一人暮らしのガス代節約
一人暮らしのひと月の生活費はどのくらいかかるでしょうか。少しでも安くすませるために、節約を考える人もいるでしょう。食費の節約、電気の節約、ガスの節約、水道の節約と「節約」にはいろいろありますが、ここでは一人暮らしのガス代の節約についてご紹介していきます。
一人暮らしのガスの使用量の割合
一人暮らしのガスの使用量の割合はどれくらいでしょうか。自然エネルギー庁が発表している機器別エネルギー消費量の内訳を見ていくと、暖房21%・給湯32%・厨房(キッチン)9%・動力&照明などが38%となっています。
ガスを利用する「暖房・給湯・厨房(キッチン)」が全体の62%を占めていることがわかります。一人暮らしで節約を考えるなら、ガス代は大事なポイントといえます。
一人暮らしの平均ガス代
一人暮らしのガス代の平均はいくらでしょうか。お住まいのガスが「プロパン」か「都市ガス」かによって、一人暮らしのガス代の平均は大きく変わってきます。一般的にプロパンの方が都市ガスよりガス代の平均は高いと言われています。また、季節によりガスの使用量が変わるので、ガス代の平均も変動します。
平均ガス代金は4500円
一人暮らしの平均的なひと月のガス使用量は5㎡、ガス代は約4500円です。これは、総務省統計局が家計調査を行い算出したガス代平均数値です。全国調査の平均金額なので、実際のお住まいがプロパンか都市ガスかで、一人暮らしのガス代の平均は変わってきます。ひと月のガス代は「基本料金+従量料金(従量単価×ガス使用量)」で求めることができます。
一人暮らしのガス代の平均を地域別で見てみると、関東地や東海地が約5300円と全国平均より高いです。北海道や沖縄は約3600円と安いです。
一人暮らしのガス代相場【季節別】
一人暮らしのガス代の相場は、季節ごとにいくらぐらいでしょうか。季節ごとの平均的なガス代は、春(3~5月)は約4200円/月、夏(6~8月)は約3500円/月、秋(9~11月)は約4000円/月、冬(12~2月)は約6000円/月です。季節ごとの平均的なガス代を夏と冬で比較すると、冬は1か月で約2500円も高いです。
冬場はガス代が高くなる傾向
冬場はガス代が高くなる傾向がありますが、なぜでしょうか。冬場は気温が低くなるため、お湯の使用回数や使用量が増えます。寒い季節は温かいものを食べたくなり、煮込み料理や鍋料理などで長時間ガスを使うことが増えます。浴槽にお湯を張る回数も増え、追い炊きすることもあります。そのため冬場のガス代は高くなってしまいます。
一人暮らし・プロパンと都市ガスのガス代比較
一人暮らしのガス代を「プロパン」と「都市ガス」で比較してみます。お住まいのガスは、プロパンを利用していますか?都市ガスを利用していますか?どちらを利用しているかは、お住まいの外にガスボンベがあるかどうかでわかります。ガスボンベがあれば「プロパン」を利用、なければ「都市ガス」を利用していると言えます。
プロパンは都市ガスより高い
一般的に、プロパンは都市ガスより2倍ほど高いと言われています。なぜプロパンと都市ガスで料金設定が違うのでしょうか。プロパンと都市ガスについて、詳しく見ていきましょう。
プロパンの料金設定は、政府や自治体が介入しない「自由価格」です。プロパン業者が料金を自由に決めることができるため、料金設定はさまざまです。不当な料金を請求しているプロパン業者もいますので、一人暮らしをする前に適正な値段を請求する業者か確認をしておきましょう。
都市ガスは、地下に埋められたガス管を通して各家庭に供給しています。ガス管は都市部を中心に通っているので、供給できる地域が限られています。つまり、ガス管が通ってない地域は都市ガスを利用できないため、ガス代の高いプロパンを利用することになります。
都市ガスの料金価格は、政府が認可する「公共料金」です。都市ガスはホームページにガス料金を公開しているので、ガス会社同士の料金を比較することができます。2017年4月より都市ガスの自由化がスタートし、会社同士の競争が予想され料金の値下げが期待されます。このことから、不正による心配はないと言えます。
一人暮らしのガス代節約方法【キッチン】
一人暮らしの「キッチン」でガス代を節約するためにはどのような方法があるでしょうか。ガス代を節約するには、ガスを使わないのが一番です。しかし、ガスコンロを使用しなければ料理が作れません。油汚れの食器を洗うことも難しくなります。エネルギー消費量の内訳で、キッチンは全体の9%です。少ないと思うか多いと思うかはあなた次第です。
