おはぎのカロリーや糖質について解説!
おはぎは、日本で昔から親しまれている伝統的な和菓子です。甘くておいしいので、ダイエット中でも、ついつい食べたくなってしまうという方も多いのではないでしょうか。
しかしながら、おはぎといえばもち米と砂糖入りのあんこがたっぷりと使われていますので、ダイエット中に食べるとなると、やはり気になるのがカロリーや糖質です。おはぎには、一体どれくらいのカロリーや糖質が含まれているのでしょうか。
この記事では、おはぎのカロリーや糖質について解説します。あんこやきなこ、ごまなどの種類別のおはぎのカロリー、さらにダイエットに効果的なおはぎの食べ方も併せてご紹介しますので、ダイエット中の方はもちろんそれ以外の方もぜひ参考にしてみてください。
おはぎとは
おはぎのカロリーや糖質についてご説明する前に、まずはおはぎがどんな食べ物なのかということを改めて確認しておきましょう。
おはぎとは、もち米を蒸したり炊いたりしたものを丸めて、あんこで包んだ食べ物です。日本の伝統的なお菓子で、主にお彼岸のお供え物として食べられることが多いです。あんこの他に、きなこやごまを用いることもあります。
昔から、日本では赤い色が魔除けになると考えられてきました。そのため、赤い小豆にも邪気を払う効果があるとされ、先祖へのお供え物としておはぎが作られるようになりました。
昔はもち米と小豆を炊いたもので作られていたため、元々のおはぎは甘い食べ物ではありませんでした。これは砂糖が貴重で高価だったからで、明治時代になって庶民でも砂糖が買えるようになると、砂糖入りのあんこを使った甘いおはぎが作られるようになったのだそうです。
「ぼたもち」と「おはぎ」の違い
おはぎと似たような食べ物に「ぼたもち」がありますが、ぼたもちとおはぎに違いはあるのでしょうか。実は、おはぎとぼたもちの違いについては、いろいろな説があります。
その中でも最もよく知られているのが、作る季節によって呼び名が違うという説でしょう。春に作るものを春に咲く牡丹の花にちなんでぼたもち、秋に作るものを秋に咲く萩の花にちなんでおはぎと呼ぶようになったと言われています。
他に、もち米で作るものをぼたもち、うるち米で作るものをおはぎとする説や、あんこで作るものをぼたもち、きなこで作るものをおはぎとする説、こしあんで作るものをぼたもち、つぶあんで作るものをおはぎとする説などがあります。
地域や風習、お店によって、ぼたもちとおはぎの違いの定義は様々です。辞典などで調べてみると同じものとして扱われている場合が多く、現在ではぼたもちとおはぎに明確な違いはなくなってきているようです。
おはぎのカロリーは高い?
それでは、ここからはおはぎのカロリーや糖質についてご説明していきましょう。ダイエット中の方にとって、カロリーや糖質は大敵です。とはいえ、いくらダイエット中だからといっても、我慢しすぎるのもストレスの元です。
また、おはぎはお彼岸の行事食でもありますので、もし義実家や親戚の家などで出されたときには、いくらダイエット中だからといっても無下に断るわけにはいかないでしょう。
カロリーや糖質を知っていれば、たとえダイエット中にカロリーや糖質が高いものを食べたとしても、他の食事でバランスを取ることもできます。おはぎのカロリーや糖質の目安を知っておき、ダイエットに役立てましょう。
おはぎの1個当たりのカロリー
まず最初に、おはぎのカロリーについてですが、おはぎのカロリーは高めです。洋菓子と比べると和菓子の方がカロリーが低くて健康にも良いイメージがありますが、おはぎはもち米とあんこを主な材料としていますので、和菓子としてはカロリーは高くなってしまいます。
カロリーはおはぎの作り方や大きさによっても変わりますが、普通サイズのおはぎ1個あたりのカロリーは約180キロカロリーです。これを100グラムあたりのカロリーに換算すると、約268キロカロリーとなります。
ご飯のカロリーが100グラム(子供茶碗一杯分)で約168キロカロリー、140グラム(茶碗一杯分)で約235キロカロリーですから、それと比べるとかなりカロリーが高いことがわかります。他の和菓子の100グラムあたりのカロリーは、みたらし団子が約197キロカロリー、大福が約242キロカロリーなので、これらと比べてもやはり高いです。
おはぎの糖質(100gあたり)
