「拝見」の意味とは?正しい使い方や敬語の例文や類義語をまとめて紹介!

「拝見」の意味とは?正しい使い方や敬語の例文や類義語をまとめて紹介!

「拝見」はビジネスシーンなどでよく使われる言葉ですが、その意味をしっかりと理解しておかないと、相手に対して失礼にあたることもあります。そこで「拝見」の意味を解説するとともに、正しい使い方や敬語の例文、類義語をまとめて紹介します。

記事の目次

  1. 1.「拝見」の意味
  2. 2.「拝見」の類義語
  3. 3.「拝見」と似ている言葉
  4. 4.目上の人への「拝見」の使い方
  5. 5.「拝見」を使用した例文
  6. 6.好印象を持たれる「拝見」の使い方例文
  7. 7.「拝見」の英語表現
  8. 8.「拝見」は見るの謙譲語として目下が使う言葉

「拝見」の意味

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「拝見」はビジネスシーンや日常生活の中でよく使われる言葉です。その意味は「見る」ことですが、単に「見ること」を表すだけではありません。つまり、「拝見」を用いる場合、本来の意味や使い方をマスターすることが大切になります。

さもないと、その意図が伝わらないばかりか、相手に対して大変失礼にあたることにもなりかねません。そこで、「拝見」の正しい意味や使い方、例文などを紹介します。

見るの謙譲語で目下の人が使う言葉

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「拝見」は「見る」の敬語表現です。敬語は「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」に分類されますが、「拝見」は謙譲語となります。

謙譲語は目下の人が使う言葉ですから、「拝見」は「見る」のへりくだった表現になるのです。したがって「拝見」を用いるのは、自分自身が「見る」場合に限られることをしっかりと理解しておきましょう。

ビジネスにおける意味とは

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「拝見」は日常生活の中でも使われますが、やや堅い表現になります。そのため使われる頻度が多いのは、ビジネスシーンだといえるでしょう。

なお「拝見」は謙譲語に分類されますから、ビジネスシーンにおいては上司や取引先など目上の人に対して使います。つまり、上司や取引先が作成したビジネス文書やメールを「見る」場合のへりくだった表現なのです。

したがって、基本的には自分自身が「見る」場合にしか使いません。稀に上司や取引先に対して「拝見してください」といった使い方をしている人がいますが、大変失礼にあたりますから注意しましょう。

見てもらう時は「ご覧になる」

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「拝見」は上司や取引先など目上の人に対して「見る」行為を伝える言葉です。つまり、目上の人が「見る」場合には用いません。目上の人に資料などを見てもらう際には敬語の「ご覧になる」を使います。

「ご覧になる」は敬語の種類では「尊敬語」です。つまり、目上の人の行動を表現する際に使われる言葉になります。

したがって、例文にすると「(資料などを)自分が見る」場合には「資料を拝見します」が正しい使い方です。これに対して「(資料などを)目上の人に見てもらう」場合には「資料をご覧ください」といった例文になります。

「拝見」のさまざまな意味

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「拝見」は「見る」の敬語表現であり、謙譲語に分類されますから、一般的には目下の人が使う言葉です。なお、基本的には自分が主体となって「見る」を意味しますが、単に「見る」だけでなく深い意味を含んでいます。

したがって、「拝見」を正しく使うには、この言葉に含まれる意味を正しく理解することが必須です。そこで、「拝見」に含まれるのさまざまな意味について解説します。

スキルを拝見したい

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料理などのスキルについて見せてほしい場合、「拝見」を用います。スキルは目で見えるものばかりではありませんが、「見る」のもつ「認識する」といった意味を用いた表現となります。

例文としては「料理の腕前を拝見したい」「あなたのドライブテクニックを拝見したい」などです。この時、相手のスキルに対して敬意を表していることから「見たい」よりも「拝見」を使うのがスマートです。

お姿を拝見しました

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目上の人の姿を見かけた場合、「拝見」を用います。「拝見」を使うのは、メールや文書だけだと思いがちですが、人や物を「見る」際にも用いることができます。

