女性の全体的な平均年収の割合
女性の社会進出が進み、働く女性が増えてきています。結婚後も働き続け、出産した後も、産休や育児休暇をとりながら働く女性も増えています。そういった環境が整いつつある環境で、女性の平均年収はどれくらいなのでしょうか。
今回は、女性の平均年収について詳しくみていきましょう。女性の年収の平均や、女性の年収の中央値について徹底的にリサーチしています。女性の年齢別の年収分布や女性の年収が高い職業についても解説していきましょう。
女性の年収を上げている職業とはどんな職業なのでしょうか。このデータを読み解くことで今の日本の女性の置かれている立場が分かってきます。
どうしたら女性として年収を低くすることなく働くことができるのでしょうか。最後に、男性と女性とでは、どうして平均年収に差ができてしまうのか理由についてもご説明していきます。
女性の社会進出が進み、女性も働く人が増えています。そういった状況の中で女性の平均年収はどうなっているのか実態に迫っていきましょう。それでは、女性の全体的な平均年収からご説明していきます。
平均年収300万円以下が66%
民間給与実態統計調査調べによると、女性の平均年収は、221万円から354万円ということになります。女性の就業人数は、2842万人といわれているのです。この結果から女性の平均年収は300万円以下の女性の割合は66.0パーセントになります。
700万円という年収の女性は女性の中でたったの3.1パーセントに過ぎないということがお分かりいただけたことでしょう。女性が高額の年収を受け取るのは、かなり難しいという現状を目の当たりにすることができます。
最近では、女性の社会進出が進み、結婚をしても仕事を続ける女性も増えています。しかし、実際は30代の女性が仕事を辞めていく傾向にあります。中には、結婚しても仕事を続ける女性は少なくありません。
昭和の頃は働く女性は600万世帯だったのが、今では825万世帯になりました。女性が働く世帯は、明らかに増えています。それでは、女性の年収の中央値はどうなっているのかについても見ていきましょう。
女性の年収の中央値
それでは、女性の年収の中央値はどれくらいになっているのでしょう。男性と比べると女性の中央値は低くなることが分かりました。実際に中央値を見ていきましょう。
女性の年収の中央値を見ることで、どういったことが分かるのかについても解説していきます。女性の年収の中央値から見えてくるものとは一体なんなのでしょうか。
年収中央値は239万円
女性の年収の中央値は239万円となりました。男性のみの年収中央値が253万円に対して、女性は低くなるという結果となります。平均年収の中央値の乖離は11.8パーセントにもなります。これは、男性と比べて社会的な弱さを表していることになるのです。
男性は社会に出ていずれは、出世する人としない人がでてきます。これは、個人差が大きな要因になっているのです。その部分での乖離率は大きくなっています。一方女性は、非正規社員として働く人が多いにも関わらず乖離率は低くなっています。
会社員で働く女性もいるのに、個人間での年収に差が少ないことを表しています。このことは、男性に比べると女性は出世はもちろん昇給にも加味されていないということを分かります。
女性の年齢別の年収分布
それでは、女性の年齢別に年収の分布を見ていきましょう。年齢別に女性の年収の分布をみることで結婚や出産が女性にとってどれだけ多くの影響があるのかが分かります。女性の年齢別の年収分布から色々なことを読み取っていきましょう。
20代平均年収319万円
20代の年齢の女性の平均年収は319万円となりました。20代の年齢は男性と女性にそれほど大きな年収の分布があったわけではありません。しかし、20代の年齢の男性の平均年収は386万円になるのに対して、20代の年齢女性の平均年収は67万円低いことになります。
勤務年数が長いと年収も上がるのですが、就職した会社によっては、元々給料が少ないこともあるのです。現在は、男女の格差が見直されて、20代の年齢の年収は上昇している傾向があります。
30代平均年収382万円
30代女性の平均年収の分布は、382万円となります。男性の平均年収の分布は487万円となるのでなんと100万円もの差が出てしまっているのです。女性は働く場所や職種によって、年収に大きく変化があります。
30代で働き続ける人と結婚を機に退職する人が増えるのが30代の特徴です。この大きな差はこういった30代の働き方が影響していると考えられます。産休や育児休業などを使うことや、時短勤務に移行することで年収が減ることも要因の1つになっているのです。
30代平均年収413万円
40代の平均年収の分布は、413万円となりました。男性の平均年収の分布が583万円になるのに対して女性との差は200万円の差があります。40代では役職がつく人も増えてきます。20代から働いてきた人は、男性と同じくらいの年収を得ている人もいます。
しかし、20代から働いていたとしても女性の年収の伸びは低い傾向が。500万円以上の年収がある女性は、高給取りとしての部類に入るでしょう。子育てが一段落して職場に復帰するのも40代女性に多くなります。しかし、年収は減ってしまうのが現状です。
女性の年収が高い職業
それでは、女性の年収が高い職業をご紹介していきましょう。どういった職業に就いている女性が高い年収を得ているのでしょうか。具体的にどういった職業が、高い年収が女性にも見込めるのか探っていきましょう。
企画・管理職
女性の年収が高い職業として企画、管理職があります。企画、管理職の職業とは、会社の中で社員がスムーズに仕事ができるように、業務の管理、改善、育成、ルールの作成、経営理念の浸透といった職業のことをいいます。
会社内の商品企画をチームで割り振ったり、スケジュールの管理といった仕事もこの職業に当てはまる職業になります。管理職は会社の中で1割程度しかいなので高い年収を得ることができる職業となるのです。
例えば、内部監査の職業は、他の部署から独立した、業務や会計の状況を調査、分析を行う職業です。外部監査と連携をとりながら、情報の共有や会社内でも業務改善を行っていく職業のことをいいます。