おはぎのカロリーは高めということがわかりましたが、おはぎの糖質量はどうなのでしょうか。おはぎはもち米とあんこを主な材料としていますので、カロリーだけでなく糖質量にも注意する必要があります。炭水化物量から食物繊維量を引いた数字が糖質量です。
カロリーと同じく糖質量もおはぎの作り方や大きさによって変わりますが、普通サイズのおはぎ1個あたりの糖質量は約35グラムです。これを100グラムあたりの糖質量に換算すると、約45グラムとなります。
100グラム換算でショートケーキのカロリーが約310キロカロリー、チョコケーキのカロリーが約370キロカロリーなので、カロリーに関してはケーキよりもおはぎの方が低いです。けれども糖質量に関しては、100グラム換算でショートケーキの糖質量は約29グラム、チョコケーキの糖質量は約35グラムで、おはぎの糖質量の方が高くなるのです。
「きなこ」のおはぎのカロリー
次に、きなこのおはぎのカロリーを見ていきましょう。おはぎといえば、あんこで作るものが最も一般的ですが、きなこで作るおはぎもあります。
あんこのおはぎはカロリーが高めですが、きなこは優しい甘さが特徴となっていますので、あんこよりもカロリーが低いイメージがあります。では、きなこのおはぎのカロリーはどれくらいあるのでしょうか。
「あんこ」よりも「きなこ」はカロリー控えめ
きなこで作るおはぎのカロリーは、普通サイズのおはぎ1個あたりで約115キロカロリーです。あんこで作るおはぎの場合には、おはぎ1個あたりのカロリーは約180キロカロリーでしたので、やはりあんこのおはぎと比べるときなこのおはぎはカロリーが控えめということになります。
糖質量に関しても、きなこのおはぎは約22.6グラムで、あんこのおはぎの約35グラムと比べると低めです。食べ過ぎには注意ですが、ダイエット中にどうしてもおはぎを食べたいのであれば、あんこのおはぎよりもきなこのおはぎの方がおすすめといえます。
「きなこ」のおはぎは色んな効果がある
きなこのおはぎはあんこのおはぎと比べるとカロリーが控えめで、ダイエット中に食べるのであればきなこのおはぎの方がおすすめということがわかりました。
きなこには、他にもいろいろな美容効果や健康効果が期待できますので、ここからはきなこに期待できる効果についてもご紹介していきましょう。
イソフラボンが豊富
大豆イソフラボンは、化学構造が女性ホルモンの「エストロゲン」と似ているため、エストロゲンと似た働きをしてくれるといわれています。肌の調子を整えてくれるなど、女性の美容や健康に効果的です。
大さじ一杯のきなこには15ミリグラム程度の大豆イソフラボンが含まれていますから、きなこのおはぎを食べることで大豆イソフラボンの不足分を補えます。ただし、大豆イソフラボンの一日の摂取目安の上限値は70〜75ミリグラムとされていますので、摂り過ぎには注意しましょう。
便秘解消効果も
きなこには食物繊維も豊富に含まれていますので、便秘で悩んでいる方にもおすすめといわれています。食物繊維というと野菜を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、実は同じグラム数であればきなこの方が含有量が多いです。
食物繊維には、便の量を増やして排便を促進する「不溶性食物繊維」と善玉菌を増やして腸内環境を整える「水溶性食物繊維」の2種類があるのですが、その両方が含まれているのもきなこの特徴です。
妊婦さんにもおすすめ
大豆イソフラボンや食物繊維以外にも、タンパク質やビタミンB6、ビタミンB9(葉酸)、ビタミンE、カルシウム、鉄分など、健康や美容に良い栄養素がきなこにはいろいろと含まれています。
葉酸は妊娠初期の赤ちゃんの正常な成長のために必要不可欠な栄養素といわれていますが、葉酸の含有量に関しては豆類の中でもきなこがトップクラスです。そのため、きなこは妊婦さんにもおすすめの食材です。
ただし、大豆イソフラボンを過剰に摂取しすぎると、ホルモンバランスが崩れてしまい、赤ちゃんの成長にも悪影響となります。一度にたくさんのきなこを食べたり、大豆イソフラボンのサプリメントを併用したりするのはやめておきましょう。
「ごま」のおはぎのカロリー
次に、ごまのおはぎのカロリーを見ていきましょう。おはぎは地域によって様々な種類があり、あんこやきなこを使ったもの以外にごまを使ったおはぎもあります。
きなこのおはぎと同じく、ごまのおはぎもカロリーが低いイメージがありますが、ごまのおはぎのカロリーはどれくらいあるのでしょうか。
