自宅で簡単にできる干し柿の作り方を紹介!
秋冬になると旬を迎える干し柿は、栄養価も高く子供からお年寄りまで人気のドライフルーツです。田舎などでは風物詩として、秋になると軒先に干し柿が吊るしてある光景をよく見かけます。干し柿を作ることが初めての方でも、自宅で簡単にできる干し柿の作り方をご紹介します。
干し柿とは
干し柿とは、昔から果物の保存食としても人気のある、渋柿を乾燥させて作ったドライフルーツのことです。干し柿の糖度は甘柿の3〜4倍も高く、砂糖の1.5倍にもなるといわれています。干し柿の中身はトロトロの果実が凝縮されており、人気のおやつとなっています。
干し柿の種類は多く、各地で地元特産の干し柿がブランド化されています。その中でも干し柿で有名な長野県の「市田柿」は、高級干し柿としても人気となっています。他にも富山県の「富山あんぽ柿」や石川県の「ころ柿」など各地で色々な干し柿が生産されています。
干し柿の由来
干し柿の歴史はとても古く、平安時代にまで遡ります。干し柿は保存が効くので、昔から非常食、嗜好品として全国的各地に普及していきました。干し柿の製法も時代によって変化しており、当初は枝ごと天日干しをする方法でしたが、現在では柿を紐でぶら下げる干し方に変わりました。
干し柿を作るのに適した時期
干し柿を作るのには適した時期があります。乾燥する時期が好ましく、晩秋から初冬にかけて、降雨が少ない時期が干し柿作りに良い時期とされています。湿気が多いとカビが発生しやすくなるので、天候をみながら、なるべく雨が降らない時期に行いましょう。
干し柿の簡単な作り方
干し柿は、材料があれば自宅でも簡単に作ることができるドライフルーツです。明治以降から伝わっている、柿をひもなどで吊るして干す方法が一般的とされています。いくつかのポイントをおさえるだけで、甘くて美味しい干し柿を自宅で簡単に作ることができます。
用意する材料
干し柿に作るために必要な材料は、渋柿、干し柿を吊るす用の紐、干し柿を茹でる鍋、柿の皮を向く用の包丁、ピーラーです。特別な調味料や道具は必要なく、ほぼ自宅にある物で作ることができます。用意する柿は、甘柿ではなく渋柿を必要個数準備してください。
甘柿はスーパーに行くと、大抵はたくさん店頭に並んでいます。しかし渋柿は近所のスーパーでは売ってない場合が多いです。野菜の直売所や道の駅などではれば売っている可能性はありますが、近くにない場合は、ネット通販などでも探してみてください。
作り方①皮むき
早速渋柿の皮をむいていきます。まずは包丁で、ヘタの回りをくるりと横に一周むきます。剥いた柿の場所から、柿のお尻にむかって、縦に剥いていきます。この剥き方は、りんごのように円形に剥くよりも、時間もかからず、手も柿の実に触れにくい剥き方です。
作り方②吊るすヒモの付け方
干し柿を吊るすヒモを60〜70センチの長さに切っておきます。渋柿のヘタは、T字のままのものが多いので、そこのヘタにくくりつけて結んでいきましょう。ひとつのヒモの両端に柿を結び、柿が2個で一組となるように、吊るす準備をします。
作り方③カビをを防ぐ殺菌方法
干し柿にカビが生えないように、簡単にできる殺菌の方法があります。柿をヒモにつける前、もしくは後に、鍋にお湯を沸騰させて、3〜5秒ほどさっとお湯につけます。さっとお湯に通すだけで殺菌効果が期待できます。また、アルコール度数が高い焼酎をかけることも効果的です。
作り方④干し柿の干し方
干し柿の殺菌が終わったら、続いては干す作業に入ります。干し方の基本は、柿と柿がくっつかないようにしっかりと間隔をあけて干すことです。柿同士がくっついてしまうと、カビが発生してしまう原因になるので、うまく重ならないように干してください。
外での干し方
干し柿を外で干す場合は、風通しの良い場所に干しましょう。自宅のベランダや庭先で干す時には、日当たりが良い場所よりも、風通しの良い場所を探し、そこに吊るすようにしてください。しっかりと乾燥させることが、美味しい干し柿を作るポイントです。
干し柿を外で干す場合には、雨から守ることが重要です。雨がかからないような場所に干すと良いのですが、心配な場合は屋内に移動させましょう。ビニール袋などで柿を覆う方法もありますが、風通しが悪くならないように全体を覆うのではなく、雨が当たりそうな場所のみに被せます。
室内での干し方