また、会社内の問題の調査や改善に向けたアドバイスなども内部監査の仕事になります。また、知的財産、特許という職業も高い年収の女性に多い職業です。
知的財産、特許とは、社内で開発された商品が他の企業で販売されていることがないように特許申請を行う職業をいいます。特許庁への申請書類の作成や知的財産の管理を主に行っているのです。他社の特許侵害に備えて交渉なども行います。
専門職
専門職とは国家資格が必要な職業をいいます。平均年収が588万円で、男性は624万円、女性は、494万円が平均年収です。国家資格が必要でない仕事もありますが、専門知識が必要な仕事も専門職の中に含まれる職業です。
女性にも再就職がしやすい職業とともに、景気に左右されないという特徴があります。専門職として会計専門職があります。会計士や税理士といった資格が必要な職業です。会計事務所や税理士事務所に所属する働き方や、企業の会計課に配属されることがあります。
会社で必要となる人数がそこまで多くないので高い年収が可能になっているのです。また、弁護士も弁護士資格が必要な専門職となります。
弁護士は、弁護士事務所で働く他に、企業の法務部で働く場合もあります。高度な専門知識を必要として、男女共に高い年収の職業になっているのです。
技術職
技術職も女性の高い年収の職業でもあります。技術職の平均年収は456万円で男性の平均年収は、471万円で女性の平均年収は395万円になります。企業で商品開発やシステム開発をする職業を技術職といいます。
技術職になかには「メーカー技術職」と「IT・通信技術職」があります。技術職は、材料や技術を研究する仕事、実際の商品の開発の仕事、現場で製品をつくる仕事を細かく分かれているのが特徴です。
技術職の中に、製品企画があります。製品を企画する仕事をしていて、販売されている商品をさらに進化させるような研究をしています。
女性の方でなかなか自分の職業では年収をアップできる可能性がないのであれば、平均年収の高い職種に転職するという手段があります。転職しやすい職種としてサービス行や営業、接客業があります。実際に転職希望をする女性で人気なのは、事務職になっています。
その倍率は0.35倍になっていて3人に1人の割合しか採用されないのが現状です。狭き門になっていて、給料についても年収アップはそれほど見込めないでしょう。年収をアップしたのであれば、人材不足になっている営業職などの接客業をおすすめします。
感情を上手に使って成果をだすことが得意な方は、コミュニケーション能力を生かして即戦力として活躍できる可能性も十分あるからです。また、転職しないまでも年収を下げないコツとして、結婚出産育児を理由に仕事を辞めてしまうことはやめておきましょう。
人生に起こるライフイベントで仕事を辞めることが、ブランクで苦労しないためには避けたいことです。ペースダウンになってしまうことがあるでしょうが、職場でサポートしてもらいながら仕事を続ける環境も整いつつあります。
仕事を辞めてしまうことよりも、仕事を続けるにはどうしていけばいいのかを考えることも必要です。また、専門的なスキルを身につけておくことも大切です。資格や働くのに必要な専門知識を勉強して取得することも年収を下げない方法になります。
女性と男性の平均年収に差ができる理由
それでは、どうして女性と男性とでは、社会という同じ土俵で働いているのに、平均年収にここまで差ができてしまうのでしょうか。同じように仕事をしていたとしても、女性であることが年収を低くして男性であることが年収を高くしているのには、明らかな理由があるのです。
女性の非正規雇用が多い
男性と女性の平均年収の差が生まれる大きな理由として、女性の場合は、非正規雇用が多くなっていることが理由にあります。例えば、派遣社員とし働く30パーセントが事務職になっています。
そのほとんどが女性の非正規社員になっているのです。非正規雇用は、長く勤めていたとしても年功序列で給料があがることがありません。女性で正規雇用になっていたとしても、女性は、一般職や地域限定職の割合が多くなってしまい昇給に期待できない傾向があるのです。
最近では女性活躍推進法によって、男性と女性の総合職の採用と増やす企業が増えているのは事実です。実際には、結婚や出産といったライフステージに立った女性は、退職をする選択をしているのも事実。
産休育休を取得しても給与はダウンしています。復帰後のブランクによって昇進も遅れてしまっているのです。こういった要因から女性と男性の年収の差は縮まっていないのが現状になっています。
女性の平均年収は、職業によって傾向があって、若手の女性に人気のある職業は賃金が低いという特徴もあります。一般職を選んだら、将来的に管理職にはつながらないことも多く、サービス業になると生涯賃金も低くなってしまう傾向があるのです。
女性は30代という年齢で頭打ちになってしまうのです。女性は30代40代になってくると希望のッライフスタイルと必要な資金についてはっきりとしたビジョンが描きにくいことも影響をしています。
女性の場合、将来的に結婚をするのか、子供を産むのかで変わってくることもあります。仕事を続けるつもりで子供を産んだ女性であっても、実際に仕事と子育ての両立となると難しい場合もあるのです。
そこに介護ということも重なると、仕事とそういったことを天秤にかけなくてはいけなくなる状況もあります。女性は、なかなか自分1人で将来像を立てづらいという特徴があるためです。結婚相手に依存的な考えをしているとなかなか年収を伸ばすのは難しくなるのが現状になります。
女性の平均年収の低さは非正規雇用が影響している!
女性は、男性の平均年収と比較すると明らかに年収が低いという結果になりました。これは、女性の非正規雇用が大きく関係しているのです。そして、女性の平均年収が高い職業についてもご紹介しました。
平均年収が高い職業として「企画管理職」「専門職」「技術職」という職業が女性の年収の高い職業です。女性の平均年収は年齢が上がるにつれて男性との差が大きくなっていきます。これは、結婚、出産というライフステージの変化によるものも大きく影響しているのです。