「ごま」のおはぎは「きなこ」よりも高カロリー
ごまで作るおはぎのカロリーは、普通サイズのおはぎ1個あたりで約120キロカロリーです。あんこで作るおはぎの場合には、おはぎ1個あたりのカロリーが約180キロカロリーですから、あんこのおはぎと比べるとごまのおはぎの方がカロリーが低いです。
では、ごまのおはぎのカロリーときなこのおはぎのカロリーと比べる場合はどうでしょうか。きなこで作るおはぎのカロリーは、おはぎ1個あたりで約115キロカロリーですから、きなこのおはぎと比べるとごまのおはぎの方がカロリーが高くなります。
ごまの主成分は約50パーセントが脂質で、約20パーセントがタンパク質なので、意外と高カロリーなのです。作り方によっても変わりますが、3種類のおはぎをカロリーが高い順に並べると、あんこのおはぎ、ごまのおはぎ、きなこのおはぎという順になります。
「ごま」のおはぎの効果
ここからは、ごまに期待できる効果についてご紹介していきます。きなこのおはぎには様々な効果が期待できることをご紹介しましたが、ごまのおはぎはどうなのでしょうか。
ごまの主成分は約50パーセントが脂質で、ごまは意外と高カロリーです。だからといって、ごまがダイエットに良くない食材なのかというと、それは違います。
悪玉コレステロールを排出する
ごまの脂質は、主にリノール酸とオレイン酸などの不飽和脂肪酸で構成されています。オレイン酸は、善玉コレステロールは減らさずに、動脈硬化の原因にもなる悪玉コレステロールだけを減らしてくれて、便秘予防の効果もあるといわれています。
また、適量のリノール酸は血中の悪玉コレステロールを溶かして、血流を改善する働きをしてくれるといわれています。リノール酸は体内で合成できないため、食品から摂取しなくてはいけない必須脂肪酸です。ごまを食べることで、便秘の予防や動脈硬化の予防が期待できるのです。
アンチエイジング効果
ごまの美容成分といえばセサミンが有名ですが、このセサミンをはじめ、セサミノールやセサモリンといった約10種類の抗酸化成分の総称を「ゴマリグナン」といいます。このゴマリグナンが、活性酸素の働きを抑制してくれて、アンチエイジングに効果があるといわれています。
ゴマリグナンは大豆イソフラボンと同じく、女性ホルモンのエストロゲンと似た働きをするともいわれていますので、女性ホルモンの分泌の乱れや減少に伴う様々なトラブルの改善にも効果的です。
ダイエットに効果的なおはぎの食べ方
おはぎの中でも特にあんこのおはぎはカロリーも糖質も高く、基本的にはダイエットには不向きな食べ物といえます。それでもやはり、甘くておいしいあんこのおはぎをダイエット中でも食べたいという方もいることでしょう。そんな方のために、ここからはダイエットに効果的なおはぎの食べ方をご紹介します。
ダイエット中に我慢しすぎてしまうと、モチベーションが下がったり、ダイエット終了後にドカ食いしてリバウンドしてしまったりする可能性もあります。ダイエット中であっても、食べ方に注意しながら上手におやつを食べることが、ダイエットを長続きさせるコツです。
デザートにおはぎを食べる
ダイエットに効果的なおはぎの食べ方、1つ目は食後のデザートにおはぎを食べるという食べ方です。前述しましたようにあんこのおはぎは糖質が多く含まれていますので、お腹が空いているときに食べると、血糖値が急激に上昇してしまいます。
おはぎを食べるときには、先に食物繊維やタンパク質を豊富に含む食べ物を食べてからデザートとしておはぎを食べるようにすると、血糖値の上昇を緩やかにすることができます。地域や家庭によってはおはぎを主食として食べることもありますが、主食として出された場合にも先に野菜などを食べてからおはぎを食べるようにしましょう。
トマトジュースを飲む
ダイエットに効果的なおはぎの食べ方、2つ目はトマトジュースを飲んでからおはぎを食べるという食べ方です。空腹時にどうしてもおはぎを食べたくなった場合には、先にトマトジュースを飲んでからおはぎを食べるようにすれば、血糖値の急激な上昇を抑えられます。
さらに、トマトジュースに多く含まれているリコピンには、強い抗酸化作用があるといわれていますので、美容効果や疲労回復効果なども見込めます。いつでも飲めるように、自宅にトマトジュースを常備しておきましょう。
ただし、冷たい飲み物で身体を冷やすと代謝が落ちて、痩せにくくなってしまいますので、ダイエット中にトマトジュースを飲むときには常温で飲むのがおすすめです。
