リストランテの意味
ピザにパスタ、ドリアやパンチェッタなどが特に有名で、日々の食生活にも深く浸透しているイタリア料理ですが、イタリア料理専門のレストランにお食事に行くことはありますでしょうか。日本でフレンチレストランやイタリアンレストランと聞けばどことなく予約が必須で高級なイメージがあります。
なのでリストランテという言葉は一般にはあまり馴染みがないかもしれません。イタリアンレストランには複数の呼び名があり、それぞれの意味に違いがあるのです。今回はイタリアンレストランの種類の一つである「リストランテ」について解説します。
高級イタリアレストラン
リストランテとは、イタリア料理のレストランの中で高級レストランの事です。ですが、最近は高級まではいかないような普通のレストランでもリストランテと呼ばれ、意味が変わってきているため従来の意味とは異なる捉えられ方をすることがあります。
服装についてですが、高級なレストランへは正装で行くイメージがあるのでリストランテと聞いて正装にしなきゃ、と考えるかもしれませんが、リストランテと名が付いていても大衆系の飲食店ということもあり得ますので、もしデートなどで利用される時は一度現地を下見された上でご判断された方がよいでしょう。
リストランテの特徴
本来、リストランテとは数ある飲食店の中でも高級レストランの部類なので、ミシュランガイドで星付きのお店だったり、歴史のあるお店であったり、有名なシェフが在籍されているなどの特徴があります。
また、リストランテには単品で注文するアラカルトはもちろん、高級食材を惜しげもなく使ったコース料理まで提供されています。そのため就業をされる方には調理に対する本格的な技術を習得することができます。
①修行をした料理人がオープンしたお店
高級レストランなどで一流シェフの下で修業した料理人の多くが独立し、自らのお店を開店しています。そのシェフの下で、また若手が料理を修業し本格的な料理を学んでいます。
また、修行したシェフの中で、高級志向ではなくトラットリアなど大衆系のイタリアンレストランを開店することもあります。大衆系のイタリアンレストランではスタッフの人数も少ないため調理から接客までの仕事を学ぶことができます。
②オープンキッチンで客との距離が近い
トラットリアなど大衆系のイタリアンレストランではお客様との距離を近くするためにオープンキッチンにしているところも多くあります。オープンキッチンには、お客様との距離を縮め、料理シーンをショーのように魅せるという効果も得ることができます。
リストランテは高級志向が強いのでクローズドキッチンとなっているレストランが多く、料理そのものの味やサービスで顧客をつかんでいます。最近はリストランテと名がついていても高級レストランとは限らなくなってきているので、リストランテでもオープンキッチンのお店が増えつつあります。
リストランテの6つの飲食店の違い
冒頭でも少し触れましたが、イタリアンレストランにはリストランテの他にもいくつか種類があります。リストランテ、トラットリア、オステリア、ピッツェリア、タベルナ(タヴェルナ)、バーカロの6種類があります。
すべてイタリア料理を提供する飲食店であることは間違いないのですが、それぞれ意味が違い、個々に特徴がありますので一つ一つについてわかりやすく解説します。
①リストランテ
イタリア料理での飲食店に於いて高級レストランに該当します。予約が必要なお店も多く、高級というだけありお値段も高めなのが特徴です。最近では大衆系の飲食店もリルトランテと名前を付けていることがあり、意味が変わりつつありますが、従来は高級レストランの事なので普通のランチ感覚で入ると少々高くついてしまうかもしれないので注意が必要です。
大衆系のトラットリアやオステリアとは違い、ドレスコードがあるのも特徴の一つです。また、ワインソムリエが在籍しているお店も多数あり、一流のワインが揃えられているのでお値段は張るかもしれませんがそれ以上に至福のひと時を提供していただけることでしょう。
②トラットリア
トラットリアは大衆向けのレストランで本格的なイタリア料理をお楽しみいただけます。日本で例えると街の定食屋さんのようなイメージです。伝統料理やオリジナルの創作料理を味わうことができます。中にはフルコースを味わうこともできるお店もあります。