例文としては「元気そうなお姿を拝見して安心しました」「久しぶりに拝見しました」などです。「拝見」は謙譲語ですから、相手は目上の人であることが前提となります。

「拝見」の類義語

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「拝見」にはいくつかの類義語があります。類義語は「見る」という意味では「拝見」と同じですが、使い方やニュアンスは異なるものです。

したがって、「拝見」を類義語に置き換えると意味が通じなくなる場合もありますから注意しましょう。しかし、「拝見」の意味を深く理解し正しい使い方をマスターするには類義語を知っておくことが不可欠です。そこで、代表的な「拝見」の類義語を紹介します。

観覧

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「観覧」の読み方は「かんらん」です。その意味は「見物」「眺める」となりとなり「拝見」の類義語にあたります。なお「観覧する」は敬語(謙譲語)ではありませんから、敬語(謙譲語)として用いるには「観覧させていただきます」とします。

「観覧」は「見る」という意味で用いますが、「読む」という意味は含まれません。つまり、美術品や工芸品などの作品や展示物を見物する際によく使われる言葉です。この点が類義語でありながら「拝見」と大きく異なるので注意しましょう。

なお「観覧」の例文としては「絵画を観覧させていただきました。」「展示会を観覧させていただきありがとうございました。」となります。

閲覧

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「閲覧」の読み方は「えつらん」です。その意味は「(調べることを目的に)見る」となりとなり「拝見」の類義語にあたります。なお「閲覧する」は敬語(謙譲語)ではありませんから、敬語(謙譲語)とするには「閲覧させていただきます」とします。

「閲覧」は「見る」という意味で用いますが、「読む」「調べる」といった意味が強く含まれる言葉です。つまり、何かの目的をもって書物や資料を見る場合によく使われます。この点が類義語でありながら「拝見」と大きく異なるので注意しましょう。

なお「閲覧」例文としては「論文を閲覧させていただきました。」「御社の資料を閲覧させていただきありがとうございました。」となります。

拝観

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「拝観」の読み方は「はいかん」です。その意味は「神社・仏閣などを謹んで見る」となり「拝見」の類義語にあたります。なお「拝観する」は敬語(謙譲語)となりますから、二重敬語には注意しましょう。

「拝観」は「見る」という意味で用いますが、その対象が「神社」「仏閣」など歴史ある貴重な建物や宝物になります。この点が類義語でありながら「拝見」と大きく異なるので注意しましょう。

なお「拝観」の例文としては「昨日は、由緒ある神社を拝観しました。」「貴重な宝物を拝観できて光栄です。」となります。

見物

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「見物」の読み方は「けんぶつ」「みもの」です。その意味は「価値のあるものを見る」となり「拝見」の類義語にあたります。なお「見物する」は敬語(謙譲語)ではありませんから、敬語(謙譲語)とするには「見物させていただきます」しましょう。

「見物」は「見る」という意味で用いますが、その対象が「価値のあるもの」「おもしろいもの」となり、「見て楽しむ」といった意味になります。この点が類義語でありながら「拝見」と大きく異なるので注意が必要です。

なお「見物」の例文としては「昨日は、お芝居を見物して楽しい1日を過ごしました。」「次回公演をぜひ見物させてください。」となります。

観察

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「観察」の読み方は「かんさつ」です。その意味は「物事の状態を注意深く見る」となり「拝見」の類義語にあたります。なお「観察する」は敬語(謙譲語)ではありませんから、敬語(謙譲語)とするには「観察」させていただきます」としましょう。

「観察」は「見る」という意味で用いますが、その本質は「物事の状態や変化を客観的に見ること」となります。この点が類義語でありながら「拝見」と大きく異なるので注意しましょう。

なお「観察」の例文としては「昨日は、患者さんの状態を観察しました。」「夏休みは朝顔が咲くのを観察しましょう。」となります。

「拝見」と似ている言葉

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「拝見」に使われている漢字の「拝」には「おがむ」「うやまう」といった意味があります。つまり「拝見」と同様に「拝」が付く熟語は上司や取引先など「目上の人」に用いる言葉です。