つぶあんのおはぎを食べる
ダイエットに効果的なおはぎの食べ方、3つ目はこしあんではなくつぶあんのおはぎを食べるという食べ方です。つぶあんは小豆の粒の形を残したまま作るあんこのことで、こしあんは裏ごしして皮を取り除いて作るあんこのことです。
こしあんは皮を取り除いて作るため、皮に含まれる食物繊維も失われています。皮が残っているつぶあんなら、食物繊維も摂取できますので、ダイエット中にはつぶあんの方がおすすめです。腹持ちもこしあんよりつぶあんの方が良いです。
夕方以降はひかえる
ダイエットに効果的なおはぎの食べ方、4つ目はおはぎを食べるのは夕方以降はひかえるという食べ方です。同じものを食べても、朝や昼に食べるよりも夜に食べる方が太りやすいといわれています。ダイエット中におはぎを食べるとしても、夕方以降はやめておきましょう。
ただし、ダイエットのことを気にしすぎて、夕食に何も食べないというのはおすすめできません。ストレスが溜まったり、逆に太りやすくなったりする可能性がありますので注意しましょう。
緑茶を飲む
ダイエットに効果的なおはぎの食べ方、5つ目はおはぎを食べるときに一緒に緑茶を飲むという食べ方です。緑茶に多く含まれているカテキンは、食事と一緒に摂取することで、脂肪の吸収を抑えてくれるといわれています。
カテキン以外にも、ビタミンB群やビタミンCなど、女性に嬉しい栄養成分が緑茶には豊富に含まれています。ただし、緑茶には利尿作用があり、体を冷やす飲み物ともいわれていますので、飲み過ぎには注意です。
低カロリーのおはぎを食べたい時は
ダイエットに効果的なおはぎの食べ方として5通りの食べ方をご紹介しましたが、できるだけ低カロリーのおはぎを食べるというのも1つの方法です。
自分でおはぎを手作りすれば、もち米や砂糖の量を調節することができ、低カロリーのおはぎを食べることができます。
ミニおはぎを食べる
当たり前のことではありますが、小さなサイズのおはぎを作れば、1個あたりのおはぎのカロリーを減らすことができます。サイズを半分にすれば、カロリーも半分です。小さいからといって食べ過ぎないように、数を決めて食べましょう。
自分で作るのが面倒な場合には、スーパーなどで売られているミニサイズのおはぎを買うのもありです。その場合も、いっぺんに全部食べてしまわないように気を付けましょう。
白米や雑穀米を使って作る
白米や雑穀米を使っておはぎを作るのもおすすめです。炊飯後の白米のカロリーは100グラムで約168キロカロリーですが、炊飯後のもち米のカロリーは100グラムで約202キロカロリーもあります。そのため、もち米と白米を混ぜておはぎを作れば、カロリーを減らすことができるのです。
白米と雑穀米はカロリー自体はあまり変わりませんが、雑穀米の方が食物繊維が豊富に含まれていますので、雑穀米の方がダイエット中にはよりおすすめです。
あんこや砂糖を工夫する
おはぎに使うあんこを作るときには、砂糖をたくさん入れます。したがって、あんこに入れる砂糖の量を減らしてしまえば、おはぎのカロリーを簡単に減らすことができます。
砂糖のカロリーは大さじ1杯(9グラム)で、35キロカロリーです。つまり、大さじ1杯の砂糖を減らすだけで、おはぎのカロリーもそれだけ減らせるというわけです。他には、あんこの量を減らしたり、砂糖ではなくはちみつで代用するという方法もあります。
ヘルシー・低カロリーおはぎの作り方
どうしてもあんこのおはぎが食べたいというわけではないのなら、あんこの代わりに、かぼちゃやさつまいも、ずんだなどを使っておはぎを作るという方法もあります。
素材そのものが甘いので、砂糖の量を減らすことができ、ヘルシーで低カロリーなおはぎが作れます。もちろん、砂糖を全く入れなくてもOKです。
おはぎは高カロリーだが食べ方次第でダイエット効果もある
おはぎのカロリーや糖質、ダイエットに効果的なおはぎの食べ方などをご紹介しました。もち米と砂糖入りのあんこで作るおはぎは、どうしてもカロリーや糖質が高くなってしまいます。そのため、基本的にはダイエット中に食べるのはおすすめできない食べ物といえます。
しかしながら、食べ方を工夫することで、ダイエットに効果的な食べ方をすることも可能です。今回ご紹介した食べ方を参考に、食べ過ぎに注意しながらおはぎを楽しんで、無理なくダイエットを成功させましょう。