ここからは、ガス代が高いと悩んでいる一人暮らしの「キッチン」でガス代を節約する方法をご紹介していきます。
①電子レンジを使う
一人暮らしの「キッチン」でガス代を節約する方法は「電子レンジを使う」です。お鍋で野菜を茹で柔らかくしたり、冷凍した食材を弱火のガスで解凍しながら調理するなど、長時間のガスの使用はガス代を高くする原因になります。野菜の下処理や冷凍したお肉や野菜・作り置きした食材の解凍などは、電子レンジを使いガスでの調理時間を節約しましょう。
②冷水で食器を洗う
一人暮らしの「キッチン」でガス代を節約する方法は「冷水で食器を洗う」です。食器を洗う時、お湯で洗っていませんか?ついお湯を使いがちですが、油汚れがひどい場合を除き冷水で十分洗い落とすことができます。油がついた食器や調理器具などはお湯で洗わないと汚れが取れませんが、冷水で洗えるものはお湯を使わないことでガス代の節約になります。
冬場は特に冷水で洗うのが辛い季節です。ゴム手袋を使うことで冷たさは軽減されます。手荒れの予防もできるので、日ごろからゴム手袋の使用をおすすめします。
③作り置きをする
一人暮らしの「キッチン」でガス代を節約する方法は「作り置きをする」です。平日は学校や会社に行き、帰宅してから調理するのは大変です。時間に余裕がある週末などに作り置きしておくことで、ガスの使用量を減らすことができ、平日の調理時間も削減できます。
作り置きで野菜などを茹でるときは、同じ水で調理するとガス代の節約になります。アクの弱いのもから順に茹でることで、水を変えることなく下処理ができます。また、たまごやアルミホイルで包んだ野菜を一緒に入れてお米を炊くことでガス代を節約することもできます。
④調理法を変える
一人暮らしの「キッチン」でガス代を節約する方法は「調理法を変える」です。煮る>蒸す>炒める>の順番でガス代が高くなります。煮物をつくるより炒め物の方がガス代が節約できるということです。毎日炒め物ばかりでは偏ってしまいますが、揚げ物を少量の油を引いたフライパンで揚げ焼きにするなどの工夫で調理時間の節約もできます。
底の広い鍋や中華なべなどを使うことで、熱の伝わりが早くなり調理時間の短縮ができますほか、煮物を調理する場合は、圧力鍋や保温鍋を使うことで調理時間の節約が可能です。調理器具にもこだわりガス代を節約しましょう。
⑤蓋を使う
一人暮らしの「キッチン」でガス代を節約する方法は「蓋を使う」です。ゆで卵をつくる、味噌汁をつくる、お湯を沸かすなど、水を大量にガスで沸かす場合は、やかんや鍋の蓋を使いましょう。蓋を使うことで熱の放出が軽減され、早く沸騰することによりガス代の節約につながります。また、落し蓋も有効手段です。
⑥火加減を調節する
一人暮らしの「キッチン」でガス代を節約する方法は「火加減を調節する」です。ガスの炎は、なべ底の大きさに合わせて調節することが大事です。炎がなべ底の大きさからはみ出した分は、無駄になってしまいます。火加減の調整は簡単にできることなので、使う鍋の大きさに合わせて調整しましょう。
⑦食器洗剤の使用量を減らす
一人暮らしの「キッチン」でガス代を節約する方法は「食器洗剤の使用量を減らす」です。洗剤を大量に使えば汚れが落ちると思っていませんか?冷水で洗いきれない油汚れなどを洗剤で洗う時、使いすぎは泡切れが悪くすすぎに時間がかかってしまいます。ため桶を用意したり大まかな汚れを拭きとっておくなど、洗剤の使用量を減らす工夫もしましょう。
一人暮らしのガス代節約方法【お風呂】
一人暮らしの「お風呂」でガス代を節約するにはどのような方法があるのでしょうか。ガス代を節約するには、日々どのようにお湯の使用量を節約すればよいでしょうか。エネルギー消費量の内訳で給湯は32%です。つまり、お風呂でどれだけお湯を使うかによってガス代の節約金額は大きく変わってきます。
ここからは、ガス代が高いと悩んでいる一人暮らしの「お風呂」でガス代を節約する方法をご紹介していきます。
①お湯の使用量を減らす
一人暮らしの「お風呂」でガス代を節約する方法は「お湯の使用量を減らす」です。お湯を使うということはガスを使うということです。お湯の使用量が多ければ、それだけガス代は高くなります。浴槽にたっぷり張ったお湯につかって一日の疲れを取りたいところですが、ガス代を節約するなら、湯量を減らすかたっぷり使うのは週〇回と決めましょう。