ですが、トラットリアも意味が変わりつつあり、リストランテのように最近は名前だけでは判断できなくなってきています。トラットリアと名前が付いていても思っていたより値が張るお店もありますので可能であれば事前にお調べした方がいいでしょう。
③オステリア
オステリアはイメージとしてはトラットリアと近く、日本の飲食店に例えると居酒屋のような雰囲気の飲食店です。お店にも入りやすく、お値段もお手頃価格でお酒を飲んでワイワイと楽しめるのが特徴です。ただし、中にはオステリアと名前が付いていてミシュランガイドで星が付いている高級なオステリアもあります。
④ピッツェリア
ピッツェリアはその名の通り主にピザを専門的に提供しているお店です。ピザの専門の飲食店というだけあって、ピッツァヨーロと呼ばれるピザ焼き専門職人が在籍し、本格的な石窯を用意しているお店も多く、本場イタリアではピザの生地を伸ばす際に敢えてお客様へ魅せるピザ生地回しも特徴です。
⑤タベルナ
タベルナはトラットリアやオステリアをさらに小規模にしたようなイメージのお店です。お店の規模としては先述のピッツェリアが近いでしょう。シンプルなのですが個性あふれるお店作りがなされていることが多く、オーナーのこだわりを感じることができます。タベルナはイタリア国内よりも隣国ギリシャにも多数あるようです。
⑥バーカロ
バーカロはイタリア北東部の地中海に面しているヴェネツィアでよく見られる飲食店です。カウンター席とテーブル席が用意されており、お酒やコーヒーに加えて軽食も楽しめます。ヴェネツィアではバーカロをはしごして現地の方々と交流するのも他に染みの一つです。日本にもバーカロと名前の付いているお店はあります。
イタリアワインの選び方
イタリア料理に合うお酒と言えば、イタリアワインやスパークリングワインです。イタリアはワインの名産地でもあり、全20州でワイン用に栽培されているブドウの品種数は数千種類といわれています。気候条件などの産地の特徴により品種や味が違いがあるため、バラエティ豊かで魅力的なイタリアワインを作り出すことができています。
産地によって特徴と違いがある
イタリアは北部地域がアルプス山脈に、南側は地中海に面しているため気温や気候が地域によって違うといった特徴を持つ国です。そのため、ブドウの品種はもちろん甘みや渋みも地域によって違いがあります。イタリアは全20州あり、生産量に差はあるもののすべての州でブドウを生産し、ワインを作っています。
それらすべてをご紹介することはできませんが、特に押さえておきたいブドウの生産地とワインの品種をご紹介いたします。
①ピエモンテ州
ピエモンテ州はイタリア北部に位置しています。アルプス山脈が近いこともあり、イタリア国内でも比較的涼しい地域です。ピエモンテ州はイタリア北部におけるワイン製造の中心地です。ブドウ品種名ネッビオーロ種から生産できるバルバレスコ、バローロなどといった高級赤ワインの産地として有名です。
②トスカーナ州
トスカーナ州はイタリア中部に位置し、イタリアワインでは最も有名な生産地です。トスカーナで製造している8割以上が赤ワインです。ワインの種類はブルネッロ・ディ・モンタルチーノやキャンティ・クラシッコが人気です。更に、フランス系品種のブドウで製造しているスーパートスカーナがとても有名なワインです。
③ヴェネット州
イタリアの北東部部に位置しています。バーカロの説明でも登場した州都であるヴェネツィアは別名「水の都」と呼ばれています。平野部でブドウがたくさん作られており、ワインの製造量は20州の中で1位となっています。特に白ワインの製造に力を入れていて、ヴェネット州が製造しているワインの67%が白ワインです。
赤ワインではバルドリーノやヴァルポリチェッラなどがあり、プロセッコという白のスパークリングワインなんかも人気です。
④シチリア州(島)
古代ギリシャ人によりワイン作りが伝えられたとされ、イタリア国内ではもっとも古くからワインを製造してきたと言われています。地中海に囲まれた島のため、魚介類の水揚げが多く自然と赤ワインよりも白ワインの方が製造割合が多くなっています。