そのため、実際にビジネスシーンや日常生活で用いる場合、使い方が混同してしまうことも少なくありません。そこで漢字の「拝」が付く、「拝見」と似ている言葉をいくつか紹介します。

拝聴の意味

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「拝聴」の読み方は「はいちょう」です。その意味は「聴く」となります。「拝聴」は「拝」が付くことで敬語(謙譲語)となり、上司や取引先など目上の人の話や講演を自分が聴く際に使う言葉です。

なお「拝聴」に使われている漢字の「聴」に似た意味の漢字に「聞」があり使い分けが必要です。「聴」は自分から「意識して聴くこと」を表します。一方の「聞」には「自然と聞こえてきた」ことを表す際に用いるので注意しましょう。

なお「拝聴」の例文としては「講演会を拝聴しました。」「先生の信念を拝聴できるとは夢にも思っていませんでした。」となります。

拝読の意味

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「拝読」の読み方は「はいどく」です。その意味は「読む」となります。「拝読」は「拝」が付くことで敬語(謙譲語)となりますから、上司や取引先など目上の人が作成した資料やメールなどを自分が読む際に使う言葉です。

「拝見」にも「拝読」と同様に目上の人が作成した資料やメールなどを「読む」といった意味が含まれています。ただし、「拝見」はそこに書かれている内容を「一読する」「確認する」といった意味を表す言葉です。

これに対して「拝読」は「じっくりと読み込んで内容を理解する」ことを表すので注意しましょう。したがって「拝読」を例文にすると「先生の論文を拝読しました」「先般作成いただいた資料を拝読させてください」となります。

拝受の意味

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「拝受」の読み方は「はいじゅ」です。その意味は「つつしんで受ける」となります。「拝受」は「拝」が付くことで敬語(謙譲語)となりますから、上司や取引先など目上の人からの依頼を自分が引き受ける際に使う言葉です。

なお「拝受」に使われている漢字の「受」は「受け入れる」「受け取る」を表します。つまり「拝受」は目上の人からの軽微な頼み事やクライアントからの重要な依頼まで、広義に用いられるのです。

したがって「拝受」を例文にすると「郵送いただいた資料が到着次第、拝受します。」「企画書は確かに拝受しました。」となります。

拝承の意味

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「拝承」の読み方は「はいしょう」です。その意味は「つつしんで聞く」となります。「拝承」は「拝」が付くことで敬語(謙譲語)となりますから、上司や取引先など目上の人からの話などを自分が聞く際に使う言葉です。

なお「拝承」に使われている漢字の「承」は「承ること」を表します。つまり「拝受」は目上の人やクライアントからの話を聞くとともに要望などを承ることを意味し、「承知」よりも堅い表現だといえるのです。

なお「拝承」を例文にすると「お申し込みの件は拝承いたしました。」「到着時間の変更を拝承いたしました。」となります。

拝借の意味

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「拝借」の読み方は「はいしゃく」です。その意味は「つつしんで借りる」となります。「拝借」は「拝」が付くことで敬語(謙譲語)となりますから、上司や取引先など目上の人から何かを自分が借りる際に使う言葉です。

なお「拝借」に使われている漢字の「借」は「借りる」を表します。なお、ここで「借りる」ものは目に見える「モノ」や「資料」だけではありません。目に見えない「知恵」や「データ」なども含まれるのです。

したがって「拝借」を例文にすると「先般の資料を拝借いたしました。」「ぜひとも、お知恵を拝借願えませんか。」となります。

目上の人への「拝見」の使い方

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「拝見」は「見る」の敬語の中でも謙譲語に分類されますから、上司や取引先など目上の人に使う言葉です。しかし、ただ単に文書やメールの中で使えば良いというものではありません。

とりわけ「拝見」の前後に使う言葉や文脈を誤ってしまうと、意味が通らない表現になることになってしまうのです。そこで目上の人への「拝見」の正しい使い方を解説します。

メールでも使用可能

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ビジネスシーンにおいてメールは必須のツールです。しかし、言葉使いを誤ると、相手に対して大変失礼な表現になります。そのため「拝見」をメールで使用すべきか迷ってしまう人も少なくありません。

