手取り50万円の年収
手取り50万円というと優雅な生活が送れそうなイメージですが、手取り50万円を貰っている人はどのような生活を送っているのでしょうか。手取り50万円の世帯や家族構成など細かく分析して手取り50万円の実態を紹介します。まずは手取り50万円の年収を紐解きます。
年収はおよそ800万円
手取り50万円のお話の前に手取りとは何なのか紹介します。手取りとは手元に実際に入ってくるお金です。税金や保険料など諸々が引かれた後の金額です。手取り50万円の年収はおよそ800万円になります。
年収は手取りと違い税金や保険料の諸々が引かれる前の金額になります。諸々が引かれた後の1年間で稼いだお金は手取り年収などと言われます。手取り50万円の手取り年収はおおよそ600万円になります。
内訳は年収800万円から社会保険料が約100万円、所得税と住民税を合わせて約154万円が引かれて、およそ600万円となります。600万円の中にはボーナスは含まれておらず、実際の年収額は更に高くなると予想されます。
年収600万円から700万円ある世代の割合
手取り50万円の生活に憧れますが、実際に年収600万円から700万円を貰っている人はどれくらいの割合でいるのか世代別で紹介します。
まず20代は2.2%、30代は9.3%、40代は12.5%、50代11.5%となっています。一番多い40代でも12.5%です。もちろん、年収が700万円以上の人もいますが、全世代を見ても年収が700万円までの人が7割ほどになり、高い年収を貰っている人の少なさが理解できるでしょう。
目標としてゆとりのある生活が送れる手取り50万円を設定することで現実味もあり、もう少しで届きそうという向上心を持てるでしょう。生活水準を上げるためにも収入は大切です。
手取り50万円の生活レベル
手取り50万円と言っても家族の有無により家の大きさが変わり家賃やローン額、生活費などが変わってきます。そこで手取り50万円を稼ぐ人はどのような生活を送っているのか、一人暮らしと夫婦で暮らしてる場合に分けて紹介します。
一人暮らしの場合
手取り50万円で一人暮らしの場合の家計の一例を紹介します。家賃は12万円で食費は6万円です。一人にしては食費が高く感じますが、一人暮らしだと自炊が面倒に感じ外食が多い傾向があるので6万円くらいの目安になります。
光熱費と通信費で2万円、衣類や日用品で5万円、趣味や交際費で5万円になります。習い事なども趣味に含まれるので5万円ほどになっています。そして貯金が10万円になります。
もちろん、趣味や交際費、食費など節約しようと思えばいくらでもできるので、あくまでも手取り50万円の一例となります。人によればもっと貯金している場合もあるでしょう。
夫婦で暮らしている場合
夫婦で暮らしてる場合の一例を紹介します。この場合は夫の手取りが50万円で妻は専業主婦であると想定した一例です。家賃は13万円で食費は8万円です。
2人暮らしなのに食費が一人暮らしと2万円しか変わらないのは、専業主婦である妻が基本的に自炊をしているので食費があまりかからない計算になっています。光熱費と通信費で5万円、趣味と交際費で3万5千円です。
交際費も一人暮らしよりも少ないのは妻の目もあり、趣味や交際費にあまりお金をつぎ込めないのが一つの原因となります。そして衣類、日用品で4万円となり貯金額は6万5千円となります。
手取り50万円の夫婦の場合を紹介しましたが、ここに子どもがいると貯金額も変わってきます。教育費や食費など少しずつですがお金が必要になり貯金額は3万5千円ほどになる可能性もあります。
子どもの習い事など通わせれば通わせるほどお金はかかりますし、子どもの人数が多くなるとそれだけ出費が多くなります。手取り50万円もあるのに全く貯金できないこともあるでしょう。
手取り50万円の貯金事情
手取り50万円の一人暮らしと夫婦の2人暮らしの場合のお金の使い方の一例を紹介しました。では実際、手取り50万円貰っている人がどれだけ貯蓄しているかを紹介します。貯蓄額なら手取り50万円の人より貯蓄出来ているかもしれません。自分と比較して見てみましょう。
世帯別の平均貯金額