シチリア島のシンボルであるエトナ火山の中腹で栽培されるブドウはお手頃価格なのに高品質と評判が近年上がってきています。シチリア州で有名なワインはマルサラです。
⑤ラッツイオ州
イタリア中部のティレニア海側に位置するラッツイオ州といえば、イタリアの首都ローマがある州です。ローマ近郊でもブドウが栽培され、ワインが作られています。作っているワインのほとんどが白ワインで価格も比較的に落ち着いているのもが多いです。
首都として栄えたローマと違い、ワイン作りは少々他地域に遅れをとってしまい、世界的にもこの地域のワインはあまり知られていません。主に有名なのは、カンティーナ・ディ・モンテフィアスコーネとポッジョ・ディ・ヴォルピの2種類です。
⑥サルデーニャ州(島)
地中海の中心やや東側に位置するサルデーニャ島はヨーロッパのリゾート地として有名で、やはりこの地域も白ワインの製造率が高いです。そして、ワインにとって必需品ともいえるワインコルクの主要生産地でもあるのです。
有名なワインは、カンノナウ・ディ・サルデーニャ・リゼルヴァとヴェルメンティーノ・ディ・サルデーニャの2種類です
イタリアワインはドルチェにもピッタリ
イタリアワインは当然ながら料理にはよく合います。しかし料理だけではなくドルチェ、つまりスイーツにもよく合います。一つ紹介しておきますと、レ・グロッテ・レッジアーノ ランブルスコ ロッソ ドルチェはさわやかな後味で価格もリーズナブルと特徴があり、ドルチェ好きには欠かせない1本です。
リストランテをデートで使い分け
デートのプランを練る中で、飲食店の選別というのはとても重要な位置づけです。食事というのはマナー、金銭感覚や食の偏りなど良い意味でも悪い意味でも相手に見えてしまいます。この段階で失敗しないためにもしっかりとプランを練って思い出の残る素敵なデートにしましょう。
初回デート・トラットリア
初回デートから高級レストランを選択するのは相手に気を遣わせる上に金銭感覚まで疑われてしまうので避けた方がいいでしょう。初回は大衆向けのトラットリアやオステリアなどにしておき、料理というより二人の緊張をほぐし、相手が楽しい時間と思えてもらえるように努力しましょう。
2回目デート・タベルナ
2回目のデートでは、大きなお店ではなく小さめの隠れ家のようなお店を選択できるいいでしょう。行きつけのお店であれば更にグッドです。イタリアンに詳しいということをさりげなくアピールしましょう。自身の秘密を相手にさらけ出すことで、相手も秘密を打ち明けてくれます。そうすることでお互いに信頼が生まれてきます。
3回目デート・リストランテ
1~2回目とデートを重ねて感触がよければ、いよいよ3回目のデートで高級レストランであるリストランテへお誘いしましょう。高級レストランと伝えた上で来てくれるのは相手も意識している可能性が高いです。相手に合ったワインやドルチェをお勧めできると尚更いいでしょう。
落ち着いた雰囲気の中でいいムードになることができればきっと相手も次の展開に期待している事でしょう。
リストランテのドレスコードは変えるべき?
普段の生活であまり行かない場所に行くときは服装に悩んでしまいます。リストランテは高級レストランの部類なので、軽装はもちろんカジュアルな格好も避けた方がいいでしょう。フォーマルな格好をするように心がけましょう。ジャケットを羽織るだけでもフォーマルな格好に見えます。
お店の雰囲気に合わせよう
先述している通りリストランテの意味が変わりつつある今、店の名前だけで判断してしまうと失敗してしまうかもしれません。事前にリサーチが出来るのであればリサーチをしておいた方が間違いが起こるのを防ぐことができます。
そのお店に合った格好をすれば問題ありません。デートで相手に恥をかかせることの無いようにしてあげてください。そして、格好も大事なのですがそれ以上に食事中のマナーが出来ていないとそちらの方が恥ずかしいので日頃からテーブルマナーは身につけておきましょう。
リストランテは高級レストランの意味で使われる
イタリアンレストランの中でリストランテは高級レストランの意味で使われます。高級レストランですのでフォーマルな格好を心がけ、テーブルマナーは遵守しましょう。それさえ守ることができたなら価格は張る分最高のサービスとおもてなしでとても有意義で至福の時間を過ごすことが出来るでしょう。