25歳の平均年収と中央値
25歳、高卒で働き始めると社会人7年目、大卒で働き始めると社会人3年目です。20代も半ばに差し掛かり、仕事にも慣れてきた頃だと思います。がむしゃらに働いていた時期は過ぎ、自分の収入と貯金・今後の働き方について考え始める人も多いのではないでしょうか。
貯金をするにしても、転職をするにしても、気になるのは自分の収入が平均年収と比べて多いのか少ないのかだと思います。今回は25歳の平均年収と中央値を男性・女性別、職種別でご紹介していきます。手取りの収入と貯金額についても記載していきますので、是非参考にしてみてください。
また、平均値は「個々のデータを全て足し、そのデータの数で割った値」中央値は「個々のデータを昇順(または降順)で並べた際に真ん中になる値」のことです。違いに注意してください。
25歳の男性の平均年収
大手転職サイトによると、25歳男性の平均年収は「360万円」という結果が出ています。25歳全体の平均年収は「344万円」なので、全体の平均年収と比較すると少し上回っています。
また、政府が公的に発表している資料に、国税庁が発表した「平成30年分民間給与実態統計調査」があります。これにによると、20〜24歳男性の平均年収は「284万円」25〜29歳男性の平均年収は「404万円」となっています。
転職サイトでは正社員を対象とし、政府の調査では非正規雇用を含むので若干の違いが出ています。25歳に限定したデータではないので断定はできませんが、以上のデータから25歳男性の平均年収はおよそ「300〜350万円」程度だと判断できます。
25歳の男性の年収の中央値
一方、25歳男性の年収中央値は様々な調査をみると、中央値と平均値の乖離はおよそ「4%」となっています。このことから、25歳男性の平均収入を「350万円」とすると中央値は「336万円」となります。
平均年収は高収入のトップ層に数値が引き上げられているので、中央値はより現実的で実態に近い数値になっているのではないでしょうか。
25歳の女性の平均年収
続いて、25歳女性の平均収入についてです。大手転職サイトを参考にすると、25歳女性の平均年収は「325万円」となっています。25歳全体の平均年収は「344万円」なので全体平均と比較すると若干下回っています。
また、「平成30年分民間給与実態統計調査」によると、20〜24歳女性の平均年収は「249万円」25〜29歳女性の平均年収は「326万円」となっています。以上のデータから、25歳女性の平均年収はおよそ「270〜320万円」程度だと判断できます。
25〜29歳男性の平均年収「404万円」と比較すると、25〜29歳女性の平均年収は大幅に下回っています。このことから、25歳以降男性と女性の平均年収に大きく差がつくことがわかります。
25歳の女性の年収の中央値
25歳女性の年収中央値は男性同様平均値との乖離を「4%」と仮定すると、平均年収「320万円」に対して中央値は「307万円」となります。
こちらも、25歳男性の年収中央値と比較すると20万円ほど少ないことがわかります。25歳以降、男性と女性で年収の格差が大きく開いていくことがデータから読み取ることができます。
25歳の平均年収と職種の関係
ここまでは25歳の男女別平均年収について説明してきました。ですが、年収はどのような規模の企業に勤めているかによっても変化してきます。
具体的にどのくらい年収に差が出るのか、知らない方も多いのではないでしょうか。ここからは、企業規模別の平均年収について説明していきます。
大企業の平均年収
大企業に勤めている25歳の平均年収はおおよそ「350万円」だと言われています。これは先ほどご説明した25歳男性の平均収入の上限です。このことから、大企業に勤めている25歳男性の収入が「350万円」ほどだということが予想できます。
また、大企業は具体的な定義がなされていません。中小企業は「中小企業基本法」というもので定義されているので、その定義以上の企業が大企業だということがわかります。
業種によっても定期が変化するのですが、官庁が行う調査では「資本金3億円超の事業者」を大企業としている場合もあります。明確な定義はありませんが、おおよそ「資本金が3億円以上」が目安と考えて差し支えないのではないでしょうか。
中企業の平均年収
中企業に勤めている25歳の平均年収はおよそ「315万円」と言われています。この数値に一番近いのは25歳女性の平均年収です。よって中企業に勤めている25歳女性の平均収入がおよそ「315万円」なのではないかという予想ができます。
厚生労働省の調査では、大企業と中企業の賃金格差を、大企業を「100%」とした場合に中企業「約90%」で表しています。
つまり、上記のことから「350万円×0.9=315万円」となります。大企業と中企業を比較した際のの平均年収格差は35万円です。
小企業の平均年収
小企業に勤めている25歳の平均年収はおよそ「300万円」と言われています。この数値に一番近いのは25歳女性の年収中央値です。よって一般的な25歳女性の平均収入がおよそ「300万円」なのではないかという予想ができます。