手取り50万円で想定して、年収750万円から1000万円の一人暮らしの場合、貯金額は平均2311万円になっています。平均とはいえ、かなり高い額の貯金額になっています。そして2人以上の世帯の場合、同じく年収750万円から1000万円の貯蓄額の平均は813万円です。
一人暮らしの世帯と2人以上の世帯比べると3倍ほどの差があります。やはり子どもの教育費などがかさんでくるからだと考えられます。家族を持つということは良い事ですが、金銭的な負担が大きいことも分かります。
貯蓄額の平均
上では銀行などの金融機関に預けている預貯金の平均を紹介しましたが、続いては貯蓄額の平均を紹介します。貯蓄額とは株式や投資信託などの有価証券や積立型の生命保険などの貯蓄型保険も含まれた金額になります。
手取り50万円の平均貯蓄額は一人暮らしだと4538万円で2人以上の世帯は1747万円となります。中央値は一人暮らしだと2250万円、2人以上の世帯は1130万円となります。全世帯、全収入の貯蓄額が平均1000万円ほどなので手取り50万円の貯蓄額は高いことが分かります。
また中央値は有限個のデータを小さい順に並べたときの中央に位置する値なので、一人暮らしでは2000万円もの貯蓄をしている人が一番多いことになり全世帯全収入の倍ほどの貯蓄額であることが分かります。
手取り50万円の家賃目安
家賃は基本的に手取りの3分の1と言われています。もちろん、目安ですが手取り50万円の場合の3分の1なら16万円になりますが、16万円だとかなり高額です。実際はどれくらいの家賃が適正なのを詳しく説明していきます。
適正家賃は10万~12.5万
上では手取り50万円の3分の1なので16万円と紹介しましたが、ずばり手取り50万円なら家賃は10万円から12.5万円が適正価格となります。特に一人暮らしで賃貸が10万円なら、場所にもよりますが駅から近く1LDKで十分探せるでしょう。
更に2人以上の世帯なら家賃というよりローンの場合が多いでしょう。一軒家やマンションを購入して毎月のローンとして12.5万円ほどで組むと無理なく毎月返済できるでしょう。
手取り50万円の仕事内容
手取り50万円のことについて詳しく見てきましたが、実際はどのような仕事の人が手取り50万円も貰っているのでしょうか。手取り50万円も夢でない職業と仕事内容を紹介します。手取り50万円は欲しいという方は是非、転職も視野に入れてみましょう。
パイロット
パイロットの年収は航空会社の大きさにもよりますが平均的に1200万円ほどと言われています。しかし年齢が上がるごとに年収が上がる仕組みなのでパイロット全員が手取り50万円貰えるわけではありません。
20代前半では370万円ほどの年収です。しかし20代後半になると800万円ほどの年収になり手取り50万円に達します。同じ20代でこれだけ差がでるのは、20代前半では見習いである訓練士として働くことになります。
そこから副操縦士となり、ここで一気に収入が上がります。副操縦士になれば手取り50万円ほどは貰えるでしょう。そして40代前後になると機長になり、収入が上がります。機長になることで年収1400万円くらい貰えることになります。
50代からは身体能力が下がってくるため少し年収が下がります。しかし、それでも1200万円ほどは貰えるので手取り50万円は十分に超えてきます。
パイロットの収入を紹介しましたが、実際どうやってパイロットになれるかを説明します。まずパイロットになるためには資格が必要です。定期運送操縦士、事業用操縦士、自家用操縦士の3つの資格があり、この3つの資格を取らなければパイロットにはなれません。
この資格を取るには航空大学校や航空会社の養成カリキュラムなどで飛行経験を積み、国家試験を合格しなければなりません。パイロットの合格率は公開されていないものの、かなり狭き門であり資格を取るのはかなり難しいです。
医師
医者の平均年収は1200万円以上と言われています。医者には大学の勤務医や民間病院での勤務医など働き方は様々ですがどの働き方でも高収入を得ることができます。職業別年収ランキングではパイロットを抑え1位に輝いた仕事でもあります。
20代後半でも平均年収が750万円くらいです。既に手取り50万円に近く高収入を得られる仕事であることが分かります。30代では年収が1200万円を超えます。パイロットと違い医者は経験がものを言うので年齢と共に年収が上がります。