結論からすると「拝見」はメールでも使用することは可能です。メールだからこそ使うべき言葉だともいえるでしょう。メールは互いの「顔」が見えない場面でのコミュニケーション手段となります。

それだけに、丁寧な言葉使いを心がけることはビジネスマナーの基本です。とりわけ上司や取引先など目上の人とメールのやりとりを行う際には、敬語(謙譲語)を正しく使い分けることで、相手からの信頼を得ることにもつながります。

相手が見る場合は尊敬語の「ご覧」

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「拝見」は敬語の中でも謙譲語に分類されますから、資料やメールなどを自分が見る場合に用いる言葉です。したがって、上司や取引先など目上の人に対して「この資料を拝見してください」とすると大変失礼になります。

この場合は「見る」の敬語の中でも尊敬語に分類される「ご覧」を使うと良いでしょう。「尊敬語」は目上の人の行動に対して用いることができる敬語です。

したがって「ご覧」を用いて例文にすると「私が作成した資料をご覧ください。」「メールをご覧ください」となります。

「拝見いたします」は二重敬語

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ビジネスメールなどの文面において「拝見いたします」といった表現をよく見かけます。これは「二重敬語」となり、周りくどくて読みにくいだけでなく、相手にも失礼にあたりますので注意しましょう。

二重敬語とは一つの単語に同じ種類の敬語を重ねてしまうことです。上記の例文だと、謙譲語である「拝見」に「する」の謙譲語である「いたす」が重なっています。

とりわけビジネスメールにおいては丁寧な表現とするために、「拝見いたします」と使いがちです。しかし丁寧な言葉使いであっても、間違った使い方だと敬語の意味をなさないことを忘れてはなりません。

「拝見させていただきます」も二重敬語

「拝見させていただきます」も「拝見いたします」と同様に、ビジネスメールなどでよく見かける使い方です。しかし謙譲語である「拝見」に、「させていただく」といった謙譲語が重なっており二重敬語となります。

したがって例文にすると「メールを拝見させていただきます。」ではなく「メールを拝見させてください。」が正しい使い方です。二重敬語はとても間違いやすい表現なので、その違いをしっかりと理解しておきましょう。

目下の人に「拝見」を使用する場合とは

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「拝見」は謙譲語ですから、基本的には目上の人に使う言葉です。ただし、ビジネスシーンでは、社外の人には役職に関係なく「拝見」を使うのがビジネスマナーだといえます。

また、目下の人であっても素晴らしい功績を残した人には、敬意を表する意味で「拝見」を使うと良いでしょう。さらに、結婚式や祝い事などにおいても、「拝見」を用いるととてもスマートです。

「拝見」を使用した例文

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「拝見」は目下の人が使う「見る」を意味する敬語(謙譲語)です。「見る」はビジネスシーンに関わらず日常生活において頻繁に使われるの言葉ですから、使い方に迷うことはありません。

しかし「拝見」をビジネスメールなどで用いようとすると、その使い方に迷ってしまうことも少なくありません。「拝見」の正しい使い方をマスターするには、様々な例文に触れることが不可欠なのです。そこで「拝見」を使用した基本的な例文について紹介します。

拝見します

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「拝見」を使った最も基本的な表現が「拝見します」となります。例文にすると「作成していただいた資料を拝見します。」「新しい作品を拝見します。」などです。この時「拝見」は「見る」「読む」「目を通す」といった意味を持っています。

なお、「拝見」の使い方で注意しなければならないのが「拝見いたします」「拝見させていただきます」といった二重敬語です。

「拝見します」の場合、「します」は同じ敬語でも尊敬語ですから二重敬語にはなりません。「します」とすると素っ気ない表現に感じる人もいます。

しかし、言葉は感覚で使うものではありません。あくまでも文法に沿って正しい使い方をすることこそ相手に対するマナーであることを忘れてはなりません。

拝見しました

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「拝見」に「します」の過去形である「しました」を用いることで、自分が過去に「見た」の行動を上司や取引先など目上の人にへりくだって伝える表現となります。