一回に200Lのお湯を浴槽に張ったとします。これを180Lに減らせば10%の削減になります。160Lにすれば20%の削減、140Lにすれば30%の削減です。キッチンでの節約も大事ですが、お湯の張る量を減らすだけで簡単に節約できることを念頭に置いておきましょう。
浴槽にお湯を張る場合、忘れてこぼしてしまうともったいないです。湯量設定ができる給湯器リモコンがない場合は、タイマーをかけておくなど工夫しましょう。
②追い炊きは何度もしない
一人暮らしの「お風呂」でガス代を節約する方法は「追い炊きは何度もしない」です。長時間お湯に浸かっていると冷めてしまうので追い炊きが必要になりますが、追い炊きをするたびにガス代は高くなっていきます。湯船が冷めないように保温機能があるシートを使うなど、熱を逃さない&保温するアイテムを使って追い炊きの回数を減らしましょう。
また、寒い季節は体の芯から冷えているため、浴槽に浸かったあとすぐ冷めてしまいます。浴槽にある程度お湯が張れたら、あとはためながら入浴することで追い炊きの回数が減らせます。一日一回の追い炊きをしないだけで、毎月約1000円節約が可能になります。
③シャワーを上手に使う
シャワーでの「お風呂」でガス代を節約する方法は「シャワーを上手に使う」です。シャワーでお風呂を済ませる人に比べ、浴槽にお湯をためる人は700円/月ほどガス代が高くなります。夏場の暑い時期など、浴槽にお湯をためずシャワーで済ます日を増やしたり、お湯の量が調節可能な節水シャワーヘッドに取り換えるのもおすすめです。
シャワーの出しっぱなしもガス代が高くなる原因です。無駄に流してしまったお湯は再利用もできません。体を洗う・頭を洗う・顔を洗う時はシャワーを止めるよう心がけましょう。
寒い時期にシャワーだけですまそうとして長時間使用しても、体の芯から温まることはできません。無駄にお湯を使う原因になるので、浴槽にお湯を張るよりシャワーの方が使用量が増える可能性があります。しっかり温まりたい時は浴槽にお湯を張りましょう。
④浴槽にお湯をためるときは蓋をする
一人暮らしの「お風呂」でガス代を節約する方法は「浴槽にお湯をためるときは蓋をする」です。キッチンでガスを節約する方法でもご紹介しましたが、浴槽にお湯を張るときも蓋をしておくと熱が逃げません。お湯に浸かる時も半分蓋をしたままにしておけば、熱が逃げにくく短時間で体を温めることができます。
蓋をしていてもお湯は徐々に冷めていきます。浴槽にお湯をためたら、すぐに浸かるようにしましょう。
⑤温度設定を低くする
一人暮らしの「お風呂」でガス代を節約する方法は「温度設定を低くする」です。お住いの給湯器の温度設定を気にした事はありますか?基本の温度設定が高い場合、お湯を使う時にその最大温度まで上げることになります。例えば温度設定を42℃にしていた場合、42℃のお湯を使わなくても給湯器は42℃のお湯が出せるようガスを使って沸かしてしまいます。
1℃温度設定を下げるだけでも、大量にお湯を使うお風呂はガス代の節約に大きな影響があります。ガス代を節約するために、温度設定は40℃をおすすめします。寒い季節など高温で使いたくなりますが、温度設定が高いほどガス代が高くなることを念頭に置いておきましょう。夏場は38℃で十分です。使用目的に合わせ温度設定を上げ下げするのも良いでしょう。
給湯機の温度設定は簡単に操作できますが、心配な人は説明書を読むなどして温度設定をしましょう。
一人暮らしのガス代節約方法【給湯器】
一人暮らしの「給湯器」でガス代を節約するにはどのような方法があるのでしょうか。給湯器については一人暮らしの「お風呂」でガス代節約する方法、温度設定を低くするでも触れましたが、メーカーにより便利な機能がついています。
スイッチを押すだけで、設定した温度で設定水位までお湯を張る機能があります。更に、浴槽の湯量や温度をチェックし自動で追い炊きや足し湯までする機能もあります。便利な機能ではありますが、一人暮らしではガス代と電気代の無駄遣いになります。何気なく使っていた人は、ガス代と電気代節約のため、自分でお湯張りをしましょう。