医者の場合、働く場所によって大きく年収が変わってきます。国立病院の場合、年収800万円ほどで国の機関なので給料が少なくなってしまいます。逆に開業医は年収3000万円ほどと言われ、病院の売り上げがそのまま年収になるので高い年収が期待できます。
しかし開業するときの初期投資はかなり高額になり最初は借金を背負う場合もあります。更に医者の仕事だけでなく経営のことも考えなければならず、看護師を雇ったりと多くの仕事を負担しなくてはいけません。
更に医者という仕事はパイロットと同様に誰でもなれる仕事ではありません。医者になるには大学の医学部または医大を卒業する必要があります。医学部や医大の学費はかなり高額で、更に受験に合格するには猛勉強しなくてはいけません。
医者の国家試験の合格率は90%以上なので大学の受験に無事合格し、真面目に大学で勉学に励めば基本的に医者になれます。医者という仕事は高い年収を得られますが責任も重く、なるまでにお金がかかる仕事でもあります。
自営業
自営業の平均年収は550万円ほどです。自営業と言ってもたくさんの業種があり業種により年収も変わってきます。また自営業で成功すれば高い年収が見込めますが、事業などが上手くいかなければ借金を抱えてしまうこともあります。業種にもよりますが、リスクの高い仕事とも言えます。
では自営業の業種のいくつかを紹介します。不動産の自営業の平均年収はおよそ360万円です。そして飲食店やカフェは平均年収がおよそ240万円、美容院はおよそ370万円から500万円となりどの業種も手取り50万円には届きません。
手取り50万円を見込める自営業は専門技術や教育業です。例えば大学教授や人気の塾講師などです。この2つの職業は最初から手取り50万円を貰っている仕事ではありません。大学教授になるまでには時間がかかりますし、誰でもなれる訳ではありません。
人気の塾講師も最初から人気がある訳でもなく、授業研究を積み重ねて塾講師として実績を積み人気がでなければ手取り50万円には届きません。大学教授も塾の講師も地道な努力と実績が認められて年収1000万円も夢でなくなる仕事でもあります。
自営業で年収1000万円貰える可能性がある仕事のもう一つは情報通信業です。つまりIT業種のSEというお仕事です。大手システム会社のSEでは月収300万円を超えてきます。技術職ですが手取り50万円以上を十分に見込める仕事です。
商社
まず商社とは輸出入貿易や国内の物資の販売を業務の中心とした仕事をしている会社です。商社と言っても小さい会社から大きい会社までたくさんあります。商社の上位10位の平均年収は1130万円ほどで手取り50万円に十分届きます。
また商社全体の平均年収も1000万円以上となっており、上位の商社でなくても、商社で働くことで手取り50万円は貰える可能性が大きいです。商社の年収が高い理由は海外など世界を相手に仕事をする職業であり、経営規模が極めて大きいからと考えられています。
それだけ大きい金額の取引きをするため責任が重く大変な仕事であることも分かります。20代前半ではおよそ年収600万円ほどですが20代後半からは800万円ほどになるので、30代になれば手取り50万円は確実でしょう。
ディーラー
ディーラーとは販売業者です。ディーラーと言ってもパソコンの販売代理店や為替などを金融市場で売買する人などたくさんの業種があります。今回は年収1000万円以上も夢でない一番良く知られているディーラーである特定のメーカーの車種を専属で販売するカ―ディーラーを紹介します。
カーディーラーは大きく分けて3つに分けられて、それぞれの平均年収は営業職、整備士共におよそ400万円で事務職が330万円です。どの職種も手取り50万円には届きません。
しかし営業職は歩合制の場合があり、自動車を売れば売るほど給料が上がるシステムになります。仕事で結果を出すことができれば、手取り50万円以上を見込めるでしょう。
手取り50万円は家賃を抑えることで貯金ができる!
基本的に家賃は手取りの3分の1なので手取り50万円では16万円になりますが、そこを10万円ほどに抑えることで上手に貯金することができます。手取り50万円の生活水準を理解した上で紹介した仕事を参考に就職活動や転職などに役立てて働くモチベーションを上げて下さい。