにして裏へと抜いてください。
次はまた表から裏へと1つ分進んだところに針を刺し、裏へと抜きます。この時にも糸をかけるようにしましょう。これを繰り返せばおしゃれなブランケットステッチが完成します。
糸の選び方
ワッペンを手縫いで縫い付ける時には糸の選び方も重要です。ワッペンの色に近い色の糸で縫うと縫い目が目立たなくなります。また、わざと違う色の糸で縫い、おしゃれな色の組み合わせにするのも面白いです。
縫い方との関係もあります。まつり縫いのように糸の色が目立ちにくい縫い方をする時には糸の色はあまり気にする必要がありませんが、ブランケットステッチのように色が目立つ場合には慎重に色選びをしましょう。
中には透明な糸というのもあり、手芸屋に行けば購入することもできます。これだと縫い方はあまり関係なく、ワッペンのデザインを損なう心配もいりません。
また、糸の色を目立たせたい場合は刺繍糸を使うことも可能です。刺繍糸は6本ぐらいの細い糸が組み合わせられているので、2本から3本を取り出して使いましょう。
手縫いでの付け方のポイント
ワッペンの手縫いでの付け方は、縫い方と糸の種類が決まれば簡単に仕上げることができますが、作業をさらに楽にし、仕上がりを綺麗にするにはいくつかのポイントがあります。ここからはそんな手縫いのコツについてご紹介しましょう。
仮止め
ワッペンの手縫いでの付け方のポイント、まずは仮止めをしっかりするという点です。ワッペンの位置を決めたら、そこから動かないように仮止めをしておくと後の作業が楽になります。
仮止めの方法はいくつかあり、しつけ糸、まち針を使用することもできますし、布用のボンドを使うという方法もあります。
糸の長さ
ワッペンの手縫いでの付け方のポイント、手縫いをする時の糸の長さにも気を付けたいものです。後で糸が足りなくならないようになるべく長い糸で作業したくなりますが、そうすると糸が絡んでしまったり、糸がよれてしまうこともあります。
ワッペンは思った以上に硬いので手縫いの作業はゆっくりすることになります。なるべく手元がすっきりとするように糸は50センチほどにしておきましょう。
また、糸を針に通したら糸のうねりを取るためにピンと張って数回指ではじくようにしてください。これで糸の癖が取れるので縫う作業がさらに簡単になります。
縫い目の間隔
ワッペンの手縫いでの付け方のポイント、縫い目の間隔についても気を付けたいものです。ワッペンを縫う時には縫い目の間隔が等間隔になるように縫いましょう。
これで見た目が綺麗になるだけでなく、ワッペンが取れにくくなります。また、間隔は狭くすればするほどワッペンを丈夫に縫い付けることができます。
曲線部分の縫い方
ワッペンの手縫いでの付け方のポイント、最後は曲線部分の縫い方です。ワッペンのデザインによっては曲線部分が多くなりますが、直線部分よりも曲線部分の方が縫うのが難しくなります。
なるべく縫い目の間隔を狭くし、曲線のカーブに沿うように丁寧に縫いましょう。また、曲線に対し、針目が直角にくるようにしながら縫うことで仕上がりが綺麗になります。
ワッペンを使ったおしゃれ&かわいいアレンジ
ここからはワッペン特集の最後にワッペンを使ったおしゃれでかわいいアレンジをご紹介しましょう。シンプルなバッグでもワッペンを付けるだけで簡単にオリジナルグッズに大変身します。
最近では100円ショップでもおしゃれなワッペンを見かけるようになりました。凝った刺繍のデザインのものもかなり安く手に入れることができますので、ぜひ気軽に試してみてください。
巾着袋をアレンジ
ワッペンを使ったおしゃれ&かわいいアレンジ、まずは定番の巾着袋です。小学生のころ、学校に持って行く巾着袋に自分だけの目印となるワッペンを付けてもらったという方も多いのではないでしょうか。
100円ショップなどで何も柄の入っていないシンプルな巾着袋を買い、そこに好きなワッペンを付けるだけで完成です。
例えば、旅行用に下着用、洗面道具用、モバイルグッズ用などの巾着袋を用意し、それぞれ中に入っているものを示すようなワッペンを付けるというアイデアもあります。
キッチンクロスをアレンジ
ワッペンを使ったおしゃれ&かわいいアレンジ、キッチンクロスをアレンジするのもおすすめです。キッチンクロスはシンプルなものが多いですが、そこにワンポイントにワッペンを付けるだけでランクアップすることができます。
パン焼きが趣味という方であればパンのワッペンを付けたり、コーヒーが好きという方であればコーヒーのワッペンを付ければ、簡単にオリジナルのキッチンクロスが完成です。
トートバッグをアレンジ
ワッペンを使ったおしゃれ&かわいいアレンジ、トートバッグをアレンジするというのも人気です。無印良品ではマイトートバッグなどの無地のトートバッグが販売されています。
100円ショップなどでも販売されているキャンパストートバッグなどはそのままでは少し味気ないバッグですが、ここに好きなワッペンを付ければコスパよく自分だけのバッグを作ることができます。
靴下のワンポイント
ワッペンを使ったおしゃれ&かわいいアレンジ、靴下のワンポイントにワッペンを付けるという方法もあります。靴下の外側に小さなワッペンを付けると、目立ちすぎないおしゃれを楽しむことができます。
小さな子どもさんの場合、靴下の左右を間違えてしまうこともありますが、外側にワッペンを付けることで左右が分かりやすくなるという利点もあります。
Tシャツのワンポイント
ワッペンを使ったおしゃれ&かわいいアレンジ、最後はTシャツのワンポイントにするというアレンジです。シンプルで無地のTシャツはかなりコスパよく手に入れることができます。そこに自分の好きなワッペンを付ければ、どこにも売っていない自分だけのTシャツを作ることができます。
ワッペンの付け方を覚えてアレンジを楽しもう!
アルファベットから繊細な刺繍まで、多種多様なデザインが揃うワッペン。アイロンを使えば簡単に接着することができますので、子どもさんとオリジナルのグッズを作って楽しむこともできます。手縫いする時は糸の色で遊んでみるなど無限の可能性があるワッペン。ぜひ活用してみてください。