例文にすると「作成していただいた資料は、昨夜のうちに拝見しました」「新しい作品はすでに拝見しました」などです。もちろん、「拝見しました」でなく「見ました」でも意味は通じることでしょう。

しかし目上の人に対しては「拝見」を使うことで、相手に敬意を表することになりスマートな表現となります。とりわけ、ビジネスシーンでは言葉の使い方が相手の心証を大きく左右しますから、正しい使い方をマスターしましょう。

拝見したい

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「拝見したい」は上司や取引先など目上の人が作成した資料やメールを「これから見たい」場合に用います。つまり、目上の人に「見たい」という願望を伝える表現です。

例文としては「作成していただいた資料を拝見したいのですが可能でしょうか」「新しい作品を早く拝見したい」となります。

目上の人に願望を伝える表現であることから、「拝見させていただけませんか」としてしまいがちですが、これは重敬語です。文法的には「拝見」に助動詞である「たい」を付けることで二重敬語になるのを避けています。

好印象を持たれる「拝見」の使い方例文

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「拝見」を正しく使うポイントは「拝見」は謙譲語であることを意識し、二重敬語を避けることです。また、基本形は「拝見します」「拝見しました」「拝見したい」となりますから、これらを使い分けながら例文を作り上げると良いでしょう。

さらに「拝見」を上手に使うには、文脈や前後に入れる例文を工夫することが大切です。そこで、好印象を持たれる「拝見」の使い方を解説します。

メールを拝見しました

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上司や取引先など目上の人から送信されたメールを見た場合には、「メールを拝見しました」といった例文を使います。しかし、これだけでは非常に素っ気ない文章です。

例えば取引先からのメールに対し「メールを拝見しました。」だけだと、取引先は「メールを見てどうだったの?」となります。そこで、後に続く文章に拝見したものに対する感想を入れることで、その印象は大きく変わるのです。

例文としては「弊社の企画をご理解いただき大変恐縮です。」と加えると、取引先は「メールの内容をしっかり見てもらえた」となります。つまり、こういったやりとりを続けることで先方との信頼関係は強固なものとなるのです。

企画書を拝見しました

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取引先とのやりとりでは、相手が自分よりも役職が下位にあっても「拝見」を使いましょう。例えば、ビジネスシーンでよくある「企画書」を介したやりとりでは、企画書を提出する側の方が立場は弱いとされています。

したがって、取引先の企画書を見る際には「拝見」を使う必要はありません。しかし、あえて「企画書を拝見しました。」とすると、相手側は決して悪い気はしません。むしろ好感をもたれることでしょう。

そうすれば、企画書に修正などを依頼する場合もスムーズに「そこで、何点か修正をお願いしたいのですが」といった例文で続けることができます。また、相手側も「頑張って要望に応えよう」と思うものです。

社長の描かれた絵を拝見しました

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プライベートな場面であっても「拝見」を用いることで円滑な人間関係を築くことができます。最近では役職はあくまでも仕事をする上での地位であって、プライベートは別だとする風潮が強くなっています。

もちろん、間違いではありませんが、少し丁寧な言葉を使うだけで相手の印象は大きく変わります。例えば、社長の趣味が絵画であった場合、「見ました」では素っ気ないと感じられるでしょう。

しかし「社長の描かれた絵を拝見しました」とすると、とても丁寧で尊敬の念が含まれた表現になり、相手からも好感をもたれることでしょう。こうした言葉使いの工夫こそ大人のマナーだといえるのです。

◯◯さんの晴れ舞台を拝見できず残念

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冠婚葬祭の場面では、相手が職場の部下や学生時代の後輩など目下の人であっても「拝見」を使いましょう。例えば、結婚式や成人式といった、当人にとって一世一代の晴れの舞台に参加できなかった場合、祝電やレタックスを送るのがマナーです。

この時「〇〇さんの晴れ舞台が見られなくて残念でした」としても十分に意味は伝わります。しかし、これだけでは「残念な気持ち」が十分に伝わりません。

そこで「拝見」を用いて、「〇〇さんの晴れ舞台が拝見できなくて残念でした」とすると、とても丁寧な表現となり、本当に残念だという想いが伝わります。冠婚葬祭の場面では、ビジネスシーンと同じく正しく丁寧な言葉使いに徹することが大切です。

私もその資料を拝見してもよろしいでしょうか?