自宅にベランダや庭がなくても、干し柿は室内でも作ることができます。室内でも風通しが大事なので、扇風機などを利用して干すこともおすすめです。美味しい干し柿を作るには、低い温度と低い湿度の環境が大事となるので、工夫して干す場所を確保しましょう。
作り方⑤モミの作業
柿を吊るし、1週間くらいしてから柿の表面がしっかりと乾いていれば、柿を揉む作業をします。ビニール手袋をつけ、指でつまむようにして、優しく揉んでいきます。この揉みの作業をしっかりと行うことで美味しい干し柿が出来上がります。
最初のうちは、柿もまだ固いので軽く揉みます。大きい柿や、まだ固い状態の柿に強い力をいれると、柿の表面が破けて汁が出てきたり、ヘタが取れてしまう場合もあるので、優しく作業します。以降、毎日柿の状態をみながら、揉みの作業を行ってください。
干し柿のカビの対処法
干し柿を作るときに一番気をつけたいことが、カビです。カビが発生してしまう理由は、気をつけていても干す場所の風通しが悪かったり、雨の日が続いてしまったなどがあげられます。もしカビができてしまったと思ったら、しっかりとカビかどうかを見極めて、早めに対処しましょう。
白い糖分とカビの見分け方
干し柿が出来上がる頃になると、表面に白い粉が出てくることがあります。一見、カビのように見えるかもしれませんが、「柿霜」と呼ばれる、ブドウ糖と果糖が結晶化したものです。粉がふいたように、表面にでてきているものはうまみ成分なので、美味しく出来上がった証拠です。
それに対し、白カビはふわふわしたひげが生えています。よく見ると、白い綿のような塊になっています。うまみ成分である白い粉とは、全く違って見えるのでよく観察してください。白カビは根が深いので、はえてしまったら残念ですが廃棄しましょう。
黒カビや青カビは焼酎でふく
また、干し柿に黒カビや青カビが出来ることがあります。もし、黒カビや青カビを見つけた場合には、キッチンペーパーに焼酎を含ませてから優しくこすりましょう。カビの被害を最小限にするためにも、毎日干し柿の状態を細かくチェックしてあげてください。
干し柿の食べ頃の見極め方
干し柿の食べ頃は、一般的に干し始めてから2週間程度たった頃からと言われています。少し黒ずんでくるので目安にしてもよいでしょう。小さいものは2週間程度、大きいものは3週間程度からが食べ頃で、柿の果実がとろりとした美味しい干し柿が完成します。
美味しい食べ頃な状態
干し始めてから2週間ほどで食べ頃の美味しい干し柿が出来上がりますが、お好みのタイミングで食べるとまた違った美味しさを味わえます。干し初めてから2週間程度の干し柿は、中身もまだ少しシャキシャキとしている食感もあり、食べ応えがあります。
干し柿の水分がよく抜けたものが好みの場合は干す期間を1ヶ月〜40日間ほどにしましょう。水分がとんで、柿の甘さがしっかりと凝縮された美味しい干し柿が味わえます。干す期間によって、干し柿の食感や甘みが変わってくるのも、自分で干し柿を作る醍醐味です。
干し柿の保存方法・保存期間
干し柿は、常温保存、冷蔵保存、冷凍保存をすることが出来ます。干してあるので、常温でも長期間保存が出来そうなイメージがありますが、常温保存だと2〜3日ほどです。常温保存をする場合は、キッチンペーパーに包んだり、紙袋にいれたりするなどをして、湿気対策を行います。
干し柿を1週間のうちに食べられる量であれば、冷蔵保存をしましょう。冷蔵保存をする場合は、キッチンペーパーなどで干し柿をひとつずつ包み、フリーザーパックなどの密閉袋にいれます。臭いがうつりやすいので、気になる方は袋を二重にして対策しましょう。
干し柿を長期間保存したい場合は、約半年ほど保存がきく冷凍保存がおすすめです。干し柿をひとつずつラップでくるみ、冷蔵保存と同じようにジップロックなどの密閉袋にいれて保存します。解凍する時は、常温で解凍するかレンジで10秒ほど温めればすぐに食べられます。
美味しい干し柿を自宅で作ってみよう!
甘くて美味しい干し柿は、少し手間はかかりますが、自宅でも簡単に作ることが出来ます。美味しい食べ頃をみきわめて、自宅でオリジナルの干し柿を堪能してみてください。材料も作り方もとてもシンプルなので、干し柿作りにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。