厚生労働省の調査では、大企業と小企業の賃金格差を、大企業を「100%」とした場合に中企業「約86%」で表しています。
つまり、上記のことから「350万円×0.86=300万円」となります。大企業と小企業を比較した際のの平均年収格差は50万円です。
公務員の平均年収
25歳公務員の平均年収はおよそ「300〜350万円」と言われています。公務員と言っても種類が様々あり、地方公務員Ⅲ類(初級)、地方公務員Ⅱ類(中級)、地方公務員Ⅰ類(上級)、消防官や警察官というように分かれています。
大卒区分の公務員(県庁や政令指定都市)の地方公務員であれば平均年収は350万円程度、高卒区分の公務員(町役場など)の地方公務員であれば平均年収は300万円程度となります。
また、消防官や警察官といった公安職公務員になると、年収はさらに高く400万円近くなることもあるようです。
25歳の平均年収と手取りの関係
25歳の平均年収については概ね理解できたかと思いますが、この年収額を全て手元にもらえるわけではありません。様々な税金や社会保険料などが天引きされて自分の手元に「手取りの収入」として振り込まれます。
ここからは「年収」と「手取りの収入」の関係。おおよその計算の仕方、天引きされる税金について説明していきます。自分の年収からいったい何が引かれているのか、しっかりと理解しておきましょう。
手取りの平均は240万円程度
ここでは25歳の平均年収を「300万円」と仮定します。そう仮定した場合、25歳の手取りの平均は「240万円」になります。
手取りの収入は基本的に額面の金額から「所得税、住民税など税金」と「社会保険料」を差し引いたもので、自治体によって多少差はありますが額面金額の80%程度が手取りの収入となります。
つまり、300万円×0.8=240万円となっています。扶養の有無、ボーナスの回数によっても税金の金額は変化するので一律ではありません。
税金などの平均
では、額面の収入から引かれる「税金」「社会保険料」はいったい具体的にいくらぐらいなのか気になる方も多いと思います。ここではざっくりと「所得税」「住民税」「社会保険料」がいくらになるのかお伝えしていきます。年収額は「360万円」を上限としています。
まず、社会保険料は地域差はありますがおよそ「額面収入の15%」となっています。額面収入を300万円とすると、社会保険料は「45万円」です。
税金についてですが、所得税・住民税共に「課税所得」を算出しそれを元に税金額を計算します。所得税は「約5.5万円」住民税は「約12万円」です。以上を額面の収入から引くと、約80%となっていることがわかるかと思います。
25歳の平均年収と貯金額の関係
25歳の平均年収と共に気になるのが、同年代の貯金額なのではないでしょうか。同じ25歳の人たちはいったいいくら貯金しているのか、自分との差はどれくらいあるのか、確認してみましょう。
貯金額の平均は100万円
25歳の平均貯金額は「約100万円」と言われています。ですが、中央値になると「約30万円」と大きく下がります。平均貯金額の場合トップ層の貯金額に大きく引き上げられる形になるので、中央値の方がより実態に近いのではないでしょうか。
20代のうちは、貯め込むよりも自己投資など「今しかできない使い方」をすることが大切かもしれません。また、30代になると収入の額も大きく増えるので貯蓄に回せる額も増えます。なので、貯蓄額の少なさを心配する必要はさほどないのではないかと思います。
25歳の平均年収と生活レベルの関係
25歳の平均年収を元にして、どのくらいの生活水準で生活することができるのかシミュレーションしてみました。年収300万円として計算しています。ご自身のライフスタイルと比較して、参考にしてください。
一人暮らしの生活レベル
年収300万円の場合、手取り収入は約240万円になります。これを12ヶ月で割った20万円を生活費の上限としました。25歳・一人暮らしでのシミュレーションです。
住居費5万円、食費2万円、日用品費0.5万円、水道光熱費1.5万円、通信費1万円、交際費2万円、被服費1万円、趣味娯楽費1万円を最低限の支出とすると、合計14万円です。
残りは6万円となり、一般的に推奨されている貯蓄割合「手取りの20%」の5万円を貯蓄したとしても1万円余る計算になります。節約することでさらに余剰を増やすこともできます。ご自身のライフスタイルに合わせた使い方をしてみてください。
結婚に必要とされる最低年収
結婚に必要とされる最低年収は、具体的にいくらとは決まっていません。ですが、ある調査では女性が結婚相手の男性に対して求める年収は「400万円」という結果も出ています。
先ほどシミュレーションした年収300万円の場合、一人暮らしには十分だったかもしれませんが結婚し、様々なライフステージを考えた場合には少々不安の残る金額です。
結婚を考えている場合には、パートナーとよく話し合ってお金についての価値観をすり合わせておくと良いかもしれません。
25歳の平均年収は職業や性別で違う
いかがでしたか?この記事では25歳の平均年収について説明をしてきました。ご自身の年収やライフスタイルと比較して、是非、今後のキャリアや人生設計の参考にしてみてください。