湯沸し器は、お風呂だけでなく家中のお湯を沸かす時に使われています。帰宅時にちょこっと手を洗うだけでも、お湯を沸かすことになります。日中家にいない時はもちろん、いる時でも必要がなければ極力切っておくようにしましょう。
湯沸し器に注意
新しいマンションやアパートにお住いであれば、給湯器で家中のお湯を沸かしていることがほとんどです。しかし、築年数が古いマンションやアパートにお住いであれば、給湯器が後付けされ湯沸かし器も設置されていることが多いです。湯沸かし器は古くなるにつれ、安全装置が働かないなどの不具合が生じます。
湯沸かし器を使用してガスの火がつかなくなったり、すぐ消えてしまうなどの不具合が感じた場合は、直ちに使用をやめ換気をしましょう。お住いのマンションやアパートの管理会社か大家さんに事情を説明し、すぐに契約しているガス会社に見てもらいましょう。
一人暮らしでガス代が抑えられない時のポイント
ガス代を節約する方法をいろいろご紹介しましたが、節約生活をしてもガス代が抑えられない、どのような原因が考えられるでしょうか。ガス代が高いと悩んでいる一人暮らしでガス代が押させられない時のポイントは3つあります。①ガス漏れ②不正値上げ③ガスの設備費用上乗せ、この3つについて詳しくご紹介していきます。
①ガス漏れ
一人暮らしでガス代が抑えられない時のポイントは「ガス漏れ」してないかを点検することです。「先月より不在日が多かったのに今月の請求金額が高い」そんな場合はガス漏れの可能性があります。まずは自分の目で見て点検しましょう。ガス漏れの点検個所は3つあります。
1つめは、ガスの元栓の閉め忘れがないか、元栓のキャップが取れていないかを点検する。2つめは、ガスメーターが赤色に点滅していないかを点検する。3つめは、ガス機器とガス栓をつなぐゴムホースに亀裂があるかどうか点検する。
3つのうちどれかひとつでも異常が見つれば、ガス代が高いと悩まず、契約しているガス会社に点検の連絡をお願いしてもらうよう、お住いの管理会社か大家さんに相談しましょう。
②不正値上げ
一人暮らしでガス代が抑えられない時のポイントは「不正値上げ」されていないかチェックすることです。プロパンの料金設定は自由価格とご紹介したように、規定価格がありません。値上げのお知らせを告知しない悪徳業者もいるので、知らない間に値上げされガス代請求が高くなる場合もあります。毎月ガス明細の基本料金をチェックする癖をつけましょう。
ガス代値上げのお知らせ告知がなく値上げされていることに気づいたら、ガス代が高いと悩まず消費者センターに相談しましょう。
③ガスの設備費用上乗せ
一人暮らしでガス代が抑えられない時のポイントは「ガスの設備費用上乗せ」をされていないかチェックすることです。マンションやアパートなど賃貸住宅にお住いの場合、ガスの設備費用がかかります。管理会社や大家さんが負担するのが通常ですが、設備費用を借主のガス代に上乗せし負担させるケースもあります。契約内容を確認することをおすすめします。
プロパンはガス会社を変更できる
プロパンはガス会社を変更することができます。しかし、マンションやアパートなどの集合住宅にお住いの場合、プロパンのガス会社と契約している管理会社や大家さんの承認がなければ変更することができません。ガス会社は給湯器や配管の設備費用の支払い期間を契約時に決めており、期間前に解約する場合は残りの費用を支払う必要があります。
そのため、管理会社や大家さんにガス会社の変更を求めても、良い返答が返ってこない場合があります。その時は、集合住宅にお住いの方の署名を集めるなどして説得しましょう。
一人暮らしのガス代は節約で料金を抑えよう
一人暮らしのガス代は、節約できることがおわかりいただけたでしょうか。キッチンやお風呂・給湯器と、ガス代の節約方法はたくさんあります。ちょっとしたことでも、日々の積み重ねが大事です。ガス代が高いと悩んでいる人は、この記事を読んで、できることからガス代節約を実践してみて下さい。
また、契約しているガス会社の設定料金がそもそも高ければ、節約を頑張っても報われません。一人暮らしをするときには、まず、マンションやアパート選びが大事です。家賃の価格はもちろん大事ですが、毎月支払う光熱費も注意が必要です。
プロパンと都市ガスどちらを使っているのか、周りのマンションやアパートに比べてガス代は高くないかなども部屋選びのポイントです。これから一人暮らしをしようと考えている人は、これらの点も注意してマンションやアパート選びをしましょう。