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ビジネスシーンでは丁寧な言葉使いを心がけることがマナーですが、職場によってはカジュアルな雰囲気が好まれる場合もあります。しかし、上司や取引先など目上の人に資料などを見せてもらう場合には「拝見」を用いましょう。

もちろん「私にそも資料を見せてください」としても起こり出す上司はいないでしょう。しかし、日頃からこういった言葉使いをしていると、取引先など社外との応対時に失敗することも考えられます。

また、後輩がこのやりとりを見ていることも忘れてはなりません。親しき仲にも礼儀ありの言葉どおり、上司に対しては「私もその資料を拝見してもよろしいでしょうか?」としましょう。

釣りの腕前を拝見したい

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「拝見」の対象となるのは「目に見えるモノ」だけではありません。相手の技術や優れた点も「拝見」の対象となります。もちろん「拝見」は技術や優れた点を持つ人は尊敬に値しますから「見る」ではなく「拝見」を使いましょう。

なお例文としては「あなたの釣りの腕前を拝見したい。」のほかに「名工の家具作りを拝見したい。」などとなります。

お姿を拝見できて光栄です

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「拝見」には「会う」「見かける」といった意味もあります。この時、「会う」「見かける」対象となるのは上司や取引先など目上の人です。「見かける」を使うよりも「拝見」を用いた方が、見かけた人に対する尊敬の念が伝わりやすくなります。

なお例文としては「会長のお姿を拝見できて光栄です。」のほかに「先生を街で拝見しましたが、声はかけられませんでした」などとなるのです。

「拝見」の英語表現

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ビジネスシーンだけでなく、日本を訪れる外国人観光客も増加傾向です。つまり、今後ますます外国人と接する機会が増えることが予想されます。

こういった状況の中、日本人も「見る」「話す」「聞く」など最低限にセンテンスは英語で話せるようになっておきたいものです。そこで、「拝見」の英語表記について紹介します。

「見る」を意味する表現

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英語と日本語の大きな違いの一つとして、英語には敬語表現がないことがあげられます。つまり謙譲語である「拝見」は英語に直訳できないのです。したがって、類義語である「見る」を英語に訳すことになります。

「見る」を英語に訳すと「take a look at」が一般的です。したがって、「資料を早速拝見しました」を例文とすると「I just took a look at the document」となります。

「拝見」は見るの謙譲語として目下が使う言葉

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「拝見」は「見る」の敬語表現の中でも謙譲語に分類され、目下の人が使う言葉です。つまり、自分自身が「見る」行動を起こした場合にしか使えません。その意味は「書類やメールなどを見る」のほかに「人の姿を見る」がありますから、類義語とはしっかりと区別しましょう。

なお「拝見」を使う際は二重敬語に注意しなければなりません。とりわけビジネスシーンではより丁寧な表現とするため「拝見させてください」「拝見させていただきます」といった例文を見かけます。これらは全て二重敬語にあたりますから注意しましょう。

また「拝見」は謙譲語ですから、気本的には目上の人に対して使います。しかしビジネスシーンなどでは、取引先など社外の人に対しては役職に関係なく「拝見」を使うことで好感を得ることができます。

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ライター

nuutarow

「人にやさしく」「前向きに生きる」を信条に笑顔で日々を過ごしているフリーライター、ビジネスブロガーのnuutarowです。得意分野はビジネス、ライフスタイル、恋愛、エンタメなど、これまで多くの人々と接してきた経験を活かして執筆しています。趣味は音楽制作、ランニング、読書です。みなさんの心に残る記事をお届けします。

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